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くろがねの君主と歴史の聖獣 その八

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「あぁ、そうだ。ローマではそのように民衆の不満を別の方向に向けていたんだ。」
「なるほど・・・・、それでこの当時の英吉利は?」
「あぁ、この時は・・・・・・・。」
リゾットは慧音の家で、世界史についての質問に答えていた。
今日、たまたまリゾットは授業中にローマ帝国の事を例に出した。それに慧音は興味を持ったらしいのだ。
彼女は歴史を司る妖怪だが、日本史はともかく世界史、特に西洋史にはうとい。
そこで彼女は、リゾットに様々な質問をしているのだ。
「そうだな・・・、そして次の皇帝が・・・・。」
そしてリゾットが次の話を切り出そうとした途端、扉が突然、ものすごい勢いで叩かれる。
「?!」
驚いて慧音は、大急ぎで土間に降り、扉を開けた。
「慧音様!!」
そこには、中年の男が息を切らして立っていた。
「諭吉?!どうしたというんだ!!」
慧音はその男と知り合いらしく、その様子に驚いている。
「うちの・・・・うちのお夢が・・・攫われちまった!!」
その言葉に、慧音は目を見開く。
リゾットも、その名前に聞き覚えがあった。慧音の教え子の、一人だった。
「お夢だけじゃねえ!平吉も与作もいなくなったって話だ!!」
「まさか・・・・・・、例の妖怪がここまで?!」
そう言うと、慧音は彼らに指示をする。
「急いで子供達を学校に集めてくれ!あと妖怪退治屋もだ!!そしていない子供達を把握するんだ!!」
「はいっ!」
そう慧音は男に指示すると、男はすぐさま駆け出して行った。
「・・・・・すみません、リゾット。これから忙しくなります・・・今日は。」
「いや・・・、構わない。」
そう言った途端、リゾットはおもむろに立ち上がり、コートを着て外に出ようとする。
「その妖怪には心当たりがある。おそらく、我々が探索していた妖怪だろう。今から探せば、妖力の痕跡程度は見つかる。
 それを追跡すれば、おそらく子供達は見つかるだろう。」
淡々とした調子で、リゾットは告げた。
「な・・・駄目です!!確かにあなたは死神ですが、身体能力は人間とそう同じなのでしょう?!
 あなたが特殊な能力を持っていようと妖怪は肉体的な攻撃は聞かないんですよ?!
 もし戦闘になったら・・・・・・・・・。だから!私がその妖怪を退治します!!」
慧音は必死に、リゾットを止めようとする。
「・・・・慧音、君は何だ?」
「え・・・・・・・・・・・・・?」
リゾットは慧音の方を向き、彼女を見つめた。
「慧音、貴方は確かに、妖怪であり、俺より長く生きており、力も、敵に対する知識もあるだろう。
 ・・・・・だが、君は教師だ。人に先人の知恵を伝え、新たな未来を作る芽を育てる人だ。
 血に濡れた手で、子供の頭を撫でてはいけない。殺し合いを・・・・してはいけない。」
リゾットはまっすぐ慧音を見ながら、言う。
「そんな事をいったらあなただってそうでしょう?!」
慧音の言葉に、リゾットは静かに首を振る。
「俺は死神だ、慧音。」
そう言って、リゾットは空を見上げる。
その瞳は、いつの間にか赤と黒の、悪魔のような目に戻っていた。
リゾットは、月を見ながら呟いた。

「リゾット・ネエロは死神だ。今も、昔も。」

月は、シチリアとも、ネアポリスとも同じように輝いていた。

黒いコートを翻しながら、リゾットは空を飛んでいく。
その手には慧音から渡された計器を持っていた。
その針は、非常に大きな数値を指していた。
「・・・反応している・・・・。」
それは今までなかったような反応である。
「・・・罠か・・・・・・。」
そうリゾットは推測する、敵は、自分達をおびき出そうとしている。
リゾットが思考の海に沈もうとした瞬間、携帯電話が震える。
「pront?」
『リゾット?!無事だったのですね?!』
携帯からは、映姫の声が聞こえてくる。
「映姫さま。調度良かった。今例の妖怪を見つけまして追跡中です。」
『それ所ではありません!!プロシュート達と連絡がつかない上、調査をしていた地域で交戦が確認されたそうです!!』
「そうですか。では自分は追跡を続けます。」
『リゾット!!』
冷酷なリゾットの言葉に、映姫は思わず声を荒げる。
「・・・映姫様、里の子供達がその妖怪に攫われました。早く助けなければ命取りになります。」
『っ?!』
それを聞いて、映姫は息を呑む。
『しかしそれはあくまで人間の里の問題でしょう?!あなたが手出しすべきではありません!!』
「・・・・・・自分の目の前で、あの子は死にました。自分の判断ミスで、あいつらは死にました。」
リゾットが、呟く。
『だったら!!』
「ですが、あいつらには、今は他にたくさん、支えてくれる人達が出来ました。だから、俺は必要ないでしょう。追跡を再開します。」
そう言って、リゾットは携帯を切った。
目の前に飛び出してきたのは、黒い雲・・・・・鴉天狗の群れである。
そこから伝わっている空気は、鋭い殺気を孕んでいる。
もちろん、リゾットはそんなものを相手にする気はない。
「・・・・・・・・・・・・。」
一気に急降下しながらリゾットはメタリカを発動させる。
そしてしばらくすると、敵はリゾットが森の中に入ったと思ったのであろう。
敵の一群は、森の中へと消えていった。
(単純だな・・・・。こちらの能力を把握していないのか・・・・。妖怪の慢心だな。)
最も、自分の仲間もあまり人の事が言えないが。
「・・・・・・・?」
すると向こうから、何やら一匹の鴉が飛んできた。
「む?」
その鴉は、何故か背中に季節外れのカエルと蛇が乗っている。
そして、その上には小さな無線機が載っていた。
リゾットはそれを取り、インカムを着け小さい声で尋ねる。
「・・・・早苗と藍か・・・・?」
『良かった!ようやく見つけたぞ!!』
『非常に強力な結界が張られていたものですから・・でも流石幻想郷の賢者ですね。紫さんのおかげで何とかなりました。』
聞こえてきた藍と早苗の声に、リゾットは安堵した。
そのまま小さい声で会話をしつつ、敵を追跡していく。
「・・・・・助かる。映姫様には助けを要請するわけには行かなかったのでな。
 早苗、君なら・・・・あいつらが誰に襲われているか知っているか?」
リゾットの言葉に、早苗は真剣に答える。
『はい、彼らは妖怪の山の保守派・・・その中でも過激な面々です。
 主に最近の幻想郷の変化を良く思っていない古参の妖怪と、それに煽動された若い妖怪で構成されています。
 私達もあまりよく思われていませんが・・・・それでも襲撃を受けるなんて事にはなりませんでした。』
『あー・・・、多分お前達が紫様やフランドールとか・・・強力な妖怪と親しくなっているのが問題なんだろう。』
「・・・・・別にそんなの、博麗の巫女も、魔理沙も一緒だろう・・?」
リゾットの疑問に、藍は戸惑いながら答える。
『それは・・・お前らが外来人であるのと・・・・・・。』
「あるのと?」
微妙に戸惑う藍の声を聞いてリゾットは問い返す。
『男だからだ。』
「は?」
藍の言葉に、リゾットは状況に合わない間の抜けた声を上げた。
『まぁ、紫様もどう考えても青春だのなんだのを通り過ぎてる年だとしても女。
 それもお前らは幻想郷の垢抜けない野暮ったい男達と違って外見にもきちんと気を使うイタリアの伊達男。 
 幻想郷の少女達を、誘惑していると考える物も出てくるだろう。』
それを聞いて、リゾットは頭を抱える。
「ここの連中は・・・そんなくだらない理由で殺し合いが出来るのか?」
『いや、そうでもないぞ。紫様を筆頭に幻想郷で力のある妖怪は、女性である事が多いんだ。
 なおかつ・・・、あんまりに強すぎるため男っ気が一切ないという・・・・・・。』
その話に、リゾットはなんとも言えない顔をするが、すぐに意識を持ち直す。
「・・・・・・分かった。早苗、藍、貴方達にはやってもらいたい事がある。まず、出来ればあいつらにこの事を伝えて欲しい。
 あとそれから・・・・・・・・。」
リゾットは静かに話し始めた。
「ほーいよっ!!」
そう言ってソルベは手榴弾を投げる。
地面と衝突したそれは、高温と、閃光を放ち破裂する。
人間より優れた五感を持つ妖怪は、人間より遥かにその影響を受ける。
敵が怯んでいる隙に、ソルベはサプレッサーをつけたオートマチック拳銃で、敵を撃ちぬく。
別に敵を全て撃ちぬかなくても構わない。適当な奴を何人か選び、そいつの急所を狙えば、そいつを助ける為に他の奴は足を食う。基本である。
「ったく・・・、リアルMGSかクライシスか・・・・・・・。俺は精々リアルCODとかそこら辺だっつの!!」
そんな事をぼやきながら、ソルベは森の中を移動する。
移動スピードが落ちるであろうギリースーツは、今回は装備していない。
空は飛ばず、森の中を隠れるように走り抜ける。
実際、彼のスタンドは障害物を無視できるため、こう言った所での行動はうってつけである。
しかし、先ほどからスタンドで仲間を探索しつつ行動しているので、疲労が激しい。
「まったく・・・、しばらく暗殺以外してなかったから勘が鈍ったか・・・・・。森の中を進むのはあれだ、十年ぶり・・・くらいかぁ。年取ったなぁ、俺も。」
そうため息をついて、ソルベはスタンドを増やし、周囲の敵を探索する。
しばらくすると、どうやら周りに敵はいないらしい。
「おっ・・・・・・。」
それ所か、メローネとレティ、それにギアッチョが何やら身を隠しながら話し合っているのを発見した。
全員、多少は怪我はしているものの、行動に支障はなさそうだ。
空の方には、この異変を聞きつけたらしい人物が、何人か飛んでいるのが見えた。
(・・・・・よし、これで敵は何人かあっちの方に気が向くな。
 しかもあいつらは幻想郷のちゃんとした住人、時間がいるスペルカードルール以外で戦うわけにはいかない。)
それをいい事に、ソルベは自身のスタンドをメローネ達の方に向ける。
(ん・・・・・・?)
だが、同時に空に、ここにはいてはいけない人物が飛んでいるのを、彼は発見してしまう。
(・・・おいおい!メローネの奴、息子にちゃんと指示出したのか?!)
ソルベはそのまま、自身のスタンドでメローネに連絡を取る。


『おい!!メローネ!!』

「ソルベ!!助けに来てくれたのか?!」
ふわり、と飛んできた青い蝶が、メローネ、レティ、ギアッチョの中心に浮かぶ。
『あぁ、まぁな。それよりお前ら、色々と面倒なことになったみたいだぞ。』
「・・・・詳しく説明してくれる?」
レティの言葉に、ソルベは簡単に説明する。
『1、妖怪の山の妖怪が、俺達を襲いに来た。
 2、ジェラートが例の状態になっちまって、何処にいるか分からねぇ。
 後3は・・・・・・・・・・。』
ソルベがそう言うと、赤い塊が、空から急降下してくる。
「めろーねぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
「ぐぼらっ!!!」
そして、それは見事にメローネに激突した。
『てめぇのお姫様が見事に追いかけてきたぞ・・・・・・。』
そう言ってメローネをぎゅっと抱きしめているのは、フランドール・スカーレットだった。
「どーすんだよ・・・・。リゾットが知ったらお前今度こそ殺されるぞ・・・・・。」
ギアッチョは今現在の状況より、
「やばいね・・・・、スイス辺りに逃げるか・・・・・・。」
くすんくすんと泣いているフランを慰めながら、メローネはギアッチョの言葉に本気で答える。
「ベイビィ・フェイス?どうしてフランを連れて来た?」
「申し訳ありません、メローネ。フランを連れて行かなければ、自分がフランに殺されそうだったので。」
ベイビィ・フェイスも、フランに脅され仕方なくフランをつれてきたらしい。
随分いい子に育った彼は、素直にメローネに謝る。
「あーあー、俺しらねーぞ。ジェラート助けるだけで精一杯だからな。その嬢ちゃんが力を使わないようちゃんと見張ってろよ。」
ソルベは、その様子を他人事のように見ながらため息をついた。
「ねぇ、ソルベ。ジェラートが例の状態になったって言ってたけど・・・・、例の状態って・・・・?」
「・・・・・まぁ、会えば分かるさ。ただ、会ってもジェラートの意識が残ってるかどうか、微妙だがな。」
そう言って、ソルベは背負っていた小さめのバッグをさぐる。
「まぁ、お前ら。大分色々消耗しただろ。一応ゼリー飲料とか持ってきたから食え。
 メローネには弾持って来たぞ。どうせ撃ち尽くしちまって逃げてきたんだろう?
 後は怪我の治療だな・・・・。ギアッチョ、お前足捻ってるな?テープとシップだ。
 ん?レティもほら、食え。食欲ないとか言ってる場合じゃないぞ。
 赤い嬢ちゃん、悪いな。あいつらの分きっかりしか持ってきてないんだ。」
しかし、ソルベは何だかんだいってテキパキと、全員の面倒を見る。
全員の状況を把握し、それぞれに指示をだす。
「ん・・・・?あぁ、なんだ。イルーゾォか。指示を出す、こっちに来てくれ。
 後は・・・・プロシュートとペッシか・・・・おっ!木が枯れてやがる・・・。
 ったくいつも気をつけろって言ってるのにそう言う所が適当だからな、あいつは。
 何でも殺せばいいって訳じゃねぇっていつも言ってるのに・・・・・・・・・・・・。」
ぶつぶつと呟きながらも、ソルベは全員を合流させようと行動を進める。
その様子を、レティはあっけに取られながら見ていた。
「・・・・彼、あんなキャラだったかしら?」
「一応、ソルベとジェラートはリゾットと同時期に入った初期からのメンバーでな。」
「リゾットがいない時は、大体ソルベが指示をだすことになってた・・いや、なってるんだよ。」
ゼリー飲料を吸いながら、ギアッチョとメローネが答える。
「普段はめんどくさいからリゾットに投げっぱなしなんだけどね。・・・・・・ソルベ、皆見つかった?」
「おぉ、プロシュートとペッシも見つかった。戦闘中だから、ホルマジオとイルーゾォが助けに行った。
 まーあいつら二人がいればとっとと逃げて来られるだろ。」
やれやれ、とソルベはため息をつく。
「さて、全員揃ったら作戦会議だな・・・・。リゾットとの連絡はまず無理だろうし・・・・・。」
「・・・ソルベ、お願いがあるんだけど・・・・。」
「ん?」
ソルベが今後の事をどうするか考えていると、レティが唐突に話しかけてきた。
「・・・・出来れば、チルノと大ちゃんも探してくれない?
 他の妖精はともかく、あの二人は力が強いから下手に手を出して追いかけられているかもしれないの。」
レティにそう言われて、ソルベは即座に断ろうと考える。
妖精は死んでも元に戻るが、自分達は一人でも死んだら全員お陀仏である。
出来ればそんな手間は取りたくないが・・・・・。
「お願い・・・・・。」
レティの目が、じっとソルベを見上げる。
          • はぁ、と小さくため息をついた。
状況は、大分好転してる、といっても出来るだけスタンドパワーは使いたくないが・・・・。
「分かった。その代わり戦闘になったらあんたに頑張ってもらうからな。覚悟しとけよ。」
自分が甘くなった事を痛感しながら、ソルベは自分のスタンドの数を増やした。


「ここか・・・・・・・。」
リゾットはかなり、長い距離を飛び、ようやく妖怪の住処であろう場所を発見した。
計器が示すのは、木の板でふさがれた洞窟だった。
そこは木などで補強されており、何か鉱物の採掘場だったと分かる。
リゾットにとっては好都合な場所だったが、それはどう考えても罠だろう。
だが、こちらにも策が無いわけではないし、今更ここで足踏みするわけには行かない。
すっかり腐った木の板を蹴破る。
どうせ位置はばれている、どれだけ派手にやっても構わないだろう。
そういえば、誰かの為に殺す、と言うのは久しぶりだ。
「・・・・・・行くか。」
冷たい風が、黒いコートを揺らした。

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