「なんだよ、もう死んじまったのかよ」
ホットライン越しに運営側からの情報を伝えられ、画面が黒一色に戻った直後。
真っ先に出たのは、落胆を多大に籠めた言葉。
浮かべる表情もまた、あからさまに不貞腐れている。
齢9歳の少女の外見でやれば、親や教師に叱られ拗ねた年相応の態度も。
自由気ままに他者を弄ぶ人造生命体(ホムンクルス)が中身とあらば、微笑ましいなどとは誰も思えないだろう。
真っ先に出たのは、落胆を多大に籠めた言葉。
浮かべる表情もまた、あからさまに不貞腐れている。
齢9歳の少女の外見でやれば、親や教師に叱られ拗ねた年相応の態度も。
自由気ままに他者を弄ぶ人造生命体(ホムンクルス)が中身とあらば、微笑ましいなどとは誰も思えないだろう。
ナハトベース内の適当な部屋に腰を下ろし、だらけた体勢で待つこと十数分。
一秒のズレも無く、二回目の定時通達がプレイヤーに届いた。
当然ながら、エンヴィーも放送のチェックを後回しにするつもりはない。
後で確認可能とはいえ、情報は可能な限り早く知ってこそ意味があるのだから。
アメストリスの通信機器を超える性能のデバイスも、すっかり使い慣れた。
手早く起動し、画面の向こうに映る呪術師の話に耳を傾け今に至る。
一秒のズレも無く、二回目の定時通達がプレイヤーに届いた。
当然ながら、エンヴィーも放送のチェックを後回しにするつもりはない。
後で確認可能とはいえ、情報は可能な限り早く知ってこそ意味があるのだから。
アメストリスの通信機器を超える性能のデバイスも、すっかり使い慣れた。
手早く起動し、画面の向こうに映る呪術師の話に耳を傾け今に至る。
(別に死ぬのは良いけどさ、こっちが手を出す前にくたばったってのは面白くないんだよねぇ)
小宮果穂の脱落はほぼ確定と知っていたので、思う所は多くない。
しかしチェイスと横山千佳、更に浅垣灯悟の退場は少々予想外。
特に前者二名は散々してやれた意趣返しも籠めて、再会時にどう報復するかを考えていたのに。
自分の与り知らぬ場で殺され、挙句放送で淡々と死亡を知らせる。
これでは溜飲が下がる喜びよりも、肩透かしの方が勝るというもの。
ついでに言うとゼインも既に退場しており、自分を利用した件の借りを返すのは不可能。
死んだら死んだで後を引く連中じゃあないが、つまらない展開だと素直に思う。
しかしチェイスと横山千佳、更に浅垣灯悟の退場は少々予想外。
特に前者二名は散々してやれた意趣返しも籠めて、再会時にどう報復するかを考えていたのに。
自分の与り知らぬ場で殺され、挙句放送で淡々と死亡を知らせる。
これでは溜飲が下がる喜びよりも、肩透かしの方が勝るというもの。
ついでに言うとゼインも既に退場しており、自分を利用した件の借りを返すのは不可能。
死んだら死んだで後を引く連中じゃあないが、つまらない展開だと素直に思う。
「随分暗い顔してるな、恋人でも死んだか?」
「るっさいなぁ、わざわざおちょくりに来たのかよ暇人」
「るっさいなぁ、わざわざおちょくりに来たのかよ暇人」
軽薄な声に振り向けば、予想通りの癪に障るニヤけ面。
壁に寄り掛かった体勢も、当人が顔良しスタイル良しの色男と来れば。
雑誌の表紙を飾るモデルのようだと、何も知らない人間は揃って言うだろう。
能天気な黄色い歓声が似つかわしくない、自分と同じ側だととっくに知っているエンヴィーは除いて。
壁に寄り掛かった体勢も、当人が顔良しスタイル良しの色男と来れば。
雑誌の表紙を飾るモデルのようだと、何も知らない人間は揃って言うだろう。
能天気な黄色い歓声が似つかわしくない、自分と同じ側だととっくに知っているエンヴィーは除いて。
「玩具候補が何人か呼ばれて、意気消沈してるんじゃないかと心配したが……そこまでナイーブな奴でもないらしい」
「ケッ、そりゃご親切にどうも。そっちはお気に入りの連中がご無事で何よりだろうけどな」
「ケッ、そりゃご親切にどうも。そっちはお気に入りの連中がご無事で何よりだろうけどな」
他者を煽り、情緒を掻き乱すのは嫉妬のホムンクルスの十八番だが。
反対に皮肉と揶揄いをぶつけられるのは、趣味じゃない。
千佳の顔で露骨に不機嫌さを露わにし、聞こえるように舌を打つ。
反対に皮肉と揶揄いをぶつけられるのは、趣味じゃない。
千佳の顔で露骨に不機嫌さを露わにし、聞こえるように舌を打つ。
「当然だろ?簡単に死ぬような奴なら、とっくの昔に俺が殺してる」
尤も、放送の内容に思う所が皆無とは言わないが。
(まさか、あのチビがな……)
究極のホラーに匹敵、ともすればそれ以上と言わざるを得ない絶対的存在。
赤い暴君こと宇蟲王は、先の6時間で力尽きた。
しかも墓標アプリに偽りが無ければ、引導を渡したのは自身が弄んだ刀使。
益子薫というのだから、さしものジンガも無反応ではいられない。
赤い暴君こと宇蟲王は、先の6時間で力尽きた。
しかも墓標アプリに偽りが無ければ、引導を渡したのは自身が弄んだ刀使。
益子薫というのだから、さしものジンガも無反応ではいられない。
忌々しい『光』に位置する力が、薫に宿ってるとはいえ。
急激に覚醒を促されたとて、宇蟲王レベルにいきなり到達するとは俄かに信じ難い。
眉を顰めホットラインを睨むも、画面上の記載は依然変わらず。
宇蟲王ギラの隣には、殺害者(ラストアタック)として薫の名が表示されていた。
急激に覚醒を促されたとて、宇蟲王レベルにいきなり到達するとは俄かに信じ難い。
眉を顰めホットラインを睨むも、画面上の記載は依然変わらず。
宇蟲王ギラの隣には、殺害者(ラストアタック)として薫の名が表示されていた。
加えて気になったのは、四凶なるプレイヤーの力を取り込んだという羂索の言葉。
四凶の二文字自体がジンガには初耳だが、わざわざ最強と付けるあたり。
宇蟲王や、エンヴィーが遭遇した黒い神など規格外の力を持つ参加者の総称と察しは付く。
そんな連中が既に三人も狩られ、挙句力を奪われたとなると。
もしや件の該当者が薫の可能性がよぎり、
四凶の二文字自体がジンガには初耳だが、わざわざ最強と付けるあたり。
宇蟲王や、エンヴィーが遭遇した黒い神など規格外の力を持つ参加者の総称と察しは付く。
そんな連中が既に三人も狩られ、挙句力を奪われたとなると。
もしや件の該当者が薫の可能性がよぎり、
(いや、無理だな。もし本当に赤い暴君の力を奪ったとしても、器が持たない)
ジンガ自身、ELSの傀儡と化した死神代行相手に味わったから分かる。
取り込んだ敵の力に比べ自身の肉体が劣る場合、強化どころかただの自滅で終わりだ。
光(ネクサス)か闇(ホラー)、どちらかの力を使いこなせたとしても。
宇蟲王を取り込み自我を保つには、肉体と魂の強度が大きく足りない。
よって、羂索の言ったプレイヤーが薫の可能性はゼロに等しい。
取り込んだ敵の力に比べ自身の肉体が劣る場合、強化どころかただの自滅で終わりだ。
光(ネクサス)か闇(ホラー)、どちらかの力を使いこなせたとしても。
宇蟲王を取り込み自我を保つには、肉体と魂の強度が大きく足りない。
よって、羂索の言ったプレイヤーが薫の可能性はゼロに等しい。
(まあ、倒すのと殺すのは別か)
墓標アプリで知れるのは、あくまで誰が殺したかのみ。
例えば青い剣士が宇蟲王を瀕死の状態に追いやっても、トドメを刺したのが別人だったら当然彼の名は表示されない。
むしろ宇蟲王を相手にする以上、青い剣士も含めた総力戦で討ったと言われても違和感は無し。
当初抱いた驚きも、有り得る可能性に思い当たれば徐々に納得へ変わる。
例えば青い剣士が宇蟲王を瀕死の状態に追いやっても、トドメを刺したのが別人だったら当然彼の名は表示されない。
むしろ宇蟲王を相手にする以上、青い剣士も含めた総力戦で討ったと言われても違和感は無し。
当初抱いた驚きも、有り得る可能性に思い当たれば徐々に納得へ変わる。
いずれにしろ、赤い暴君は既に脱落。
対抗策で宛がわれた凶星病理も、ジンガがテレビ局を去って時間を置かずに討たれた。
本格的な再戦の機会は実現しなかったが、そう後を引くものでも無し。
対抗策で宛がわれた凶星病理も、ジンガがテレビ局を去って時間を置かずに討たれた。
本格的な再戦の機会は実現しなかったが、そう後を引くものでも無し。
「そういやルルーシュの奴、今回は特に何も言ってこないな」
「お仲間とのコントを大々的にやったからなぁ、今更取り繕っても無駄と知ってりゃやる意味もない」
「お仲間とのコントを大々的にやったからなぁ、今更取り繕っても無駄と知ってりゃやる意味もない」
定時放送の直後には、ルルーシュによる参加者へ向けた一斉放送が行われる。
そうセット感覚で考えていたものの、ジンガの言うように思わぬ形で真意が暴露されたのだ。
あえて自身に敵意を集める放送も、今となっては効果無しだろう。
そうセット感覚で考えていたものの、ジンガの言うように思わぬ形で真意が暴露されたのだ。
あえて自身に敵意を集める放送も、今となっては効果無しだろう。
「それか、有難いお話をやってる場合じゃないのかもな?」
「死後にこき使われるオレンジ髪を、大荒魂のお姫様がガタガタ震えて名前を呼んでたよ。生前は随分と、お姫様のお気に入りだったらしい」
タギツヒメとの戦闘時、乱入して来たNPCに彼女が「一護」と呼んだのは覚えてる。
動揺の激しさから察するに、浅からぬ関係を築いたのは確か。
その一護を殺した参加者、ロロ・ランペルージとジンガに直接の面識はない。
しかし名簿の並び順で、ロロはルルーシュの真下に名前がある。
関係者同士で纏めている法則性を考えれば、ルルーシュとロロは何らかの縁を持つ。
友人か、腹心か、血縁者か。
どれだろうと、ルルーシュとロロの関係性をタギツヒメも把握している場合。
一護を手に掛けた張本人と近しい仲を築く相手へ、何らかの反応を見せるのは自然と言えよう。
動揺の激しさから察するに、浅からぬ関係を築いたのは確か。
その一護を殺した参加者、ロロ・ランペルージとジンガに直接の面識はない。
しかし名簿の並び順で、ロロはルルーシュの真下に名前がある。
関係者同士で纏めている法則性を考えれば、ルルーシュとロロは何らかの縁を持つ。
友人か、腹心か、血縁者か。
どれだろうと、ルルーシュとロロの関係性をタギツヒメも把握している場合。
一護を手に掛けた張本人と近しい仲を築く相手へ、何らかの反応を見せるのは自然と言えよう。
「あとは、部下の尻拭いに奔走中って線もゼロじゃない」
「……そういや、一番初めの放送に映ってた奴がいたっけ」
「……そういや、一番初めの放送に映ってた奴がいたっけ」
ジンガに言われてエンヴィーも、綾小路清隆の存在を思い出す。
更に墓標アプリにも綾小路の名はあり、成見亜里紗殺害の該当者なのが確定。
もし亜里紗が殺し合いに否定的な立場の、それこそ道外流牙やチェイス達と真っ当に協力するような少女であった場合。
綾小路、ひいては主のルルーシュは善良な参加者を排除した事実に他ならない。
上記の仮説が正しく、生前の亜里紗の仲間がルルーシュの元へ殴り込んだとすれば。
参加者へ向けた放送を行う余裕が、ある筈もなく。
対応を間違えでもすれば、キャルやイザークといった面々も敵に回るに違いない。
更に墓標アプリにも綾小路の名はあり、成見亜里紗殺害の該当者なのが確定。
もし亜里紗が殺し合いに否定的な立場の、それこそ道外流牙やチェイス達と真っ当に協力するような少女であった場合。
綾小路、ひいては主のルルーシュは善良な参加者を排除した事実に他ならない。
上記の仮説が正しく、生前の亜里紗の仲間がルルーシュの元へ殴り込んだとすれば。
参加者へ向けた放送を行う余裕が、ある筈もなく。
対応を間違えでもすれば、キャルやイザークといった面々も敵に回るに違いない。
「俺らに出来るのは皇帝様が上手い言い訳を考えられるよう、お祈りでも捧げるくらいってことだ」
「あーあ、同席出来ないのが残念だよ」
「あーあ、同席出来ないのが残念だよ」
肩を竦め、ルルーシュが追及される場面に関われないのを心底嘆く。
面白おかしく茶々を入れ、ばら撒いた火種に一斉着火してやれば。
さぞや愉快な光景が実現するだろうに。
一大イベントに参加出来ないのは、エンヴィーにとっても非常に残念でならない。
面白おかしく茶々を入れ、ばら撒いた火種に一斉着火してやれば。
さぞや愉快な光景が実現するだろうに。
一大イベントに参加出来ないのは、エンヴィーにとっても非常に残念でならない。
「まあそう気を落とすなよ。60人以上もまだ残ってるとすりゃ、お前のお眼鏡に適う遊び相手も見つかるだろうさ」
微塵も心が籠っていない気遣いを投げ、部屋のベッドに寝そべる。
呑気なジンガの姿には、エンヴィーと言えども呆れを抱く。
どうせ何を言ったところで、のらりくらりと躱し。
反対にこちらの神経を逆撫でされるだけと、分からない筈もない。
呑気なジンガの姿には、エンヴィーと言えども呆れを抱く。
どうせ何を言ったところで、のらりくらりと躱し。
反対にこちらの神経を逆撫でされるだけと、分からない筈もない。
「つーか、寝るなら他の部屋でもいいだろ……」
何でわざわざ自分と同じ部屋なのかと、愚痴りつつホットラインに視線を落とす。
簡易プリフィール付名簿をスクロールし、生存中の参加者を一人一人眺める。
それなりに楽しんで来たが、同じくらいストレスも蓄積中。
ここいらでスカッと解消したい所であるも、さてどう動くか。
簡易プリフィール付名簿をスクロールし、生存中の参加者を一人一人眺める。
それなりに楽しんで来たが、同じくらいストレスも蓄積中。
ここいらでスカッと解消したい所であるも、さてどう動くか。
いっそジンガの姿で遊び、本人に厄ネタが向くよう仕組もうかと思うも。
それすら楽しむだろう男だとは、これまでのやり取りで察せる。
苛立ちを籠めたため息を零し、頬杖を付き画面とのにらめっこを継続。
会話もないまま時間だけが経過し、
それすら楽しむだろう男だとは、これまでのやり取りで察せる。
苛立ちを籠めたため息を零し、頬杖を付き画面とのにらめっこを継続。
会話もないまま時間だけが経過し、
「――――案外、早い再会になったな」
不敵な笑みと共に飛び起きたジンガによって、静寂は終わりを告げた。
一点を見つめるも、エンヴィーには壁を睨んでるようにしか映らない。
だがジンガには分かる。
魔戒騎士として鍛え、ホラーとして備え、黒崎一護の霊力を喰らい一層磨き上がった感知能力。
たとえ壁数十枚で隔てられようと、隠れるのは不可能。
魔戒剣片手に部屋を出て、正面ゲートまで一直線。
一点を見つめるも、エンヴィーには壁を睨んでるようにしか映らない。
だがジンガには分かる。
魔戒騎士として鍛え、ホラーとして備え、黒崎一護の霊力を喰らい一層磨き上がった感知能力。
たとえ壁数十枚で隔てられようと、隠れるのは不可能。
魔戒剣片手に部屋を出て、正面ゲートまで一直線。
「あ、おい!」
「付いて来たけりゃ好きにしろ。見物客なら募集中だ」
「付いて来たけりゃ好きにしろ。見物客なら募集中だ」
いきなり何事かを説明せず、一人で外まで走り出た。
今度は何だよとボヤくも、ジンガの反応を見るに参加者の反応を捉えたのか。
便乗するようで気に入らない、かといって不貞寝を決め込むつもりもない。
千佳の姿から一変、軍用犬に変身し走力を引き上げる。
今度は何だよとボヤくも、ジンガの反応を見るに参加者の反応を捉えたのか。
便乗するようで気に入らない、かといって不貞寝を決め込むつもりもない。
千佳の姿から一変、軍用犬に変身し走力を引き上げる。
一方で一足先にナハトベースを後にしたジンガは、速度を緩めず目的の場所まで移動。
近付くにつれ、霊力も濃さを増していく。
向こうも接近する存在へ気付いただろう、姿が見えずとも殺気を叩き付けられるのが分かった。
近付くにつれ、霊力も濃さを増していく。
向こうも接近する存在へ気付いただろう、姿が見えずとも殺気を叩き付けられるのが分かった。
やがて辿り着けば、思った通りの相手がいた。
己の登場に驚いた様子もなく、射殺さんばかりに両の瞳が貫く。
人間ならば呼吸を止めかねないプレッシャーを、鼻で笑う。
己の登場に驚いた様子もなく、射殺さんばかりに両の瞳が貫く。
人間ならば呼吸を止めかねないプレッシャーを、鼻で笑う。
「よう、一人寂しくお散歩か?言ってくれれば、エスコートくらいは引き受けてやったぞ?」
「貴様……」
「貴様……」
小馬鹿にする意図を隠しもしない軽口へ、敵意の上昇は止まらない。
止める気など、最初からタギツヒメにはないが。
止める気など、最初からタギツヒメにはないが。
テレビ局跡地での襲撃を生き延びるも、苦肉の策として全員が散り散りとなった。
ルルーシュの取った方法に文句は言わない、状況を考えれば犠牲を最小限に留めたと言うべきだ。
他の者と違い単独行動を余儀なくされたのだって、仕方ないで既に受け入れている。
兎にも角にも、自分以外の誰かを見付けない事には始まらない。
現在位置を把握、早速移動を始めて暫く経った時だ。
覚えのある霊力の持ち主が、感知に引っ掛かったのは。
ルルーシュの取った方法に文句は言わない、状況を考えれば犠牲を最小限に留めたと言うべきだ。
他の者と違い単独行動を余儀なくされたのだって、仕方ないで既に受け入れている。
兎にも角にも、自分以外の誰かを見付けない事には始まらない。
現在位置を把握、早速移動を始めて暫く経った時だ。
覚えのある霊力の持ち主が、感知に引っ掛かったのは。
(よりにもよって、こいつにぶつかるとはな……)
仲間との合流ではない、しかし討つべき相手の発見は達成された。
対話が通じる存在に非ずとは、放送前の一戦からも明らか。
用いるべきは言葉じゃあない、刃で以て滅するのみ。
得物を抜いてなくとも既に、互いの首へ剣を添えたに等しい殺意が交差。
対話が通じる存在に非ずとは、放送前の一戦からも明らか。
用いるべきは言葉じゃあない、刃で以て滅するのみ。
得物を抜いてなくとも既に、互いの首へ剣を添えたに等しい殺意が交差。
「愉快なお仲間はいないが……皇帝様に追放処分でも下されたのかねぇ?それとも、気が変わって『大荒魂』らしく振る舞う気にでもなったか?」
「ほざけ。貴様の戯言に付き合ってやる程、奇特な性は持ち合わせておらん」
「ほざけ。貴様の戯言に付き合ってやる程、奇特な性は持ち合わせておらん」
口を開けば嘲りと皮肉のオンパレード、質問を投げようにもいらぬ軽口で躱される。
言葉を交わすだけ、無駄に内心を掻き乱される男の戯言に付き合う理由は無し。
ある意味、沙耶香が同行していなくて良かった。
毒を垂れ流され激しい動揺を引き摺り出し、甘露を舐るようにグズグズとジンガ好みへ溶かされる。
醜悪なホラーの遊びの餌食に、誰がさせてやるものか。
言葉を交わすだけ、無駄に内心を掻き乱される男の戯言に付き合う理由は無し。
ある意味、沙耶香が同行していなくて良かった。
毒を垂れ流され激しい動揺を引き摺り出し、甘露を舐るようにグズグズとジンガ好みへ溶かされる。
醜悪なホラーの遊びの餌食に、誰がさせてやるものか。
「貴様を見付けたのは、我にとっても好都合よ。痴れ事を吐き散らすのも、ここで終わりにしてくれるわ」
抜き放つは、本来の得物とは異なる双剣。
虚とネウロイ、人に仇為す異形を斬った刀が此度は。
魔獣ホラーを滅ぼす為に、大荒魂へ力を齎す。
鞘に納めた三本目、御刀を起点に術を発動。
生身を脱ぎ去り霊体に変化、戦闘準備は全て完了。
虚とネウロイ、人に仇為す異形を斬った刀が此度は。
魔獣ホラーを滅ぼす為に、大荒魂へ力を齎す。
鞘に納めた三本目、御刀を起点に術を発動。
生身を脱ぎ去り霊体に変化、戦闘準備は全て完了。
「やる気十分で結構!本当はもう少しお喋りしてやっても良かったが、折角のお誘いだ。受けてやるよ」
並の魔戒騎士とは比べる事すら烏滸がましい威圧感も、ジンガを怯ませるには至らない。
遊びへ興じる寸前に似た、飄々とした態度で得物を抜刀。
無論、タギツヒメを相手取るのに相応しい姿へ変わるのも忘れずに。
顔の前で片手を翳し、皮を剥ぐかの勢いで振り上げたのが合図。
荒らしい装飾の鎧を思わせる肉体を持つ、紅い鬼が出現。
黒崎一護の霊力を喰らった影響は健在、生前をも超える形態で迎え撃つ。
遊びへ興じる寸前に似た、飄々とした態度で得物を抜刀。
無論、タギツヒメを相手取るのに相応しい姿へ変わるのも忘れずに。
顔の前で片手を翳し、皮を剥ぐかの勢いで振り上げたのが合図。
荒らしい装飾の鎧を思わせる肉体を持つ、紅い鬼が出現。
黒崎一護の霊力を喰らった影響は健在、生前をも超える形態で迎え撃つ。
「来いよお姫様、精々俺を楽しませてみろ」
「抜かせ下郎が、減らず口諸共舌を切り裂いてくれる」
「抜かせ下郎が、減らず口諸共舌を切り裂いてくれる」
○
静寂が支配していた。
木々の揺らめき、吹きすさぶ風、自身の息遣いすら聞こえない。
余りにも静か過ぎるせいで、却って鼓膜に痛みを覚える中。
ピチャンと、雨粒が弾けるのに似た音を拾う。
木々の揺らめき、吹きすさぶ風、自身の息遣いすら聞こえない。
余りにも静か過ぎるせいで、却って鼓膜に痛みを覚える中。
ピチャンと、雨粒が弾けるのに似た音を拾う。
同時に感じたのは、熱さ。
余分な意匠を排除した、純白の外套。
その下へ隠れた人ならざる、いっそ美しさすら宿す大荒魂の肌。
人類に仇為す負の魂の集合体とは思えぬ、穢れを知らない白さへ一文字に引かれた赤い線。
一滴一滴落ちては、地面に斑点を生み出す正体が。
己の流す血だと理解が追い付き、タギツヒメの奥歯が噛み締められる。
余分な意匠を排除した、純白の外套。
その下へ隠れた人ならざる、いっそ美しさすら宿す大荒魂の肌。
人類に仇為す負の魂の集合体とは思えぬ、穢れを知らない白さへ一文字に引かれた赤い線。
一滴一滴落ちては、地面に斑点を生み出す正体が。
己の流す血だと理解が追い付き、タギツヒメの奥歯が噛み締められる。
疾走から得物を振り被るまで、同じタイミングだった。
先手を取るのは自分だと、共通の気概で剣を振り下ろし。
結果、先に一撃もらったのは大荒魂。
先手を取るのは自分だと、共通の気概で剣を振り下ろし。
結果、先に一撃もらったのは大荒魂。
(この期に及んで慢心でもあったか……?我ながら、癪に障る……!)
写シを発動中、肉体は生身ではなく霊体と化す。
血は流れず、仮に常人であれば致命傷となる攻撃を受けたところで死には至らない。
剥がされさえしないよう立ち回るなら、問題無しと。
己の内に、未だ微かに燻っていた慢心がこの状況を引き寄せた以上。
粉微塵に踏み潰し、神経を張り詰めさせる。
血は流れず、仮に常人であれば致命傷となる攻撃を受けたところで死には至らない。
剥がされさえしないよう立ち回るなら、問題無しと。
己の内に、未だ微かに燻っていた慢心がこの状況を引き寄せた以上。
粉微塵に踏み潰し、神経を張り詰めさせる。
「お姫様は随分と頑丈な体をお持ちのようで。それじゃあ男もビビって近寄らないだろうよ」
魔獣ホラーの力を解き放とうと、減らず口が消える気配は皆無。
息を吸うように不快感を引き摺り出す、嘲笑の裏側で。
やはり殺しにくい相手だと、ジンガも再認識。
双剣の間をすり抜け、一刀で写シが剥がれる程の威力を発揮。
霊体化解除の瞬間を見逃さぬ速度で、手刀を一閃。
爪が皮膚を切り裂き、骨まで砕かんと振るわれたがしかし。
薄皮一枚が精一杯、全力でないとはいえジンガの膂力でもほんの掠り傷が付く程度で終わった。
息を吸うように不快感を引き摺り出す、嘲笑の裏側で。
やはり殺しにくい相手だと、ジンガも再認識。
双剣の間をすり抜け、一刀で写シが剥がれる程の威力を発揮。
霊体化解除の瞬間を見逃さぬ速度で、手刀を一閃。
爪が皮膚を切り裂き、骨まで砕かんと振るわれたがしかし。
薄皮一枚が精一杯、全力でないとはいえジンガの膂力でもほんの掠り傷が付く程度で終わった。
破面が共通し持ち得る能力の一つ、鋼皮(イエロ)。
自らの外皮こそが鎧であり、絶対の防御。
霊力が高い程に硬度も上がる都合上、大荒魂たるタギツヒメのソレは。
十刃(エスパーダ)と比肩しうる、と言っても過言に非ず。
自らの外皮こそが鎧であり、絶対の防御。
霊力が高い程に硬度も上がる都合上、大荒魂たるタギツヒメのソレは。
十刃(エスパーダ)と比肩しうる、と言っても過言に非ず。
「ベラベラとよく回る口よ、黙れば死する病に患っているのか?」
「つれない言い草だなぁ?黒崎って坊主は男とのお喋りも、教えてくれなかったらしいな」
「つれない言い草だなぁ?黒崎って坊主は男とのお喋りも、教えてくれなかったらしいな」
戦闘続行は勿論可能、得物に損壊は微塵も無い。
油断を噛み潰す戒めになった、となれば十全の殺意に身を委ね斬るのみ。
写シの再使用で体力が削れるが無問題、この程度は何の枷にもならない。
油断を噛み潰す戒めになった、となれば十全の殺意に身を委ね斬るのみ。
写シの再使用で体力が削れるが無問題、この程度は何の枷にもならない。
「譲ってやるよ、お姫様」
「そうか、ではそのまま死ね」
「そうか、ではそのまま死ね」
迅移を発動し、音を超えた領域へ突入。
人の枠組みには収まり切らない走力を、そこから数段階上昇。
如何な武の達人と言えども視界に捉える前に、首を落とされる末路が到来。
人の枠組みには収まり切らない走力を、そこから数段階上昇。
如何な武の達人と言えども視界に捉える前に、首を落とされる末路が到来。
なれど此度は、化生に駆られる哀れな贄(にんげん)の死合ではない。
常人を超え、超人を超え、魔戒騎士を超え、ホラーすらも超えた怪物。
ジンガの瞳は己へ迫り来る純白の殺意と、牙の如く突き立てんとする双剣を視た。
頭上より振り下ろされる刃の破壊力たるや、生物一体へ向けるには余りに過剰。
強固な肉体を叩き潰しても尚終わらず、地を叩き深い亀裂を生み出さんばかりの勢い。
常人を超え、超人を超え、魔戒騎士を超え、ホラーすらも超えた怪物。
ジンガの瞳は己へ迫り来る純白の殺意と、牙の如く突き立てんとする双剣を視た。
頭上より振り下ろされる刃の破壊力たるや、生物一体へ向けるには余りに過剰。
強固な肉体を叩き潰しても尚終わらず、地を叩き深い亀裂を生み出さんばかりの勢い。
「おっと、お姫様は大層な馬鹿力であらせられる」
威力の程を理解し、では対処不可能かと言えば否。
軽々しい口調と裏腹の鋭く、それでいて重厚な刃で迎え撃つ。
双剣と魔戒剣が激突、衝撃波が両者の顔を叩くも無視。
己が刃を止め、それ以上は動かせまいと阻む小癪な敵に視線は固定。
得物を挟んだ睨み合いも、長続きはしない。
軽々しい口調と裏腹の鋭く、それでいて重厚な刃で迎え撃つ。
双剣と魔戒剣が激突、衝撃波が両者の顔を叩くも無視。
己が刃を止め、それ以上は動かせまいと阻む小癪な敵に視線は固定。
得物を挟んだ睨み合いも、長続きはしない。
先に動くはタギツヒメ、魔戒剣を防ぐ刃の内片方を鍔迫り合いから外す。
脇腹を狙った剣が風を裂いて襲来、人間を捨てたが故のドス黒い血を啜るまで一刻の猶予も無し。
だが馬鹿正直に食らってやるかは別、片足を跳ね刀身を蹴り上げる。
片や得物が弾かれて、片や全身を支える軸足が一本になったことで体勢が僅かに崩れた。
脇腹を狙った剣が風を裂いて襲来、人間を捨てたが故のドス黒い血を啜るまで一刻の猶予も無し。
だが馬鹿正直に食らってやるかは別、片足を跳ね刀身を蹴り上げる。
片や得物が弾かれて、片や全身を支える軸足が一本になったことで体勢が僅かに崩れた。
「シィイイイイッ!!」
唸り声に似た音で空気を吐き出し、タギツヒメが一歩踏み込む。
使い手の戦意に呼応した双剣が、獲物を喰い殺すべく咆哮。
常に細かく位置を変え、同じ方向からは決して斬り掛からない。
対処を困難にさせた連撃の餌食と化すのが、うら若き刀使の少女達なら。
冷や汗を流す暇すら惜しいと、死に物狂いで食らい付いたろう。
使い手の戦意に呼応した双剣が、獲物を喰い殺すべく咆哮。
常に細かく位置を変え、同じ方向からは決して斬り掛からない。
対処を困難にさせた連撃の餌食と化すのが、うら若き刀使の少女達なら。
冷や汗を流す暇すら惜しいと、死に物狂いで食らい付いたろう。
破面の身体機能に加え、八幡力を加算し膂力を急激に強化。
魔獣ホラーの肉体と言えども、斬られた際の傷は軽く見れない。
ましてタギツヒメの操る得物は、悪しき魂への特攻とも言える斬魄刀。
魔戒騎士の武器でなかろうと、己を殺せる手段の一つ。
魔獣ホラーの肉体と言えども、斬られた際の傷は軽く見れない。
ましてタギツヒメの操る得物は、悪しき魂への特攻とも言える斬魄刀。
魔戒騎士の武器でなかろうと、己を殺せる手段の一つ。
「ハハハッ!思ったより激しいのが好みってか!」
しかし、ジンガは余裕を崩さず剣戟へ身を投じる。
相応の警戒と危機感を持ちこんで当然の状況と、理解した上で。
笑い一つを零し、自身の得物を振るう。
手数で劣っていようと、まるで不利を感じさせない剣速を発揮。
首を、心臓を、急所目掛け疾走る刃の悉くを弾く。
生半可な力で振るったとて、ちっぽけな引っ掻き傷が関の山。
故に一刀へ割くエネルギーが増加、刀身に昏き闇を纏わせた。
双方引けを取らぬ必殺の刃を叩きつけ合い、揃って後退。
相応の警戒と危機感を持ちこんで当然の状況と、理解した上で。
笑い一つを零し、自身の得物を振るう。
手数で劣っていようと、まるで不利を感じさせない剣速を発揮。
首を、心臓を、急所目掛け疾走る刃の悉くを弾く。
生半可な力で振るったとて、ちっぽけな引っ掻き傷が関の山。
故に一刀へ割くエネルギーが増加、刀身に昏き闇を纏わせた。
双方引けを取らぬ必殺の刃を叩きつけ合い、揃って後退。
再度距離を詰める以外の方法を、取ってはいけないルールもない。
魔戒剣にジンガが流し込むは、デスゲームにて新たに得た力。
黒々と燃え盛る火炎こそ、冥黒王が操りし闇の錬金術の一種。
開祖たるギギストも、後継者となる筈だった黒鋼スパナも何かを創り出す側の術師。
冥黒の炎もまた、使いようによっては創造を可能とするがジンガには知った事じゃない。
誕生とは正反対の破壊を齎す為に、出力を一気に上昇。
得物を振り下ろすや、灼熱の壁が出現。
周囲一帯、触れる全てを見境なしに飲み込みながら前進。
一度餌食と化せば最後、生きた証を何一つ残さず黄泉の国へ引き摺り込まれるだろう。
魔戒剣にジンガが流し込むは、デスゲームにて新たに得た力。
黒々と燃え盛る火炎こそ、冥黒王が操りし闇の錬金術の一種。
開祖たるギギストも、後継者となる筈だった黒鋼スパナも何かを創り出す側の術師。
冥黒の炎もまた、使いようによっては創造を可能とするがジンガには知った事じゃない。
誕生とは正反対の破壊を齎す為に、出力を一気に上昇。
得物を振り下ろすや、灼熱の壁が出現。
周囲一帯、触れる全てを見境なしに飲み込みながら前進。
一度餌食と化せば最後、生きた証を何一つ残さず黄泉の国へ引き摺り込まれるだろう。
「烈風斬!」
忘れるなかれ、個人で天災もかくやの強さを持つのはタギツヒメとて同じ。
破面となった影響で爆発的に膨れ上がった霊力を、刀に喰わせる。
ともすれば、剣自体の自壊を招きかねない膨大な量を宿し。
襲い来る獄炎を薙ぎ払えば、大災害同然の暴風が発生。
極大の真空刃が斬り裂き、飛び散る火の粉すらも掻き消す。
破面となった影響で爆発的に膨れ上がった霊力を、刀に喰わせる。
ともすれば、剣自体の自壊を招きかねない膨大な量を宿し。
襲い来る獄炎を薙ぎ払えば、大災害同然の暴風が発生。
極大の真空刃が斬り裂き、飛び散る火の粉すらも掻き消す。
「ありがとよ、程良く涼めたぜ」
叩き付けられる風の斬撃を一身に浴びるも、ジンガに堪える気配は未だなく。
霧散へ追い込まれた炎の壁以上の灼熱を、我が身へ纏う。
烈火炎装、魔戒騎士の中でも特に優れた者だけが使える奥義。
魔獣ホラーに堕ちたジンガは、冥黒の炎を魔導火の代用に用いて発動。
霧散へ追い込まれた炎の壁以上の灼熱を、我が身へ纏う。
烈火炎装、魔戒騎士の中でも特に優れた者だけが使える奥義。
魔獣ホラーに堕ちたジンガは、冥黒の炎を魔導火の代用に用いて発動。
霊圧が重みを増し、戦場の空気が一層強張る。
来る、そう思った時既にジンガは目と鼻の先。
横薙ぎの魔戒剣が駆ける先には、自身の胴体があった。
魚の小骨を折るよりも容易く、細い腰を叩っ斬るつもりだろうが受け入れるものか。
刀身が肌を撫でる寸前、タギツヒメの姿が消失。
空振った得物を引き戻す余裕は与えず、背後を取り斬首へ持ち込む。
来る、そう思った時既にジンガは目と鼻の先。
横薙ぎの魔戒剣が駆ける先には、自身の胴体があった。
魚の小骨を折るよりも容易く、細い腰を叩っ斬るつもりだろうが受け入れるものか。
刀身が肌を撫でる寸前、タギツヒメの姿が消失。
空振った得物を引き戻す余裕は与えず、背後を取り斬首へ持ち込む。
「くっ!?」
だが死角への移動程度、予測出来ないジンガじゃあない。
後方を見ぬままに片手を突き出し、火炎を放射。
顔面へ浴びせられる灼熱から遠ざからんと、タギツヒメも回避へ急遽移行。
響転(ソニード)により遥か後方へと距離を取り、斬魄刀に霊力を掻き集める。
後方を見ぬままに片手を突き出し、火炎を放射。
顔面へ浴びせられる灼熱から遠ざからんと、タギツヒメも回避へ急遽移行。
響転(ソニード)により遥か後方へと距離を取り、斬魄刀に霊力を掻き集める。
「月牙天衝!!」
収束させた霊力を半月に変え、標的へと放つ。
尸魂界での朽木ルキア奪還に始まり、幾多の死闘で活用された一護の代名詞同然の技だ。
虚でなくとも、悪しき魂魄に引導を渡すべく飛来。
素体ホラー百体を並べたとて、時間稼ぎにもなるまい。
尸魂界での朽木ルキア奪還に始まり、幾多の死闘で活用された一護の代名詞同然の技だ。
虚でなくとも、悪しき魂魄に引導を渡すべく飛来。
素体ホラー百体を並べたとて、時間稼ぎにもなるまい。
尤も、その枠へジンガを入れるのは大間違い。
己が身に宿す火炎が一層の激しさを見せ、真っ向より迎え撃たんと突撃。
ジェットエンジンもかくやの勢いで、冥黒の炎を猛噴射。
漆黒の斬撃波を前に避ける素振りすら見せず、目障りだと斬り伏せた。
己が身に宿す火炎が一層の激しさを見せ、真っ向より迎え撃たんと突撃。
ジェットエンジンもかくやの勢いで、冥黒の炎を猛噴射。
漆黒の斬撃波を前に避ける素振りすら見せず、目障りだと斬り伏せた。
減速はまるで起きずに、タギツヒメの元へ到達。
八幡力を加えた上で双剣を翳し、防御を取った瞬間に襲い来る衝撃。
重い、幾重に及ぶ強化の恩恵を受けて尚馬鹿に出来ない負荷が発生。
両足をどっしりと地に付けて踏ん張るも、押し返せる気が呆れるくらいにしなかった。
加えて魔戒剣の直撃こそ防いでいるが、至近距離で炙る灼熱は別。
霊体が耐えられる限界をじわじわと削り、こちらの力を剥がしていく。
八幡力を加えた上で双剣を翳し、防御を取った瞬間に襲い来る衝撃。
重い、幾重に及ぶ強化の恩恵を受けて尚馬鹿に出来ない負荷が発生。
両足をどっしりと地に付けて踏ん張るも、押し返せる気が呆れるくらいにしなかった。
加えて魔戒剣の直撃こそ防いでいるが、至近距離で炙る灼熱は別。
霊体が耐えられる限界をじわじわと削り、こちらの力を剥がしていく。
(っ、ならば……!)
防御の体勢を崩さず、片手に霊力を付与。
虚閃(セロ)とも呼べぬ威力なれど、僅かなりとも隙を作れれば構わない。
刀の柄を握り締めたまま、人差し指をジンガへ向ける。
顔面に当たってほんの少しでも怯めば、立て直しのチャンスが来る筈。
虚閃(セロ)とも呼べぬ威力なれど、僅かなりとも隙を作れれば構わない。
刀の柄を握り締めたまま、人差し指をジンガへ向ける。
顔面に当たってほんの少しでも怯めば、立て直しのチャンスが来る筈。
といった算段は、発射の寸前。
タギツヒメの死角から射出された剣によって、あっさり崩れ去った。
タギツヒメの死角から射出された剣によって、あっさり崩れ去った。
「な、に……!?」
「ああ悪いな、そういう小細工なら俺も出来ないわけじゃない」
「ああ悪いな、そういう小細工なら俺も出来ないわけじゃない」
自身に宿るホラーのエネルギーを、刀剣状に変えて放つ攻撃方法。
高威力の技で意識を引き付けて、続く一撃を悟らせない。
定時放送前、ユメとの戦闘時にしてやられた戦法だ。
双剣乱舞を捌き切った直後、アメンのフォームチェンジによって手痛い一撃を食らい掛けたのは記憶に新しい。
あの時と違って、あくまで拮抗に小さな亀裂を入れる程度でしかないが。
ただでさえ剥がれ掛かっていた写シを、完全解除に持ち込めたのだから上出来だ。
高威力の技で意識を引き付けて、続く一撃を悟らせない。
定時放送前、ユメとの戦闘時にしてやられた戦法だ。
双剣乱舞を捌き切った直後、アメンのフォームチェンジによって手痛い一撃を食らい掛けたのは記憶に新しい。
あの時と違って、あくまで拮抗に小さな亀裂を入れる程度でしかないが。
ただでさえ剥がれ掛かっていた写シを、完全解除に持ち込めたのだから上出来だ。
「ぐ、が、あぁあああああああああっ!!」
三度目の発動を、むざむざ許してやりはしない。
魔戒剣が押し込まれ、防御が崩されていく。
外皮を炙る熱量も衰えず、耐久力の限界が来るまで絶えず焼く気か。
都合良く仲間が駆け付ける、なんて展開に期待するより先に滅びは確実。
魔戒剣が押し込まれ、防御が崩されていく。
外皮を炙る熱量も衰えず、耐久力の限界が来るまで絶えず焼く気か。
都合良く仲間が駆け付ける、なんて展開に期待するより先に滅びは確実。
(全く、我は何をしているんだろうな……)
人間に害を及ぼす者同士で争い合い、死に瀕している。
己が怒りへ逆らわず、人を殺し回っていれば。
意気投合とまではいかなくとも、ジンガと手を組み殺戮を広げる未来が。
ともすれば、あった可能性は否定出来ない。
己が怒りへ逆らわず、人を殺し回っていれば。
意気投合とまではいかなくとも、ジンガと手を組み殺戮を広げる未来が。
ともすれば、あった可能性は否定出来ない。
しかし、それは二度と実現し得ない光景だ。
原動力足る怒りが、孤独へ苛まれる苦痛の裏返しと。
出会って数時間にも満たない二人の男の手で、暴かれてしまったから。
原動力足る怒りが、孤独へ苛まれる苦痛の裏返しと。
出会って数時間にも満たない二人の男の手で、暴かれてしまったから。
(怒りに身を任せて剣を振るうよりも、余程苦難の道ではないか……)
滅ぼす為じゃない、護る為に戦う事が如何に難しいかは。
自分自身、この地で嫌になるくらい味わった。
壊すだけなら簡単だというのに、その逆は想像以上の困難で。
己を一方的に救っておいて、勝手に死んでいった男達はきっと。
ソランと一護は、こんな戦いを数え切れない程繰り返して来たのだろう。
自分自身、この地で嫌になるくらい味わった。
壊すだけなら簡単だというのに、その逆は想像以上の困難で。
己を一方的に救っておいて、勝手に死んでいった男達はきっと。
ソランと一護は、こんな戦いを数え切れない程繰り返して来たのだろう。
喪って、嘆いて、埋まった筈の胸の穴がまた欠けて。
今だからこそハッキリと分かる。
疑心暗鬼と悪意が充満し、命の価値を徹底し貶める者達が跋扈する殺し合いにこそ。
対話の可能性を諦めず、護ることを投げ出さないあの二人が。
人間に仇為す害悪として討たれるべき大荒魂すら、救ってみせた大馬鹿者達が。
刹那・F・セイエイと黒崎一護こそが、殺し合いに抗う者達にとって必要だった。
生きて、より多くの者達を救う筈だったのだ。
今だからこそハッキリと分かる。
疑心暗鬼と悪意が充満し、命の価値を徹底し貶める者達が跋扈する殺し合いにこそ。
対話の可能性を諦めず、護ることを投げ出さないあの二人が。
人間に仇為す害悪として討たれるべき大荒魂すら、救ってみせた大馬鹿者達が。
刹那・F・セイエイと黒崎一護こそが、殺し合いに抗う者達にとって必要だった。
生きて、より多くの者達を救う筈だったのだ。
(なれば――死ねるか。断じて、死んでなどやるか……!)
そんな二人が命を懸けてでも、護った命を。
誰が投げ出してやるか、簡単になどくれてやるか。
ソランと一護の戦いは無意味だったと、ふざけた結果にするものかよ。
誰が投げ出してやるか、簡単になどくれてやるか。
ソランと一護の戦いは無意味だったと、ふざけた結果にするものかよ。
死を跳ね除ける力がまだ足りないのらば、もっと寄越せ。
恐いのは自身の終焉ではない、何も為せずに終わることだ。
誰も護れずに力尽きることだ。
恐いのは自身の終焉ではない、何も為せずに終わることだ。
誰も護れずに力尽きることだ。
「我は……まだ……終われるかぁあああああああああああああああっ!!!」
この期に及んで眠りこけ、奥底に眠る己が可能性を。
殴り殺さん勢いで掴み、有無を言わせずに引き摺り出す。
思い浮かぶは死後の死神代行の、変わり果てた姿。
破壊を齎す悪魔と成り果てた、だがもしも一護が生き続けていれば。
あの力すら、誰かを護る為に振るう未来があったのではと。
そう想いを馳せ、最後の殻を木っ端微塵に破り捨てた。
殴り殺さん勢いで掴み、有無を言わせずに引き摺り出す。
思い浮かぶは死後の死神代行の、変わり果てた姿。
破壊を齎す悪魔と成り果てた、だがもしも一護が生き続けていれば。
あの力すら、誰かを護る為に振るう未来があったのではと。
そう想いを馳せ、最後の殻を木っ端微塵に破り捨てた。
「っ!?ハハ……マジかよ……!」
驚愕に目を見開くジンガが見たのは、今の今までとは別格へ至ったタギツヒメの姿。
額へ残した仮面の残骸は消え失せ、解けた長髪を靡かせる頭部に長大な一本角が出現。
胸部と顔半分には、独自の紋様が描かれている。
四肢を覆う骨を削って生み出した装甲が、橙色の輝きを灯す。
外見の変化に伴い、発する霊圧もまた先までとは別人のように凌駕。
額へ残した仮面の残骸は消え失せ、解けた長髪を靡かせる頭部に長大な一本角が出現。
胸部と顔半分には、独自の紋様が描かれている。
四肢を覆う骨を削って生み出した装甲が、橙色の輝きを灯す。
外見の変化に伴い、発する霊圧もまた先までとは別人のように凌駕。
帰刃解放(レスレクシオン)と呼ばれる、破面の切り札とは知らず。
眼前の敵を斬る為の力が、己に宿ったとだけ分かれば問題無し。
一方的に押し込まれる魔戒剣を、これ以上は数ミリとて進ませない。
数秒前の優勢が儚い幻覚のように、押せども押せどもタギツヒメは不動。
大輪の花が開花するかの如く双剣で打ち払い、ジンガを弾き飛ばした。
眼前の敵を斬る為の力が、己に宿ったとだけ分かれば問題無し。
一方的に押し込まれる魔戒剣を、これ以上は数ミリとて進ませない。
数秒前の優勢が儚い幻覚のように、押せども押せどもタギツヒメは不動。
大輪の花が開花するかの如く双剣で打ち払い、ジンガを弾き飛ばした。
「うぉ――」
力負けしたと、理解を追い付かせる前に急接近。
今や響転の速度一つ取っても、劇的な進化を遂げていた。
振り下ろされる双剣に、ジンガもタダでやられはしない。
烈火炎装が途切れないよう気を配り、幾度目かの剣戟を再開。
三本の剣によって奏でられる死闘の音色は、激しさを増すばかり。
今や響転の速度一つ取っても、劇的な進化を遂げていた。
振り下ろされる双剣に、ジンガもタダでやられはしない。
烈火炎装が途切れないよう気を配り、幾度目かの剣戟を再開。
三本の剣によって奏でられる死闘の音色は、激しさを増すばかり。
速く、それでいて互いに無駄な動作が全くと言っていい程存在しない。
不要な動き一つ見せれば即、己が死へ直結。
欠片の油断も持ち込めない強者同士の空間にて、自分こそが制する者と。
両者譲らず鎬を削り、闘争心の熱は互角と言うのが相応しい。
不要な動き一つ見せれば即、己が死へ直結。
欠片の油断も持ち込めない強者同士の空間にて、自分こそが制する者と。
両者譲らず鎬を削り、闘争心の熱は互角と言うのが相応しい。
「おいおい!天井知らずかお姫様……!」
嗤う声こそ軽薄な態度のままだが、追い詰められる側になったのは間違いなく自分。
そう理解しながらも、ジンガは剣を振るう動きを一切止めない。
敵の変化は見掛け倒しじゃあないと、今正に我が身で思い知る真っ最中だ。
速さが自分を徐々に追い抜き、食らい付いた傍から再び引き離される。
刃を弾き、受け流す度に腕に掛かる重さへ体力を奪われる。
エネルギーのリソースを膂力に割けば、スピードで上を行かれて。
速度に割けば、絶大なパワーの元に叩き伏せられお終い。
そう理解しながらも、ジンガは剣を振るう動きを一切止めない。
敵の変化は見掛け倒しじゃあないと、今正に我が身で思い知る真っ最中だ。
速さが自分を徐々に追い抜き、食らい付いた傍から再び引き離される。
刃を弾き、受け流す度に腕に掛かる重さへ体力を奪われる。
エネルギーのリソースを膂力に割けば、スピードで上を行かれて。
速度に割けば、絶大なパワーの元に叩き伏せられお終い。
にっちもさっちもいかない状況へ追いやられ、かといって降参に出る気は毛頭ない。
劣勢すらも楽しむかのように笑みを深め、魔戒剣に体術を組み込み斬り渡る。
刀の腹を蹴ったと思えば、胸部目掛け切っ先が突き進む。
得物を振り上げ弾くのも一瞬、必要最低限の動作で身を捩り斬首を回避。
尤も、そう動く事はタギツヒメに「視」えていた。
響転で回り込まれ双剣が十字を描き、これをジンガは強引に体勢を変えて防御。
肉体に刀傷を刻まれるのこそ防ぐも、膂力は完全に上回られた。
魔戒剣を翳す体勢のまま、宙へと身が投げ出される。
着地に備えんとし、細胞の粟立つ感覚と共に両の瞳がしかと見た。
角の先端へ、膨大な霊力が収束する光景を。
劣勢すらも楽しむかのように笑みを深め、魔戒剣に体術を組み込み斬り渡る。
刀の腹を蹴ったと思えば、胸部目掛け切っ先が突き進む。
得物を振り上げ弾くのも一瞬、必要最低限の動作で身を捩り斬首を回避。
尤も、そう動く事はタギツヒメに「視」えていた。
響転で回り込まれ双剣が十字を描き、これをジンガは強引に体勢を変えて防御。
肉体に刀傷を刻まれるのこそ防ぐも、膂力は完全に上回られた。
魔戒剣を翳す体勢のまま、宙へと身が投げ出される。
着地に備えんとし、細胞の粟立つ感覚と共に両の瞳がしかと見た。
角の先端へ、膨大な霊力が収束する光景を。
「――――――月虚閃(セロ・クレシエンテ)」
王虚の閃光(グラン・レイ・セロ)と、月牙天衝。
破面と死神、二つの力を持つ者だけが可能とする大技。
鮮血色の輝きを帯びた極大の刃が、魔獣ホラーの猛威へ幕を閉じるべく飛来。
正史において、見えざる帝国(ヴァンデライヒ)を率いる王にすら届いた絶大な威力。
逃れる事叶わぬ敗北が、底の見えぬ黒孔となりてジンガを飲み込まんと迫る。
破面と死神、二つの力を持つ者だけが可能とする大技。
鮮血色の輝きを帯びた極大の刃が、魔獣ホラーの猛威へ幕を閉じるべく飛来。
正史において、見えざる帝国(ヴァンデライヒ)を率いる王にすら届いた絶大な威力。
逃れる事叶わぬ敗北が、底の見えぬ黒孔となりてジンガを飲み込まんと迫る。
「俺を相手に大盤振る舞いありがとよ!なら期待に応えてやらなきゃなぁっ!!」
無傷で凌ぐのは、今の自分を以てしても不可能。
生き残れるかすら怪しいと理解の上で、足掻くのを止めない。
ここまで温存し続けた令呪、内の一画を切る。
窮屈な檻が消し飛ぶのを思わせる、解放感と共に。
無理やり封じられていた全力を、時間制限付きで発揮可能とする。
冥黒の炎、王虚の閃光を喰らった際の霊力、そしてジンガ自身が操るエネルギー。
三つ全てを掛け合わせ、身体機能の瞬間的な強化に充てた。
生き残れるかすら怪しいと理解の上で、足掻くのを止めない。
ここまで温存し続けた令呪、内の一画を切る。
窮屈な檻が消し飛ぶのを思わせる、解放感と共に。
無理やり封じられていた全力を、時間制限付きで発揮可能とする。
冥黒の炎、王虚の閃光を喰らった際の霊力、そしてジンガ自身が操るエネルギー。
三つ全てを掛け合わせ、身体機能の瞬間的な強化に充てた。
身の丈を遥かに超える光刃を、魔戒剣を起点に生成。
月虚閃相手に退かず屈さず、捻じ伏せんと振り下ろす。
強大なエネルギー同士の激突により、エリア内に破壊が巻き起こるも二人の意識には入って来ない。
視界を焼き潰す光が発生、鼓膜が破れたのを疑う程の静寂が一時戦場を支配し、
月虚閃相手に退かず屈さず、捻じ伏せんと振り下ろす。
強大なエネルギー同士の激突により、エリア内に破壊が巻き起こるも二人の意識には入って来ない。
視界を焼き潰す光が発生、鼓膜が破れたのを疑う程の静寂が一時戦場を支配し、
「――――ッ!!!」
土煙を一刀で払い除け、疾走するは白き姫剣士。
多少の火傷こそ見られるも、死へ叩き込むにはまるで足りない。
探査回路(ペスキス)に引っ掛かった敵の霊力は、未だ健在。
なれば我が剣で以て確実に仕留めるまで、殺意を仕舞うのは愚行。
多少の火傷こそ見られるも、死へ叩き込むにはまるで足りない。
探査回路(ペスキス)に引っ掛かった敵の霊力は、未だ健在。
なれば我が剣で以て確実に仕留めるまで、殺意を仕舞うのは愚行。
「ハハハハハッ!!!」
高笑いを響かせ、真っ向勝負も望む所とジンガも構えた。
全身の半分以上へ傷を負い、夥しい血が流れるが死する気配は皆無。
令呪が齎す恩恵は継続中、消耗を一切感じさせぬ速度で魔戒剣を振るう。
双剣を押し留め、己が首は断じてくれてやりはしない。
全身の半分以上へ傷を負い、夥しい血が流れるが死する気配は皆無。
令呪が齎す恩恵は継続中、消耗を一切感じさせぬ速度で魔戒剣を振るう。
双剣を押し留め、己が首は断じてくれてやりはしない。
「悪いが俺の首は……お前にやる程安かないんでなぁ……っ!」
「我も貴様も、人を殺さねば自己を確立出来ぬ半端者よ……!なればこそ、貴様の始末は我がつける……!」
「ほざきやがる……!守りし者の真似事のつもりか……!?」
「我は我の……為すべきことをやるだけだ……!!」
「我も貴様も、人を殺さねば自己を確立出来ぬ半端者よ……!なればこそ、貴様の始末は我がつける……!」
「ほざきやがる……!守りし者の真似事のつもりか……!?」
「我は我の……為すべきことをやるだけだ……!!」
負ける気が無いのが、自分だけだというなら思い違いも甚だしい。
半端な気概で死闘へ臨んだ覚えはなく、タギツヒメも残された手札を切る。
近寄らば等しく滅びかねない、光の柱の如く急激な霊力の上昇が発生。
令呪解禁の恩恵という条件は同じ、後は揺るぎなき戦意を刃に乗せるまで。
半端な気概で死闘へ臨んだ覚えはなく、タギツヒメも残された手札を切る。
近寄らば等しく滅びかねない、光の柱の如く急激な霊力の上昇が発生。
令呪解禁の恩恵という条件は同じ、後は揺るぎなき戦意を刃に乗せるまで。
「ぐ、お、お、オォオオオオオオ……ッ!」
刀身越しに腕へ、全身へ伝わる重さがジンガを敗北へ引き寄せる。
自身に残るエネルギーのリソース全て、小粒一滴も余さずこの一刀へ注ぎ込む。
拮抗が一秒、二秒と続くも無駄な足掻きに過ぎないとは。
タギツヒメにも、ジンガ本人にだって分からない筈がない。
自身に残るエネルギーのリソース全て、小粒一滴も余さずこの一刀へ注ぎ込む。
拮抗が一秒、二秒と続くも無駄な足掻きに過ぎないとは。
タギツヒメにも、ジンガ本人にだって分からない筈がない。
「これ、で――――!」
防御を打ち崩し、刃を走らせる瞬間の到来を確信。
凡そ7秒、両者の拮抗が続いた時間は実に短い。
思ったよりも耐えたと捉えるか、所詮この程度と低く見るかはともかく。
確実なことは一つ。
凡そ7秒、両者の拮抗が続いた時間は実に短い。
思ったよりも耐えたと捉えるか、所詮この程度と低く見るかはともかく。
確実なことは一つ。
その7秒で、タギツヒメの敗北は確定となった。
| 171:まかせた!キョウリュウジャーの力! | 投下順 | 172:紅蓮白蓮:雨は止むことを知らずに |
| 188:身を焦がす 紅れゆく想いよ | 時系列順 | |
| 169:クライシスアンドエスケープ | タギツヒメ | |
| 143:渇望/怨望 | ジンガ | |
| エンヴィー |