プログラマーがファンタジー世界に召還されますた(非公式まとめ)

KAERU02

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pfantasy

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ジリリリ!!!
火災報知器の様な目覚し時計の音が部屋中に木霊する。
ボクは起きる時は、目覚ましが要らない位早くに起きるが、目覚めが悪いときは、とことん悪いので、これ位五月蝿い目覚ましでないと、一発で起きる事が出来ないのだ。
『うわわ!?』
咄嗟に手を伸ばし目覚し時計を叩く。
そのまま抱え込み、後ろのスイッチを切りに合わせる。
『うひぇ!?こんな時間か!!』
時間は既に八時四十五分。
僕の会社はココから四十五分かかり、定時は九時半からになっている。
つまりギリギリ一杯という事だ。
元々、安全装置的なこの目覚ましは危機的な時間に合わせてある。
いろいろ問題は有ると思うが、可能な限り長い時間寝たいのだ。
まぁ、ソレはおいておいて、直ぐに支度する。
定期、携帯電話、財布、鍵・・・。
ササッと何時も通りにポケットにしまうと、直ちに玄関に向かう。
扉を開けると、見慣れた白い壁・・・といっても、そろそろ汚れが目立つ。
何時も見慣れているので何も気にせずにターンして、扉の閉め、鍵を掛ける。
そして再びターンすると・・・。
何故か茶色の壁。
『あれ?』
咄嗟に左右を見ると、壁と思ったソレは、巨大な木だった。
『何でやねん』
思わず誰とも無しに突っ込む。
とりあえず、目を瞑り、目頭を押さえる。
しばらくそのままで止まり、再び目の前を見やる。
やはり巨木だ。
また目を瞑る。
今度は目のマッサージだ。
モミモミ・・・・。
そして再び見やる。

やはり巨木。
『うーん・・・夢か。』
目の前に突然現れる巨木。
そんなことは絶対に有り得ないので、これは夢だと判断する。
『夢ならば、まだ会社に行かなくて良いや・・・眠いし布団に入ろうっと。』
再びターンし、今まで鍵穴の有った所に鍵を捻じ込む・・・が、そこにあったのは、巨大な肉の塊。
ドスッっと、鈍い感覚が手に伝わる。
と同時に、『ぎゃぅぅぅ!?』と、聞いたこともない様な声が辺りに響き渡る。
『へぇぇ!?』
咄嗟に変な声と共に、飛び跳ねる。
目の前に居るその肉隗は、余裕で三メートルを超える高さ、そして異様に硬い肉。
上に視線をやると、大きな一つ目・・・頭に角が生えている。
そして、その一つ目が、確実にこちらを睨んでいる。
『あわわやや・・・。』
幾ら夢であると思っても、目の前にそんな魔物が居るのでは、腰も抜かす。
そのままその場に座り込んでしまう。
と、その魔物が立ち上がる。
今まで見ていたのは背中だったらしく、全容が見え出す。
五メートルを超える長身に、異様に発達した筋肉だ。
魔物は近くに転がっていた棍棒を持ち上げる。
軽々と持ち上げるが、どう見ても100キロは超えているだろう。
『オイオイ・・・夢でも勘弁してくれよ。』
人間、死を目の前にすると、笑うものなのだろうか。
口の端から何故か笑みがこぼれる。
魔物が棍棒を振り上げる。
ダメだ・・・!と諦め掛けた瞬間何かが飛んできた。
「ヒュン!!   トスッ!!」
魔物の振り上げた右腕に矢が刺さっていた。
いや、貫通して矢先が反対側に突き抜けている。
『ギャワワァァーーー!』

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