今日もディアボロは散歩に出かけてた。
目指すは妖怪の山、守矢神社なるところが最終目的地だ。
周りの木々は葉が赤や黄に染まり、今は秋なのだということを実感させる。
目指すは妖怪の山、守矢神社なるところが最終目的地だ。
周りの木々は葉が赤や黄に染まり、今は秋なのだということを実感させる。
さて、妖怪の山を進む過程で問題がある。
あの山には天狗や河童が住んでいる。
なるべく戦闘を回避していきたいのだが、一度見つかると要注意人物としてマークされるだろう。
そうなれば新聞でマイナスイメージをつけられるのがオチだ。
あの山には天狗や河童が住んでいる。
なるべく戦闘を回避していきたいのだが、一度見つかると要注意人物としてマークされるだろう。
そうなれば新聞でマイナスイメージをつけられるのがオチだ。
ということで……・
「(これでよし、と)」
シンデレラで顔を変え、ヘブンズ・ドアーで声と髪の色と長さを変え、そして皮膚の色を日本人と同じにした。
ちなみに顔のパーツは『川尻 浩作』そのものであり、吉良吉影の記憶を参考に完璧に再現した。
声も吉良吉影の声を承太郎、仗助などの記憶を参考に完璧に再現している。
そして懐にDISCケースを入れる。現在和服を着ているため、簡単に隠すことができる。
これで本物との違いは体格と身長、癖、記憶ぐらいだ。
服や履いている靴まで真似る必要は無い。この幻想郷に『本物の川尻浩作』は存在しないのだから。
「(それにしても、ヘブンズ・ドアーですぐに他人の記憶を思い出せるようにして正解だったな……)」
こんなときに役に立つとは。
そう思って妖怪の山に向かうディアボロだった。
シンデレラで顔を変え、ヘブンズ・ドアーで声と髪の色と長さを変え、そして皮膚の色を日本人と同じにした。
ちなみに顔のパーツは『川尻 浩作』そのものであり、吉良吉影の記憶を参考に完璧に再現した。
声も吉良吉影の声を承太郎、仗助などの記憶を参考に完璧に再現している。
そして懐にDISCケースを入れる。現在和服を着ているため、簡単に隠すことができる。
これで本物との違いは体格と身長、癖、記憶ぐらいだ。
服や履いている靴まで真似る必要は無い。この幻想郷に『本物の川尻浩作』は存在しないのだから。
「(それにしても、ヘブンズ・ドアーですぐに他人の記憶を思い出せるようにして正解だったな……)」
こんなときに役に立つとは。
そう思って妖怪の山に向かうディアボロだった。
川の流れる場所に到着した。
少々冷えるが、気にするほどでもない。
それよりも気になるのは目の前の光景だ。
「(……二人がこんなところで将棋をしている。一人は容姿からして恐らく妖怪。もう一人は……断定できないな)」
その光景にディアボロは少々呆れる。
妖怪の山は警備をしている者がいると聞いているが、その妖怪はさぼって将棋をしている。
もし自分だったら減給にでもしているだろう。それでも懲りないならクビにしている。
「(こんな警備でいいのか?しかもあの二人どちらも俺に気づいていない)」
とりあえずスルーできそうだ。そう思ってこっそり通り過ぎようとする。
と、そこに思わぬ者が訪れてきた。
「あら、貴方達すぐ近くに人間がいるのにそれに夢中で気づかないってどういうことかしら?」
なにやら不思議な雰囲気の女性がやってきて、二人に語りかけた。
その言葉に少女二人は周囲を見渡し、(変装している)ディアボロに気づく。
「え、そこにいたの?」
「気配が無かったから気づかなかった……」
「お前らがそれに夢中になっていることのほうが問題だと思うぞ」
ディアボロに文句を言われて「それを言わないで」と言いたげな表情をする二人。
「……それはいいから早くここから立ち去るように!」
二人の内の一人……白狼天狗の『犬走 椛』(いぬばしり もみじ)は剣と盾を構えて警告する。
ディアボロに文句を言われたせいか、なんかちょっと慌てているようにも見える。
「お断りだ。私はこの先に行きたい」
一人称も変えておく。いろいろと気をつけて会話しなくてはならないのも少々面倒だ。
「人間が山に入ってどうするの?貴方は今まで見たことの無いほどの厄が溜まっているもの、危ないわよ?」
ディアボロは無言で戦闘の構えに入る。
今までかんじたことも無い雰囲気。それに三人は警戒する。
「立ち去る気が無いのなら強引に!」
椛が剣でディアボロを斬ろうとする。それをディアボロは刀を抜いて刀身で防ぎ、押し返す。
何度もアヌビス神がこの身体で刀を鞘から抜いているからか、自然と刀を抜くことができる。
ディアボロは刀を鞘に収める。刀で戦うならアヌビス神に任せたほうが得策だ。
「このっ……!」
椛はもう一度斬りかかるが、今度はキングクリムゾンに右手首をつかまれて刀を振り下ろすことに失敗する。
「な……!?」
突然自分の身に起きた謎の現象。振りほどこうにもしっかりつかまれて離れない。
「とりあえずは……」
そう言いながらディアボロは椛に接近する。
「『気絶』だ」
そう言ってディアボロは椛の身体にパンチを叩き込む。勿論キングムリムゾンも同時に攻撃している。
「がはっ……!?(人間にしては力が強い……!?)」
キングクリムゾンの一撃が鳩尾に直撃し、強い痛みと共に呼吸困難になり、椛の意識は深い闇に落ちていく。
身体も力が抜け、ピクリとも動かなくなる。
妖怪といえども、破壊力Aクラスのパンチの一撃を急所に受ければまともに意識を保てないだろう。
もっとも、強い妖怪となるとそうもいかないだろうが……。
少々冷えるが、気にするほどでもない。
それよりも気になるのは目の前の光景だ。
「(……二人がこんなところで将棋をしている。一人は容姿からして恐らく妖怪。もう一人は……断定できないな)」
その光景にディアボロは少々呆れる。
妖怪の山は警備をしている者がいると聞いているが、その妖怪はさぼって将棋をしている。
もし自分だったら減給にでもしているだろう。それでも懲りないならクビにしている。
「(こんな警備でいいのか?しかもあの二人どちらも俺に気づいていない)」
とりあえずスルーできそうだ。そう思ってこっそり通り過ぎようとする。
と、そこに思わぬ者が訪れてきた。
「あら、貴方達すぐ近くに人間がいるのにそれに夢中で気づかないってどういうことかしら?」
なにやら不思議な雰囲気の女性がやってきて、二人に語りかけた。
その言葉に少女二人は周囲を見渡し、(変装している)ディアボロに気づく。
「え、そこにいたの?」
「気配が無かったから気づかなかった……」
「お前らがそれに夢中になっていることのほうが問題だと思うぞ」
ディアボロに文句を言われて「それを言わないで」と言いたげな表情をする二人。
「……それはいいから早くここから立ち去るように!」
二人の内の一人……白狼天狗の『犬走 椛』(いぬばしり もみじ)は剣と盾を構えて警告する。
ディアボロに文句を言われたせいか、なんかちょっと慌てているようにも見える。
「お断りだ。私はこの先に行きたい」
一人称も変えておく。いろいろと気をつけて会話しなくてはならないのも少々面倒だ。
「人間が山に入ってどうするの?貴方は今まで見たことの無いほどの厄が溜まっているもの、危ないわよ?」
ディアボロは無言で戦闘の構えに入る。
今までかんじたことも無い雰囲気。それに三人は警戒する。
「立ち去る気が無いのなら強引に!」
椛が剣でディアボロを斬ろうとする。それをディアボロは刀を抜いて刀身で防ぎ、押し返す。
何度もアヌビス神がこの身体で刀を鞘から抜いているからか、自然と刀を抜くことができる。
ディアボロは刀を鞘に収める。刀で戦うならアヌビス神に任せたほうが得策だ。
「このっ……!」
椛はもう一度斬りかかるが、今度はキングクリムゾンに右手首をつかまれて刀を振り下ろすことに失敗する。
「な……!?」
突然自分の身に起きた謎の現象。振りほどこうにもしっかりつかまれて離れない。
「とりあえずは……」
そう言いながらディアボロは椛に接近する。
「『気絶』だ」
そう言ってディアボロは椛の身体にパンチを叩き込む。勿論キングムリムゾンも同時に攻撃している。
「がはっ……!?(人間にしては力が強い……!?)」
キングクリムゾンの一撃が鳩尾に直撃し、強い痛みと共に呼吸困難になり、椛の意識は深い闇に落ちていく。
身体も力が抜け、ピクリとも動かなくなる。
妖怪といえども、破壊力Aクラスのパンチの一撃を急所に受ければまともに意識を保てないだろう。
もっとも、強い妖怪となるとそうもいかないだろうが……。
「ちょ……ちょっと!?」
流石に椛の将棋相手をしていた妖怪―『河城 にとり』も驚きを隠せずに慌てる。
「安心しろ。気絶しているだけだ」
「そうじゃなくて!」
慌てているにとりをよそに、椛の身体をゆっくりと地面に下ろす。
「俺に攻撃を仕掛けなければ俺も攻撃しない」
「……・」
その言葉ににとりは沈黙する。
「……信用していいの?」
警戒しながらも会話を続けるにとり。
「傷の治療は約束しよう。私自身、この山での無駄な戦闘は避けたいと思っている」
幸いクレイジー・ダイヤモンドは既に装備している。
……妖怪とはいえ、さっきの一撃で傷を負っている可能性は否定できない。
「……だったら、先に傷を治して」
「わかった」
すんなりと了承し、気絶している椛の鳩尾に触れる。
「どうやらあまり傷を負ってはいないみたいだが……一応治しておこう」
そう言ってクレイジー・ダイヤモンドの能力を使う。
「これでよしと」
「え?え?触れただけなのに?」
「そういう能力を持っているからな」
ディアボロは、意味が理解できずに戸惑いながら質問するにとりに返事を返す。
ディアボロの返事ににとりは納得した。
「……そういうことだったの」
「そういうことだ」
ディアボロがそう言って立ち去ろうとしたとき、にとりが静止する。
「ちょっと待って」
「どうした?」
ディアボロは振り向き、返事を返す。
「人間と河童は古来からの盟友……貴方は私の友達を傷つけたけど、傷を治してくれた」
「……」
にとりの言葉にディアボロは沈黙する。
「……名前教えてくれるかい?『盟友』」
「『盟友』……か」
少し空を見て考え、ディアボロは返事を返す。
「今はまだ本当の名前を言えない。だけどいつか違う形でまた会うはずだ」
そしてまた少し考え、言葉を続ける。
「……今はこの名前を教えよう。『ソリッド・ナーゾ』だ」
懐かしい偽りの名前。昔に使っていた偽名だ。
本当は『吉良吉影』や『川尻浩作』の名前を名乗っても良かったのだが、気が変わった。
それに、ここでこの名前を使ったところで、特定される可能性はあまり無いだろう。
「ソリッド・ナーゾ……」
ディアボロが伝えた偽名を呟き、何かを思い出したかのようにハッとする。
「ちょっと待って、『今はまだ本当の名前を言えない』ってどういうこと?」
「まだ都合が悪いからな。安心しろ、また会ったら教えてやるさ」
そう言って立ち去ろうとするディアボロ。
「ちょっと待って」
それを女性が静止する。
「貴方は今までのどんな人間よりも厄が溜まっているわ。もしかして一度も厄払いをしたことが無いの?」
ディアボロは少し考える。
元の世界にいたときは厄払いなんてしたこともないし、幻想郷に来てからもやったことが無い気がする。
ディアボロがだした結論は『確かに一度も厄払いをしたことがない』だった。
「確かに一度も無いな……」
ディアボロのその言葉に呆れる女性。
「厄を払わないなんて、一体何を考えているのかしら……」
そう言って女性はディアボロに触れる。
敵意は無いのを察していたディアボロは特に手を出すようなことはしない。
「私の名前は『鍵山 雛』(かぎやま ひな)。人間の厄を集めて、神々に渡しているの」
自己紹介をした女性、鍵山 雛はディアボロに触れながらも呆れた表情をしている。
「こんなに厄を溜め込んで……結構酷い目にあってきたでしょう?」
「確かに酷い目にはあってきたが、力で屈させることも多かったな」
「これだけの厄が与える不幸を力で捻じ伏せるなんて……貴方は一体何者なのかしら」
ため息をつきながらも、雛はディアボロに触れた手を離そうとはしない。
この状況をみて、ディアボロは彼女がどうやって厄を集めているのか気がついた。
「(俺から直接厄を吸い取っているのか?)」
そう思ってから数秒。雛はディアボロから手を離した。どうやらディアボロに取り憑いていた厄を集めきったようだ。
「これで大丈夫よ。貴方に溜まっていた厄は全部集めきったわ」
「そうか、ありがとう」
ディアボロは雛におれいを言って先に進もうとする。
「どうしても先に進むのね」
雛は先に進もうとするディアボロに声をかける。
「……気をつけて」
が、彼を止めようとはしなかった。
流石に椛の将棋相手をしていた妖怪―『河城 にとり』も驚きを隠せずに慌てる。
「安心しろ。気絶しているだけだ」
「そうじゃなくて!」
慌てているにとりをよそに、椛の身体をゆっくりと地面に下ろす。
「俺に攻撃を仕掛けなければ俺も攻撃しない」
「……・」
その言葉ににとりは沈黙する。
「……信用していいの?」
警戒しながらも会話を続けるにとり。
「傷の治療は約束しよう。私自身、この山での無駄な戦闘は避けたいと思っている」
幸いクレイジー・ダイヤモンドは既に装備している。
……妖怪とはいえ、さっきの一撃で傷を負っている可能性は否定できない。
「……だったら、先に傷を治して」
「わかった」
すんなりと了承し、気絶している椛の鳩尾に触れる。
「どうやらあまり傷を負ってはいないみたいだが……一応治しておこう」
そう言ってクレイジー・ダイヤモンドの能力を使う。
「これでよしと」
「え?え?触れただけなのに?」
「そういう能力を持っているからな」
ディアボロは、意味が理解できずに戸惑いながら質問するにとりに返事を返す。
ディアボロの返事ににとりは納得した。
「……そういうことだったの」
「そういうことだ」
ディアボロがそう言って立ち去ろうとしたとき、にとりが静止する。
「ちょっと待って」
「どうした?」
ディアボロは振り向き、返事を返す。
「人間と河童は古来からの盟友……貴方は私の友達を傷つけたけど、傷を治してくれた」
「……」
にとりの言葉にディアボロは沈黙する。
「……名前教えてくれるかい?『盟友』」
「『盟友』……か」
少し空を見て考え、ディアボロは返事を返す。
「今はまだ本当の名前を言えない。だけどいつか違う形でまた会うはずだ」
そしてまた少し考え、言葉を続ける。
「……今はこの名前を教えよう。『ソリッド・ナーゾ』だ」
懐かしい偽りの名前。昔に使っていた偽名だ。
本当は『吉良吉影』や『川尻浩作』の名前を名乗っても良かったのだが、気が変わった。
それに、ここでこの名前を使ったところで、特定される可能性はあまり無いだろう。
「ソリッド・ナーゾ……」
ディアボロが伝えた偽名を呟き、何かを思い出したかのようにハッとする。
「ちょっと待って、『今はまだ本当の名前を言えない』ってどういうこと?」
「まだ都合が悪いからな。安心しろ、また会ったら教えてやるさ」
そう言って立ち去ろうとするディアボロ。
「ちょっと待って」
それを女性が静止する。
「貴方は今までのどんな人間よりも厄が溜まっているわ。もしかして一度も厄払いをしたことが無いの?」
ディアボロは少し考える。
元の世界にいたときは厄払いなんてしたこともないし、幻想郷に来てからもやったことが無い気がする。
ディアボロがだした結論は『確かに一度も厄払いをしたことがない』だった。
「確かに一度も無いな……」
ディアボロのその言葉に呆れる女性。
「厄を払わないなんて、一体何を考えているのかしら……」
そう言って女性はディアボロに触れる。
敵意は無いのを察していたディアボロは特に手を出すようなことはしない。
「私の名前は『鍵山 雛』(かぎやま ひな)。人間の厄を集めて、神々に渡しているの」
自己紹介をした女性、鍵山 雛はディアボロに触れながらも呆れた表情をしている。
「こんなに厄を溜め込んで……結構酷い目にあってきたでしょう?」
「確かに酷い目にはあってきたが、力で屈させることも多かったな」
「これだけの厄が与える不幸を力で捻じ伏せるなんて……貴方は一体何者なのかしら」
ため息をつきながらも、雛はディアボロに触れた手を離そうとはしない。
この状況をみて、ディアボロは彼女がどうやって厄を集めているのか気がついた。
「(俺から直接厄を吸い取っているのか?)」
そう思ってから数秒。雛はディアボロから手を離した。どうやらディアボロに取り憑いていた厄を集めきったようだ。
「これで大丈夫よ。貴方に溜まっていた厄は全部集めきったわ」
「そうか、ありがとう」
ディアボロは雛におれいを言って先に進もうとする。
「どうしても先に進むのね」
雛は先に進もうとするディアボロに声をかける。
「……気をつけて」
が、彼を止めようとはしなかった。
彼から集めた厄が彼にもたらそうとした不幸を、彼は自らの力で捻じ伏せた。
それだけの力があるのなら、この先に進んでも殺されることはないかもしれない。
それだけの力があるのなら、この先に進んでも殺されることはないかもしれない。
雛はそう信じて進ませることにした。
「気遣いは感謝しよう。……大丈夫だ、流石に正面から突っ込むほど俺は馬鹿じゃない」
ディアボロは返事を返すと、山頂目指して進みだす。
その背を、にとりと雛はじっと見つめていた。
「……なんかかっこいい」
にとりの言った言葉に対し
「そうかしら……?」
疑問を懐く雛であった。
「気遣いは感謝しよう。……大丈夫だ、流石に正面から突っ込むほど俺は馬鹿じゃない」
ディアボロは返事を返すと、山頂目指して進みだす。
その背を、にとりと雛はじっと見つめていた。
「……なんかかっこいい」
にとりの言った言葉に対し
「そうかしら……?」
疑問を懐く雛であった。
「(さて……ここからが問題だ。)」
ディアボロは山道から見える川を見て考える。
「(俺の通れる道は二つある。一つは川を上っていく方法。ザ・フールで飛べば河童の襲撃を受ける確率は低くなるはずだ)」
そう考えた後、ディアボロは山道を見上げる。
「(もう一つはこのまま山道を進む方法。道に迷ったり天狗の襲撃を受ける可能性があるが、隠れて移動しやすい……)」
少し考えるディアボロ。
「(よし、しばらくはこのまま進むか)」
視界の開けた場所を進んで複数体からの攻撃を受けるよりは、道に迷う可能性こそあるものの隠れて通れる方がマシ。
そう判断したディアボロはこのまま山道を進んでいく。
進みながら現在装備しているDISCを改めて確かめる。
現在装備しているのは キングクリムゾン、ウェザーリポート、スティッキィ・フィンガーズ、ハイエロファント・グリーン。
基本的に相手が接近戦を挑むのを想定しての装備だが、いざとなればハイエロファント・グリーンの能力も使うことになるだろう。
ウェザーリポートで発生させた濃霧で相手がこちらを見失った隙に隠れることもできる。
「(シンデレラの能力である程度幸運が訪れやすくしているうえに厄も払われたとはいえ、それでも運だけで乗り切れないだろうな)」
そう思いながら道なき道を進んでいく。
「そこの男!何をしている!」
「(やっぱりな)」
山を警備していた天狗に見つかり、天狗がディアボロに近づいてくる。
「何をしにきた?」
「頂上の守矢神社の参拝をしに。だが道に迷ってしまった」
ここでうまくいけば、頂上に無事に案内してくれるかもしれない。
だが、ディアボロはなんとなくいやな予感がしていた。
「何故迷った?」
「一度も行ったことが無いからだ」
天狗の質問に答えるディアボロ。
「……」
天狗はディアボロの言葉に呆れてしまった。そして考え出す。
「目的は伝えたはずだ。先に行かせてもらうぞ」
「待て!やっぱり行かせない」
ディアボロはため息をして振り返る。
「行かせないとはどういうことだ?」
「お前は警告を無視して入ってきている。だがまだ間に合う。私が」
天狗が最後まで喋ることはなかった。
ディアボロが一瞬だけ時間を消し飛ばして至近距離まで接近し、キングクリムゾンの一撃を鳩尾に当てたからだ。
強烈な痛みと共に天狗は意識を失い、地面に倒れた。
「(倒すときは一撃で気絶に追い込まないと逃げられる可能性があるからな)」
ディアボロはそう思いながら、気絶した天狗を放置して先に進む。
頂上の守矢神社まで到達するにはもう一苦労しそうだ。
ディアボロは山道から見える川を見て考える。
「(俺の通れる道は二つある。一つは川を上っていく方法。ザ・フールで飛べば河童の襲撃を受ける確率は低くなるはずだ)」
そう考えた後、ディアボロは山道を見上げる。
「(もう一つはこのまま山道を進む方法。道に迷ったり天狗の襲撃を受ける可能性があるが、隠れて移動しやすい……)」
少し考えるディアボロ。
「(よし、しばらくはこのまま進むか)」
視界の開けた場所を進んで複数体からの攻撃を受けるよりは、道に迷う可能性こそあるものの隠れて通れる方がマシ。
そう判断したディアボロはこのまま山道を進んでいく。
進みながら現在装備しているDISCを改めて確かめる。
現在装備しているのは キングクリムゾン、ウェザーリポート、スティッキィ・フィンガーズ、ハイエロファント・グリーン。
基本的に相手が接近戦を挑むのを想定しての装備だが、いざとなればハイエロファント・グリーンの能力も使うことになるだろう。
ウェザーリポートで発生させた濃霧で相手がこちらを見失った隙に隠れることもできる。
「(シンデレラの能力である程度幸運が訪れやすくしているうえに厄も払われたとはいえ、それでも運だけで乗り切れないだろうな)」
そう思いながら道なき道を進んでいく。
「そこの男!何をしている!」
「(やっぱりな)」
山を警備していた天狗に見つかり、天狗がディアボロに近づいてくる。
「何をしにきた?」
「頂上の守矢神社の参拝をしに。だが道に迷ってしまった」
ここでうまくいけば、頂上に無事に案内してくれるかもしれない。
だが、ディアボロはなんとなくいやな予感がしていた。
「何故迷った?」
「一度も行ったことが無いからだ」
天狗の質問に答えるディアボロ。
「……」
天狗はディアボロの言葉に呆れてしまった。そして考え出す。
「目的は伝えたはずだ。先に行かせてもらうぞ」
「待て!やっぱり行かせない」
ディアボロはため息をして振り返る。
「行かせないとはどういうことだ?」
「お前は警告を無視して入ってきている。だがまだ間に合う。私が」
天狗が最後まで喋ることはなかった。
ディアボロが一瞬だけ時間を消し飛ばして至近距離まで接近し、キングクリムゾンの一撃を鳩尾に当てたからだ。
強烈な痛みと共に天狗は意識を失い、地面に倒れた。
「(倒すときは一撃で気絶に追い込まないと逃げられる可能性があるからな)」
ディアボロはそう思いながら、気絶した天狗を放置して先に進む。
頂上の守矢神社まで到達するにはもう一苦労しそうだ。
「……あれ?誰か倒れていますね……」
一方、射命丸文は偶然にも、誰か倒れているのを見つけたようだ。
文は飛んで移動すると、倒れているのが椛と同じ白狼天狗であることに気がつく。
サボって寝ているのかと思って揺すってみるが、反応が無い。
「(……おかしいですね)」
顔に耳を近づけてみるが、寝息は聞こえない。仰向けにして心臓に手を当てると、心臓の鼓動を感じ取ることができた。
「(どうやら死んでいるわけではないようですが……)」
何か嫌な予感を感じた文は、周囲を捜索することにした。
一方、射命丸文は偶然にも、誰か倒れているのを見つけたようだ。
文は飛んで移動すると、倒れているのが椛と同じ白狼天狗であることに気がつく。
サボって寝ているのかと思って揺すってみるが、反応が無い。
「(……おかしいですね)」
顔に耳を近づけてみるが、寝息は聞こえない。仰向けにして心臓に手を当てると、心臓の鼓動を感じ取ることができた。
「(どうやら死んでいるわけではないようですが……)」
何か嫌な予感を感じた文は、周囲を捜索することにした。
天狗の新聞記者とのかくれんぼは、両者が気づかぬうちに始まった。
そしてきっと、両者が気づかぬうちに終わるのだろう。
そしてきっと、両者が気づかぬうちに終わるのだろう。