プログラマーがファンタジー世界に召還されますた(非公式まとめ)

KAERU13

最終更新:

pfantasy

- view
だれでも歓迎! 編集

「バァァァン!」
突然ガラスが盛大に割れる音が響き渡る。
目が覚めたものの、ボクは布団に深く潜り込んでいたので、周りが見えない。
次の瞬間、強烈な閃光が部屋を包む。
掛け布団の中からも、その明るさが良く判る。
閃光が止むと、掛け布団が剥がされる。
目の前にあったのは、ヒイラギの背中。
後ろ手で布団を投げ飛ばしている。
ヒイラギの背中越しには、部屋の反対側に居るマコトが見えた。
と、今度は部屋の扉が勢い良く開く。
その先に見えるのは、矢を構えたヨモギ。
弓を引き、何時でも打てる状態だ。
その手には、更に二本の矢が持たれていて、次撃も直ぐ出来る状態だ。
そしてヨモギの前には、抜刀し姿勢を低くしているマサキが居る。
部屋の中に何時でも突入してくることの出来る体勢だ。
だが、各々周りを見るだけで何もしない。
『なんだ、何も居ないじゃん。』
一番先に口を開いたのはヨモギだった。
そのまま、全員が戦闘態勢を解く。
マコトは魔法詠唱をキャンセルし、ヒイラギは構えを解き、ヨモギは矢を下ろした。
マサキは扉の影に消える。
まもなく戻ってくると、鞘に剣を納めていた。
マコトが懐からムーンストーン(だったっけ?)を取り出すと、両手で包み念を込める動作をする。
すると、小屋で発光していたように光りだす。
そうすると、月明かりに照らされない影の部分も明かりが届く。
そして、そこに居たのは一羽の大型の鳥だった。

『ハヤブサ!』
マコトが叫ぶ。
『なんで戻ってきたんだ!?』
そう、話し掛けるように言い、その鳥に近づく。
だが、その鳥は明らかにおかしな体勢だ。
横たわっていると言うのが正しい言い方だろう。
『まずい、結構酷い怪我を負っているぞ。』
そうマコトが言うと、ヨモギが駆け寄ってくる。
『リカバリをやってみるわ。』
そう言いながらマコトからムーンストーンを奪い取り、押しのける。
『あっと、その前にコレを。』
そう言いながら、鳥の足から何かを取り外してマコトに渡す。
そして、そのまま首から掛けた水晶をかざし、目を瞑り始めた。
鳥の体が発光を始める。
魔法の影響下に入り始めたようだ。
『そりゃ、ヴィシーからの返信じゃねぇか。 なんで返信なんかして来るんだよ。 馬鹿じゃねぇのか!?』
マコトがヨモギから渡されたモノを受け取り開くと、ソレを見たヒイラギが悪態をつく。
その声に、マコトの方を見る。
確かに手紙のようだ。
『げぇーマズイなぁ。 そう来たかぁ。』
マコトは手紙を読み終わると、そう短くもらした。
そのまま手紙をヒイラギに渡す。
ヒイラギは、マコトの横からその手紙を読んでいたらしく、そのままマサキに手紙を回した。
マサキが手紙に目を通す。

『もう間もなく、ヴィシーが封鎖されちゃうよ。 まさか、ココまで警戒するとは思っても見なかったなぁ。』
マコトはそう言いながら、腕を組み何かを考える仕草をする。
ヒイラギは、マサキと何か一言二言言葉を交わしている。
ボクはヨモギの隣に屈み込んで、鳥の状況を見やった。
回復の状況は、あまり芳しくないようだ。
『傷が酷くて、この水晶に込められた魔法力では厳しいわ。』
ヨモギが横から状況を説明してくれる。
(確か、リカバリは状態を元に戻すと言っていたなぁ。)
少し考えてみる。
そして、ヨモギを真似て鳥に手をかざし、目を瞑る。
そうすると、目の前に見慣れたエディタ画面が開いた気がした。
かざした手を思わず引っ込める。
目の前には傷ついた鳥。
さっきと状況は同じだ。
『なんだ・・・?』
言葉が漏れる。
隣のヨモギは再び集中し始めたらしく、ボクの言葉が届いていないようだ。
ボクは再び鳥に手をかざし、目を瞑る。
やはりエディタ画面が見える。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー