魔法の森の陰気な家から、黒い煙が飛んでくる。
だが、別に変な実験などをしている訳ではない。
「あぁっ!!また焦がした!!」
「くそっ!!マン・イン・ザ・ミラー!!鍋の焦げを許可する!!」
イルーゾォがスタンドを使うと、取れにくい鍋の焦げが綺麗に剥がれる。
スタンドの、微妙な有効利用である。
アリスの家にて、イルーゾォとアリスは筑前煮を作っていた。
何故筑前煮かと言うと、魔理沙が和食派だからである。
だが、彼らは「アリス」、「イルーゾォ」、どっからどうみてもヨーロッパ系である。
アリスの母親の神綺は、漢字だけど、まぁ、他の人はほぼ横文字だし多分魔界はヨーロッパ文化圏なのだろう。
そんな彼らが和食の本を見ながら、必死に筑前煮を作っていたのだ。
2人はエプロン姿、イルーゾォは三角巾まできっちり被っており傍目から見たら調理実習である。
ユニークとしか言いようがない。
「あー、でも焦げ付いてない部分はイケるぞ。」
イルーゾォが失敗した筑前煮を口の中に放り込む。
「駄目よ!!完璧に作らないと意味がないわ!!材料足りなくなったからまた買いに行くわよ!!」
アリスは菜ばしを折らんばかりに握り締めながら言う。
そして乱暴にエプロンを脱ぐと、それを人形がキャッチしてきちんと壁にかける。
イルーゾォも人形に、強制的にエプロンと三角巾を脱がされた。
窓の外を覗くと、日が暮れ始めていた。
「あー、こりゃ駄目だ。もう人里の店は閉まっちまってるぞ。」
「駄目もとで行ってみるわ。閉店間際に駆け込めるかも知れないじゃない。」
そう言って、イルーゾォは無理やりアリスに外に連れ出させる。
「そろそろ帰んないとリーダーに怒られるんだけど・・・。晩飯の手伝い頼まれてたし。」
「あんたいくつよ?!ちょっと遅くなっても大丈夫でしょ!!」
2人はふわり、と飛んで木々の上へ行く。
「・・・あれ?おい、あれ魔理沙じゃないか?」
そう言ってイルーゾォが指した先には、魔理沙が飛んでいた。
「あら?ほん・・・・・・・・・・。」
2人は次の瞬間、固まった。
魔理沙と楽しそうに談笑しているのは、ホルマジオだった。
ギギギギギギギ・・・・・・・・・と音を立ててアリスがイルーゾォの方を向く。
「あ・・・、アリス。落ち着け。な?別に俺悪くないだろ?」
「蓬莱、上海。」
アリスの横に、人形が浮かんだ。
「・・・まん・いん・ざ・みらー。」
イルーゾォは、そっと鏡をポケットから取り出す。
「逃がすかっ!!」
「ふああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
この後、魔理沙とホルマジオにその逃走劇を見られているのに気づくまで、アリスとイルーゾォは空中戦を行っていた。
「見てたなら助けてくれよぉ・・・。」
「いやぁ、わりぃわりぃ。随分おかしかったんでなぁ。」
ボロボロになったイルーゾォは、力なくホルマジオに文句を言う。
ホルマジオは、まだおかしそうにに笑っていた。
一方、アリスは魔理沙と一緒に話している。
「でなぁ、その時の霊夢って言ったらな!!」
「霊夢も相変わらずね・・ふふっ。」
アリスは魔理沙と、楽しそうに会話をしていた。
傍から見ると、とても仲の良い『友達』に見える。
それを見て、イルーゾォは少し暗い顔をした。
「ん?どうした?」
「・・・・何でもない。」
そう言ってイルーゾォは携帯を取り出す。
「アリス!!」
突然イルーゾォに呼ばれて、アリスはあわてて振り向く。
「な・・・何かしら?!」
「お前も、今日うちで飯食うよな?」
「え・・・・?」
それを聞いて、魔理沙の顔が明るくなる。
「お、いいじゃないか!私もマジオのおっさんに招待されてるんだ!」
「あ・・、じゃあ・・・ご招待に預かるわ。」
イルーゾォはそれを聞いて思わず心の中でサムズアップする。
(よし、よくやった俺!!)
「よし、じゃあリーダーに連絡するわ。」
そう言って、イルーゾォは携帯をいじり始めた。
彼ら暗殺チームにあてがわれた洋館は、古い建物だった。
何でも、中国の上海の租界にあった建物を、再開発計画に伴い壊されるときに移して保存しておいたらしい。
どうやって、と言われるととても疑問に思うがそこら辺はメルヘンやファンタジーなので気にしてはいけないんだろう。
その外観や内装は、西洋と東洋が混合した、なんともZUNな雰囲気の建物である。
部屋数もたくさんあるので、一人一部屋もらっても余るほどだった。
「へぇ、中々いいところに住んでるじゃないか。」
「思ったより豪華なのね・・・・・。」
アリスと魔理沙は、その家を見て感想を呟く。
「いや、でもまだ家具がほとんどないからなぁ。一応電気・ガス・水道は通ってるけど。」
「まぁ、リゾットが何とかしてるだろうよ。メタリカで。」
イルーゾォとホルマジオは頼りになるリーダーは何とかしてくれるだろうと考える。
多分、きっとメタリカを錬金術かなんかと勘違いしているのかも知れない。
たしかに彼はある意味鋼ではあるが。
「おーい。帰ったぜー。」
「ただいまー。」
「「おじゃましまーす。」」
そう言って、四人は家の中に入っていった。
「あ・・・おかえり・・・・。」
「いやー、遅かったじゃないか!!」
まず、帰ってきた四人を出迎えたのは、小町に絡まれているペッシだった。
何やら、ペッシは慌てている。
小町は顔が赤く、片手には酒瓶を持っていた。
「・・・・・ペッシ、お前いつの間にそんな素敵なポジションのキャラになったんだ?
俺はお前がプロシュートと組んでても嫉妬はしないが、そのポジションは非常に妬ましいぞ。」
イルーゾォが、思わずつぶやいた。
「ち・・違うよぉ!!さっきから・・・・。」
ペッシはひたすらあたふたする。
小町を振り払って逃げようとしているようだ。
「あらぁ、ペッシこんな所にいたのねぇ。」
「おいおい、ペッシペッシペッシよぉ。俺達の酒が飲めねぇってのか?」
「うわぁっ!!」
そして、その真横から二つスキマが開き、プロシュートと紫が現れる。
紫の手にはグラスが、プロシュートの手にはワインの瓶が握られていた。
もちろん、顔は赤く、酔っている事が傍目から分かる。
「・・・お前ら、夕飯前なのにもう飲んでるのかよぉ・・。」
しょうがねぇなぁ、とホルマジオがため息をついた。
「おい、紫はともかくなんで小町までいるんだよ。」
「おや、魔理沙。あんた達も呼ばれたのかい。」
そう言うと、小町は赤い顔でひらひらと手を振る。
「た・・・、助けてくれよぉ。」
ぺッシは情けない声で助けを求めた。
だが、四人はそれを無視して進む。
「ちょ・・・、本当に助け・・・・。」
「うるせぇ!これくらい飲めなくてどうするマンモーニがっ!!」
「あ・・・、兄貴!!さ・・流石に瓶ラッパのみは・・・う・・・うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
ペッシの悲鳴を背景に、四人はバタン、と廊下の置くの扉を閉じた。
「・・・・・・何で助けてやらねぇんだよ、お前ら。」
魔理沙が、ぽつりと呟いた。
「いや、だって紫につっかかると後が面倒じゃない。」
アリスが言った。
「お前らは知らないだろうがなぁ、あぁなったプロシュートは意外と面倒なんだ。」
「同上。」
ホルマジオとイルーゾォが主張した。
「まぁ、それにペッシだし、お前らも気にする事ないぜ。」
「うん、ペッシだしな。」
「あぁ、何となくそんなタイプね、彼。」
「おぉ、クラスに一人はいるタイプだな。」
四人はそう言って自分達の罪をごまかした。
「イルーゾォ、ホルマジオ。帰ったか。」
「随分遅かったですね。」
そう言って台所から出てきたのは、リゾットだ。
そして、その横には何故か映姫がいた。
「げっ!!何で閻魔様がこんな所にいるんだ?!」
魔理沙がそれを見て思わずうめく。
「いや、客人が多いからどうせなら・・・・と誘ったんだが。」
「リゾットはよく働いてくれていますから、どうせなら手伝いましょうと思いましてね。少し台所を借りていますよ。」
「・・・・・・・客人に手伝わせるのは正直、気が進まないんだがな・・・。」
「お黙りなさい、これくらいの上司の言う事は聞くものですよ。」
正直、リゾットは映姫の、うとい包丁使いが心配で作業が進まないのだが。
「客人・・・?そんなに多いのか?」
リゾットの言葉に、ホルマジオが聞き返す。
「あぁ、まず、プロシュートの呼んだユカリ、あとそのシキガミのランとチェン。」
リビングのTVの前では、橙がギアッチョやジェラートとゲームをしている。
その後ろのテーブルでは藍が何やらソルベに日ごろの愚痴をしているようだ。
リゾットは言葉を続ける。
「あとエイキ様とコマチ、それにそこの2人・・・・。」
「霧雨 魔理沙だぜ。」
「アリス・マーガトロイドよ。」
2人が、自己紹介をする。
「リゾット・ネェロだ。
・・・・・と言うように、予想以上に人数が増えたんでな。
まともに食事を作るより、宴会のような形式の方がいいと思ったんだ。
その提案をしたらすぐに乗ってくれたのはいいんだが・・・・・。」
で、その結果があれだよ!!らしい。
紫が大量にスキマから酒を出し、小町も持ってきて、プロシュートが秘蔵のワインを持ち出す。
そしてあの三人にペッシは巻き込まれたと言うわけだ。
「イルーゾォ、早く手伝え。料理当番は俺とお前だろう。」
「あ・・・、了解!」
そう言ってから、イルーゾォはある事に気づいた。
「・・・・・・何でTVとか家具一式が揃ってるんだ?!しかも昔使ってた奴!!」
それを聞いて、あぁそういえばこいつあの場にいなかったんだとホルマジオは思い出した。
「プロシュートが交渉してくれたらしくてな、『あっち』に置いて来た私物をこちらに持ってくることが出来た。お前の部屋にもあるぞ。」
「マジで?!」
「あぁ、だから早く準備をして手伝ってくれ。」
イルーゾォは手を叩いて、それを喜んだ。
「ホルマジオ、ご苦労だった。そこの2人もくつろいでくれ。」
「さぁ!早く残りの作業を終わらせてしまいましょう!」
もの静かなリゾットとは対照的に、やる気まんまんな映姫。
職業柄、あまりこのような事をしないせいか、張り切って台所に向かった。
リゾットは長年付き合った仲間にしか分からない程度に、顔に疲れを浮かべさせ、台所に戻っていった。
そして、四人が暗殺チーム邸に入ってから、三時間が立った。
既に中では宴会がかなり盛り上がっていた・・・・、もとい、大変な事になっていた。
「一番、小町。脱ぎまーすっ♪」
小町は着物に手をかけ、肩まで脱ぐ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!
それを見て、ペッシが真っ赤になって駆け出す、そしてずっこけた。
「何やっとるかぁぁぁぁっ!!」
着物に手をかけた小町を、思いっきり映姫が弾き飛ばす。
「ちっ・・・・ってててててて?!ジェラート?!」
「・・・・・・・。」
それを残念そうに見ていたソルベを、ジェラートが横で思いっきりつねる。
うらやましそうにそれを見ていたのが、アリスだ。
「・・・良いわ、私も魔理沙とあんな風に・・・ねぇ、イルーゾォ?聞いてんの?あ?」
「あ、はい。聞いてるッス、先輩。」
「そう・・・でも魔理沙ったら・・・・・。」
剣を持った人形をイルーゾォの首筋に持っていきながら、アリスはイルーゾォに絡む。
生命の危機に瀕したイルーゾォは、既に酔う所ではない。
「にゃーっ!にゃーっ!」
すっかり出来上がった橙が、ホルマジオの上にのしかかる。
その手には、お子様にも飲みやすいオレンジと赤のカクテルが握られていた。
「こら!!この餓鬼!!乗っかるんじゃね!!」
そうホルマジオは文句を言うが、そもそも彼は橙の配下の猫まみれである。
「あぁ、橙!すみません・・・・。」
その橙を藍が大急ぎで引き剥がす。
魔理沙は、そんなホルマジオの肩に寄りかかりながら酒を飲んでいた。
「アリス、随分あのイルーゾォって奴と仲いいなぁ。とうとうあいつにも春が来たのか。」
魔理沙はつまみのトマトとモッツァレラのオリーブオイルドレッシングを貪りながら何気なく呟く。
友達として祝福してやらなくては、と考える。恋人には祝福が必要だ。
「なぁ、プロシュート。メローネの奴はまだ帰らねぇのか?」
ギアッチョが気になったのか、プロシュートにメローネの行方を聞く。
「あー・・・?あいつは・・・・あれだ。あいつより強い奴に会いに行ったぜ。」
「今頃、『妹様が相手ならベイビィ・フェイスの息子を作らざるをえない』状態でしょうねぇ。」
真っ赤な顔のプロシュートと紫が、ギアッチョの質問に答える。
「何だそりゃ?!酔ってるから誤魔化そうとしてな?!クソッ!クソッ!クソッ!!」
ギアッチョのパンチを、ひょろひょろと紫とプロシュート避ける。
「はい、ぼっしゅーとぉ。」
そして、殴りかかっり勢いついたギアッチョを紫がスキマに放り込んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。」
リゾットは一人、窓際でため息をついた。
彼は喧騒から離れ、一人缶ビールを片手に窓辺に非難したのだ。
疲れた、どっと疲れた。
元々、暗殺者と言う暗い仕事のせいか暗殺チームのメンバーは馬鹿騒ぎをするのが好きだ。
だが、今回はそれに加え、さらに人数が増えている。
しかも美人ぞろいと言う事で、自然とテンションがあがっている気がする。
リゾット・ネェロ、二十八歳、騒がしい中に、混じるのは苦手である。
だが・・・・・・。
だが、別に変な実験などをしている訳ではない。
「あぁっ!!また焦がした!!」
「くそっ!!マン・イン・ザ・ミラー!!鍋の焦げを許可する!!」
イルーゾォがスタンドを使うと、取れにくい鍋の焦げが綺麗に剥がれる。
スタンドの、微妙な有効利用である。
アリスの家にて、イルーゾォとアリスは筑前煮を作っていた。
何故筑前煮かと言うと、魔理沙が和食派だからである。
だが、彼らは「アリス」、「イルーゾォ」、どっからどうみてもヨーロッパ系である。
アリスの母親の神綺は、漢字だけど、まぁ、他の人はほぼ横文字だし多分魔界はヨーロッパ文化圏なのだろう。
そんな彼らが和食の本を見ながら、必死に筑前煮を作っていたのだ。
2人はエプロン姿、イルーゾォは三角巾まできっちり被っており傍目から見たら調理実習である。
ユニークとしか言いようがない。
「あー、でも焦げ付いてない部分はイケるぞ。」
イルーゾォが失敗した筑前煮を口の中に放り込む。
「駄目よ!!完璧に作らないと意味がないわ!!材料足りなくなったからまた買いに行くわよ!!」
アリスは菜ばしを折らんばかりに握り締めながら言う。
そして乱暴にエプロンを脱ぐと、それを人形がキャッチしてきちんと壁にかける。
イルーゾォも人形に、強制的にエプロンと三角巾を脱がされた。
窓の外を覗くと、日が暮れ始めていた。
「あー、こりゃ駄目だ。もう人里の店は閉まっちまってるぞ。」
「駄目もとで行ってみるわ。閉店間際に駆け込めるかも知れないじゃない。」
そう言って、イルーゾォは無理やりアリスに外に連れ出させる。
「そろそろ帰んないとリーダーに怒られるんだけど・・・。晩飯の手伝い頼まれてたし。」
「あんたいくつよ?!ちょっと遅くなっても大丈夫でしょ!!」
2人はふわり、と飛んで木々の上へ行く。
「・・・あれ?おい、あれ魔理沙じゃないか?」
そう言ってイルーゾォが指した先には、魔理沙が飛んでいた。
「あら?ほん・・・・・・・・・・。」
2人は次の瞬間、固まった。
魔理沙と楽しそうに談笑しているのは、ホルマジオだった。
ギギギギギギギ・・・・・・・・・と音を立ててアリスがイルーゾォの方を向く。
「あ・・・、アリス。落ち着け。な?別に俺悪くないだろ?」
「蓬莱、上海。」
アリスの横に、人形が浮かんだ。
「・・・まん・いん・ざ・みらー。」
イルーゾォは、そっと鏡をポケットから取り出す。
「逃がすかっ!!」
「ふああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
この後、魔理沙とホルマジオにその逃走劇を見られているのに気づくまで、アリスとイルーゾォは空中戦を行っていた。
「見てたなら助けてくれよぉ・・・。」
「いやぁ、わりぃわりぃ。随分おかしかったんでなぁ。」
ボロボロになったイルーゾォは、力なくホルマジオに文句を言う。
ホルマジオは、まだおかしそうにに笑っていた。
一方、アリスは魔理沙と一緒に話している。
「でなぁ、その時の霊夢って言ったらな!!」
「霊夢も相変わらずね・・ふふっ。」
アリスは魔理沙と、楽しそうに会話をしていた。
傍から見ると、とても仲の良い『友達』に見える。
それを見て、イルーゾォは少し暗い顔をした。
「ん?どうした?」
「・・・・何でもない。」
そう言ってイルーゾォは携帯を取り出す。
「アリス!!」
突然イルーゾォに呼ばれて、アリスはあわてて振り向く。
「な・・・何かしら?!」
「お前も、今日うちで飯食うよな?」
「え・・・・?」
それを聞いて、魔理沙の顔が明るくなる。
「お、いいじゃないか!私もマジオのおっさんに招待されてるんだ!」
「あ・・、じゃあ・・・ご招待に預かるわ。」
イルーゾォはそれを聞いて思わず心の中でサムズアップする。
(よし、よくやった俺!!)
「よし、じゃあリーダーに連絡するわ。」
そう言って、イルーゾォは携帯をいじり始めた。
彼ら暗殺チームにあてがわれた洋館は、古い建物だった。
何でも、中国の上海の租界にあった建物を、再開発計画に伴い壊されるときに移して保存しておいたらしい。
どうやって、と言われるととても疑問に思うがそこら辺はメルヘンやファンタジーなので気にしてはいけないんだろう。
その外観や内装は、西洋と東洋が混合した、なんともZUNな雰囲気の建物である。
部屋数もたくさんあるので、一人一部屋もらっても余るほどだった。
「へぇ、中々いいところに住んでるじゃないか。」
「思ったより豪華なのね・・・・・。」
アリスと魔理沙は、その家を見て感想を呟く。
「いや、でもまだ家具がほとんどないからなぁ。一応電気・ガス・水道は通ってるけど。」
「まぁ、リゾットが何とかしてるだろうよ。メタリカで。」
イルーゾォとホルマジオは頼りになるリーダーは何とかしてくれるだろうと考える。
多分、きっとメタリカを錬金術かなんかと勘違いしているのかも知れない。
たしかに彼はある意味鋼ではあるが。
「おーい。帰ったぜー。」
「ただいまー。」
「「おじゃましまーす。」」
そう言って、四人は家の中に入っていった。
「あ・・・おかえり・・・・。」
「いやー、遅かったじゃないか!!」
まず、帰ってきた四人を出迎えたのは、小町に絡まれているペッシだった。
何やら、ペッシは慌てている。
小町は顔が赤く、片手には酒瓶を持っていた。
「・・・・・ペッシ、お前いつの間にそんな素敵なポジションのキャラになったんだ?
俺はお前がプロシュートと組んでても嫉妬はしないが、そのポジションは非常に妬ましいぞ。」
イルーゾォが、思わずつぶやいた。
「ち・・違うよぉ!!さっきから・・・・。」
ペッシはひたすらあたふたする。
小町を振り払って逃げようとしているようだ。
「あらぁ、ペッシこんな所にいたのねぇ。」
「おいおい、ペッシペッシペッシよぉ。俺達の酒が飲めねぇってのか?」
「うわぁっ!!」
そして、その真横から二つスキマが開き、プロシュートと紫が現れる。
紫の手にはグラスが、プロシュートの手にはワインの瓶が握られていた。
もちろん、顔は赤く、酔っている事が傍目から分かる。
「・・・お前ら、夕飯前なのにもう飲んでるのかよぉ・・。」
しょうがねぇなぁ、とホルマジオがため息をついた。
「おい、紫はともかくなんで小町までいるんだよ。」
「おや、魔理沙。あんた達も呼ばれたのかい。」
そう言うと、小町は赤い顔でひらひらと手を振る。
「た・・・、助けてくれよぉ。」
ぺッシは情けない声で助けを求めた。
だが、四人はそれを無視して進む。
「ちょ・・・、本当に助け・・・・。」
「うるせぇ!これくらい飲めなくてどうするマンモーニがっ!!」
「あ・・・、兄貴!!さ・・流石に瓶ラッパのみは・・・う・・・うわぁぁぁぁぁぁっ!!」
ペッシの悲鳴を背景に、四人はバタン、と廊下の置くの扉を閉じた。
「・・・・・・何で助けてやらねぇんだよ、お前ら。」
魔理沙が、ぽつりと呟いた。
「いや、だって紫につっかかると後が面倒じゃない。」
アリスが言った。
「お前らは知らないだろうがなぁ、あぁなったプロシュートは意外と面倒なんだ。」
「同上。」
ホルマジオとイルーゾォが主張した。
「まぁ、それにペッシだし、お前らも気にする事ないぜ。」
「うん、ペッシだしな。」
「あぁ、何となくそんなタイプね、彼。」
「おぉ、クラスに一人はいるタイプだな。」
四人はそう言って自分達の罪をごまかした。
「イルーゾォ、ホルマジオ。帰ったか。」
「随分遅かったですね。」
そう言って台所から出てきたのは、リゾットだ。
そして、その横には何故か映姫がいた。
「げっ!!何で閻魔様がこんな所にいるんだ?!」
魔理沙がそれを見て思わずうめく。
「いや、客人が多いからどうせなら・・・・と誘ったんだが。」
「リゾットはよく働いてくれていますから、どうせなら手伝いましょうと思いましてね。少し台所を借りていますよ。」
「・・・・・・・客人に手伝わせるのは正直、気が進まないんだがな・・・。」
「お黙りなさい、これくらいの上司の言う事は聞くものですよ。」
正直、リゾットは映姫の、うとい包丁使いが心配で作業が進まないのだが。
「客人・・・?そんなに多いのか?」
リゾットの言葉に、ホルマジオが聞き返す。
「あぁ、まず、プロシュートの呼んだユカリ、あとそのシキガミのランとチェン。」
リビングのTVの前では、橙がギアッチョやジェラートとゲームをしている。
その後ろのテーブルでは藍が何やらソルベに日ごろの愚痴をしているようだ。
リゾットは言葉を続ける。
「あとエイキ様とコマチ、それにそこの2人・・・・。」
「霧雨 魔理沙だぜ。」
「アリス・マーガトロイドよ。」
2人が、自己紹介をする。
「リゾット・ネェロだ。
・・・・・と言うように、予想以上に人数が増えたんでな。
まともに食事を作るより、宴会のような形式の方がいいと思ったんだ。
その提案をしたらすぐに乗ってくれたのはいいんだが・・・・・。」
で、その結果があれだよ!!らしい。
紫が大量にスキマから酒を出し、小町も持ってきて、プロシュートが秘蔵のワインを持ち出す。
そしてあの三人にペッシは巻き込まれたと言うわけだ。
「イルーゾォ、早く手伝え。料理当番は俺とお前だろう。」
「あ・・・、了解!」
そう言ってから、イルーゾォはある事に気づいた。
「・・・・・・何でTVとか家具一式が揃ってるんだ?!しかも昔使ってた奴!!」
それを聞いて、あぁそういえばこいつあの場にいなかったんだとホルマジオは思い出した。
「プロシュートが交渉してくれたらしくてな、『あっち』に置いて来た私物をこちらに持ってくることが出来た。お前の部屋にもあるぞ。」
「マジで?!」
「あぁ、だから早く準備をして手伝ってくれ。」
イルーゾォは手を叩いて、それを喜んだ。
「ホルマジオ、ご苦労だった。そこの2人もくつろいでくれ。」
「さぁ!早く残りの作業を終わらせてしまいましょう!」
もの静かなリゾットとは対照的に、やる気まんまんな映姫。
職業柄、あまりこのような事をしないせいか、張り切って台所に向かった。
リゾットは長年付き合った仲間にしか分からない程度に、顔に疲れを浮かべさせ、台所に戻っていった。
そして、四人が暗殺チーム邸に入ってから、三時間が立った。
既に中では宴会がかなり盛り上がっていた・・・・、もとい、大変な事になっていた。
「一番、小町。脱ぎまーすっ♪」
小町は着物に手をかけ、肩まで脱ぐ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!
それを見て、ペッシが真っ赤になって駆け出す、そしてずっこけた。
「何やっとるかぁぁぁぁっ!!」
着物に手をかけた小町を、思いっきり映姫が弾き飛ばす。
「ちっ・・・・ってててててて?!ジェラート?!」
「・・・・・・・。」
それを残念そうに見ていたソルベを、ジェラートが横で思いっきりつねる。
うらやましそうにそれを見ていたのが、アリスだ。
「・・・良いわ、私も魔理沙とあんな風に・・・ねぇ、イルーゾォ?聞いてんの?あ?」
「あ、はい。聞いてるッス、先輩。」
「そう・・・でも魔理沙ったら・・・・・。」
剣を持った人形をイルーゾォの首筋に持っていきながら、アリスはイルーゾォに絡む。
生命の危機に瀕したイルーゾォは、既に酔う所ではない。
「にゃーっ!にゃーっ!」
すっかり出来上がった橙が、ホルマジオの上にのしかかる。
その手には、お子様にも飲みやすいオレンジと赤のカクテルが握られていた。
「こら!!この餓鬼!!乗っかるんじゃね!!」
そうホルマジオは文句を言うが、そもそも彼は橙の配下の猫まみれである。
「あぁ、橙!すみません・・・・。」
その橙を藍が大急ぎで引き剥がす。
魔理沙は、そんなホルマジオの肩に寄りかかりながら酒を飲んでいた。
「アリス、随分あのイルーゾォって奴と仲いいなぁ。とうとうあいつにも春が来たのか。」
魔理沙はつまみのトマトとモッツァレラのオリーブオイルドレッシングを貪りながら何気なく呟く。
友達として祝福してやらなくては、と考える。恋人には祝福が必要だ。
「なぁ、プロシュート。メローネの奴はまだ帰らねぇのか?」
ギアッチョが気になったのか、プロシュートにメローネの行方を聞く。
「あー・・・?あいつは・・・・あれだ。あいつより強い奴に会いに行ったぜ。」
「今頃、『妹様が相手ならベイビィ・フェイスの息子を作らざるをえない』状態でしょうねぇ。」
真っ赤な顔のプロシュートと紫が、ギアッチョの質問に答える。
「何だそりゃ?!酔ってるから誤魔化そうとしてな?!クソッ!クソッ!クソッ!!」
ギアッチョのパンチを、ひょろひょろと紫とプロシュート避ける。
「はい、ぼっしゅーとぉ。」
そして、殴りかかっり勢いついたギアッチョを紫がスキマに放り込んだ。
「・・・・・・・・・・・・・・・はぁ。」
リゾットは一人、窓際でため息をついた。
彼は喧騒から離れ、一人缶ビールを片手に窓辺に非難したのだ。
疲れた、どっと疲れた。
元々、暗殺者と言う暗い仕事のせいか暗殺チームのメンバーは馬鹿騒ぎをするのが好きだ。
だが、今回はそれに加え、さらに人数が増えている。
しかも美人ぞろいと言う事で、自然とテンションがあがっている気がする。
リゾット・ネェロ、二十八歳、騒がしい中に、混じるのは苦手である。
だが・・・・・・。
イルーゾォが、突然泣き出したアリスを宥める。
歌いだす橙に、合いの手を入れる藍や紫。
それを見て笑っているホルマジオと魔理沙。
酔いつぶれたのか、ジェラートはソルベの肩にもたれかかって寝ている。
ギアッチョは、キレたのを映姫に説教されている。
ペッシは小町とプロシュートに、双方向から愚痴や説教をされており、それを苦笑いで聞いていた。
歌いだす橙に、合いの手を入れる藍や紫。
それを見て笑っているホルマジオと魔理沙。
酔いつぶれたのか、ジェラートはソルベの肩にもたれかかって寝ている。
ギアッチョは、キレたのを映姫に説教されている。
ペッシは小町とプロシュートに、双方向から愚痴や説教をされており、それを苦笑いで聞いていた。
こうして、誰かが幸せそうなのを見てるのは悪くない。
特に、あいつらは今までつらい道を歩いてきたから、なおさらだ。
リゾットは珍しく笑みを浮かべながら、窓の外を見る。
外はすっかり暗くなり、それには黄色い月が浮かんでいた。
特に、あいつらは今までつらい道を歩いてきたから、なおさらだ。
リゾットは珍しく笑みを浮かべながら、窓の外を見る。
外はすっかり暗くなり、それには黄色い月が浮かんでいた。
月は、シチリアとも、ネアポリスとも同じように輝いていた。