尾羽急電鉄 001系電車

高徳車庫で展示された001系
基本情報
運用車両 尾羽急電鉄
製造所 高徳車輌製造
余瀬川車輛製造 (1500番台)
製造年
(設定上)
2004年 (900番台)
2005年~
製造数 82両
運用開始日
(設定上)
2006年9月10日
主要諸元
編成 2両編成
4両編成 (1010番台)
電気方式 直流1,500V(架空電車線方式)
営業最高速度 120km/h
設計最高速度 135km/h
140km/h (高出力時)
起動加速度 3.3km/h/s
2.5km/h/s (1200番台)
常用最大減速度 4.0km/h/s
非常最大減速度 5.0km/h/s
車体 ステンレス
台車 軸梁式ボルスタレス台車 
KM61系(電動車)・KT246系(付随車)
HK-27(電動車)・HK-28(付随車)*1
主電動機 かご型三相誘導電動機 KM-73形
主電動機出力 140kw
駆動方式 WNドライブ
制御方式 IGBT素子VVVFインバータ制御
SiC素子VVVFインバータ制御*1
制動装置 回生ブレーキ併用電気指令式ブレーキ
駐車ブレーキ
保安装置 パターン式ATS・デッドマン装置
001系電車(001けいでんしゃ)は、尾羽急電鉄の通勤型電車。

目次

概要

本系列は、電化区間の旧型車の置き換え、及び本線の増発に伴う車両数拡大を目的に製造された。
現在では2000系には劣るもののそれなりの編成数が存在し尾羽急の主力車両として活躍している。
先日、VVVFの更新工事が一般車では全編成に行われ、よりハイクオリティな音になった。(今までのVVVFの音はIGBTは5000系とRB3000系で聞けるが、SiCは2000系700番台の更新に伴い、消滅した模様。)

番台別概説

900番台


2004年に1編成2両が高徳車輌製造にて新製された当系列の試作車。
モデレーター専用車である。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色:上…濃青、 下…
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成1本(2両)
0番台製造前に、試験的に製造された車両。
基本的な設計はのちに製造される0番台と共通だが、当初の方針上の理由で一部機器・構造が先代の2000系と同型のものになっていたり、各所で試験と見られる構造が見られたりしている。
当初は「1900系」として製造されたが、営業運転開始前に「001系900番台」に改称された。
2000系と併結して運転される001系900番台
(南雲谷駅にて撮影)
モデレーター専用であることを示す「Ⓜ」マーク

0番台

2005年から10編成20両が高徳車輌製造で新製され、2006年9月10日より運用を開始した。
その後2011年に井問線向けとして3編成6両が3000番台に、2012年に「ドリーム尾羽」向けに1編成2両が5000番台に改番の上改造された。3000番台及び5000番台については後述する。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色:
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成6本(12両)
001系列の基本番台。前面はどこかレトロな雰囲気を醸し出しつつも、これまでと全く違う先進的な車両としての「001系」の礎を築いた。
2011年から2012年にかけて4編成8両(01~03・07編成)に改造工事が行われ、01~03編成が井問線向けに3000番台、07編成が「夜行急行ドリーム尾羽」用に5000番台と改番された。
2022年頃から一部編成(04~06編成)の機器更新を実施し、走行機器の交換と半自動ドアの設置を行っている。施工車両に関しては後述。
クモハ001-8の車内
ロングシートになっている。
クハ001-8の車内
セミクロスシートになっている。
ドア周辺
大型のLCDが設置されている。
トイレ
バリアフリー対応

100番台

2両編成4本が高徳車輌製造で製造された。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色:
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成4本(8両)
0番台と同時期に、輸送力向上のため仕様を変えて製造された車両。
R30から継承する赤い帯をまとう。
車内が全号車ロングシートとなり、0番台と比べて詰め込み運用に特化している。
2025年から一部編成に機器更新が施工されている。
(左)クモハ001-102の車内 (右)クハ001-102の車内
0番台と比べて袖仕切りの形状が異なっている。

1000番台

2007年より2両編成5本が高徳車輌製造で製造された。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色: エメラルドグリーン
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成5本(10両)
001系の車両構想が見直されたことで車両構造が一部変更となり、ダブルパンタ化等を中心にバックアップ性に優れた構造となっており、新たな"001系"としての姿を確立している。
車内は100番台同様オールロングシートだが、座席が新規設計となっている*2
全編成電気連結機を装備している*3ため、連結運用に対応している。
1200番台と併結運転をする001系1000番台
(左)クモハ001-1004の車内 (右)クハ001-1004の車内
袖仕切り・座席の形状が異なっている。
扉挟み防止のステッカーが貼りつけられている。

1010番台

2007年に4両編成2本が高徳車輌製造で製造された。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色: 水色
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 4両編成2本(8両)
1000番台と同時期に製造された。
4両固定編成で、独自の形式「サハ001」「モハ001」「クハ001」を有している。車内は4号車のみクロスシートで、他3両はロングシート。前面に貫通幌を装備しているが、電気連結機は設置されていない。
当初3編成を導入予定だったが2編成で打ち切られ、1編成分は1000番台2編成(1004,1005編成)として製造された(そのため1004,1005編成は製造当初から電連を装備している)。

1200番台

2009年より2両編成5本が高徳車輌製造で製造された。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色: 黄色
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成5本(10両)
Class001と同じく長距離輸送を担う車両として増備されたが、Class001と違い他番台と互換性のあるシステム・設備での乗り心地向上が目指されており、座席は0番台で使われているボックスシートをそのまま採用している。
電気連結機を装備しているため、同番台内及び1000番台・1300番台、2000系の一部車両との併結運用に対応している。
併結運転をする001系1200番台
またこの車両のみホリデー快速の運用に対応しており、専用の方向幕を装備している。
ホリデー快速運用に充当される001系1200番台
(左)クモハ001-1201の車内 (右)クハ001-1201の車内
Class001と異なり、すべての号車がセミクロスシートとなっている。
1000番台とは異なるタイプの扉挟み防止のステッカーが貼りつけられている。

1300番台


2014年より2両編成5本が高徳車輌製造で製造された。
モデレーター専用車両である。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色:水色、青色
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成5本(10両)
ローカル線区に特化した車両。
改良型の前面貫通幌と半自動ドア、ワンマン運転用の設備を製造当初から装備し、001系列で初めて実用化している。
車内は0番台と同じくロング+ボックスシートであるが、座席配置とその他一部の設備で新しいものを採用している。
電気連結器を装備しているため、連結運転に対応しているうえに、貫通幌による4両貫通運用を行うことができる。
併結運転をする001系1300番台

1500番台

2022年より2両編成5本が余瀬川車両製造で製造された。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色:
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成5本(10両)
17年ぶりに0番台ベースで製造された車両。
この車両は同時期に誕生した0番台機器更新車をベースに余瀬川車輛にて製造されており、車両構造にも共通点が多くみられる。ただし、製造元の違いから相違点もいくつか見られる。
なお、こちらは0番台機器更新車と異なり半自動ドアに対応していない。
車内はオールロングシートとされ、詰め込み運用に特化している。また、フリースペースが増設されている。
当初は3編成が導入され、後に2編成が増備された。

3000番台

001系3000番台(2025年5月、本郷駅)
2011年に0番台より改造された車両。
  • 運用線区:
    • 尾羽急本線 … 尾羽原‐千峰、雲谷‐千鳥
    • 尾羽急高速線 … 千鳥‐問屋町
    • 井問線 … 全線
    • 千鳥支線 … 全線
    • 飛岡支線 … 全線
  • 車体の帯の色:
  • 所属車両数:井問線車両管理部 高徳車庫 … 2両編成3本(6両)
井問線用の車両。全編成が0番台からの改造で、対象編成(01,02,03編成)は2011年から改造・改番の上高トク*4から井トク*5に転属している。
座席はクロスシートとされ、木目調+カラフルな色合いの車内が特徴的である。2020年よりレッドカー区域が設けられ、井問線内の旅客輸送の快適性向上に貢献している(なお同タイミングで半自動ドアにも対応した)。
クモハ001-3001の車内
車端部の優先座席
レッドカー車内
レッドカー乗車口

5000番台

2012年に0番台から改造された車両。モデレーター専用車両である。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色:赤紫色、紺色
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成1本(2両)
不定期で運転される臨時列車「夜行急行ドリーム尾羽」用の車両。0番台からの改造で、対象編成(07編成)は長期運用離脱の末2012年に改造された。
車内は木目調デザインになり、個室を中心とした設計に全改造され、1~2人用の小さめな個室から最大4人用の大きな個室、寝台を有した大きな個室が設置されている。その他、この列車のみで使用される「ファーストクラス」用の座席や、誰でも利用できるソファ等が設置されている。
基本的にドリーム尾羽の運用にのみ充当されるが、定期列車に就けるようにもなっていたりする。

6000番台(Class 001)

2009年より2両編成4本が高徳車輌製造で製造された。
  • 運用線区:電化区間全線
  • 車体の帯の色: オレンジ
  • 所属車両数:高徳車両管理部 高徳車庫 … 2両編成4本(8両)
長距離輸送を担う車両として増備された車両。
車体は1000番台をベースとしているが、車内と一部設備に海外で使われている設備を採用しているため、乗り心地が大幅に改良されている。しかし、メンテナンス時に莫大な労力がかかるため4編成のみの製造にとどまり、以降は1200番台が増備されている。
2025年に更新工事が施工され各所の仕様が1300番台にそろえられた。その際、形式も001系6000番台に改番された。
(左)001-6001の車内 (中)000-6001の車内 (右)座席
客室設備が英国風になっている。

改造工事

機器更新

2022年より001系0番台の一部編成(04~06編成)に機器更新が施工された。
更新内容は以下の通りである。
  • VVVFをSiC素子を用いたものに変更
  • 台車を1500番台と共通のものに履き替え
  • ドアボタンの試験設置
  • 前照灯をHIDからLEDに交換
  • 尾灯のクリアテール化
  • サブライトのLED化・左右独立式に変更
更新工事は余瀬川車両にて行われた。
続いて2024年に100番台104編成に機器更新が施工された。
更新内容は以下のとおりである。
  • VVVFをSiC素子を用いたものに変更
  • ドアエンジンの更新
更新工事は高徳車輛にて行われた。

電気連結器・連結装置装着工事

2025年1月より、連結装置の設置及び電気連結器の装着工事が施工された。
連結装置の装着のみが行われた編成は以下の通り。
  • 1000番台
  • 1200番台
  • 1300番台
電気連結器と連結装置の装着が行われた編成は以下の通り。
  • 0番台(機器更新編成を含む)
  • 100番台
上記の車両はどちらか一方の先頭車両にのみ電気連結器が設置され、電連の設置位置によってA編成とB編成という形態差が生まれている。
  • 3000番台
  • 6000番台(旧Class001)
上記の車両は両方の先頭車両に電気連結器が装備された。

編成表

+ 001系編成表
編成 <出庫方向 区分 備考
04 クモハ001-4 クハ000-4 001系0番台機器更新車
05 クモハ001-5 クハ000-5
06 クモハ001-6 クハ000-6
08 クモハ001-8 クハ000-8 001系0番台
09 クモハ001-9 クハ000-9
10 クモハ001-10 クハ000-10
101 クモハ001-101 クハ000-101 001系100番台
102 クモハ001-102 クハ000-102
103 クモハ001-103 クハ000-103
104 クモハ001-104 クハ000-104 機器更新車
1001 クモハ001-1001 クハ000-1001 001系1000番台
1002 クモハ001-1002 クハ000-1002
1003 クモハ001-1003 クハ000-1003
1004 クモハ001-1004 クハ000-1004
1201 クモハ001-1201 クハ000-1201 001系1200番台
1202 クモハ001-1202 クハ000-1202
1203 クモハ001-1203 クハ000-1203
1204 クモハ001-1204 クハ000-1204
1205 クモハ001-1205 クハ000-1205
1501 クモハ001-1501 クハ000-1501 001系1500番台 前期車
1502 クモハ001-1502 クハ000-1502
1503 クモハ001-1503 クハ000-1503
1504 クモハ001-1504 クハ000-1504 前期車
1505 クモハ001-1505 クハ000-1505
1506 クモハ001-1506 クハ000-1506 追加増備車
3001 クモハ001-3001 クハ000-3001 001系3000番台
3002 クモハ001-3002 クハ000-3002
3003 クモハ001-3003 クハ000-3003
6001 クモハ001-6001 クハ000-6001 001系6000番台
6002 クモハ001-6002 クハ000-6002
6003 クモハ001-6003 クハ000-6003
6004 クモハ001-6004 クハ000-6004

その他

  • 西高徳駅付近のミニ列車コーナーに001系0番台と1000番台を模したミニ列車があったが、バグの影響により撤去された。
最終更新:2025年05月03日 13:53

*1 0番台の一部・1500番台

*2 が、様々な理由で「改悪」と呼ばれているらしい…

*3 1001~1003は追設、1004・1005編成は初期装備

*4 高徳車両管理部 高徳車庫

*5 井問線車両管理部 高徳車庫