番外編
その日レミリアは寝る前に靴下を下げていた。彼女はとある筋から聞いたのだ。今日がクリスマスだということを。
ワクワクドキドキ、夜になるのがたまらなく待ち遠しい。目が冴えてしばらく眠れなかったがそれもつかの間、いつの間にやら目蓋を閉じたのだ。
ワクワクドキドキ、夜になるのがたまらなく待ち遠しい。目が冴えてしばらく眠れなかったがそれもつかの間、いつの間にやら目蓋を閉じたのだ。
翌夜、彼女は吼えていた。
「咲夜ー! ねー咲夜、これってどういうことなの!」
「どういうこととは?」
「どういうこととは?」
呼ばれてやってきた咲夜に涙目になって枕元に下げておいた靴下を指差した。そう、そこには何も入っていないのだ。
「お嬢様お戯れを。一体幾つになったとお思いですか?」
「それでも咲夜、あなたいっつも子ども扱いするじゃない! サンタさんだって来てもおかしくはないわよ!」
「それでも咲夜、あなたいっつも子ども扱いするじゃない! サンタさんだって来てもおかしくはないわよ!」
その言葉を聞き、咲夜は鼻で笑った。
「な、何よ」
「お嬢様、御自分の胸に手を当てて前日の行動をよく思い出してください」
「ぜ、前日……まさか!?」
「お嬢様、御自分の胸に手を当てて前日の行動をよく思い出してください」
「ぜ、前日……まさか!?」
何か思い当たることがあるのだろうか、思わず目を見開いてしまう。
「思い出されましたか? 前日のお嬢様はとてもカリスマに溢れていてとても大人びていました」
「だからサンタさんがこなかったの?
「そうです。ああ惜しかったですね。うーうー言っていたらきっと素敵なプレゼントとが枕元に置かれていたでしょうね」
「うーうー、ぷれぜんと」
「今更もう遅いですよ」
「だからサンタさんがこなかったの?
「そうです。ああ惜しかったですね。うーうー言っていたらきっと素敵なプレゼントとが枕元に置かれていたでしょうね」
「うーうー、ぷれぜんと」
「今更もう遅いですよ」
一方の地下室ではフランドールは目を丸くして驚いていた。何と枕元に包装された箱が置いてあるのだ。
「何だろう?」
ドキドキ胸を高鳴らせて箱を開けるとそこには美味しそうなケーキがあったのだ。
「うわぁ、おいしそう!」
指で生クリームをすくって食べる彼女は気付かなかった。その包装紙に小さくメーリンクリスマスと書かれていたことに。
何を隠そう昼間に起きてこっそりケーキを置いたのはサンタの格好をした美鈴だったのだ。メリークリスマスのメリーを自分の名前美鈴(メイリン)とかけて、メーリンクリスマスと書き、一人で笑っていたのは内緒だ。
何を隠そう昼間に起きてこっそりケーキを置いたのはサンタの格好をした美鈴だったのだ。メリークリスマスのメリーを自分の名前美鈴(メイリン)とかけて、メーリンクリスマスと書き、一人で笑っていたのは内緒だ。
さて、紅魔館にはプレゼントを貰った人間がもう一人いた。そう人間だ。
咲夜が泣くレミリアに手製のプレゼントを差し上げ宥めたあと、自室に戻ってからそれに気付いたのだ。
咲夜が泣くレミリアに手製のプレゼントを差し上げ宥めたあと、自室に戻ってからそれに気付いたのだ。
「これは……」
いつの間にか彼女のベッドの上に可愛らしくラッピングされた箱があるのだ。
驚くものの咲夜はその顔に嬉しさは隠せない。
驚くものの咲夜はその顔に嬉しさは隠せない。
「誰か知らないけれどありがたく貰っておくわ」
彼女は鼻歌を歌いながらその箱を開けたが、その内容物に絶句した。
「ぶ、ブラジャー……」
しかもサイズはAA。
彼女は震える手で添えられたメッセージカードを手に取った。
そこには『身の程をわきまえろよw byサタンさん』と書かれていたのだ。
絶叫する咲夜。同様の被害にあったのは彼女だけでない。
幻想郷の各地でそれは起きていた。例えば氷の妖精に使い捨てカイロが送られたり、八雲さん家には消臭剤が送られたりと散々な物だった。
彼女は震える手で添えられたメッセージカードを手に取った。
そこには『身の程をわきまえろよw byサタンさん』と書かれていたのだ。
絶叫する咲夜。同様の被害にあったのは彼女だけでない。
幻想郷の各地でそれは起きていた。例えば氷の妖精に使い捨てカイロが送られたり、八雲さん家には消臭剤が送られたりと散々な物だった。
ちなみにその原因は紅魔館にあったりする。それはパチュリーがサンタさんを召喚する魔法を書いていた時に、小悪魔がこっそりサタンさん召喚の魔方陣に書き換えたからだ。
幸いにもやって来たのは愉快なサタンさん(小悪魔の知人でした)だったので、パチュリーのプレゼントを配って欲しいという願いに快く応じたのだ。
そして一仕事終えたサタンさんは小悪魔と涙の別れをした後、元の場所に帰って行ったのだった。
幸いにもやって来たのは愉快なサタンさん(小悪魔の知人でした)だったので、パチュリーのプレゼントを配って欲しいという願いに快く応じたのだ。
そして一仕事終えたサタンさんは小悪魔と涙の別れをした後、元の場所に帰って行ったのだった。
永遠亭では八意永琳は頭を抱えていた。クリスマスに予想外の出費を強いられたからだ。
アレッシーの能力を使い、輝夜と鈴仙を幼女かしていなければそこまでの出費がなかったのかもしれない。
例年ならば、ちょっぴり豪華なご飯、そして輝夜に鈴仙、てゐにはちょっとしたプレゼントをあげて置けばよかったのだ。
それがどうだろうか。ケーキを作らねばならず(薬なんて入っていません)、さらに子供用にシャンメリーを買わねばならないのだ(香霖堂に売ってました。とても高かった)。
頭を抱える永琳だったが、子供達の笑顔を見たらそんな考えも段々と吹き飛んでいった。
その証拠に彼女は深夜、サンタルックで嬉々として輝夜に鈴仙の枕元にプレゼントを置くのだった。どうでもよいがてゐは永琳にトナカイのきぐるみを着せられてそのお供をさせられていたのだ。
アレッシーの能力を使い、輝夜と鈴仙を幼女かしていなければそこまでの出費がなかったのかもしれない。
例年ならば、ちょっぴり豪華なご飯、そして輝夜に鈴仙、てゐにはちょっとしたプレゼントをあげて置けばよかったのだ。
それがどうだろうか。ケーキを作らねばならず(薬なんて入っていません)、さらに子供用にシャンメリーを買わねばならないのだ(香霖堂に売ってました。とても高かった)。
頭を抱える永琳だったが、子供達の笑顔を見たらそんな考えも段々と吹き飛んでいった。
その証拠に彼女は深夜、サンタルックで嬉々として輝夜に鈴仙の枕元にプレゼントを置くのだった。どうでもよいがてゐは永琳にトナカイのきぐるみを着せられてそのお供をさせられていたのだ。
「えーりんクリスマス」
「てゐ、何か言ったかしら?」
「てゐ、何か言ったかしら?」
新聞記者と言うものに盆も正月もクリスマスもない。それは文々。新聞の記者も例外ではない。
彼女に取って今回の騒動は思いもよらないクリスマスプレゼントとなった。
うーうー泣くレミリアと鼻血を出すメイド、叫ぶメイド。サンタルックの美鈴に永琳。トナカイのきぐるみを着たてゐ。溶けるチルノ、喜んで消臭剤を紫の部屋にばら撒く八雲さん家の藍。
あげればキリがない。それら全てを写真に収めることが出来たのだ。
彼女に取って今回の騒動は思いもよらないクリスマスプレゼントとなった。
うーうー泣くレミリアと鼻血を出すメイド、叫ぶメイド。サンタルックの美鈴に永琳。トナカイのきぐるみを着たてゐ。溶けるチルノ、喜んで消臭剤を紫の部屋にばら撒く八雲さん家の藍。
あげればキリがない。それら全てを写真に収めることが出来たのだ。
「いやー次は正月ですかね。いい写真がこれまた撮れそうです」
文々。新聞の紙面は騒がしくなりそうだ。
番外編
幻想郷の奇妙なクリスマス