プログラマーがファンタジー世界に召還されますた(非公式まとめ)

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『リカバリ』
短くそう言うと、右肩から痛みが引き、直ぐに魔法が通常終了した。
視線をハヤブサに伸ばすと、また飛んできた。
どうやら再び肩に乗ろうとしているらしい。
『わわ、ちょっち待った。』
思わずハヤブサに、そう話し掛ける。
すると、マサキが突然布切れを差し出してきた。
『コレを右肩に入れて。 そうすれば痛くないわ。』
『ありがとう。』
それを受け取り、右肩に入れた。
そうして、右肩に乗りやすいように頭を左に傾げると、ハヤブサが右肩に乗っかってきた。
結構重いが、さっきみたいに爪がめり込まないので痛くは無い。
変にバランスが崩れて歩き難いが、そのままボクはマコトの横まで歩き、バランスを少し崩しながら座った。
ボクが座ったのを確認すると、マコトが口を開いた。
『さて、これからの方針だが、基本的にはヴィシーに向かうことに変わりは無い訳だ。』
『陸路で行こうと思ったが、封鎖されるとそうも出来ない。』
『一度海に出て、そこから海路でヴィシーに入ることにする。』
『たしか、シー国から定期便が出ていると思ったから、それに乗っていこう。』
『したがって・・・。』
そう言いながら、マコトが何処からか地図を取り出し、広げた。
『この30番通りを進もう。』
そう言い、指差したルートは東に一直線に伸びている。
昨日言っていた21番、22番通りは北に向かって伸びていた。
『30番通り突き当りの、この港町には確か、シー国定期便が停泊するはずだ。 その時に乗せてもらおう。』
マコトがそう説明する。

それに対し、ヨモギが突っ込む。
『船で行くって事は、ヴィシーの裏の川から入るってことよねぇ?』
『そうだ。』
マコトは短く返事をする。
『陸路を封鎖する位厳重警備なのに入れるの?』
『海路は物資補給に確保されることになっているんだ。 陸路を全部封鎖するとなると、補給が出来ないことになる。』
『ヴィシーには一応プラントがはあるが、それを使っても直ぐに食料が干上がっちまうし。』
『あと、魔物と戦う以上武器類の補充も必要になる。』
『だから、シーとの定期連絡船で物資を定期補給することになっているんだ。』
マコトが長台詞で、ヨモギの疑問に答えた。
『んで、恐らく定期便のほかにも、臨時便も出すだろうな。 兵士の増強をすると思うから、結構な便数の船がヴィシーに行くことになると思うんだ。』
『まぁ、それらの船に乗っていけば、大丈夫だろう。』
マコトが続けた。
マコトが喋り終わると、ヨモギが口を開いた。
『どれくらい、ココに留まるの?』
『道具類を整えて、直ぐに出る。』
『直ぐに?夜明けは待たないの?』
『ハヤブサの傷を見ただろう? あれは恐らく魔物の襲撃だろう。 だとすると、なるべく早めに出た方が良い。』
ヨモギとマコトの問答が続いた。
『そうならば、直ぐに準備に掛かろう。』
そう言うと、マサキが立ち上がり部屋を出た。
ヒイラギがそれに続き、ヨモギ、マコトと続いた。
ボクは、その後ろに続く。
肩に乗っているハヤブサが、流石に結構重い。
階段を下り、宿を出た。

マコトが最後に残り、中から鍵を掛け、入ったのと逆の手順で出てきた。
外はまだまだ暗いが、月が出ているため歩き回るには十分だ。
町の通りを進むと、剣のマークが見える。
どうやら、ココが武器屋らしい。
やっぱり某RPGみたいだ。
正面入り口は閉まっている。
マコトが裏口に回る。
『鍵をコピッといて良かった。』
なんだか不穏当な声が聞こえた気がしたが、気にしない事にしておく。
間もなく戸が開く。
ヨモギが矢のコーナーへ、マサキは剣のコーナーへ、ヒイラギはナックル系のコーナーへ歩んでいった。
マコトはマサキと同じ剣系のコーナーへと歩んでいった。
ヨモギは何本かの矢を見繕っている。
『やたっ! この矢、一回使ってみたかったのよねー。』
なんだか楽しそうだ。
ヒイラギの方を見やる。
「シュッ! シュッ!」
拳を何回も突き出している。
どうやら、付け心地を確認しているらしい。
(やっぱり、ボクも何か武器を持ったほうがいいのかなぁ? だとすると、非力なボクは短剣かな。)
そう考えながら、僕も剣のコーナーへ向かう。
マサキは長剣を色々見ているようだ。
マコトはそれとは反対側の短剣を見ている。
ボクもマコトと同じように短剣を見る。
と、マコトに声を掛けられた。

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