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小人と猫と白黒と。 その四

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匿名ユーザー

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 「くそぉっ!!」
橙はそう叫んで、触手を切る。
その触手は、宙に浮かんだ魔導書の入った箱から出ていた。
箱からは生臭い魚のような潮の匂いのような、奇妙な瘴気が噴出している。
そしてその箱を中心に魔法陣が展開された。
しかし、それは三次元的な展開をしており、橙には理解できない程複雑な術式がそこにはあった。
 「ど・・どどどどうしよう・・・・。誰か・・・・・・・。」
誰かに助けを求めようとして、首を振る。
気がついてみれば、さっきから自分は他人に頼りぱなっしではないか。
このままではずっと一人前にはなれない。
橙は、覚悟を決めた。
自分の妖力の全てを込め、わずかな封印のスキマを埋めるのだ。
 「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ・・・・・。」
気力を集中させ腹に力を込める。
彼女が持つ全集中力で、どこの封印の術式が綻んだのか探す。
瘴気を物ともせず、橙はひたすら集中する。
そして、この世のものではない触手が介入している部分を見つけた。
「そこだぁぁぁぁっ!!」
橙はそこに、全妖力を注ぎ込む。
暗い潮の魔力は取り払われ、橙の力が破壊された術式を埋めた。
 「やったっ!!」
橙はそう言って、ガッツポーズを取る。
だが、もうほとんど彼女に力は残っていない。
 「こ・・・これを回収すれば・・・・・。」
そう言って橙は封印の箱に手を伸ばす。
だが、次の瞬間。
 「え・・・・・?」
箱に、罅が入った。
先ほどまでの綻びは、予兆に過ぎなかったようだ。
罅が次々に箱に走り、すでに、それは箱ではなくなる。
パァンと封印の術が、完全に解けた。
魔導書を中心に、次から次にと肉が現れ、ジュブルジュブルと受肉していく。
 「あ・・あ・・・・あぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!」
橙は自分を責める、自分が、余計な事をしたせいで術式に綻びが怒ってしまったのだ。
こんなことなら、素直に誰かに助けを求めればよかった。自分では、どうせ駄目なのだ。
だが、今度は泣きたくなかった。泣いてはいけなかった。
自分のせいでこうなったら、自分で責任を取るべきだ。
おそらく、この瘴気にすぐ誰かが気づいてくれるだろう。
なら、自分は少しでもこいつの足を止めるだけだ。
 「スペルカード!!」
『覚悟』を決め、橙は己のスペルカードを構える。
その手は既に毛むくじゃらである、どうやら人化の術まで解けかけているようだ。
だが、それでも引くわけにはいかないのだ。
 「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
橙はそう叫んで、敵に向かっていく。
次の瞬間、橙の横を、極太のレーザーが走った。
そして、次の瞬間、彼女は何者かに連れ去られる。
 「何してんだ馬鹿!!」
そう言って、彼女は自分を抱えた大きな帽子に隠れた表情の、少女を見た。
 「魔理沙・・・・・・・・。」
 「おい、無事か?!」
そう言って、魔理沙の帽子の上から顔をのぞかせたのは、リトル・フィートを掛けたホルマジオだ。
スピードについていけないと判断したのか、こんな風に横着したらしい。
 「あ・・・・、あれが。」
橙は、目の前で大きく育つ異界の魔物を指差す。
 「おいおい!何だありゃ!!」
 「こりゃあ18禁ものだな。」
魔理沙とホルマジオはそれを見て、思い思いの言葉を上げる。

 「・・・・・・・・・少し、封印が弱かったみたいね。」
 「行き成りなんだよ?!買い物が終わった瞬間・・・・うぉぉっ?!」
三人が振り向くと、そこにはスキマに座った八雲紫と、スキマから半身を出したプロシュートだった。
 「お前、何やってんだよ。」
 「そーゆーお前こそ何やってんだ。買い物はどうした。」
お互いの不可解な状態に、プロシュートとホルマジオは呟く。
 「イルーゾォに任せたぜぇ、面倒だったんでな。」
 「あぁ、そうか。」
そう言ってホルマジオは元の大きさに戻り、プロシュートもスキマから這い出し、宙へ浮く。
イルーゾォに押し付けた事については何も突っ込まない。
 「橙は藍の元に預けておくわ。」
 「ゆかり・・・・さま・・・・。」
ボロボロの橙に、紫は微笑む。
 「よく、頑張ったわね。今回は私の封印が甘かったせいだわ。ゆっくり休みなさい。」
そう言って橙は、魔理沙の腕からスキマへと移される。
ズズズズズズ・・・・と橙はスキマによって安全な場所に転送された。
 「あなた達、手伝いなさい。あいつは私一人でも少々骨が折れるわ。」
紫は、ホルマジオ達に話しかけた。
 「最初からそのつもりだったぜ!異変とありゃ黙っておけないからな!」
そう言って魔理沙は笑う。
 「ここまで付き合ったんだ、しょうがねぇなぁ、最後まで付き合うぜ。」
ホルマジオは、そう言って頭をかく。
 「そう・・・、じゃあ、こき使ってあげるわね。」
 「あ、じゃあ俺ペッシ待ってるから帰るわ。」
 「「「待てやコラ。」」」
とっとと帰ろうとしたプロシュートの襟首を、全員で掴んだ。
「あんたの能力は純粋に肉体を弱体化させるから使えるのよ、協力しなさい。」
 「俺とホルマジオの任務は買い物だけだぜ?それであんなとの戦うのはなぁ・・・・・。」
プロシュートはそう言って、ニヤリと笑う。
紫、よくキレないなぁ、と魔理沙は思う。
 「・・・・あんた達の家に、外の世界にいつでも出れる扉を付けてあげるわ。」
 「それだけか?」
その様子を見て、ホルマジオはため息を付いた、プロシュートにはこう言うしたたかな所があるのだ。
 「ネアポリスにある、あなた達のアジトにある私物、全部今の家に届けてあげるわ。まだ今のボスにバレてないみたいだからね。」
 「おっ!そりゃあいい!秘蔵のワインがあいつらの手に渡ると思うとムカついてたからなぁ。」
あれ、他の奴らから隠すの大変だったんだぜ、と言って、プロシュートはやる気を起こしたのか、腕をまくる。
 「よし、じゃあ行くぞペッ・・・・・っていねぇのか。」
ゴキッと手を鳴らして、プロシュートは敵を見据える。
 「おいおい、そんな強気に出て大丈夫なのかよ?」
 「いいだろ、こんくらい。本気の殺し合いならな。」
そう言ってプロシュートは楽しそうに笑った。
ホルマジオはそれを見てしょうがねぇなぁ、と再びため息をついた。

 「で、どうするんだよ作戦は。」
魔理沙がそう言ってスペルカードを構える。
 「あなたは火力があるから止めを刺して。で、プロシュートとホルマジオ。あなた達はあれを弱体化してもらうわ。そして最終的に私が封印する。」
紫は扇をパンッと開き、何気なく呟く。
皆、紫が一番楽そうだなぁ、と思ったが、言わないで置いた。
 「いいのか?この辺りの木まで老化させちまうが・・・・第一、効くのか?グレイトフル・デッド。」
 「リトルフィートも、接近しないと攻撃できないんだが・・・・。」
ホルマジオとプロシュートが、紫に意見する。
 「だから、私の能力で、あいつの近くまで移動させてあげるわ。直触りならどうにかなるでしょ?」
紫の言葉を聴いて、二人は顔を真っ青にした。
 「いやいや、あれに直触りなんてしたらなんか吸収されて大変な事になりそうな気がするんだ。」
 「・・・・・・早々に地獄行きかもなぁ、俺ら。」
 「はいはい、いってらっしゃぁーい。」
紫は、ぽいっと二人を強制的にスキマにボッシュートした。
魔理沙はそれを見て、紫に話しかける。
 「なぁ、あのおっさん達。大丈夫なのか?ただの人間じゃあないみたいだが。」
それを聞いて紫は不敵に笑う。
 「・・・そうねぇ、強いて言うなら目覚めた運命の奴隷かしら?」
 「なんじゃそりゃ。中学生の考えた設定か。」
紫の言葉に、魔理沙は妙な表情をした。
謎の生物の近くに、スキマが開く。
そして、そこからあまりにもシュールにペッとホルマジオとプロシュートは吐き出された。
2人は体制と建て直し、目の前の蠢く肉塊と対峙した。
 「てめぇのせいだぞプロシュート!!てめぇが報酬だのなんだの要求するから逃げるに逃げれねぇじゃねぇか!!」
ホルマジオはスタンドを出しながら、プロシュートを怒鳴る。
 「うるせぇ!!こうなったら徹底的にやるぞ!!」
プロシュートの横にも、グレイトフル・デッドが現れ、瞳から煙を噴出す。
ボコッ、ボコッと肉塊の表皮が盛り返す、切れ目が現れ、そこから目玉がギョロリと飛び出す。
まるで、赤子が体内で成長するように、成長していく。
そして、肉塊から勢いよく触手が飛び出した。
触手の先端は蛇のように、グバァッと鋭い牙の口を開いて、彼らに喰らいつかんと攻撃する。
 「うぉぉぉぉぉっ!!」
ホルマジオはそれを避け、ポケットに手を突っ込む。
そこから出てきたライダーサイズの黒い塊が、一瞬でギターケースくらいの大きさになる。
それを開くと、そこから出てきたのはリボルバーのような形をしたグレネードランチャーだった。
ホルマジオは自分の体をスタンドで支えて、それをとっさに放つ。
触手にそれは見事に当たり、触手を引きちぎる。
 「喰らいやがれぇぇぇぇ!!」
ホルマジオは、連続でランチャーを肉塊に放った。
それは見事に着弾し、煙を大量に当たりに撒き散らした。
 「やったか?」
プロシュートはホルマジオに聞く。
 「いや・・・、大抵こういうのは、大体・・・・・。」
ジュブルジュブと水音のような音が響く。
煙が晴れるとと、そこにはまるでビデオの早送りのように肉塊がうごめき、傷を修復していた。
 「お約束・・・だな?」
 「だな。」
そう言って、二人はとっさに二手に分かれた。
2人がいた場所に触手がシュバッと伸びる。
「ホルマジオ!あとはどれくらい持ってきてる?!」
 「ありゃあ取って置きだ!!ソルべの、内緒で持ち出した奴だからな!!残りはべレッタ一丁とそのマガジンだ!!」
 「手榴弾とかは?!」
 「ねぇ!!」
 「くそっ!!じゃあ本当にスタンド勝負か・・・・!!」
2人は触手の間を掻い潜りながら、敵を避けていく。
リトル・フィートで少しでも傷つけられればいいが、それもこの攻撃のスピードでは隙がない。
グレイトフル・デッドを発動すれば弱るかもしれないが、ホルマジオが巻き込まれる。
 「こう言うのはギアッチョとメローネとかリゾット向けだよなぁっ!!」
ホルマジオの上着の裾が、触手に食いちぎられる。
 「あぁ、まったくだ!!」
プロシュートのネックレスが、噛まれ勢いよく砕け散った。
 「あっ!てめぇ!これ高かったんだぞ!!」
そう言ってプロシュートは、触手を怒鳴る。すると、次の瞬間ニヤリと笑った。
 「そうだ、いーこと考え付いたぜ。」
プロシュートは振り返り、触手と向き合い、スタンドを、一旦解除した。

 「おりゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

そして、プロシュートは触手に真正面から突っ込んだ。
 「な・・・何やってんだ!!プロシュート!!」
ホルマジオが叫ぶが、プロシュートは不敵に笑ったまま、敵に突っ込んでいく。
そして、プロシュートは触手の巨大な口に吸い込まれた。
 「くそっ!!」
ホルマジオはべレッタを構えとスタンドを構え、触手に相対する。
だが、次の瞬間、触手、いや、肉塊に異変が起こる。
ビクンッと一瞬痙攣したかと思うと、萎れていくのだ。
 「いってぇ!!」
聞きなれた声が、触手から響く。
 「くそっ!!手がボロボロだ・・・・、ま。片腕がないよりはマシか。」
まるで、機械のような腕が、触手の口を開く。
そこから、フシュウウと、煙が流れ出た。
 「プロシュート・・・・!」
 「よぉ、ホルマジオ。」
グレイトフル・デッドの逞しい腕によって、触手の口がこじ開けられていた。
だが、牙によりその手には傷や穴が開いている。
スタンドと同じように、プロシュートの手も傷つきボロボロだった。
 「ったく、無茶しやがるぜぇ。」
そう言って、苦笑しながらホルマジオはプロシュートを口から引き出す。
その時、リトルフィートの長い爪で、肉塊を傷つけておいた。
ホルマジオはプロシュートの肩を支え、肉塊から離れる。
すると突然、プロシュートの携帯電話に、電話が掛かった。
 「ホルマジオ、出てくれ。手がこんなんじゃ出れねぇや。」
ホルマジオはプロシュートのポケットを探り、携帯を取り出す。
 「プロント?」
 『はぁーい、ゆかりんよー。』
見てみると、遠くで紫が手を振っていた。
魔理沙は、携帯で話している紫を不思議そうに眺めていた。
 『うまくいったかしら?』
 「・・・・・あぁ、グレイトフル・デッドで老化させた隙に、リトル・フィートを喰らわせた。」
 『そう・・、あ、小さくなり始めたわね。』
見てみると、肉塊は徐々に小さくなり始めていた。
 『じゃあ、そこから大急ぎで離れなさい。巻き込まれるから。』
 「は?」
そう言ってホルマジオが紫の方を見ると、その隣にいた魔理沙が、光っていた。
いや、ただしくは魔理沙の持っている、八卦炉が光っていたのだ。
 「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
 「え?何だ?」
ホルマジオはプロシュートを抱えて、大急ぎでその場を離れる。
いまいち状況の掴めないプロシュートは、ぽかんとしている。
光が、一際大きくなった

 「魔砲『ファイナルスパーク』!!」

ドォン、と花火のような音が響く。
 「ぎゃあぁぁぁっ!!」
 「うおっ?!」
その余波で、ホルマジオとプロシュートは、空中で吹き飛ばされた。

 「エルダーサインを刻んで・・・・・はい、完成。」
すっかり弱体化した肉塊生物を、紫が封印する。
すると、それはビデオの逆再生のように見る見るうちに小さくなり、古い一本の巻物に戻った。
紫はスキマから一冊の本を取り出した。
その本を開くと、ページが風もないのに宙に舞う。
そしてそのページは巻物を取り囲み、白い光が魔法陣を作り上げる。
魔法陣が収縮すると、そこには不思議な白い素材で作られた箱があった。
 「予想以上に強い魔導書だったわねー。低級とはいえ、あんな物を呼び出すなんて。あやうくこのSSが銃声咆哮ディアボロべインに変わるところだったわ。」
年齢制限板だったら斬魔銃声ディアボロべインになる所だったわねぇと紫は呟いた。
魔理沙は少し気まずそうにしている。自分が魔導書を盗んだせいで、こんな自体になったからである。
 「さぁて、帰るか。腹減ったし。」
プロシュートは、ボロボロの手のまま、頭を掻く。
すると、ホルマジオは魔理沙の方を向く。
 「先に帰っててくれ、俺はこの嬢ちゃんに少し用があるんでな。」
それを聞いて、プロシュートは怪訝な顔をする。
 「あ?お前ちょっとそいつぁ若すぎないか?」
 「馬鹿か、とっとと帰れ。」
ニヤニヤと笑うホルマジオは、プロシュートを蹴って追い返す。
 「はいはい、じゃあ行くぜ紫。」
 「えぇ、それじゃあまた後でねー。晩御飯、あなた達の家でごちそうになるから。」
そう言って、紫とプロシュートは、スキマに消えていった。
 「さぁて。」
ホルマジオは、魔理沙に近づく。
 「嬢ちゃん、何であの本を盗んだんだ?」
 「だ・・・・だってあんな危険だとは思わなくて・・・・。」
言い訳をする魔理沙の頭を、ホルマジオはこつんっと軽く叩いた。
 「そうじゃねぇ、橙とは知り合いなんだろ?必要なら、借りてすぐ返せばいいじゃねぇか。」
 「で・・でも・・・・。」
 「でも?」
魔理沙は、俯きながら言った。
 「返したら・・・・・そこで終わっちゃうじゃんか。」
少し暗い声で、魔理沙は続ける。
 「返さなければ、そいつはずっと私と関わる事になる。
  返しちまったらもうそこで何も・・・なくなっちゃうじゃないか。」
ホルマジオは、それを聞いて、拍子抜けしたような顔になる。
そして、次の瞬間には、笑い出した。
 「ははははははははは・・・っ!!そうか・・・!!嬢ちゃん寂しかったのか!!」
 「ち・・違うって!!私には霊夢もアリスもいるし・・・!!」
 「いいって!いいって!お前くらいのガキが寂しがるのは別に普通だ!!」
そう言って、ホルマジオは、魔理沙の背中を叩く。
 「痛い!いてぇよおっさん!!」
 「悪い悪い・・・はははははは・・・。」
ホルマジオはそう言って、魔理沙から手を離す。
 「だったら返しに行くとき、また本を借りればいいじゃねぇか。
  コーヒーでも飲んで世間話して、んでもってそれを繰り返せば嫌でも友達になるぜ。」
 「う・・うるさいっ!!それくらい解ってるよ!!」
魔理沙は真っ赤になりながら、ホルマジオに食って掛かる。
 「よし、じゃあまずは橙に本を返すってことでうちで飯を食え。あの紫って奴も来るらしいからな!
 橙も大丈夫そうだったら呼んでやろうぜ、んで、謝れ。」
 「・・・・・いいのか?」
魔理沙は、彼女らしくなくしおらしい態度で聞く。
 「いいっていいって!どうせ男だらけなんだからお前みたいな美人がいると華やかでいいぜ。」
美人と言われて、魔理沙の顔が少し赤くなった。
 「分かった!じゃあありがたくご馳走になるぜ!」
魔理沙はそう言っていつもの快活な笑みを浮かべた。

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