マネキネコ邪面

「猫は気紛れ!猫はよく寝る!猫はおならもするよ!」

【名前】 マネキネコ邪面
【読み方】 まねきねこじゃめん
【声優】 楠大典
【登場作品】 魔進戦隊キラメイジャー
【登場話】 エピソード41「ありのままでいたい」
【所属】 ヨドンヘイム/ヨドン軍
【分類】 邪面師
【素体スーツの色】
【手袋/マント/ブーツの色】 紫/紫(裏地は銀)/紫
【邪面】 招き猫→様々な幸運を招くといわれる地球の猫の置物
【担当邪面獣 邪面獣ネコカンリガニー
【作戦名】 地獄ネコミミ作戦
【一口メモ】 目の前でいきなり手を叩かれると、思わず食らってしまうにゃー。
【モチーフ】 招き猫、猫

【詳細】

ベチャットが地球の置物「招き猫」を模した邪面をかぶって昇格した邪面師

巨大な招き猫の頭部をそのまま被った姿をしている。
ただ左側頭部からは招き猫の左手がそのままくっついた状態で造形されていて、邪面師自体の頭も兼ねるためかツリ目のいわゆる猫目状にアレンジされている(一般的に招き猫の瞳は丸く瞳孔が開いている)。

鈴と大判のついた首輪をつけ、その鈴から「招き猫ビーム」なる光線を発射する能力を持つ。
招き猫ビームにあたった人間は猫人間へと変化。気力をネコそぎ奪う「地獄ネコミミ作戦」を実行し、闇エナジーを集めて邪面獣ネコカンリガニー召喚を狙う。

猫人間になってしまうと、頭からは猫耳が生えて人格も勝手気ままな猫そのものへと変わってしまうが、ダメージはなく確かにまともな行動は取れなくなるし、
被害者が増えていけば大なり小なり社会は混乱するが、直接的な大破壊には結びつかない何とも微妙な能力。
本人も性格は勝手気ままと猫のようで、上司であるクランチュラの言葉さえも時として無視するほど。水に濡れることが大嫌いというところまで猫らしい。
なお猫化した人間は目の前で手を叩く、いわゆる「猫騙し」ならぬ「猫起こし」をすることで正気に立ち戻らせる事が可能。
ただしばらくは猫化していた影響が残り、語尾や言動が猫っぽくなる。

クランチュラは「最高傑作」として送り出したが、実際には邪面師としても他のスミカエ邪面(光線を当てた相手の人格を入れ替える)やマネキン邪面(撫で回した相手をマネキンのように固める)と大差のない能力で、
上司の命令も無視する場合がある等、部下として見ても欠陥品と言える。
ちなみに人間を他の物体に変えてしまう邪面師マシュマロ邪面がいるが、マネキネコ邪面は猫化させても外見は猫耳が生えるだけで完全な猫に変えるまでには至らないとそこも片手落ち。

邪面獣ターンテーブルゴモリュウ出撃の際にヨドンナの能力で分裂し、そのまま1/5の自分を失ってしまったクランチュラはスランプに陥っていた。
「画期的な作戦」として自信を持っていたハリガネ邪面の作戦が失敗し意気消沈しているところをヨドンナに注意され、満足の行く邪面師が作れず「奇抜で斬新で面白い」発想を求めるクランチュラと、
「ひたすら強く、強く、強い兵隊」を求めるヨドンナヨドン皇帝)の主張がぶつかった結果、ムキになったクランチュラによって「面白くて強い邪面師」として生み出された。

ヨドン反応を感知してやってくる充瑠らキラメイジャー。
彼らの目の前には衝突した車や、倒れ伏す通行人といった惨状が広がっていた。
警官までもが被害にあったようで、彼の脈拍を測り安堵する小夜だったが、その頭から猫耳が生えていることに気がついて驚愕。
同じタイミングで目を覚ました人々はまるで猫のような動きで、充瑠らの「猫!?」という大声に驚いてその場から逃げ去ってしまう。

事態を飲み込めずに困惑するキラメイジャーの前に現れ、作戦の内容を説明し、「猫だけにネコそぎー!」と胸を張ってオヤジギャグをかますも受けずにダダ滑り。
「緊張感の無い邪面師だな」(時雨)やら「クランチュラもスランプってかネタ切れかな」(為朝)と好き勝手に評価されるのを聞いたクランチュラが激怒して彼らの背後から現れ、彼の指示でベチャットを呼び寄せ混戦となったところへ招き猫ビームを発射。
直撃してしまった充瑠、小夜、瀬奈は頭に猫耳が生えた猫人間となってしまって戦うことが出来なくなってしまう。

混乱するキラメイジャーをよそに一仕事終えたとばかりに立ち去ろうとするマネキネコ邪面は、追撃しないことをクランチュラに咎められるも、彼におならを浴びせて上記のセリフと共に一目散にその場から走り去る。
「とんだ最高傑作!何という期待はずれ!」と憤慨して対策を講じようとその場をあとにするクランチュラだったが、彼の意匠の一部である腰のひらひらした布に反応した猫化充瑠がついていってしまい…

その後マネキネコ邪面は暖かな日差しの降り注ぐビルの屋上で寝っ転がっていたのだが、あまりの体たらくに激怒しつつ現れたヨドンナの鞭でひっぱたかれてパワーアップ。
瞳が真っ赤に染まり口調も尊大なものへと変化し、鈴を鳴らして猫化させた人間達を凶暴化させることで各地で散発的な騒ぎを起こし闇エナジーを集めていく。
そしてネコカンリガニーの召喚に成功すると、凶暴化した猫化小夜と猫化瀬奈と共にチェンジした時雨と為朝を圧倒して変身解除まで追い込んだ。

そこへクランチュラから猫騙しならぬ「猫起こし」のやり方を教わった猫化充瑠が合流し、微妙に語尾等に猫化の影響が残りつつも小夜と瀬奈が正気に戻り、5人ともキラメイチェンジしてマネキネコ邪面と対峙。
猫特有の素早い動きに翻弄された挙げ句、ビームを浴びていない時雨と為朝まで猫になりきった動きで参戦。

その動きを捉えきれずにいた所に、ネコカンリガニーと戦っていたギガントドリラーが地下の温泉を掘り当てたことで吹き上がる温水を大量に浴びて動きが止まり、
そのスキにゴーキラメイジャーへとパワーアップした充瑠らのスパークニャングフェニックスに貫かれ爆散した。

【余談】

猫モチーフなら快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャーガラット・ナーゴ以来の登場となるが、招き猫自体をモチーフにした怪人は初。

招き猫の由来は諸説あるものの、猫は農作物や蚕を食べるネズミを駆除することから古くは養蚕の縁起物とされ、後に商売繁盛の縁起物とみなされた。
ちなみに右手を挙げている猫は金運を招き、左手を挙げている猫は人を招き、両手を挙げたものもあるが、欲張りすぎると両手を上げた「お手上げ万歳」になる、とも。
公式サイトのスチール写真では右手を挙げた状態のものが使われており、倒されたあと情報が掲載される怪人紹介故にしょうがないものはあるが、遺影として考えてみると正しく「お手上げ」だったのだろう。

このマネキネコ邪面が挙げている手は人を招くという左手。
一方でクランチュラがヨドン軍の方針を受け入れられず、自分の誇りを再確認した結果皇帝から用済みとみなされるという、物語としての大きな転機となった。

クランチュラは何を持ってこの邪面師を最高傑作と称したのかは定かではない。
人間を猫のようにしてしまうというのはクランチュラの言う斬新かは置いておいて「奇抜で面白い」邪面師ではある。
しかしヨドン皇帝が求める「ひたすら強い兵隊」かどうかは疑問符がつくだろう。
つまりこの時点で比重が明らかにクランチュラの趣味嗜好に偏った能力デザインされていることは明らかであり、ヨドンナが作戦行動中にも関わらず昼寝をシていたこの邪面師に対して怒りを覚えるのも無理からぬことと言える。

一方で、ヨドンナの鞭を受けてパワーアップし、鈴の音で猫化させた人間達を凶暴化させることができるようになった。
だがヨドンナの能力は、「元々持っていない能力を新たに付与するタイプではない」と思われる。
他にヨドンナの鞭でパワーアップした例としてはマネキン邪面がいるが、あちらは撫で回した人間を固めてしまう能力が強化され本物のマネキンに変えてしまう事ができるようになったが、撫で回さなければならないという能力始動の条件は変わっておらず、もとから持っていた能力の質を順当にパワーアップさせたものであると言える。
このことから考えると、マネキネコ邪面は元々猫化させた人間を鈴の音で操ることができたのではなかろうか。

その能力を発揮する前にヨドンナが見限った、もとい猫化させた人間を増やしても操るまで行かず一仕事終えたと判断したマネキネコ邪面は休憩がてら昼寝をしに行ったとも考えられる。
「とんだ最高傑作だ」とクランチュラも口にしていたが、何の対策を講じようとしたのかは不明なままであるため、能力面ではなく気まぐれな邪面師に言うことを聞かせるための手段を調達しようとしていたのかもしれない(邪面師を追いかけようとしている風ではなかった)。

劇中で登場した最後の邪面師

最終更新:2021年06月10日 02:02