それは在り得ぬ邂逅。『もしも』の話……。存在しない可能性。
「小町、小町はいますか」
「はい映姫様、何か御用ですか? 今日は仕事をサボったりしていませんよ?」
「いえ、その事ではありません。あなたに頼みたいことがあるのです」
「頼みごと?」
「はい映姫様、何か御用ですか? 今日は仕事をサボったりしていませんよ?」
「いえ、その事ではありません。あなたに頼みたいことがあるのです」
「頼みごと?」
小町は少し首を傾げる。映姫はそんな彼女に事情を説明せず、ある子供を連れて来た。これを見れば全て分かると言わんばかりに。
連れて来られた子供は二人、その顔は日本人とは思えない。年は十に届くか届かないかの大きさだ。
連れて来られた子供は二人、その顔は日本人とは思えない。年は十に届くか届かないかの大きさだ。
「おんや? どっかで見た顔してますよね。 うーん、外来人の生きている子供……迷い込んだのですか? あ、この子を連れて神社に行けと?」
「違います。この子はプロシュートとペッシです」
「ああ、道理で……って、はぁ?」
「ですからプロシュートとペッシです」
「違います。この子はプロシュートとペッシです」
「ああ、道理で……って、はぁ?」
「ですからプロシュートとペッシです」
冗談などではない。映姫の顔は真面目そのものだ。それ以前に彼女は冗談を言う人間ではない、小町が冗談ですよねと確認をするも首を横に振られる。
「ちょっと待って下さい。状況が飲み込めません……ええ!? ちょっと何で?」
「落ち着きなさい!」
「落ち着きなさい!」
映姫は深い溜息を吐くと簡単に事情を説明し始めた。
全ての始まりは幻想郷に不審な人物が現れたという情報からだ。いや、唯の不審者であればそれで良かった。問題はその不審者が不可思議な力を持っているということだ。
その不可思議な力とは相手を子供に戻すというのだ。
文々。新聞の記者から得た情報ではその不審者の力を利用し、某永遠亭の薬師が御姫様たちを幼女にしてしまったというのだ。
そしてこの幻想郷の重要人物、八雲紫にもその力は及び、あろう事か彼女を傷つけたというのだ。
このままでは幻想郷を覆う結界に異常が起こってしまう。その前に問題を解決しなければと思い、リゾット達を派遣したと言うのだ。
全ての始まりは幻想郷に不審な人物が現れたという情報からだ。いや、唯の不審者であればそれで良かった。問題はその不審者が不可思議な力を持っているということだ。
その不可思議な力とは相手を子供に戻すというのだ。
文々。新聞の記者から得た情報ではその不審者の力を利用し、某永遠亭の薬師が御姫様たちを幼女にしてしまったというのだ。
そしてこの幻想郷の重要人物、八雲紫にもその力は及び、あろう事か彼女を傷つけたというのだ。
このままでは幻想郷を覆う結界に異常が起こってしまう。その前に問題を解決しなければと思い、リゾット達を派遣したと言うのだ。
「……と言う事は返り討ちにあったんですね?」
「遺憾なことに皆子供の姿で戻ってきました」
「まさか……そいつを退治しろって」
「安心しなさい。この件は白玉楼の西行寺幽々子が解決します。彼女は八雲紫が傷つけられたことに非常に腹を立てています」
「大丈夫なんですか?」
「恐らく。彼女の表情は鬼気迫るものがありました。八雲紫を傷つけたというのが許せないのでしょう。魂を消滅することすら生ぬるいなどと言っていました」
「うわぁ……相手にはご愁傷様と言うべきですかね。それで、あたしに用というのは?」
「そうでしたね。この子の世話を頼みます」
「はいわかりって、今何と?」
「この子達の世話を頼みます。安心しなさい。世話をしている間は渡しの仕事はせずともよいです」
「ちょっと待ってくださいよ」
「私はソルベとジェラードの世話をします。他の者も幻想郷の彼等の知り合いに頼んだところ、皆快く承諾してくれました」
「そうなんですかって、まだやるとは言っていませんよ!」
「二、三日でこの件は解決するでしょう。それまで頼みました」
「遺憾なことに皆子供の姿で戻ってきました」
「まさか……そいつを退治しろって」
「安心しなさい。この件は白玉楼の西行寺幽々子が解決します。彼女は八雲紫が傷つけられたことに非常に腹を立てています」
「大丈夫なんですか?」
「恐らく。彼女の表情は鬼気迫るものがありました。八雲紫を傷つけたというのが許せないのでしょう。魂を消滅することすら生ぬるいなどと言っていました」
「うわぁ……相手にはご愁傷様と言うべきですかね。それで、あたしに用というのは?」
「そうでしたね。この子の世話を頼みます」
「はいわかりって、今何と?」
「この子達の世話を頼みます。安心しなさい。世話をしている間は渡しの仕事はせずともよいです」
「ちょっと待ってくださいよ」
「私はソルベとジェラードの世話をします。他の者も幻想郷の彼等の知り合いに頼んだところ、皆快く承諾してくれました」
「そうなんですかって、まだやるとは言っていませんよ!」
「二、三日でこの件は解決するでしょう。それまで頼みました」
未だごねる小町を置いて、映姫は行ってしまった。後には小町と子供のプロシュート、ペッシが残された。
子供の姿となった彼等が何処へ行ったのかそれぞれ追っていこう。まずはソルベとジェラード。
「同性同士で愛し合うなんて不毛すぎるッ!」
映姫様のドキドキ愛の講座を二人に聞かせていた。けれども二人が愛し合う運命はきっとレミリアでさえ操作できない。
次いでリゾット。彼は人里の上白沢慧音の自宅に預けられた。
「慧音先生……食器を洗っておいた」
「リゾットか。手伝いはいいのだが外で遊んできてもいいんだぞ? 今日は寺子屋は休みだからな。里の子供たちも外で遊んでいる。行ってみたらどうだ?」
「リゾットか。手伝いはいいのだが外で遊んできてもいいんだぞ? 今日は寺子屋は休みだからな。里の子供たちも外で遊んでいる。行ってみたらどうだ?」
慧音の方針。それは子供は子供らしく外で元気に遊ぶべきだ。見た目だけでなく中身も子供に戻っているのならば尚更だ。童心に返るという言葉もあることだし気兼ねなく遊べばよい。彼女はそう考えていた。
しかし慧音の言葉にリゾットは首を横に振る。
しかし慧音の言葉にリゾットは首を横に振る。
「いいんだ……オレは慧音先生の手伝いがしたいんだ」
「手伝いは嬉しいが……むむッ、どうしたものか」
「手伝いは嬉しいが……むむッ、どうしたものか」
リゾットは手のかからないとてもいい子だった。慧音は手がかからないことに喜びながらもどこか不満だった。
紅魔館ではメローネがフランドールと共に過ごしていた。
「ねーねーメローネ! 遊ぼ遊ぼ!」
「フランちゃんか……もう夜だよ。俺ちょー眠いよ」
「えぇ~、いいじゃない。あ、そうだ! DVD一緒に見よッ!」
「分かった。それで何を見るの?」
「えっとね……『MS IGLOO』何てどう?」
「それでいいよ」
「フランちゃんか……もう夜だよ。俺ちょー眠いよ」
「えぇ~、いいじゃない。あ、そうだ! DVD一緒に見よッ!」
「分かった。それで何を見るの?」
「えっとね……『MS IGLOO』何てどう?」
「それでいいよ」
――少年少女視聴中――
「酷いッ! 連邦軍めッ!」
「ヅダがッ! 空中分解ッ!? 少佐、デュバル少佐ぁ~!!」
「ヅダがッ! 空中分解ッ!? 少佐、デュバル少佐ぁ~!!」
とても中睦まじく過ごしているようだった。
そして博麗神社ではホルマジオが霊夢の世話になっていた。そう、なっているはずだった。
「ねぇ、喉が渇いたんだけど」
「しょうがねぇなぁ~。茶を淹れてやるよ」
「しょうがねぇなぁ~。茶を淹れてやるよ」
小さな体でお湯を沸かし、お茶を淹れる。
「お腹が空いたわ」
「しょうがねぇなぁ~。パスタでよけりゃ作ってやるよ」
「しょうがねぇなぁ~。パスタでよけりゃ作ってやるよ」
ギコチナイ手つきだが出来栄えは上々だ。
「肩揉んでくれない?」
「しょうがねぇなぁ~。揉んでやるよ」
「しょうがねぇなぁ~。揉んでやるよ」
少年に肩を揉まれて巫女さんは幸せそうだ。
「ねぇ一緒にお風呂に入りましょう。だからお風呂洗ってね」
「しょうがねぇなぁ~」
「しょうがねぇなぁ~」
一体どっちが世話をしているのやら……。
一方のイルーゾォは霧雨魔理沙の家に来ていた。
「イルーゾォ、今から霊夢んとこいくぜ」
ほうきに乗りな、そういう魔理沙に彼は首を振る。
「嫌だ」
「おいおいどうしたんだ? 子供みたいに我侭、いや子供だったな」
「……がいい」
「うん? 何て言ったんだ?」
「アリスさんの家がいい」
「何でアリスなんだ?」
「……」
「おいおいどうしたんだ? 子供みたいに我侭、いや子供だったな」
「……がいい」
「うん? 何て言ったんだ?」
「アリスさんの家がいい」
「何でアリスなんだ?」
「……」
魔理沙が尋ねるも彼は口を閉ざして何も答えない。
「アリスに惚れたかのか? ませた子供だぜ。いいからほうきに乗りな、アリスん家行くぜ!」
「……うん」
「……うん」
彼は魔理沙と共にアリスの家にやって来た。
「アリス、邪魔するぜ!」
「……お邪魔します」
「……お邪魔します」
ノックもすることなく家の中に入ってくる魔理沙にアリスは嫌な顔一つしない。いや、イルーゾォの顔を見たときに僅かに顔を曇らせた。ほんの些細な事だが繊細な少年はそれに気付いてしまったのだ。
アリスの名誉の為に言わなければならない。彼女は別段彼が嫌いと言う訳ではない。むしろ友人として好ましく思っている。彼女は映姫が幻想郷に住まう彼等の知り合いに子供と化した彼等の世話を頼まれた時には消極的にだが引き受けようとしていた。
結局は積極的に名乗り出た魔理沙にその役を譲ったのだ。
考えてみよう。好きな人が自宅を訪ねてきた時の事を。その人が一人ならば好ましい事だが、連れにもう一人いたらどうだろうか。もしその人が一人で来てくれたのならばと一瞬でも考えてしまうのも道理といえる。
それがアリスの表情が僅かに曇った原因だ。
イルーゾォが道を踏み外してしったのは、もしかしたら少年期に何かあったのかも知れない。その過去を知らないが為に全ては推測でしかない。
だが推測でも一つはっきりと言えることがある。彼はアリスの表情からその心情を読み取ってしまったのだ。
アリスの名誉の為に言わなければならない。彼女は別段彼が嫌いと言う訳ではない。むしろ友人として好ましく思っている。彼女は映姫が幻想郷に住まう彼等の知り合いに子供と化した彼等の世話を頼まれた時には消極的にだが引き受けようとしていた。
結局は積極的に名乗り出た魔理沙にその役を譲ったのだ。
考えてみよう。好きな人が自宅を訪ねてきた時の事を。その人が一人ならば好ましい事だが、連れにもう一人いたらどうだろうか。もしその人が一人で来てくれたのならばと一瞬でも考えてしまうのも道理といえる。
それがアリスの表情が僅かに曇った原因だ。
イルーゾォが道を踏み外してしったのは、もしかしたら少年期に何かあったのかも知れない。その過去を知らないが為に全ては推測でしかない。
だが推測でも一つはっきりと言えることがある。彼はアリスの表情からその心情を読み取ってしまったのだ。
「気分が悪い……」
「どうしたんだ? あ、悪い、飛ばしすぎて酔ったのか?」
「横になる? 私のベッドで寝ていてもいいのよ?」
「どうしたんだ? あ、悪い、飛ばしすぎて酔ったのか?」
「横になる? 私のベッドで寝ていてもいいのよ?」
アリスの脳裏に魔理沙と二人っきりになれるという考えが僅かに浮かび消えた。彼女は彼がこの場からいなくなることを喜んでいるわけではない。
それでもイルーゾォはアリスの表情の変化を読み取ってしまった。それが真意ではないと気付けないままに。
何も言わず上海人形に案内されるままアリスのベッドに案内され、布団に潜り込み……泣いた。
それでも決して枕も彼女の布団は濡れることはない。心の中で、自分の内なる世界で声を大きくして泣いた……。心の中の世界では魔理沙とアリスの談笑は聞こえてこない。
それでもイルーゾォはアリスの表情の変化を読み取ってしまった。それが真意ではないと気付けないままに。
何も言わず上海人形に案内されるままアリスのベッドに案内され、布団に潜り込み……泣いた。
それでも決して枕も彼女の布団は濡れることはない。心の中で、自分の内なる世界で声を大きくして泣いた……。心の中の世界では魔理沙とアリスの談笑は聞こえてこない。
そしてプロシュートとペッシ。彼等は賽の河原にいた
仕事をしろと言われればサボりたくなり、するなと言われればしてしまいたくなる。悲しい人の性。それは彼女も同じだった。
小野塚小町、彼女もつい仕事をしてしまった。プロシュートとペッシを賽の河原に置いて来てしまったのだ。
仕事をしろと言われればサボりたくなり、するなと言われればしてしまいたくなる。悲しい人の性。それは彼女も同じだった。
小野塚小町、彼女もつい仕事をしてしまった。プロシュートとペッシを賽の河原に置いて来てしまったのだ。
「もしこれであの子らに何かあったら……映姫様怒るんだろうなぁ~」
そう呟きながら彼女が河原に戻ると無事な二人がいた。怪我はなかった。しかし遊びまわったのだろう、服は泥だらけ、体も当然の如く汚れている。
「怪我がなくて何より。それにしてもずいぶん汚れたもんだね。よし! 二人とも家に帰ったらお風呂に入るよ」
彼女は二人を連れて自宅に戻ると風呂を湧かし、二人の服を脱がすと風呂場に投げ込んだ。
二人が風呂に入っている間に夕食でも作ろうかと考えているとあることに気が付いた。薪の残りが少ないのだ。
二人が風呂に入っている間に夕食でも作ろうかと考えているとあることに気が付いた。薪の残りが少ないのだ。
「あちゃ~これじゃあたいが風呂に入ったら薪がなくなるよ。あ、そうだ!」
名案が浮かんだのか彼女は風呂場へと行き、未だに二人が入っているというのに服を脱ぎ出したのだ。
「二人とものぼせてはいないかい? いやぁ~薪がなくってねぇ~。一緒に入れば節約になるからね。ほら、ちゃんと肩までお湯に浸かりなよ」
驚いた。先に風呂に入っていたプロシュートとペッシは驚いた。二人でお湯を掛け合いながらはしゃいでいたら子供の目にも毒なほど美しい肌を露出させた小町が現れたのだ。
幸運にも、いや不幸にもか……兎も角バスタオル一枚に包まれた小町の姿に思わず目を奪われたとしても誰が責められようか。
小町はそんな彼らに構うことなくさっと体を洗うと……当然洗う時にはバスタオルを外す、つまり……彼等は見てしまった。何も纏わぬ彼女の姿を。
当然彼等は興奮した。それは小町が湯船に浸かっても治まらない。むしろヒートアップする。
幸運にも、いや不幸にもか……兎も角バスタオル一枚に包まれた小町の姿に思わず目を奪われたとしても誰が責められようか。
小町はそんな彼らに構うことなくさっと体を洗うと……当然洗う時にはバスタオルを外す、つまり……彼等は見てしまった。何も纏わぬ彼女の姿を。
当然彼等は興奮した。それは小町が湯船に浸かっても治まらない。むしろヒートアップする。
「あ、兄貴ぃ! 小町さんが俺達と一緒にお風呂にッ!」
「慌てるんじゃねぇッ!」
「だ、だって兄貴ッ! 小町さんのおっぱいが浮いているんだ! お湯に浮いているんだッ!」
「落ち着けって言っているだろうがッ! だからお前はマンモーニなんだ」
「で、でも兄貴」
「落ち着けって、いいか、確かにあのけしからんおっぱいがお湯に浮いたら俺でも焦る。だって天然ものの証拠だからな。でもそれを見て右往左往してちゃだめなんだ」
「あ、兄貴……う、後ろ」
「いいか、確かにあのおっぱいを間近に見たらびびる。揉みたいとかむしゃぶり付きたいとか思っても尻込みするのもわかる。でもそれじゃぁいつまでたってもマンモーニだ」
「慌てるんじゃねぇッ!」
「だ、だって兄貴ッ! 小町さんのおっぱいが浮いているんだ! お湯に浮いているんだッ!」
「落ち着けって言っているだろうがッ! だからお前はマンモーニなんだ」
「で、でも兄貴」
「落ち着けって、いいか、確かにあのけしからんおっぱいがお湯に浮いたら俺でも焦る。だって天然ものの証拠だからな。でもそれを見て右往左往してちゃだめなんだ」
「あ、兄貴……う、後ろ」
「いいか、確かにあのおっぱいを間近に見たらびびる。揉みたいとかむしゃぶり付きたいとか思っても尻込みするのもわかる。でもそれじゃぁいつまでたってもマンモーニだ」
プロシュート(子供)は尚も熱弁を奮う。
「俺達は唯のガキじゃねぇ、(あのおっぱいに頭から)飛び込みたい、そう思っ……」
彼は最後まで言葉を紡ぐことはできなかった。湯船に浸かった小町がそこから美しい白い腕もヌッと伸ばして彼らの頭をミシリと掴んだのだ。
「あっはっはっは……丸聞こえだよッ!」
振り向くことのできない彼らは小町の表情はうかがえない。それでも彼等は理解した。笑顔だが目が笑っていない姿を想像して理解した。小町は怒っていると理解したのだ。
でも理解してもどうにもならないことが多々ある。今回もその一部に過ぎない。
渡しの仕事で培われた彼女の握力の前に彼等は死ぬほど痛いお仕置きをされたというのは余談にしか過ぎない。
それでも刹那とはいえ小町の肢体や胸を拝観出来た彼等は幸せだった筈だ。何故ならその記憶は元の姿に戻っても覚えているのだから……。
でも理解してもどうにもならないことが多々ある。今回もその一部に過ぎない。
渡しの仕事で培われた彼女の握力の前に彼等は死ぬほど痛いお仕置きをされたというのは余談にしか過ぎない。
それでも刹那とはいえ小町の肢体や胸を拝観出来た彼等は幸せだった筈だ。何故ならその記憶は元の姿に戻っても覚えているのだから……。
最後にギアッチョだが……彼はレティと共に永遠亭にいた。
本来ならば彼はレティに預けられるはずであった。映姫が子供となった彼等の世話を頼みに歩いて回ったのだがその対象に永遠亭は入っていなかった。
彼女は既に永遠亭には幼女となってしまった輝夜と鈴仙がいることを知っていたのだ。これ以上子供を預ければ永琳の負担になってしまう。そう考えていたのだが彼女はそうは思っていなかった。
話を聞いた八意永琳は映姫に直談判にやって来たのだ。彼女曰く『男の子も世話もしたい。半ズボンっていいわよね』と言う事らしい。
最初は映姫も断っていたのだが彼女が実力を行使しそうな雰囲気になって来たのでギアッチョを差し出したのだ。
無論、唯の人身御供と言う訳ではない。彼には万一の為にレティが付いているのだ。彼女がいれば最悪の事態には陥らないと考えたのだが……。
本来ならば彼はレティに預けられるはずであった。映姫が子供となった彼等の世話を頼みに歩いて回ったのだがその対象に永遠亭は入っていなかった。
彼女は既に永遠亭には幼女となってしまった輝夜と鈴仙がいることを知っていたのだ。これ以上子供を預ければ永琳の負担になってしまう。そう考えていたのだが彼女はそうは思っていなかった。
話を聞いた八意永琳は映姫に直談判にやって来たのだ。彼女曰く『男の子も世話もしたい。半ズボンっていいわよね』と言う事らしい。
最初は映姫も断っていたのだが彼女が実力を行使しそうな雰囲気になって来たのでギアッチョを差し出したのだ。
無論、唯の人身御供と言う訳ではない。彼には万一の為にレティが付いているのだ。彼女がいれば最悪の事態には陥らないと考えたのだが……。
「みんな~晩御飯よ~」
「「「はーい」」」
「「「はーい」」」
夕食を告げるレティの声に三人、輝夜に鈴仙、ギアッチョは素直に返事をすると居間へと向かって歩き出した。
ギアッチョの様子は素直そのものであった。輝夜や鈴仙と一緒に追いかけっこや鬼ごっこにかくれんぼといった遊びをしていてもキレると言った事はなかった。だから油断して稲かもしれない。
ギアッチョの様子は素直そのものであった。輝夜や鈴仙と一緒に追いかけっこや鬼ごっこにかくれんぼといった遊びをしていてもキレると言った事はなかった。だから油断して稲かもしれない。
永遠亭の食事は基本的に箸を使う。当然ギアッチョにも箸が渡された。しかしここで考えなければならないのは彼がイタリア人の子供ということである。当然箸は使えないのだ。
しかし考えるまでもなく思いつきそうなことではあるが、半ズボンの制作に忙しかった永琳や可愛いギアッチョにちょっぴりハァハァしかけたレティには気付けなかったのだ。
箸を手渡された彼は戸惑った。初めて扱うのだ。最初はそうと気付かずに食事を楽しんでいたレティであったがその様子にすぐに気が付いた。
しかし考えるまでもなく思いつきそうなことではあるが、半ズボンの制作に忙しかった永琳や可愛いギアッチョにちょっぴりハァハァしかけたレティには気付けなかったのだ。
箸を手渡された彼は戸惑った。初めて扱うのだ。最初はそうと気付かずに食事を楽しんでいたレティであったがその様子にすぐに気が付いた。
「あらギアッチョ、箸が使えないのね。いいわ、お姉さんが優しく教えてあ・げ・る♪」
レティはギアッチョの背後に回るとその大きな双球を彼の幼く頼りない背中に押し付けて、文字通り手取り教える。その様子を永琳が羨ましそうに見ていたのはきっと気のせいではない。
そこで話が終わったのならばただのほのぼのとした話で終わるのだがそうは問屋が卸さない。
何故ならこのレティお姉さんと永琳お母さんは少々厳しいのだ。箸の使い方は初めにきっちり教えなければ癖になってしまう。その事を知っていた彼女達はギアッチョに事あるごとに箸使いに注意をするのだ。
そしてやがてフラストレーションは貯まり、爆発する。
そこで話が終わったのならばただのほのぼのとした話で終わるのだがそうは問屋が卸さない。
何故ならこのレティお姉さんと永琳お母さんは少々厳しいのだ。箸の使い方は初めにきっちり教えなければ癖になってしまう。その事を知っていた彼女達はギアッチョに事あるごとに箸使いに注意をするのだ。
そしてやがてフラストレーションは貯まり、爆発する。
「いちいちうるせぇんだよッ! 何だよ箸ってッ! 棒切れ二本寄越すぐらいならフォークをだせってんだよッ!」
箸をべきりと折り、食卓をバンと叩きつけるギアッチョ。しかしそんな事は予測済みとばかりにレティお姉さんと八意永琳お母さんは動じない。
「箸を折っちゃったの? 仕方がないわね。ハイ、あ~ん」
レティは何もなかったかのように箸でおかずを一切れ掴むとギアッチョの口元まで運ぶ。
ギアッチョは目に見えて動揺した。無言で笑顔のプレッシャーが彼に襲い掛かる。幼い彼はこのレティの手から逃れることはできない。
ギアッチョは目に見えて動揺した。無言で笑顔のプレッシャーが彼に襲い掛かる。幼い彼はこのレティの手から逃れることはできない。
「あ、あーん」
彼は堕ちた。口を開けてしまったのだ。当然それを目にしたものは抗議の為に声を上げた。
「ギアッチョばっかりずるいッ!」
その声の主は幼女の赤眼、鈴仙・優曇華院・イナバ。彼女の目を見たものは熟女スキーでも幼女スキーに転向してしまうほどの恐ろしい魅力を備えている。
「仕方ないわね。はい、あーん」
どこか困っているような、それでいて嬉しそうな表情を浮かべて鈴仙にあーんをするのは八意永琳。そして一人のけものされていた輝夜にも分かっているといわんばかりにあーんをしてあげたのだ。
この光景にもっとも被害を受けたのは因幡てゐ彼女であろう。幸いなことに彼女はこの光景に一切加わっていない。だがその状況でご飯を食べなければいけないとは一体何という名の拷問なのだろうか。
彼女が食事を早々に切り上げ、自室に戻っても責めるものはいまい。
この光景にもっとも被害を受けたのは因幡てゐ彼女であろう。幸いなことに彼女はこの光景に一切加わっていない。だがその状況でご飯を食べなければいけないとは一体何という名の拷問なのだろうか。
彼女が食事を早々に切り上げ、自室に戻っても責めるものはいまい。
これらの状況は全て文々。新聞の記者さんが写真に収めており、その状況が新聞という形で幻想郷の各地にばら撒かれたという。
後日、元の姿に戻った彼らがそれが原因で苦労し、記者をシメに行ったという話は蛇足でしかない。
後日、元の姿に戻った彼らがそれが原因で苦労し、記者をシメに行ったという話は蛇足でしかない。
それにしても彼らをこのような姿にさせた犯人は何処へ消えたのだろうか。記者をシメた暗殺チームがその行方を探したが足取りが全く掴めなかったのだ。
終