真っ赤になり、俯く二人。
「じ、じゃあ。」
「あ、ああ。」
キョンがレインコートを着ようとした時。
「待つのです!」
そこには血涙を流すきょっこ団がいた。
「お前ら、衆人監視のもとでラブコメだと?!ああそうさ、羨ましいさ、そして妬ましいさ!」
「何だこの成人向け展開は!破廉恥な!けしからん!そのレインコート、言い値で買おうじゃないか、現地人!」
「有機生命体って理解出来ないわ!汗なんて成分は尿と同じだわ!不潔よ!
舌を駆使した情報操作で匂いを消してあげるから、キョンくん私に近寄って!さあ!」
「黙れ素人が!今日こそは勝利=(禁則事項)=ジョイナスの公約実現!私の(禁則事項)がゴーゴーでGO!GO!ではよいお年をなのです!」
二人が真っ赤になり震える。
「……お、お前ら……」
「……ずっと、見てた……の?」
二人の疑問に答えたのは、SOS団であった。
「そう……」
「キョン、そんな小汚ないレインコートなんかじゃなくて、こっちのレインコートにしなさい!」
「ふぅえ?!す、涼宮さん、レインコートの下、ブラだけじゃないですか!」
「涼宮さん!せめてTシャツ位は……!谷口さんに未来人!前屈み過ぎです!」
ぷ っ つ ん 。
何か素敵な音がした。
全員が音の方向を見ると……そこには立派な般若が。
身を寄せあい固まる、キョン以外の人間+インターフェース2体。
「屋上へ行こうか。久し振りに……キレちゃったわ……」
―――――――――――――――――――
とある喫茶店。ロングヘアーのインターフェースは、優雅にコーヒーを飲みながら、同じくインターフェースのウェートレスを呼ぶ。
データ変換した観測を、ウェービーヘアのインターフェースに渡し……二人は溜め息を溢した。
「――平――穏無――――事。」
「もう、長門さん達ったら。」
佐々木の前に、三人+一体のインターフェースの土下座が出来上がるまで、騒動は続き……
その間にハルヒがキョンのYシャツを奪う事に成功はしたが、佐々木が着ていたレインコートをキョンが素肌の上から纏うという、痛恨のミスを犯し……
暫く古泉はキョンの匂いのする閉鎖空間に苦慮する事になり、何故かこの時期だけ長門が頻繁についてきたのは、また別の話だ。
END
最終更新:2013年08月04日 17:41