プログラマーがファンタジー世界に召還されますた(非公式まとめ)

KAERU07

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pfantasy

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暫くその状態が続き、最初に口を開いたのはやはりマコトだった。
『話が大分逸れたが、言いたかったことは、お前がファイヤーウォールという高度魔法を、補助道具なしで発動させた事が問題なんだ。』
視線を注ぎながら言った。
『魔法保持水晶も、魔法展開水晶も、あまつさえ魔力補助水晶も、魔力増強水晶も持っていないお前が何でそんな高等なことが出来る。 魔族にだってそんな高度なことが出来るのは一握りだし、人間に至ってはもっと少ない。 お前は一体何者なんだ!』
マコトが続けて言葉を荒げ、席を立ち言う。
『いや、何者なんだって言われても・・・。』
返す言葉が見当たらない。
『止めなさい、マコト。 何度も言うけれど、追い詰めてもちゃんとした答えは返ってこないわよ。』
マサキが口を開く。
『そうだな、すまなかった。』
再び席に座り、スプーンを手に取り言った。
『まぁ、何にせよヴィシーの魔術組合の組合長に一回相談したほうが良いんじゃない?』
マサキが続ける。
『うん、そうしよう。 このままココに居ても埒があかん。』
マコトがそう納得し、残ったスープを一気にかきこんだ。
ボクは最後にもう一つ気になったことを聞いてみる。
『そういえば、ボク、そのファイヤーウォールっていう魔法を唱えた後どうなったの? あの氷の魔法の直撃を受けたの?』
ヒイラギがソレに答える。
『そういえば、お前はあの魔法を使った後直ぐに倒れたんだっけか。』
ヒイラギも同様にスープをかきこんだ後、答えた。
『お前はあの魔法、ファイヤーウォールに守られて凍りの魔法の直撃は確かに避けた。 だが、お前はファイヤーウォールの発動で気を失っていたらしくてな、魔法の効果が切れた後その場にそのまま倒れていたんだ。』
『まさか、その場に其のままにしておく訳にもいかんから、とりあえず森の外れの小屋まで背負ってきて、隣の部屋に寝かしておいたと。』
『もっとも、晩飯が出来上がった頃に起きだしてくる様じゃ、大丈夫だろうけれど。』
ヒイラギが笑い、ソレにつられるように皆が笑う。
『まぁ、寝てた時間は4,5時間ってとこだ。 今から寝ても寝られないだろうけれど、明日は早朝に出発するから、一応ちゃんと寝ておけよ。』
そういいながら、ボクに立つように促す。

『お前はそのまま、さっきの部屋を使え。 俺等はこっちとこっちで寝るから。』
そういいながら指差す。
ちょうどボクの部屋の両隣になっている。
そして、ボクはマコトに背を押されながら部屋に入れられた。
『後の片付けは任せたぞー。』
後ろ手で扉を閉められると、マコトが広間に戻り言う。
『たまには自分でやれよなー。』
『まぁまぁ、そう言いなさんなって。 んじゃ、俺等は早めに寝るわ。 おやすみー。』
ヨモギの不満の声を押さえ、そのまま隣の部屋に入る音がする。
『はいはい、おやすみね。』
『おやすみ。』
マサキとヨモギの声が最後に聞こえる。
どうやら居間で片付けをするようだ。
さすがにこのまま寝ようにも、眠気がサッパリ無いので、とりあえず居間の片づけを手伝うことにする。
扉に手を掛け、開ける。
「ゴン!!」
開けたつもりだったが、扉が予想以上に重い。
結局開かなかった扉に頭を勢いよくぶつけてしまった。
『なにやってるの?』
扉が開かれ、その向こうからヨモギの声が聞こえる。
頭を押さえ蹲っているとそう声が掛けられる。
『ああ、この扉は開けるのにコツと力が要るのよ。』
(なるほど、コツと力ね。)
そう思いつつ、額を抑えながら立ち上がる。
『いや、ちょっと手伝おうかと思ったんだけれど。』
『大丈夫よ、慣れてるしね。』
そうヨモギに制される。
『そうそう、そういえば額に乗せてあった布が無かった?』
ヨモギが部屋に入ってきてベットの付近を捜索する。
『あったあった。 ちょっと待ってなさい、濡らしてきてあげるから。』
直ぐに湿った布を見つけ部屋を出て行く。

少しの間そのまま待っていると、戻ってきた。
『コレを額に乗せて置きなさい。 痛みが少しは和らぐわ。』
そう言いながら半分笑っている。
『うん、ありがとう。』
『それじゃ、おやすみなさいね。』
『おやすみなさい。』
ヨモギとそう挨拶をすると扉が閉められた。
「ゴトン」
なるほど、確かに重そうな音がしている。
そのまま扉と反対方向にある窓に向かう。
周りは草原らしい。
結構見渡しがいい事から、おそらく丘の上に有るのだろう。
少し離れたところに森が見えた。
(なんでこんなところに居るんだろう。)
そう思いつつも、普段のつまらない日常から開放されて、面白そうとも思いつつある。
(まぁ、逃げ出しても、さっきみたいな魔物に遭遇して死んじゃうのがオチだろうからなぁ。)
(このまま、彼らに付いて行って、ヴィシーの魔術組合とやらに行ってみよう。 元の世界戻る方法も見つかるかもしれないし。)
そのままベットに潜り込み、額に湿っていて冷たい布を乗せ、目を瞑る。
硬くて眠り難いけれど大丈夫だろう。
そのまま眠りに落ちた・・・。

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