インビディブルクローク
所有者備考:ミッドナイトは、裏の世界において千を超える拠点と二十の種族、二つの国を敷く闇の組織ニュクスを創り上げ、リード(盟主)の地位を有す。
ミッドナイトは、九年前、宝具を持たず人間の武器と己が力のみで神を討滅したことで〝神を殺す貴き人〟【殺神貴】という忌み名を得るに至った。
ただし、この名は、神を至上とする現在の世界では禁句中の禁句とされ口に出す者は少なく、発した言葉を神や、その信奉者に聞かれるようなことがあれば、問答無用で連行されることは言うまでもない。
彼は、表にて【七七七人殺し】の仮面を被り、裏では【殺神貴】として夜を闊歩する。
【殺神貴】を名乗ったミッドナイトは、使用する宝具の数が異なる。
ミッドナイトは、九年前、宝具を持たず人間の武器と己が力のみで神を討滅したことで〝神を殺す貴き人〟【殺神貴】という忌み名を得るに至った。
ただし、この名は、神を至上とする現在の世界では禁句中の禁句とされ口に出す者は少なく、発した言葉を神や、その信奉者に聞かれるようなことがあれば、問答無用で連行されることは言うまでもない。
彼は、表にて【七七七人殺し】の仮面を被り、裏では【殺神貴】として夜を闊歩する。
【殺神貴】を名乗ったミッドナイトは、使用する宝具の数が異なる。
魔神具:外套(マント)『インビディブルクローク』 ≪ソロモン七十二柱≫
〝不可侵なるモノ〟を意味する外套
九年前の〝ヴァルト戦争〟の折、【雨月の幽帝】ガープとの戦いに勝利した際に、手に入れたものである。
ガープが有した不可侵領域の能力と同質の力が籠められており、これを纏うことで、視覚はおろか、神族の超感覚的な勘からも逃れることができる。
実質的にいって世界最高峰の隠匿宝具である。
〝不可侵なるモノ〟を意味する外套
九年前の〝ヴァルト戦争〟の折、【雨月の幽帝】ガープとの戦いに勝利した際に、手に入れたものである。
ガープが有した不可侵領域の能力と同質の力が籠められており、これを纏うことで、視覚はおろか、神族の超感覚的な勘からも逃れることができる。
実質的にいって世界最高峰の隠匿宝具である。
作りは、豪華な金糸細工が施された漆黒の外套で、翻し裏地を外にして纏うことで効果を発揮し、使用者を不可侵化する。
ただし、逃れられるのは〝あらゆる存在の五感あるいは第六感〟からのみであり、物理的、魔力的攻勢を無効化することはできない。
使用者は、頭から被っていても、外套を障害物とせず透過するように外を見ることができる。
ただし、逃れられるのは〝あらゆる存在の五感あるいは第六感〟からのみであり、物理的、魔力的攻勢を無効化することはできない。
使用者は、頭から被っていても、外套を障害物とせず透過するように外を見ることができる。
ミッドナイトは、ニュクスでの指揮、〝十三夜想会〟での会議、そして、とある公務を行なう際の限られた場所でのみ着用している。
プリトウェン
所有者:【金猫眼】イガ
所有者備考:ニュクスのセカンドミニスタント(盟主補佐役)を務め、ミッドナイトと共にニュクスを創った創設者の一人。
聖具?:盾?『プリトウェン』 ≪アーサー王伝説≫
実質は、イガの持ち物というよりも〝ニュクス〟の宝具といえる。
金の細工が施され、聖母の絵姿が描かれたヒーターシールド(騎兵が用いる盾で、騎乗時に狙われ易い足も合わせて保護できる巨大な盾、主に騎士用である)で、見た目にもイガには手に余る印象を受ける。
実際、魔術師や盗賊、弓兵などが装備するのは、本来ラウンドシールド(主に木製の小型盾)やバックラー(軽量の鉱物や頑強な獣の皮などを使った小型盾)であることが一般的であるため、イガが持つとどうしても大きく感じられてしまうが、どうやら重さは羽毛ほどしか感じないらしい。
ただし、この盾はイガ以外に所持されることを嫌い、他者、特に男性が持つと象の身ほども重くなるという。
そのため、普段は〝宵闇の降魔亭〟の地下にある酒蔵から進入できる隠し部屋に封印されているらしいが、時折、必要に応じてイガが背負って出掛けている姿が見受けられる。
実質は、イガの持ち物というよりも〝ニュクス〟の宝具といえる。
金の細工が施され、聖母の絵姿が描かれたヒーターシールド(騎兵が用いる盾で、騎乗時に狙われ易い足も合わせて保護できる巨大な盾、主に騎士用である)で、見た目にもイガには手に余る印象を受ける。
実際、魔術師や盗賊、弓兵などが装備するのは、本来ラウンドシールド(主に木製の小型盾)やバックラー(軽量の鉱物や頑強な獣の皮などを使った小型盾)であることが一般的であるため、イガが持つとどうしても大きく感じられてしまうが、どうやら重さは羽毛ほどしか感じないらしい。
ただし、この盾はイガ以外に所持されることを嫌い、他者、特に男性が持つと象の身ほども重くなるという。
そのため、普段は〝宵闇の降魔亭〟の地下にある酒蔵から進入できる隠し部屋に封印されているらしいが、時折、必要に応じてイガが背負って出掛けている姿が見受けられる。
『プリトウェン』には、あらゆる強制力、術式、因果によって放たれた攻勢を完全に無力化し、反射する特殊能力が存在し、この盾を使用すれば、例え『ティルヴィング』の放った決殺の一撃であっても反射することができる。
普段は、ミッドナイトに付き従うイガも、時折、主の奔放さにイラッとするときがあるものだ。
そんなときは、イガがミッドナイトに『プリトウェン』をこれ見よがしに掲げるという恐ろしい姿が時折目撃されている。
もちろん、ミッドナイトがイガに『ティルヴィング』を振るうなどということは在り得ないだろうが、もし誰かに決殺の一撃を加えようとしたとき、もし傍にイガがいたら、もしそのとき、自分のせいでイガの虫の居所悪かったら、もし放った瞬間『プリトウェン』を構えて〝誰かと自分の間〟に割り込んできたら。そんなことは考えたくもない。
当然、イガが『プリトウェン』をチラつかせるということは、何気にミッドナイトのせいで何かが鬱積しているという証拠でもあるため、爆発する前にミッドナイトも流石に黙る。というかむしろ引く。そして自分の尊厳が失われない範囲で機嫌をとるの三段コンボを決めるのだ。
普段は、ミッドナイトに付き従うイガも、時折、主の奔放さにイラッとするときがあるものだ。
そんなときは、イガがミッドナイトに『プリトウェン』をこれ見よがしに掲げるという恐ろしい姿が時折目撃されている。
もちろん、ミッドナイトがイガに『ティルヴィング』を振るうなどということは在り得ないだろうが、もし誰かに決殺の一撃を加えようとしたとき、もし傍にイガがいたら、もしそのとき、自分のせいでイガの虫の居所悪かったら、もし放った瞬間『プリトウェン』を構えて〝誰かと自分の間〟に割り込んできたら。そんなことは考えたくもない。
当然、イガが『プリトウェン』をチラつかせるということは、何気にミッドナイトのせいで何かが鬱積しているという証拠でもあるため、爆発する前にミッドナイトも流石に黙る。というかむしろ引く。そして自分の尊厳が失われない範囲で機嫌をとるの三段コンボを決めるのだ。
ただし、純粋な魔術攻勢、物理攻勢に対しては、まるで硝子で作られたかのように脆い。
ミッドナイトの命令により盾としての使用は禁止されている。
ミッドナイトの命令により盾としての使用は禁止されている。
『プリトウェン』の真の能力は、必要に応じて盾から空を飛ぶ魔法の船へと変化するというところにある。
それは、黄金細工の帆船であり、乗員数二千を超える巨大飛行艇だといわれている。
それは、黄金細工の帆船であり、乗員数二千を超える巨大飛行艇だといわれている。
一応、ミッドナイトの名誉のために補足するが、ミッドナイトが『プリトウェン』の盾として使用を禁じているのは、何も『プリトウェン』をチラつかせるイガが何気に恐ろしいからではなく、単純な攻勢に対して硝子のように脆い『プリトウェン』が、万が一にもが破壊される場合を危惧してのことである。
もっとも、装備しているだけでも自身に働く因果や強制力、術式といったものを無力化することは可能である。
ただし、反射するには盾を構える必要があり、力の方向性が影響力を発揮する流れに対して盾を構えることで反射することができる。
周囲に影響を与える広範囲の力に対しては反射することができず、反射することができるのは、盾の使い手に対して向かってくる力のみである。
もっとも、装備しているだけでも自身に働く因果や強制力、術式といったものを無力化することは可能である。
ただし、反射するには盾を構える必要があり、力の方向性が影響力を発揮する流れに対して盾を構えることで反射することができる。
周囲に影響を与える広範囲の力に対しては反射することができず、反射することができるのは、盾の使い手に対して向かってくる力のみである。
ジャモジョヨクリス
所有者:【金猫眼】イガ
魔道具:短剣『ジャモジョヨクリス』 ≪インドネシア伝承≫
〝魂の宿りし者〟を意味する。
ジャモジョヨ王が修験者から授かった物。
込められた魔力により、クリスを持ちつづける限り敵の物理攻勢を無力化する。
〝魂の宿りし者〟を意味する。
ジャモジョヨ王が修験者から授かった物。
込められた魔力により、クリスを持ちつづける限り敵の物理攻勢を無力化する。
武器としての力は、通常のクリスに魔力補正が掛かり、多少は威力が向上されているものの、特別高度な魔術式や能力は付与されておらず、神や魔神を傷つけるほどの力はない。
矛盾してはいるが、完全な〝防御武器〟といえる。
矛盾してはいるが、完全な〝防御武器〟といえる。
ただし、『ジャモジョヨクリス』を長く持ちつづけると、物理的な痛みというものに恐怖を覚え、この短剣が奪われると所有者は戦えなくなるといわれる。
これは、決して呪いの類ではなく、使い手の精神的な問題で、攻勢の無力化により痛みを感じなかった分だけ、短剣を失った後は、極端に痛みに対しての恐怖が心を支配するのだという。
これは、決して呪いの類ではなく、使い手の精神的な問題で、攻勢の無力化により痛みを感じなかった分だけ、短剣を失った後は、極端に痛みに対しての恐怖が心を支配するのだという。
オートクレール
所有者:【無冠の勇往】
所有者備考:ニュクス創設の瞬間に立ち会った人物の一人、ミッドナイト、イガ両名の信頼も厚い人物。ニュクスのサードインスペクト(党員監査)を務める。
魔道具:炎帝の刃『オートクレール』 ≪フランス『ローランの歌』≫
炎熱地獄の業火に匹敵するといわれる大火力を刃に宿した剣
あらゆる物質を無に帰す業を負っている。
特別な意識はもっていないが、自ら使用者を選ぶ魔法剣であり、適格者以外が手にすれば、たちまちにして業火が襲い掛かり、この世に生きた痕跡すら残さない。
また、例え適格者であっても、使用できるのは剣の業火が発する異常なまでの魔力に耐えうるだけの強靭な精神力を持つ者だけといわれている。
炎熱地獄の業火に匹敵するといわれる大火力を刃に宿した剣
あらゆる物質を無に帰す業を負っている。
特別な意識はもっていないが、自ら使用者を選ぶ魔法剣であり、適格者以外が手にすれば、たちまちにして業火が襲い掛かり、この世に生きた痕跡すら残さない。
また、例え適格者であっても、使用できるのは剣の業火が発する異常なまでの魔力に耐えうるだけの強靭な精神力を持つ者だけといわれている。
遥か昔に、強大な力を有したとされる魔法使いが複数集まり、長い年月をかけて作り上げた魔道具で、その能力は神具、魔神具に匹敵する。
ただし、それ故に使い手にも高い能力を要することとなり、未だにこれを使用できた人間は数えるほどしかいない。
人類が作り出した魔道具、霊具のなかでも、間違いなく最高位に存在する武具である。
ただし、それ故に使い手にも高い能力を要することとなり、未だにこれを使用できた人間は数えるほどしかいない。
人類が作り出した魔道具、霊具のなかでも、間違いなく最高位に存在する武具である。
氷王の刃『アルマッス』とは兄弟剣にあたる。
アルマッス
所有者:【無冠の勇往】
魔道具:氷王の刃『アルマッス』 ≪フランス『ローランの歌』≫
氷結地獄の極氷に匹敵するといわれる絶対零度を刃に宿した剣
あらゆる物質の活動を凍結させる業を負っている。
特別な意識はもっていないが、自ら使用者を選ぶ魔法剣であり、適格者以外が手にすれば、たちまちにして極氷が襲い掛かり、生命の活動はおろか時間の経過すら凍結させる。
また、例え適格者であっても、使用できるのは剣の極氷が発する異常なまでの魔力に耐えうるだけの強靭な精神力を持つ者だけといわれている。
氷結地獄の極氷に匹敵するといわれる絶対零度を刃に宿した剣
あらゆる物質の活動を凍結させる業を負っている。
特別な意識はもっていないが、自ら使用者を選ぶ魔法剣であり、適格者以外が手にすれば、たちまちにして極氷が襲い掛かり、生命の活動はおろか時間の経過すら凍結させる。
また、例え適格者であっても、使用できるのは剣の極氷が発する異常なまでの魔力に耐えうるだけの強靭な精神力を持つ者だけといわれている。
遥か昔に、強大な力を有したとされる魔法使いが複数集まり、長い年月をかけて作り上げた魔道具で、その能力は神具、魔神具に匹敵する。
ただし、それ故に使い手にも高い能力を要することとなり、未だにこれを使用できた人間は数えるほどしかいない。
人類が作り出した魔道具、霊具のなかでも、間違いなく最高位に存在する武具である。
ただし、それ故に使い手にも高い能力を要することとなり、未だにこれを使用できた人間は数えるほどしかいない。
人類が作り出した魔道具、霊具のなかでも、間違いなく最高位に存在する武具である。
炎帝の刃『オートクレール』とは兄弟剣にあたる。
デュランダル
所有者:【僧侶】ラウンド=ビショップ
所有者備考:ロイヤリスト(幹部)筆頭を務め、十人の幹部に与えられる真実の名〝ベリティ〟をミッドナイトより与えられ、〝ビショップ(僧侶)〟の名を有している。
九国全権監督の地位を任されている。
九国全権監督の地位を任されている。
聖具:聖剣『デュランダル』 ≪フランス『ローランの歌』『シャルルマーニュ伝説』≫
人間世界に伝わる武具のなかで、もっとも古い部類に数えられ、いかにして作られたのかということさえも不明である。
名匠の鍛えた業物であるが、聖なる属性を付与するために、あえて反発してしまう魔力的加護を使用していないらしい。
魔力の代わりに強大な霊威が籠められており、刀身は強靭かつ鋭い切れ味で、人間世界のあらゆる装具を切り伏せることができる。
更に、籠められた霊威により、魔剣よりも神に与える攻撃力は高いとされ、現在の世界で、ここまで高位の霊力を刀剣という形に籠められる鍛冶師は、世界中を探したとしても存在しないと思われる。
人間世界に伝わる武具のなかで、もっとも古い部類に数えられ、いかにして作られたのかということさえも不明である。
名匠の鍛えた業物であるが、聖なる属性を付与するために、あえて反発してしまう魔力的加護を使用していないらしい。
魔力の代わりに強大な霊威が籠められており、刀身は強靭かつ鋭い切れ味で、人間世界のあらゆる装具を切り伏せることができる。
更に、籠められた霊威により、魔剣よりも神に与える攻撃力は高いとされ、現在の世界で、ここまで高位の霊力を刀剣という形に籠められる鍛冶師は、世界中を探したとしても存在しないと思われる。
ただし、この剣のもっとも特筆すべき点は、切れ味などではない。
デュランダルは、黄金の柄の中に〝サン・ピエールの歯〟〝サン・パジールの血〟〝サン・ドニの髪〟〝サント・マリアの衣の布端〟などの数多くの聖遺物を収めているのだ。
これらは、すべてが生前絶大な力を誇った〝聖者〟たちの遺品である。
デュランダルの使い手は、聖遺物の力を借りて、本来人間には使用不可能な神聖魔術を行使することができる。
ただし、これらの聖遺物は、ある程度の自我を有しており一振りの剣に最低でも四人の意識が混在している形になる。
そして、剣の奇跡を使用するには、その四人の意思に認められていなければならない。
例え認められていなくとも、剣自体を握り、振るうことはできるが、やはり神聖魔術を使用することはできない。
デュランダルは、黄金の柄の中に〝サン・ピエールの歯〟〝サン・パジールの血〟〝サン・ドニの髪〟〝サント・マリアの衣の布端〟などの数多くの聖遺物を収めているのだ。
これらは、すべてが生前絶大な力を誇った〝聖者〟たちの遺品である。
デュランダルの使い手は、聖遺物の力を借りて、本来人間には使用不可能な神聖魔術を行使することができる。
ただし、これらの聖遺物は、ある程度の自我を有しており一振りの剣に最低でも四人の意識が混在している形になる。
そして、剣の奇跡を使用するには、その四人の意思に認められていなければならない。
例え認められていなくとも、剣自体を握り、振るうことはできるが、やはり神聖魔術を使用することはできない。
ラウンドは、どういった経緯かは不明だが、これら聖者の自我から使い手として認識されており、彼が行使する神聖の奇跡は、もはや魔法に匹敵する部類であるらしい。
一説では、死後数時間以内であれば、その力で死者を蘇生させることもできるという。
それ故の【僧侶】の渾名である。
一説では、死後数時間以内であれば、その力で死者を蘇生させることもできるという。
それ故の【僧侶】の渾名である。
デュランダルは、人間以外を使い手と認めない剣だが、その中でも奇跡を行使できた者は極わずかである。
人類最古の英雄時代、トロイを生きたイーリアスの英雄〝へクトル〟、ペンテレシア王妃の子孫、神聖騎士〝アルモント〟、レコンキスタを駆け抜けたフランク帝国の十二勇将が一人〝ローラン〟、そして現在、新神暦を生きる〝夜に与する黒き僧侶〟ニュクスのラウンドという、わずかに四名のみであったと伝えられている。
そして、デュランダルの奇跡を魔法の域にまで引き出すことができる使い手は、後にも先にもラウンドただ一人であろうといわれている。
人類最古の英雄時代、トロイを生きたイーリアスの英雄〝へクトル〟、ペンテレシア王妃の子孫、神聖騎士〝アルモント〟、レコンキスタを駆け抜けたフランク帝国の十二勇将が一人〝ローラン〟、そして現在、新神暦を生きる〝夜に与する黒き僧侶〟ニュクスのラウンドという、わずかに四名のみであったと伝えられている。
そして、デュランダルの奇跡を魔法の域にまで引き出すことができる使い手は、後にも先にもラウンドただ一人であろうといわれている。
ウコンバサラ
所有者備考:幹部二席の地位を有し、ミッドナイトより〝テンペスト(嵐)〟の名を与えられている。
〝天穿つ嵐〟とも呼ばれ、〝アスガルズ神聖帝国〟の総監督を任されている。
〝天穿つ嵐〟とも呼ばれ、〝アスガルズ神聖帝国〟の総監督を任されている。
神具:戦斧『ウコンバサラ』 ≪フィンランド神話≫
雷と嵐を呼ぶ斧、単純な能力だが、その威力は至宝具にもっとも近い宝具の一つに数えられる。
シュトルツは、精霊系統の上位魔術である天候変化の魔術と併用することで、常に威力を増幅する使い方を好む。
普段は、ウコンバサラを腰の鞘に収めているが、大気を雷の複合精霊で満たすことで、斧に触れていなくとも全身が常に帯電状態を保っている。
シュトルツがウコンバサラを振るう姿を見た物は、ニュクスの【十三夜想会】メンバーでも少ない。
雷と嵐を呼ぶ斧、単純な能力だが、その威力は至宝具にもっとも近い宝具の一つに数えられる。
シュトルツは、精霊系統の上位魔術である天候変化の魔術と併用することで、常に威力を増幅する使い方を好む。
普段は、ウコンバサラを腰の鞘に収めているが、大気を雷の複合精霊で満たすことで、斧に触れていなくとも全身が常に帯電状態を保っている。
シュトルツがウコンバサラを振るう姿を見た物は、ニュクスの【十三夜想会】メンバーでも少ない。
ナルタモンガ
所有者備考:幹部三席の地位を有し、ミッドナイトより〝カルマ(業)〟の名を与えられている。
その容姿と物腰から〝独善偽悪の犯罪紳士〟とも呼ばれ、〝ヴァナヘイム協和信仰国〟の総監督を任されている。
その容姿と物腰から〝独善偽悪の犯罪紳士〟とも呼ばれ、〝ヴァナヘイム協和信仰国〟の総監督を任されている。
神具:杯『ナルタモンガ』 ≪ナルト叙事詩≫
魔力に満ちた酒を無限に生み出すことができる魔法の杯
手で触れずとも空中に浮き、自らが所有者と認めた人物以外が口をつけることを許さず、満たされた酒はどれほど傾けようとも杯から零れることはない。
アルビオは、『ナルタモンガ』の力を使い、常に体内を絶大なオド(己の内にある小さな世界を満たす力、外界に満ちる力をマナ、内界に満ちる力をオドといい、オドはマナを精製して体内に蓄えたモノだが、蓄えられる量は個人の資質によるところが大きい)で満たしており、あらゆる魔術を行使したとしても、魔力を枯渇させることがない。
魔力に満ちた酒を無限に生み出すことができる魔法の杯
手で触れずとも空中に浮き、自らが所有者と認めた人物以外が口をつけることを許さず、満たされた酒はどれほど傾けようとも杯から零れることはない。
アルビオは、『ナルタモンガ』の力を使い、常に体内を絶大なオド(己の内にある小さな世界を満たす力、外界に満ちる力をマナ、内界に満ちる力をオドといい、オドはマナを精製して体内に蓄えたモノだが、蓄えられる量は個人の資質によるところが大きい)で満たしており、あらゆる魔術を行使したとしても、魔力を枯渇させることがない。
本来、エレメントを構成する根源そのものであり、神秘性と超自然力を意味するマナは、いかに大気に満ちていようとも魔術や術式として人が行使するには恐ろしく困難な代物であり、通常はマナを取り込み、オドとして体内に蓄える方法が一般的である。
もちろん、マナを直接使用する者も存在するが、それは神と呼ばれる種族であり、人間種では上位の魔法使いに限られるだろう。
ただし、彼ら魔法使いにしても、わざわざマナを使用するよりもオドを使用した方が精神的にも負担が少ないことはいうまでもない。
もちろん、マナを直接使用する者も存在するが、それは神と呼ばれる種族であり、人間種では上位の魔法使いに限られるだろう。
ただし、彼ら魔法使いにしても、わざわざマナを使用するよりもオドを使用した方が精神的にも負担が少ないことはいうまでもない。
アルビオの内界に蓄えられる魔力総量は、魔法使いにも匹敵するほど強大であるといわれる。
もっとも、魔術知識は独学であるため、知識という面から見ても経験という面から見ても、魔法使いとは呼べない。
使用できる魔術も暗黒系統に基因した単純な攻勢魔術と結界に限られる。
ただし、アルビオの行使する魔術の純粋な力は魔法使いのそれにも匹敵するほど強力である。
更に、魔術師の弱点ともいえる内界のオドの枯渇(ゲームなどでいうMP切れという現象、一度オドが失われると外界のマナを取り込み、オドに精製する過程を踏まねばならず、決して一日やそこらで満たせるものではなく、まして戦闘中に行なえる作業では絶対に在り得ない)を恐れることがなく、思う存分に魔術を行使することができる。
魔術師ならば誰もが喉から手が出るほど欲しい夢の宝具である。
もっとも、魔術知識は独学であるため、知識という面から見ても経験という面から見ても、魔法使いとは呼べない。
使用できる魔術も暗黒系統に基因した単純な攻勢魔術と結界に限られる。
ただし、アルビオの行使する魔術の純粋な力は魔法使いのそれにも匹敵するほど強力である。
更に、魔術師の弱点ともいえる内界のオドの枯渇(ゲームなどでいうMP切れという現象、一度オドが失われると外界のマナを取り込み、オドに精製する過程を踏まねばならず、決して一日やそこらで満たせるものではなく、まして戦闘中に行なえる作業では絶対に在り得ない)を恐れることがなく、思う存分に魔術を行使することができる。
魔術師ならば誰もが喉から手が出るほど欲しい夢の宝具である。
アルビオは『ナルタモンガ』を用い、自らが悪と定めた者を裁き、自身が信じる正義を行なうことを至上としており、そのためならば、侵害されざる三つの業、すなわち〝身〟〝言〟〝心〟を侵すことも厭わない。
それが他者であろうと自身であろうと躊躇いすらない。
それ故の【参業の不縛】の渾名であり、その所業故の〝独善偽悪の犯罪紳士〟である。
それが他者であろうと自身であろうと躊躇いすらない。
それ故の【参業の不縛】の渾名であり、その所業故の〝独善偽悪の犯罪紳士〟である。
アレクサンドロスクローク
所有者備考:幹部四席の地位を有し、ミッドナイトより〝イヴルフェイト(禍がつ運命)〟の名を与えられている。
弱きを助け、悪しきを挫くことを至上とする自身の理念故に、〝幼き聖女〟と呼ばれることもある。
〝アルフヘイム光王国〟及び〝スヴァルトアルフヘイム闇帝国〟の総監督を任されている。
弱きを助け、悪しきを挫くことを至上とする自身の理念故に、〝幼き聖女〟と呼ばれることもある。
〝アルフヘイム光王国〟及び〝スヴァルトアルフヘイム闇帝国〟の総監督を任されている。
魔道具?:外套(マント)『アレクサンドロスクローク』 ≪アレクサンドロス伝説≫
〝聖者の血に塗れた外套〟を意味する真紅のマント
人が選ぶべき人生の選択権を断ち切り、常に凶を呼ぶ運命を導く、導かれる運命の内容は使用者にも知ることができない。
使い手であるローレンシア本人も、この外套の正しい使用方法を正確には把握していない。
〝聖者の血に塗れた外套〟を意味する真紅のマント
人が選ぶべき人生の選択権を断ち切り、常に凶を呼ぶ運命を導く、導かれる運命の内容は使用者にも知ることができない。
使い手であるローレンシア本人も、この外套の正しい使用方法を正確には把握していない。
心根の優しい彼女の気質故か、ローレンシアがこの外套を使用することは滅多になく、もし使用するとしても、敵対組織内での単独殲滅戦などに限っている。
使用の際は、マントを外し、一度振ることで、振った瞬間を目撃した者すべてに禍々しい運命を呼ぶといわれるが、それが死という直接的なものであるかは不明である。
これは、振る回数によって相乗効果を生むとされるが、ローレンシアは一度以上振ることはなく、またそれ以上は彼女自身も見るに耐えないということらしい。
彼女曰く、これは、自身が考えたマントの使い方であり、正確な使い方ではない。とのことだ。
使用の際は、マントを外し、一度振ることで、振った瞬間を目撃した者すべてに禍々しい運命を呼ぶといわれるが、それが死という直接的なものであるかは不明である。
これは、振る回数によって相乗効果を生むとされるが、ローレンシアは一度以上振ることはなく、またそれ以上は彼女自身も見るに耐えないということらしい。
彼女曰く、これは、自身が考えたマントの使い方であり、正確な使い方ではない。とのことだ。
その製作法の詳密は不明とされているが、一説には、魔術の薬液を熱した鍋に、数多くの聖者を生きたままいれ、死体すら残らぬほどぐずぐずに煮込み、薬液と聖者の亡骸が混ざり合った液体で、布に着色を施して作られるマントだという。
染み込んだ薬液には、聖者の怨嗟が込められており、常に良い運命を否定する。
染み込んだ薬液には、聖者の怨嗟が込められており、常に良い運命を否定する。
ローレンシアは、産まれて間もない乳飲み子であった頃に、孤児院の前に捨てられていたらしいが、そのとき彼女の身体は、この外套で包まれていたという。
その後、十四の歳までを穏やかに過ごすが、彼女を包み込んだ優しい街は、一夜にして九国大陸の大地から姿を消し、同時に人々もローレンシアを残して行方不明となった。
何が起こったかは不明だが、数日後、国家直属衛士隊が、本来街の存在した場所で自失するローレンシアを見つけ、何が起こったのかを聴きだした際、彼女は、それが自らの所業であると認め、更に『〝あれ〟が正しい使い方だったのですか?』と誰にともなく呟いたという。
その日以来、彼女は、ニダヴァリール連邦国の第一級指名手配犯となり【兇穏】の渾名で呼ばれることとなった。
何が起こったかは不明だが、数日後、国家直属衛士隊が、本来街の存在した場所で自失するローレンシアを見つけ、何が起こったのかを聴きだした際、彼女は、それが自らの所業であると認め、更に『〝あれ〟が正しい使い方だったのですか?』と誰にともなく呟いたという。
その日以来、彼女は、ニダヴァリール連邦国の第一級指名手配犯となり【兇穏】の渾名で呼ばれることとなった。
彼女が、ニュクスへの入団を果たしたのは、それから半年後のことである。
逃げ惑う彼女をニュクスへ導いたのは、盟主ミッドナイト本人だという。
逃げ惑う彼女をニュクスへ導いたのは、盟主ミッドナイト本人だという。
この外套が、彼女自身への災厄を呼ぶかは不明だが、こうして未だ幼い彼女がニュクスという闇に身を寄せている事実こそ、既に呼び込まれた災厄なのかもしれない。
リンガ
所有者備考:幹部五席の地位を有し、ミッドナイトより〝カース(呪詛)〟の名を与えられている。
その能力故に、単純に〝呪い〟と呼ばれることもある。
〝ニダヴェリール亜種連邦〟の総監督を任されている。
その能力故に、単純に〝呪い〟と呼ばれることもある。
〝ニダヴェリール亜種連邦〟の総監督を任されている。
魔道具:呪詛人形『リンガ』 ≪チベット伝承≫
〝自我という名の魔〟を意味する呪い人形
大きさは20cmほど、人形の中にある空洞に、呪詛をかける相手の肉体の一部(爪や髪など)または、所有から一年以上が経過した持ち物、更には、対象者が触れて一時間以内の品(食器の欠片など、人形に入る小さい物に限るが)を入れて、呪いの短剣『プルパ』で傷をつけることで、対象者に同様の傷を負わせることができる。
ただし、対象者に傷をつけられるのは、呪いの短剣『プルパ』だけである。
〝自我という名の魔〟を意味する呪い人形
大きさは20cmほど、人形の中にある空洞に、呪詛をかける相手の肉体の一部(爪や髪など)または、所有から一年以上が経過した持ち物、更には、対象者が触れて一時間以内の品(食器の欠片など、人形に入る小さい物に限るが)を入れて、呪いの短剣『プルパ』で傷をつけることで、対象者に同様の傷を負わせることができる。
ただし、対象者に傷をつけられるのは、呪いの短剣『プルパ』だけである。
この装具は、『リンガ』と『プルパ』の二つを合わせて、かつて〝法の敵対者〟の異名を持って恐れられた代物で、現在の世界で法を築く者、すなわち神すら殺せるといわれる魔道具であり、二つを合わせれば、神具、魔神具にも匹敵する宝具である。
ただし、神を殺す場合も、必ず対象者の所有物が必要であり、そもそも神から所有物を奪う時点で至難の業であるため、現代におけるこの宝具の知名度は低い。
ただし、神を殺す場合も、必ず対象者の所有物が必要であり、そもそも神から所有物を奪う時点で至難の業であるため、現代におけるこの宝具の知名度は低い。
製作者は不明だが、一説には、〝明の終焉〟戦争の折に、数多の魔術師が儀式魔術により生み出した世界の災厄の一欠けらだといわれている。
エリザベスは、腰に自家製人形ケースを一体につき一つずつ装備しており、合計五体の『リンガ』を腰に所持している。
エリザベスは、腰に自家製人形ケースを一体につき一つずつ装備しており、合計五体の『リンガ』を腰に所持している。
プルパ
所有者:【根葉の述懐】エリザベス=カース
魔道具:呪詛短剣『プルパ』 ≪チベット伝承≫
〝我殺す者〟を意味する強力なる呪いの短剣
呪い人形『リンガ』の呪いを引き出すことができる唯一の武器。
『プルパ』自体に殺傷能力はなく、この短剣で他者を直接傷つけることはできない。
〝我殺す者〟を意味する強力なる呪いの短剣
呪い人形『リンガ』の呪いを引き出すことができる唯一の武器。
『プルパ』自体に殺傷能力はなく、この短剣で他者を直接傷つけることはできない。
屍食教典儀
所有者:【月光蝶】ルナリア=バタフライ
所有者備考:幹部六席の地位を有し、ミッドナイトより〝バタフライ(蝶)〟の名を与えられている。
〝ヨトゥンヘイム鉅人公国〟及び〝ムスペルヘイム冤枉国〟の総監督を任されている。
〝ヨトゥンヘイム鉅人公国〟及び〝ムスペルヘイム冤枉国〟の総監督を任されている。
魔道具:魔法書『屍食教典儀』 ≪クトゥルー神話≫
通常の魔道書とは異なり、自身の手になくとも、使用者と認められた者が本を最初に開きさえすれば、どこに置いてあろうとも効果を永続させられるという特異な魔道書。
通常の魔道書とは異なり、自身の手になくとも、使用者と認められた者が本を最初に開きさえすれば、どこに置いてあろうとも効果を永続させられるという特異な魔道書。
その能力とは〝昼に蓄え夜に解き放つ〟というもので、詳細としては、『屍食教典儀』を開き、昼のうちに異性の心臓を生きたまま抉り出し、それを食すことで、夜になると食らった心臓の分だけ自らの命が延びるというものである。
効果としては、食らった心臓の主が、本来持っていた寿命分の延長、死んだ場合は食らった心臓の数だけ蘇生、心臓の主が有していた力を自身に取り込む、といった三種類のことが可能である。
ただし、この効果が得られるのは日が沈んでから夜が明けるまでに限られ、日中はただの人と変わりがない。
更に、心臓を食らうのも夜ではなく昼でなければならず、心臓は生きたまま抉り出すことが必須条件であるため、夜が超人であるにも関わらず、わざわざ昼の弱い人の身で異性を殺さなければならないという矛盾も含んでいる。
当然、心臓を食らう際には『屍食教典儀』が開かれていなければならない。
褐色の肌と銀の髪、美しい容貌を持ったルナリアだからこそ成立する〝異性殺し〟であり『屍食教典儀』だといえるかもしれない。
効果としては、食らった心臓の主が、本来持っていた寿命分の延長、死んだ場合は食らった心臓の数だけ蘇生、心臓の主が有していた力を自身に取り込む、といった三種類のことが可能である。
ただし、この効果が得られるのは日が沈んでから夜が明けるまでに限られ、日中はただの人と変わりがない。
更に、心臓を食らうのも夜ではなく昼でなければならず、心臓は生きたまま抉り出すことが必須条件であるため、夜が超人であるにも関わらず、わざわざ昼の弱い人の身で異性を殺さなければならないという矛盾も含んでいる。
当然、心臓を食らう際には『屍食教典儀』が開かれていなければならない。
褐色の肌と銀の髪、美しい容貌を持ったルナリアだからこそ成立する〝異性殺し〟であり『屍食教典儀』だといえるかもしれない。
補足すると、夜であったとしても、誰かが一度『屍食教典儀』を閉じてしまうと効果が絶たれ、ルナリアはただの人間に戻ってしまう。
更に、効果を復活させるには、自らが『屍食教典儀』を開きに戻らなければならないため、隠し場所には細心の注意を払い、誰一人としてその場所を知る者はいない。
『屍食教典儀』は月の秤動である月齢に大きく関わっており、月が新月から月隠に到る二七日間を通して開かずにおくと、今まで蓄えた心臓の数と力はすべてリセットされる。
更に、効果を復活させるには、自らが『屍食教典儀』を開きに戻らなければならないため、隠し場所には細心の注意を払い、誰一人としてその場所を知る者はいない。
『屍食教典儀』は月の秤動である月齢に大きく関わっており、月が新月から月隠に到る二七日間を通して開かずにおくと、今まで蓄えた心臓の数と力はすべてリセットされる。
昼間のルナリアは、異常なまでの警戒心を持っており、会うことができるのはニュクスの面子でも、恐らく盟主ミッドナイト以外には存在しないだろう。
タルムード
所有者備考:幹部七席の地位を有し、ミッドナイトより〝ディストール(歪曲)〟の名を与えられている。
渾名とはまったく関係ないが、常にアサトと行動を共にしており、アサトの使い走りをさせられる彼を仲間内では〝苦労人〟と呼ぶ。
〝ヘルヘイム大冥王国〟の総監督を任されている。
渾名とはまったく関係ないが、常にアサトと行動を共にしており、アサトの使い走りをさせられる彼を仲間内では〝苦労人〟と呼ぶ。
〝ヘルヘイム大冥王国〟の総監督を任されている。
魔道具:魔法書『タルムード』 ≪口伝のトーラ≫
〝口伝律法〟を意味する魔道書
使い手が『タルムード』を開き、例えば〝盗みは善行〟と叫ぶと声量の範囲において、言葉を聴いた者たちに〝盗みは善行〟であると信じ込ませることができる。
その後は『タルムード』を閉じても効果は持続される。
まさに口伝律法の名に相応しく、口で伝える絶対法律の魔道書である。
効果時間は、聞き手が聴いた声量により変化するが、囁き声を最低として数分から最大で二十四時間まで、あるいは、聞き手が眠るまでといわれている。
〝口伝律法〟を意味する魔道書
使い手が『タルムード』を開き、例えば〝盗みは善行〟と叫ぶと声量の範囲において、言葉を聴いた者たちに〝盗みは善行〟であると信じ込ませることができる。
その後は『タルムード』を閉じても効果は持続される。
まさに口伝律法の名に相応しく、口で伝える絶対法律の魔道書である。
効果時間は、聞き手が聴いた声量により変化するが、囁き声を最低として数分から最大で二十四時間まで、あるいは、聞き手が眠るまでといわれている。
『タルムード』は、あくまでも人々に律法を植え付けるための魔道書である。
そのため、〝奴を殺せ〟〝アレを行なえ〟といった命令は実行されない。
行なえるのは、洗脳ではなく、あくまで律法を信じ込ませることであり、真実の歪曲と精神の汚染、道徳観の排除である。
もっとも〝人殺しは善行〟などと吹き込むことはできる。
そのため、〝奴を殺せ〟〝アレを行なえ〟といった命令は実行されない。
行なえるのは、洗脳ではなく、あくまで律法を信じ込ませることであり、真実の歪曲と精神の汚染、道徳観の排除である。
もっとも〝人殺しは善行〟などと吹き込むことはできる。
『タルムード』の厄介なところは、自身の声を聴いてしまうと、使い手でさえも自らが告げた律法を信じてしまうことにある。
それを未然に防ぐことができるのは『ミシュナの耳飾』と『ゲマラの指輪』のみであり、この二つのどちらかを身に付けている者は『タルムード』の効果対象外となる。
それを未然に防ぐことができるのは『ミシュナの耳飾』と『ゲマラの指輪』のみであり、この二つのどちらかを身に付けている者は『タルムード』の効果対象外となる。
ただし、アルトが発する声には、これといって特異性はなく、単純に声を聴かなければ『タルムード』を防ぐことは容易い。
もっとも、どんなに精巧な耳栓を使っても外界の音を完全に遮断できる訳ではないし、何より周りの音が聴こえない状態では『タルムード』以前に格闘戦に支障をきたすことは十分に考えられるため、もっとも単純かつ効果的な方法は、魔術による音声遮断だろう。
もっとも、どんなに精巧な耳栓を使っても外界の音を完全に遮断できる訳ではないし、何より周りの音が聴こえない状態では『タルムード』以前に格闘戦に支障をきたすことは十分に考えられるため、もっとも単純かつ効果的な方法は、魔術による音声遮断だろう。
ミシュナの耳飾
魔道具:耳飾『ミシュナの耳飾』 ≪口伝のトーラ≫
魔道書『タルムード』の効果を無効化するための耳飾
身に付けた者は『タルムード』の効果から除外される。
特に使用者を選ぶ性質はなく、ただの道具である。
現在は、アルトの手から離れ、常に行動を共にするアサトが所持している。
魔道書『タルムード』の効果を無効化するための耳飾
身に付けた者は『タルムード』の効果から除外される。
特に使用者を選ぶ性質はなく、ただの道具である。
現在は、アルトの手から離れ、常に行動を共にするアサトが所持している。
ゲマラの指輪
魔道具:指輪『ゲマラの指輪』 ≪口伝のトーラ≫
魔道書『タルムード』の効果を無効化するための指輪
身に付けた者は『タルムード』の効果から除外される。
特に使用者を選ぶ性質はなく、ただの道具である。
現在もアルトが指に嵌めている。
魔道書『タルムード』の効果を無効化するための指輪
身に付けた者は『タルムード』の効果から除外される。
特に使用者を選ぶ性質はなく、ただの道具である。
現在もアルトが指に嵌めている。
金枝篇
所有者備考:幹部八席の地位を有し、ミッドナイトより〝アートマン(大我)〟の名を与えられている。
〝ミドガルド共生国〟の総監督を任されている。
〝ミドガルド共生国〟の総監督を任されている。
魔道具:魔法書『金枝篇』 ≪『史実』『アイネイアス神話』≫
自身と他者の境界を曖昧にする全十三巻からなる魔道書
ただし、魔道書としては珍しく、中身は完全な白紙である。
自身と他者の境界を曖昧にする全十三巻からなる魔道書
ただし、魔道書としては珍しく、中身は完全な白紙である。
白紙の頁に名前を書き込むことで、名を記した者のそれまでの半生が浮かび上がる。
名前を書き込ませる方法は、洗脳でも強制でも何でも構わないが、書き込む場合は、聖なる木であるヤドリギから作られた専用の筆を使用しなければならない。
名前を書き込むことで、一頁につき一人分の人格、技術、知識、経験、記憶といったすべての事柄を収めることができる。
これを使用する際は、使い手が名前の項を指でなぞると指先にインクが移るので、これを飲み込むようにすると人格を含むすべてを入れ替えることができ、逆に解除する場合は、他の名前を飲むことで前回使用した名前は本来の場所に戻る。
名前を書き込ませる方法は、洗脳でも強制でも何でも構わないが、書き込む場合は、聖なる木であるヤドリギから作られた専用の筆を使用しなければならない。
名前を書き込むことで、一頁につき一人分の人格、技術、知識、経験、記憶といったすべての事柄を収めることができる。
これを使用する際は、使い手が名前の項を指でなぞると指先にインクが移るので、これを飲み込むようにすると人格を含むすべてを入れ替えることができ、逆に解除する場合は、他の名前を飲むことで前回使用した名前は本来の場所に戻る。
『金枝篇』に記した名前を使用すると、使い手は名前の主に〝類感〟し、更に周りの他者すら〝共感〟し、やがては、噂の中ですら〝彼女は昔からそうだった〟と誰もが〝感染〟するという特異性を持ち、使用者が変質するだけでなく他者の意識的境界すら侵食する力を持つ。
それ故の〝アートマン(大我)〟の真名である。
それ故の〝アートマン(大我)〟の真名である。
ただし、問題点もある。
『金枝篇』は、本来他者を欺く〝類感〟〝共感〟〝感染〟の呪術を極限まで強化した代物であるが、アサトがもつことでその能力は極限まで高められている。
その理由としては、アサト=アートマンという存在が〝穢れた聖女の血統〟に列なる者であり、その身に〝闇聖女の血〟を流す人物であることに基因する。
〝闇聖女の血〟は、別名〝漆黒の血〟とも呼ばれ、あらゆる術式を強化することができる血といわれている。
これにより、その能力を極限まで高められた『金枝篇』は、書き込まれた人物の能力を百パーセント完全に模倣することが可能であり、名を書き込ませることさえできれば、神の存在すら模倣することが可能と思われる。
だが、それと引き換えに、本来ならば可能である自身と他者との人格区分と、他者の存在遮断、排除といったことが不可能になってしまった。
それにより、アサトは常に〝誰か〟の存在をその身に宿さねばならず、それを排除するには上記の如く新たな名前を飲まねばならないため、決して他者の意思が消えることがなくなってしまい、現在に到っては、アサト自身にも本来の自分の性格や人格、記憶といったモノがどれであるのか判然としない状況である。
『金枝篇』は、本来他者を欺く〝類感〟〝共感〟〝感染〟の呪術を極限まで強化した代物であるが、アサトがもつことでその能力は極限まで高められている。
その理由としては、アサト=アートマンという存在が〝穢れた聖女の血統〟に列なる者であり、その身に〝闇聖女の血〟を流す人物であることに基因する。
〝闇聖女の血〟は、別名〝漆黒の血〟とも呼ばれ、あらゆる術式を強化することができる血といわれている。
これにより、その能力を極限まで高められた『金枝篇』は、書き込まれた人物の能力を百パーセント完全に模倣することが可能であり、名を書き込ませることさえできれば、神の存在すら模倣することが可能と思われる。
だが、それと引き換えに、本来ならば可能である自身と他者との人格区分と、他者の存在遮断、排除といったことが不可能になってしまった。
それにより、アサトは常に〝誰か〟の存在をその身に宿さねばならず、それを排除するには上記の如く新たな名前を飲まねばならないため、決して他者の意思が消えることがなくなってしまい、現在に到っては、アサト自身にも本来の自分の性格や人格、記憶といったモノがどれであるのか判然としない状況である。
他者の存在を消す唯一の方法は、専用の『ヤドリギの筆』を使い名前の主を殺すことで『金枝篇』に記された名前を削除することができ、この行為を〝王殺し〟という。
ただし、『ヤドリギの筆』以外の死因で既に名前の主が死んでいる場合『金枝篇』の頁から名前を削除することは永遠にできない。
因みに『ヤドリギの筆』は、あくまでも筆であるため、武器としての強度や殺傷能力は存在しない。
例えるならば、万年筆で人を殺す感覚である。
ただし、『ヤドリギの筆』以外の死因で既に名前の主が死んでいる場合『金枝篇』の頁から名前を削除することは永遠にできない。
因みに『ヤドリギの筆』は、あくまでも筆であるため、武器としての強度や殺傷能力は存在しない。
例えるならば、万年筆で人を殺す感覚である。
『金枝篇』は一冊がA4ノートほどもあるため、普段は選んだ一冊のみを持ち歩いている。
『ヤドリギの筆』も現存する物のみで、生産も不可能なため普段は二本だけ持ち歩き、残りは部屋に置いているが、まだ二八十本ほどあるらしい。
『ヤドリギの筆』も現存する物のみで、生産も不可能なため普段は二本だけ持ち歩き、残りは部屋に置いているが、まだ二八十本ほどあるらしい。
ヤドリギの筆
魔道具:万年筆『ヤドリギの筆』 ≪『史実』『アイネイアス神話』≫
『金枝篇』に名前を書き込む際に使用する万年筆
それ以外の使用法としては『金枝篇』に書き込まれた名前を削除するために、名前の主を殺す凶器として使用する。
『金枝篇』に名前を書き込む際に使用する万年筆
それ以外の使用法としては『金枝篇』に書き込まれた名前を削除するために、名前の主を殺す凶器として使用する。
この魔道具は、今は失われた聖地〝アリキアの木立〟に群生したヤドリギでのみ作られる筆であるため、現在では生産することができない。
因みに、アサトが現在所持している本数は、二八三本だという。
因みに、アサトが現在所持している本数は、二八三本だという。
ズカウバの香炉
所有者備考:幹部九席の地位を有し、ミッドナイトより〝マジェスティ(威厳)〟の名を与えられている。
九国大陸外の支部統率担当者の一人で、東欧諸島の総監督を任されている。
九国大陸外の支部統率担当者の一人で、東欧諸島の総監督を任されている。
魔道具:香炉『ズカウバの香炉』 ≪クトゥルー神話≫
虚像の威厳を纏うための香炉
『ズガウバの香炉』で専用の粉末を焚くことで、虚像の威光を身に纏うことができる。
その威厳は、絶大であり王や神にも匹敵するといわれている。
条件としては、一回分の粉末を必ず密室で焚き、燃え尽きるまで部屋を出てはいけない。
一回分は、一人分であり、必ず一人で煙を纏わねばならない、という二項のみである。
虚像の威厳を纏うための香炉
『ズガウバの香炉』で専用の粉末を焚くことで、虚像の威光を身に纏うことができる。
その威厳は、絶大であり王や神にも匹敵するといわれている。
条件としては、一回分の粉末を必ず密室で焚き、燃え尽きるまで部屋を出てはいけない。
一回分は、一人分であり、必ず一人で煙を纏わねばならない、という二項のみである。
ただし、香というだけに水には弱く、浴びると効果を失ってしまうため、雨などはセレーヌの天敵といわれる。
一度纏った香の持続時間は十二時間、効果が切れるまでは次を纏うことが出来ず、また複数回分を一度に纏うことも出来ない。
この魔道具は、別段使用者を選ばないが、纏った威厳は本物であり、簡単には抗えないため、手軽ではあるが強力な魔道具である。
一度纏った香の持続時間は十二時間、効果が切れるまでは次を纏うことが出来ず、また複数回分を一度に纏うことも出来ない。
この魔道具は、別段使用者を選ばないが、纏った威厳は本物であり、簡単には抗えないため、手軽ではあるが強力な魔道具である。
ただし、この魔道具は嗅覚を刺激して他者に認識させ、視覚によって使い手を視認し確信させるという工程を辿るように作られており、嗅覚が使えない者には、そもそも効果がなく、更に嗅覚は確かでも視覚が不能ならば香の効果を意識することができず、効き目は半減してしまう。
イブン=グハジの粉末
魔道具:香『イブン=グハジの粉末』 ≪クトゥルー神話≫
『ズガウバの香炉』と併せて使用する専用の粉末
専用の布袋の中で、毎日必ず倍の量に増えるため最後の一掴みさえ使わずに残しておけば、無くなってしまうことはない。
『ズガウバの香炉』と併せて使用する専用の粉末
専用の布袋の中で、毎日必ず倍の量に増えるため最後の一掴みさえ使わずに残しておけば、無くなってしまうことはない。
ゴーテンダーク
所有者:【鎮座する楼閣】ヴァルド=ルーク
備考:幹部十席の地位を有し、ミッドナイトより〝ルーク(城郭)〟の名を与えられている。
九国大陸外の支部統率担当者の一人で、東洋大陸と極東島国の総監督を任されている。
九国大陸外の支部統率担当者の一人で、東洋大陸と極東島国の総監督を任されている。
魔道具:フレイル『ゴーテンダーク』 ≪史実≫
〝こんにちわ〟を意味する名を持つフレイル系武具で、常に自身が放った力加減の1.5倍の威力を発揮する。
この武器は、時折、気まぐれに〝ゴーテンダーク(こんにちわ)〟と篭った野太い声で啼くことがあり、一啼きで放たれる威力1.5倍の更に1.5倍、もう一啼きで更に1.5倍と水増しされていく。
だが、この武器が啼くのは本当にランダムであり、自身で操作することは出来ない。
そして、この武器が啼き、威力が水増しされる度に、その重さも1.5倍に水増しされていく諸刃の武器でもある。
どこまで水増しでき、何倍の威力まで武器が耐えられるのかは、試そうにもその前に戦いが終わってしまうことや、使い手が重さに耐えられなくなることが多く、正確に検証した者はいない。
〝こんにちわ〟を意味する名を持つフレイル系武具で、常に自身が放った力加減の1.5倍の威力を発揮する。
この武器は、時折、気まぐれに〝ゴーテンダーク(こんにちわ)〟と篭った野太い声で啼くことがあり、一啼きで放たれる威力1.5倍の更に1.5倍、もう一啼きで更に1.5倍と水増しされていく。
だが、この武器が啼くのは本当にランダムであり、自身で操作することは出来ない。
そして、この武器が啼き、威力が水増しされる度に、その重さも1.5倍に水増しされていく諸刃の武器でもある。
どこまで水増しでき、何倍の威力まで武器が耐えられるのかは、試そうにもその前に戦いが終わってしまうことや、使い手が重さに耐えられなくなることが多く、正確に検証した者はいない。
普段は、フレイルの柄の部分に専用の革ケースを付けておくことで、啼かなくなり、重さも威力も本来のものに戻る。