時刻は18時20分。
F-7のエリアを走行、あるいは飛行する奇妙な一団があった。
地上をトラックとバイクが走り、空中を翼の生えた馬とバーニア飛行したパワードスーツが飛ぶという何とも混沌(カオス)な絵面となっていた。
F-7のエリアを走行、あるいは飛行する奇妙な一団があった。
地上をトラックとバイクが走り、空中を翼の生えた馬とバーニア飛行したパワードスーツが飛ぶという何とも混沌(カオス)な絵面となっていた。
「それ、ロイミュードのチェイスさん専用なんですけど普通に乗りこなすとは流石ですね」
「良いマシンだよ。跳ねっ返りのじゃじゃ馬なのが気に入った」
並の人間では乗りこなせないモンスターバイク、ライドチェイサーには弓の英霊として現界した浮世英寿と柊シノアが二人乗りをしている。
「NPCの妨害がなければあと十分ほどでテレビ局が見えてくるはずです!」
ゲヘナ学園給食部のトラックを運転するのは盾のデミ・サーヴァントのマシュ・キリエライト。
助手席にはピルツが、荷台には流子、孔富、ニコルが乗っている。
車体のバランスを取るため右側に巨躯の孔富が、左側に流子とニコルが乗る形となっている。
助手席にはピルツが、荷台には流子、孔富、ニコルが乗っている。
車体のバランスを取るため右側に巨躯の孔富が、左側に流子とニコルが乗る形となっている。
「ねえアストルフォ!?これ大丈夫だよね!?落ちないよね!?」
「落ちたくないならちゃんと掴まっててよ、マスター!
空を飛ぶ経験がないと怖いのはわかるけど、ほら。リツカもああやって飛んでるんだからさ!」
空を飛ぶ経験がないと怖いのはわかるけど、ほら。リツカもああやって飛んでるんだからさ!」
空を征くのは翼の生えた馬、この世ならざる幻馬(ヒポグリフ)を駆る騎兵の英霊、アストルフォとそのマスターのちひろ。
ヒポグリフに同乗して空を飛ぶのは初めての経験であるため完全に声が上擦っている。
そしてその隣を飛ぶのが。
ヒポグリフに同乗して空を飛ぶのは初めての経験であるため完全に声が上擦っている。
そしてその隣を飛ぶのが。
「いや、俺のはパワードスーツだし……。
生身でこんな高い場所を飛んでるのはやっぱ経験ない人にはきついんじゃないかな……」
生身でこんな高い場所を飛んでるのはやっぱ経験ない人にはきついんじゃないかな……」
「すごい経験者(マスター)の余裕を感じるぅ!
あとアストルフォ、何かさっきまでとテンションが違くない!?」
あとアストルフォ、何かさっきまでとテンションが違くない!?」
マシュと英寿を従える人類最後のマスター、藤丸立香が変身するウルトロイドゼロだ。
大丈夫とは思うが万が一ちひろが落ちた時のためにカバーできる位置を保ちながら飛んでいる。
大丈夫とは思うが万が一ちひろが落ちた時のためにカバーできる位置を保ちながら飛んでいる。
参加者とNPC併せて合計十名からなる大集団である彼らは一刻も早く最凶(メラ)と戦ってサチを救助すべくテレビ局跡地への強行軍を続けていた。
久留間運転免許試験場から北上し、天ノ川学園高校付近を通って川沿いに移動し続けていたところ、放棄されていた給食部のトラックとライドチェイサーを発見していた。
誰が何故、それも荷物ごと置いていったかは判然としなかったものの移動の足は彼らにとって喉から手が出るほど欲しいものだったため、使うことにした。
久留間運転免許試験場から北上し、天ノ川学園高校付近を通って川沿いに移動し続けていたところ、放棄されていた給食部のトラックとライドチェイサーを発見していた。
誰が何故、それも荷物ごと置いていったかは判然としなかったものの移動の足は彼らにとって喉から手が出るほど欲しいものだったため、使うことにした。
「それにしてもこのクレーターの数は一体……」
「噂の四凶って連中が暴れた痕跡か、でなけりゃメラの仕業ってとこかもな」
「もう想定されてたゲームバランスなんてあってないようなものですね」
道中にも戦闘の跡と思われる痕跡はいくつも見たがこのF-7にある無数のクレーター群はその中でも群を抜いている破壊規模だ。
全てを避けて通ることは難しく、必然的にトラックとライドチェイサーは悪路を走ることを余儀なくされている。
上空を飛ぶ立香やちひろ、アストルフォもまた眼下に広がる破壊の爪痕に息を呑んでいた。
だからだろう、同じく上空から近づく存在に気づけなかったのは。
全てを避けて通ることは難しく、必然的にトラックとライドチェイサーは悪路を走ることを余儀なくされている。
上空を飛ぶ立香やちひろ、アストルフォもまた眼下に広がる破壊の爪痕に息を呑んでいた。
だからだろう、同じく上空から近づく存在に気づけなかったのは。
「おーーーーーーい!!!」
大声で声を掛けられ、驚いた立香たちだったがすぐに声のした方へ振り向いた。
そこには小柄な少女を背負い、生身のまま空に浮かんでいる青い髪の青年がいた。
ちひろはそんなとんでもない真似を平然とする青年に驚いたが、立香の視線はむしろ青年より青年に背負われた少女に吸い込まれている。
そこには小柄な少女を背負い、生身のまま空に浮かんでいる青い髪の青年がいた。
ちひろはそんなとんでもない真似を平然とする青年に驚いたが、立香の視線はむしろ青年より青年に背負われた少女に吸い込まれている。
「ホシノ!?」
「えっ!?その声……そのごっついスーツ着てるのリツカくん!?」
運営による一度目の放送よりも前に別れ、そして探し続けていた仲間である小鳥遊ホシノ。
再会するとはまるで想定していなかった場所で再会することになった。
再会するとはまるで想定していなかった場所で再会することになった。
☆
18時10分を過ぎた頃。
少しでも早く南側のランドマーク探索に当たるべく、トランクス、ホシノ、ドゴルドの三人は効率の良い移動方法で先を急いでいた。
空を飛べるトランクスが小柄で軽いホシノを背負って飛びつつドゴルドが地上を走るという方法だった。
G-8にいるはずのメラを避けて美濃関学園方面へ向かうことを視野に入れつつ川沿いを移動していたところでトランクスはその光景を見た。
少しでも早く南側のランドマーク探索に当たるべく、トランクス、ホシノ、ドゴルドの三人は効率の良い移動方法で先を急いでいた。
空を飛べるトランクスが小柄で軽いホシノを背負って飛びつつドゴルドが地上を走るという方法だった。
G-8にいるはずのメラを避けて美濃関学園方面へ向かうことを視野に入れつつ川沿いを移動していたところでトランクスはその光景を見た。
「何だあれは……爆発か?
くそっ、この距離でほとんど気を感じ取れないなんて…!」
くそっ、この距離でほとんど気を感じ取れないなんて…!」
「もしかしてあれ…メラとルルーシュの軍団がぶつかったの?」
「恐らくそうだと思う。だが…どうやら敗れたのはルルーシュ軍らしい。
宇蟲王以上の戦力というのは間違いじゃなさそうだ。それに俺の勘だが……ルルーシュは死んではいないだろう」
宇蟲王以上の戦力というのは間違いじゃなさそうだ。それに俺の勘だが……ルルーシュは死んではいないだろう」
あまりに派手なぶつかり合いだったため遠くからでも辛うじて視認できたのはジグラートの編隊に突撃を敢行したキシリュウジンの姿だ。
メラらしき男と周囲に侍る仮面ライダーたちの攻撃によってキシリュウジンの巨体が爆散する瞬間の爆光が見えた。
G-8で待っているという話だったがテレビ局方面に移動していたとは。
メラらしき男と周囲に侍る仮面ライダーたちの攻撃によってキシリュウジンの巨体が爆散する瞬間の爆光が見えた。
G-8で待っているという話だったがテレビ局方面に移動していたとは。
「おいトランクス!ルート変更だ!メラと神将が離れたってんならこのまま川沿いに進んでF-8の橋を渡るぞ!」
地上からドゴルドの声が聞こえる。
メラがテレビ局方面に動いたことで通せんぼするような形になっていたF-8方面への移動が可能になった。
そちらを通った方が近道になるのはトランクスにもわかった。
そうして禁止エリアとなっているE-9をギリギリ避けつつ引き続き進んでいく中で見つけたのだ。ホシノの知り合い、藤丸立香やマシュ・キリエライトがいる集団を。
メラがテレビ局方面に動いたことで通せんぼするような形になっていたF-8方面への移動が可能になった。
そちらを通った方が近道になるのはトランクスにもわかった。
そうして禁止エリアとなっているE-9をギリギリ避けつつ引き続き進んでいく中で見つけたのだ。ホシノの知り合い、藤丸立香やマシュ・キリエライトがいる集団を。
☆
「ホシノさん!よくご無事で……!」
「私も二人が無事だったのは嬉しいけどさ。何か…人数多くない?
ちらほらレジスターないNPCがいるっぽいし、これ一体どういう集団(パーティ)なの?」
ちらほらレジスターないNPCがいるっぽいし、これ一体どういう集団(パーティ)なの?」
立香たち一行とトランクスら三人を合わせた合計十三人の集団はE-6に場所を移して互いの顔合わせをすることになった。
互いの集団に敵意がなかったこと、立香、マシュとホシノが知り合いだったことで合流はスムーズに進んだ。
ただ一人の内心を除いては。
互いの集団に敵意がなかったこと、立香、マシュとホシノが知り合いだったことで合流はスムーズに進んだ。
ただ一人の内心を除いては。
(腹立たしいほどめんどくせえ……。何で柊シノアがいやがるんだよ!?
柊真昼に縁のあるやつがNPCに選ばれてる上にこんなとこで会う羽目になるとか億分の一の偶然すぎるだろうが!
こんなところでこいつに絡まれてる場合じゃねえってんだよ!)
柊真昼に縁のあるやつがNPCに選ばれてる上にこんなとこで会う羽目になるとか億分の一の偶然すぎるだろうが!
こんなところでこいつに絡まれてる場合じゃねえってんだよ!)
柊真昼を乗っ取り、その記憶を知るドゴルドは当然真昼の妹にして特殊NPCの柊シノアの顔を知っている。
参加者に縁ある者が特殊なNPCに選ばれていることは不思議と言うほどのことでもないが、だからといって対主催集団に紛れているなどと誰が思うというのか。
ドゴルドは即座に全力ではぐらかし、余計な時間を取られないようにすることを決めた。
参加者に縁ある者が特殊なNPCに選ばれていることは不思議と言うほどのことでもないが、だからといって対主催集団に紛れているなどと誰が思うというのか。
ドゴルドは即座に全力ではぐらかし、余計な時間を取られないようにすることを決めた。
「ホシノさんですね?貴方のことはリツカとマシュから聞いています。
僕はニコル・アマルフィ。服装で気づかれたかもしれませんがディアッカの同僚です」
僕はニコル・アマルフィ。服装で気づかれたかもしれませんがディアッカの同僚です」
「ディアッカの……。そういうことなら伝えなきゃいけないこと、たくさんあるね」
ホシノはニコルと邂逅し、握手を交わした。
ささくれ立ったホシノにそうさせたのはニコルが醸し出す柔和な雰囲気が為せる業だろう。
ささくれ立ったホシノにそうさせたのはニコルが醸し出す柔和な雰囲気が為せる業だろう。
「俺はトランクスです。皆さんに伝えなければならないことが……いや、この気は……?
すみません、少しだけ待ってください!俺が知っている気が近くにいます!」
すみません、少しだけ待ってください!俺が知っている気が近くにいます!」
「お、おい!何だよ?」
「気、ねえ。そういう術でも修めてるのかしら」
早速情報交換をし、急ぎルルーシュやメラのことを伝えようとしたトランクスだったが知っている気を感知した。
体調が万全に戻ったことで制限の範囲内ではあるが周囲の気を感じ取る力も戻ってきていたのだ。
今感じた気の主は単なる悪人で片付けられぬ者であることは知っているが、恐らくは乗っている側の参加者。
近くにいるとわかっていて捨て置くという選択肢はトランクスにはなかった。
体調が万全に戻ったことで制限の範囲内ではあるが周囲の気を感じ取る力も戻ってきていたのだ。
今感じた気の主は単なる悪人で片付けられぬ者であることは知っているが、恐らくは乗っている側の参加者。
近くにいるとわかっていて捨て置くという選択肢はトランクスにはなかった。
☆
「……あいつ、キズナレッドとかいうやつだったのかよ」
やみのせんしの胸の内にあるモヤモヤが増したのはその後の墓標アプリ更新の知らせとそこで得た情報だ。
一度目の放送の後、最初に己が殺した参加者がキズナレッドだと記されていた。
思い当たる節と言えば一つしかない。デクとの戦いの中で乱入し、イドラの死体に向かっていったあの怪物だ。
汚らわしいNPCだとばかり思っていたそいつは紛れもない参加者(プレイヤー)で、しかも名前がイドラのすぐ近くにあった。
一度目の放送の後、最初に己が殺した参加者がキズナレッドだと記されていた。
思い当たる節と言えば一つしかない。デクとの戦いの中で乱入し、イドラの死体に向かっていったあの怪物だ。
汚らわしいNPCだとばかり思っていたそいつは紛れもない参加者(プレイヤー)で、しかも名前がイドラのすぐ近くにあった。
「……そりゃあ、受け入れられねえし、取り乱しもするわな」
恐らくはイドラの知り合い。それも顔見知り程度の仲じゃない、深い仲だ。
何があって化け物の姿になどなったのか知らないし知ろうとも思わないが、理性なき怪物になってもなお彼女を探し求めていたのだろう。
そのキズナレッドを葬ったことを悔いるようなことはしないが、何とも後味の悪い結末だ。
何があって化け物の姿になどなったのか知らないし知ろうとも思わないが、理性なき怪物になってもなお彼女を探し求めていたのだろう。
そのキズナレッドを葬ったことを悔いるようなことはしないが、何とも後味の悪い結末だ。
「そんで運営(あっち)も運営(あっち)でぐだぐだの極みときたもんだ」
茅場晶彦、ヒースクリフが消そうとしたプレイヤーとはメラのことで間違いない。
ザラサリキエルが明言していたことでもあるし、墓標アプリでメラのキルスコアの推移を見て確認もできた。
アルジュナ・オルタの殺害を切っ掛けとして急激にスコアを伸ばしている上に、恐らくグリオンもとい冥黒王と同じく傀儡を使役する能力がある。
神将云々とメラの名前がラストアタックの該当者に一緒に記載されているのが答えだ。
現に学郎を殺したしお、もとい冥黒しおと魔王グリオンの名前も共同で乗せられている。
ザラサリキエルが明言していたことでもあるし、墓標アプリでメラのキルスコアの推移を見て確認もできた。
アルジュナ・オルタの殺害を切っ掛けとして急激にスコアを伸ばしている上に、恐らくグリオンもとい冥黒王と同じく傀儡を使役する能力がある。
神将云々とメラの名前がラストアタックの該当者に一緒に記載されているのが答えだ。
現に学郎を殺したしお、もとい冥黒しおと魔王グリオンの名前も共同で乗せられている。
ザラサリキエルが大慌てで手を打とうとしたのも納得だ。
何故なら方々に喧嘩を売って経験を積んできたやみのせんしは知っている。
運営の調整もあるだろうにせよ参加者(プレイヤー)たちはぽっと出のNPCなんぞに容易く殺されるほど弱くない。
しかし事実としてメラの傀儡であろう神将とやらはぽっと出のNPCの分際で三人ものプレイヤーを殺している。
であれば考えられることは一つ。メラは本人が宇蟲王以上の戦闘力を有するだけでなく、真正面からプレイヤーを殴り殺せるほどの異常な性能のNPCを複数体保有している。
ここまで生き残った精鋭たる参加者たちからしても倒すことはおろか抗うことさえ馬鹿馬鹿しいと考えるであろうほどの反則的な戦力だ。
何故なら方々に喧嘩を売って経験を積んできたやみのせんしは知っている。
運営の調整もあるだろうにせよ参加者(プレイヤー)たちはぽっと出のNPCなんぞに容易く殺されるほど弱くない。
しかし事実としてメラの傀儡であろう神将とやらはぽっと出のNPCの分際で三人ものプレイヤーを殺している。
であれば考えられることは一つ。メラは本人が宇蟲王以上の戦闘力を有するだけでなく、真正面からプレイヤーを殴り殺せるほどの異常な性能のNPCを複数体保有している。
ここまで生き残った精鋭たる参加者たちからしても倒すことはおろか抗うことさえ馬鹿馬鹿しいと考えるであろうほどの反則的な戦力だ。
「だがそれにしたってこの動きのお粗末さはねえだろ」
誰がどう見てもゲームバランスを崩壊させているそいつに運営として対処しようとした。そこまでは理解(わか)る。
しかしザラサリキエルの動きも併せて考えると運営サイド内でロクな報告・連絡・相談が為されなかった末の内ゲバであることは明らかだった。
まず事態を重く見た茅場が独断でメラを消すために動いた。恐らく会場内に独自に仕込んだ仕掛けでも使おうと目論んでいたのだろう。
そこで運悪くギラ・ハスティーに犯行を目撃されてしまったためやむなく削除。一連の行為が残る羂索とクルーゼの逆鱗に触れた。
しかしザラサリキエルの動きも併せて考えると運営サイド内でロクな報告・連絡・相談が為されなかった末の内ゲバであることは明らかだった。
まず事態を重く見た茅場が独断でメラを消すために動いた。恐らく会場内に独自に仕込んだ仕掛けでも使おうと目論んでいたのだろう。
そこで運悪くギラ・ハスティーに犯行を目撃されてしまったためやむなく削除。一連の行為が残る羂索とクルーゼの逆鱗に触れた。
時を同じくしてザラサリキエルがやみのせんしや秀吉に交渉を持ちかけてきていたわけだが、これは直接メラを消そうとした茅場の動きと噛み合わない。
つまりザラサリキエルは他の運営サイドの者の動きを把握しないまま独自判断で動いていた上に、メラの戦力に対する見積もりも甘かった。
直接メラを視認していないやみのせんしでも、自分や秀吉、あと数人の参加者が討伐に動いた程度で揺るがせるような戦力差では絶対にないと判断できる。
恐らくザラサリキエルは実情をまるで把握しないままに動いていたのだ。
つまりザラサリキエルは他の運営サイドの者の動きを把握しないまま独自判断で動いていた上に、メラの戦力に対する見積もりも甘かった。
直接メラを視認していないやみのせんしでも、自分や秀吉、あと数人の参加者が討伐に動いた程度で揺るがせるような戦力差では絶対にないと判断できる。
恐らくザラサリキエルは実情をまるで把握しないままに動いていたのだ。
総じて運営全体としての動きが連携のれの字もない有り様であり、それぞれがロクに連絡も取り合わずに好き勝手に動いている。
これだけでも呆れるばかりだが、やみのせんしの中で澱みのように溜まっているのは自分たち乗っている参加者、殺人者(マーダー)に対する異様なまでの冷遇に対する不満だ。
どちらかと言えば参加者を引っ掻き回すような言動が目立つとはいえ運営への反逆を公言したルルーシュには拠点(おうち)も武器(ベルト)もポンとくれてやって好き放題しようとお咎めなし。
おまけにメラという超強力なマーダーが台頭しても可能な限り保護しようと運営のザラサリキエルが忖度して動く一方、自分たちマーダーに対する扱いはどうか。
これだけでも呆れるばかりだが、やみのせんしの中で澱みのように溜まっているのは自分たち乗っている参加者、殺人者(マーダー)に対する異様なまでの冷遇に対する不満だ。
どちらかと言えば参加者を引っ掻き回すような言動が目立つとはいえ運営への反逆を公言したルルーシュには拠点(おうち)も武器(ベルト)もポンとくれてやって好き放題しようとお咎めなし。
おまけにメラという超強力なマーダーが台頭しても可能な限り保護しようと運営のザラサリキエルが忖度して動く一方、自分たちマーダーに対する扱いはどうか。
最終的に粛清されたとはいえ運営の長の一人である茅場は独断で直接メラを消そうとし、ザラサリキエルはやみのせんしのようなまだまだ対主催を削れるはずのマーダーを使い捨ての兵器のようにメラにぶつけようとしてきた。
茅場にせよザラサリキエルにせよ咄嗟の行動だったのだろうが、人間の本音というやつは意図しない咄嗟の行動にこそ表れてくるものだ。
確証まではないが、運営はマーダーの誰かがルルーシュをはじめとする見込んだ参加者たちの悉くを殺して優勝する展開そのものを望んでいないのではないか?
元々優勝して自由を手に入れた後運営を皆殺しにするのがやみのせんしのプランだったが、優勝特典そのものが空手形に過ぎないのだとしたら?
運営への不満や不信を燻らせていると、遠目に他の参加者の姿が見えた。が、数が問題だった。
茅場にせよザラサリキエルにせよ咄嗟の行動だったのだろうが、人間の本音というやつは意図しない咄嗟の行動にこそ表れてくるものだ。
確証まではないが、運営はマーダーの誰かがルルーシュをはじめとする見込んだ参加者たちの悉くを殺して優勝する展開そのものを望んでいないのではないか?
元々優勝して自由を手に入れた後運営を皆殺しにするのがやみのせんしのプランだったが、優勝特典そのものが空手形に過ぎないのだとしたら?
運営への不満や不信を燻らせていると、遠目に他の参加者の姿が見えた。が、数が問題だった。
「……ん?おいおい、何だよありゃあ。集まりすぎだろうが」
やみのせんしは放送後、C-6を経由してコーカサスカブト城へ向けて移動していた。
テレビ局は論外として雄英高校周辺のランドマークはどれも利用する気になれず、とりあえず雄英からは距離があって身体を休ませることができそうなランドマークを目指すことにした。
ルルーシュの手勢を避けるため湖に沿って動いていたところ、E-6に集った大集団を見つけるに至った。
テレビ局は論外として雄英高校周辺のランドマークはどれも利用する気になれず、とりあえず雄英からは距離があって身体を休ませることができそうなランドマークを目指すことにした。
ルルーシュの手勢を避けるため湖に沿って動いていたところ、E-6に集った大集団を見つけるに至った。
「しかもトランクスまでいるじゃねえか。だいぶ不味いな。
トランクスを抜きにしてもさすがにあの人数相手にするのは無理だな。ここは―――」
トランクスを抜きにしてもさすがにあの人数相手にするのは無理だな。ここは―――」
枯渇寸前のMPを惜しんで使っていなかったしのびあしを使おうとしたその時、トランクスがやみのせんしに気づいた。
近づいてくる。しかし―――敵意や戦意は感じられない。何のつもりか?
近づいてくる。しかし―――敵意や戦意は感じられない。何のつもりか?
「くそっ、この距離で気づかれるなんてな。
それで、何だよ?早速乗っている俺を殺しに来たってわけか?本物の英雄(ヒーロー)さんよ」
それで、何だよ?早速乗っている俺を殺しに来たってわけか?本物の英雄(ヒーロー)さんよ」
「…確かにお前を見過ごせないという気持ちはある。
だが…もう状況がすっかり変わってしまったし、お前が単なる人殺しの悪党でしかないとも思えないんだ。
それに傷も疲れも相当蓄積してるだろう?そんな有り様で一人で行動していては殺されるぞ。
それも参加者に、じゃない。とんでもない強さを持ったNPCに、だ」
だが…もう状況がすっかり変わってしまったし、お前が単なる人殺しの悪党でしかないとも思えないんだ。
それに傷も疲れも相当蓄積してるだろう?そんな有り様で一人で行動していては殺されるぞ。
それも参加者に、じゃない。とんでもない強さを持ったNPCに、だ」
「墓標アプリに乗ってたメラの神将とかいうやつか。
お前がそういう言い方するぐらいならヤバい相手なんだろうな。何か知ってるんだろ?」
お前がそういう言い方するぐらいならヤバい相手なんだろうな。何か知ってるんだろ?」
「正確には俺じゃなく……今一緒に行動している冥黒の五道化だった激怒戦騎のドゴルドからの情報だ」
「は?」
やみのせんしから見てあまりに品行方正な対主催のトランクスの口から飛び出たとんでもない情報に思わず間抜けな声を出してしまった。
五道化だと?あのザラサリキエルと同じ五道化?こいつは一体何を言ってるんだ?
五道化だと?あのザラサリキエルと同じ五道化?こいつは一体何を言ってるんだ?
「信じられないのはわかる!しかし五道化からも離反者が出るぐらいこのゲームを取り巻く状況は変わっているんだ。
あっちの集団には医者もいる。あまり他の参加者と接触できていなかったらしいから、お前が知っている情報を教えれば診てもらえるかもしれない。
それに……お前みたいなやつでもメラやグリオン、ルルーシュに殺されてしまうのは忍びない」
あっちの集団には医者もいる。あまり他の参加者と接触できていなかったらしいから、お前が知っている情報を教えれば診てもらえるかもしれない。
それに……お前みたいなやつでもメラやグリオン、ルルーシュに殺されてしまうのは忍びない」
「何でそこでルルーシュが出てくる?確かにいけ好かない王様気取りな上に運営お気に入りだが……いや、待て。
お前……何があったんだ?宇蟲王と戦ってた時だってそんなピリピリした気配じゃなかっただろ?あとやたら元気すぎだ」
お前……何があったんだ?宇蟲王と戦ってた時だってそんなピリピリした気配じゃなかっただろ?あとやたら元気すぎだ」
よくよく見ると今のトランクスの姿と気配には違和感がある。
宇蟲王と極限まで殴り合ったわりには怪我の一つも見当たらないし血色も異様なほど良い。
そして先ほど会った時には纏っていなかった、殺意や憎しみのような、刺すような気配を感じるのだ。
宇蟲王と極限まで殴り合ったわりには怪我の一つも見当たらないし血色も異様なほど良い。
そして先ほど会った時には纏っていなかった、殺意や憎しみのような、刺すような気配を感じるのだ。
「仙豆を貰ったんだ、ドゴルドから。とにかく今だけでもいいから俺を信用して来てくれないか?そこで全てを話す。
殺し合いに乗っていないのだとしても、俺は……どうしてもルルーシュを許せない」
殺し合いに乗っていないのだとしても、俺は……どうしてもルルーシュを許せない」
☆
トランクスがやみのせんしを連れて立香やホシノたちの元に戻ってきた時、当然ながらざわつきがあった。
やみのせんしが開口一番自分が殺し合いに乗っている立場であることと、名簿上での名前を明かしたせいだ。
やみのせんしが開口一番自分が殺し合いに乗っている立場であることと、名簿上での名前を明かしたせいだ。
「やみのせんしって……デクやキリトの仲間を殺したやつじゃん!
墓標アプリでも四人も殺してるってわかるでしょ!?何で連れて来たの!?」
墓標アプリでも四人も殺してるってわかるでしょ!?何で連れて来たの!?」
真っ先に嚙みついたのがホシノだった。
デクやキリトたちに出会った時に危険人物と聞いていたのだ。
デクやキリトたちに出会った時に危険人物と聞いていたのだ。
「それに…空蝉丸がキズナレッドの名前を出してたけど、殺したのあんただよね!?
空蝉丸の言い方じゃキズナレッドは味方っぽかったから、乗ってる人じゃなかったはずだよ!」
空蝉丸の言い方じゃキズナレッドは味方っぽかったから、乗ってる人じゃなかったはずだよ!」
「ホシノさん、一度は空蝉丸さんと合流できていたんですね。
ただ、その……それに関しては少し語弊があるのかもしれません」
ただ、その……それに関しては少し語弊があるのかもしれません」
「やみのせんし、もしかして君が殺したキズナレッドは複数の動物の意匠が混ざったような怪物の姿じゃなかった?」
立香の問いにやみのせんしは罰が悪そうに頷いた。
「ああ……。あの時はデクと戦ってる最中に乱入してきやがったもんだから、レジスターも確認できなかった。
趣味の悪い姿のNPCだと思ってさっさと焼き殺してやったよ。
一応聞いておくがどんなやつだった?そのキズナレッドってやつは」
趣味の悪い姿のNPCだと思ってさっさと焼き殺してやったよ。
一応聞いておくがどんなやつだった?そのキズナレッドってやつは」
「わたしたちも一度共闘しただけですが……絆を尊び熱い想いを持った、優しい人だったのだと思います」
「そうか……」
マシュの返事にやみのせんしは少しの間目を伏せた。
イドラの仲間に相応しい英雄だったということだろう。
殺しておいてそれを口に出すのは女々しい気がしたので言わないが。
ホシノもそんなやみのせんしの様子に何かを察したかそれ以上追及はしなかった。
そこにパンパンと手を叩きながらピルツが割って入った。
イドラの仲間に相応しい英雄だったということだろう。
殺しておいてそれを口に出すのは女々しい気がしたので言わないが。
ホシノもそんなやみのせんしの様子に何かを察したかそれ以上追及はしなかった。
そこにパンパンと手を叩きながらピルツが割って入った。
「まあとりあえず治療はするわ。患者を治さないのはアタシの主義に反するし、この人数差で何が出来るわけでもないことぐらいわかってるでしょうしね。
ただし治療費代わりに知ってることは話してもらうからそのつもりで。アタシたちもあまり時間に余裕はないから」
ただし治療費代わりに知ってることは話してもらうからそのつもりで。アタシたちもあまり時間に余裕はないから」
「ではまず僕たちが持っている情報から話しましょう。あまり役には立たないかもしれませんが……」
☆
最初にちひろと孔富がこれまでの経緯を話した。
各所に湧いて出たNPCとの戦闘にはやみのせんしもドゴルドも関心を持たなかったが、メラとの遭遇には食いついた。
各所に湧いて出たNPCとの戦闘にはやみのせんしもドゴルドも関心を持たなかったが、メラとの遭遇には食いついた。
「少し劣るって言っても初期の時点で宇蟲王と同格のやつと遭遇して戦わずに済んだとは運が良いもんだ。
それで、そのサチってやつを探してるんだな?キリトの知り合いの」
それで、そのサチってやつを探してるんだな?キリトの知り合いの」
「うん、サッちゃんを助けるには私たちが最速でメラに追いついて戦わなきゃいけない。
他の人がメラと戦ったとして、サッちゃんに気を遣いながら戦える人なんてどれだけいるかわからないから」
他の人がメラと戦ったとして、サッちゃんに気を遣いながら戦える人なんてどれだけいるかわからないから」
また途中からちひろたちに合流した立香たちもそれまでの経緯を語った。
最初にディアッカとホシノに出会ったこと、次に空蝉丸と出会ったこと、蛇腔病院でドゴルドと戦った後のマイや左虎たちと出会ったこと、キズナレッドと共闘して総司令官と戦ったことなど。
ドゴルドに刺すような視線が向けられるも当の本人は意に介さない。今更五道化として参加者と戦っていたことを悔いるなど有り得ない。
最初にディアッカとホシノに出会ったこと、次に空蝉丸と出会ったこと、蛇腔病院でドゴルドと戦った後のマイや左虎たちと出会ったこと、キズナレッドと共闘して総司令官と戦ったことなど。
ドゴルドに刺すような視線が向けられるも当の本人は意に介さない。今更五道化として参加者と戦っていたことを悔いるなど有り得ない。
次にホシノが立香、マシュと別れてからの出来事を話した。
アビドス高校やその道中での薫をはじめとした参加者たちとの出会い、宇蟲王の襲撃で気絶してしまい、その間にディアッカが皆を逃がすため犠牲となったこと。
逃れた先でキリトやデクたちと出会った矢先にレジェンドガンダムの襲撃を受けて仲間とはぐれ、数時間彷徨った先で魔王グリオンの傀儡となった偽アヤネを倒して空蝉丸と一度は合流できたこと。
しかし直後にマゼンタの神将ライダーに襲われ、空蝉丸は殺され捕まっていた少女、サチも連れていかれたこと。
アビドス高校やその道中での薫をはじめとした参加者たちとの出会い、宇蟲王の襲撃で気絶してしまい、その間にディアッカが皆を逃がすため犠牲となったこと。
逃れた先でキリトやデクたちと出会った矢先にレジェンドガンダムの襲撃を受けて仲間とはぐれ、数時間彷徨った先で魔王グリオンの傀儡となった偽アヤネを倒して空蝉丸と一度は合流できたこと。
しかし直後にマゼンタの神将ライダーに襲われ、空蝉丸は殺され捕まっていた少女、サチも連れていかれたこと。
「それで…空蝉丸は……四本角に姿を変えたあの神将に身体を壊されて、燃やされて……ゴミみたいに殺された!!
絶対に殺してやる……メラもグリオンも!!」
絶対に殺してやる……メラもグリオンも!!」
「ホシノ……」
聞きたくなさげに、憮然とした雰囲気を出していたドゴルドも戦闘の詳細を聞くのは初めてだった。
雷電残光を盗んで逆利用するとは何ともふざけた真似をする。討ち漏らしたことを後悔した。
雷電残光を盗んで逆利用するとは何ともふざけた真似をする。討ち漏らしたことを後悔した。
「くそっ、トンデモ度合いが私らの想像以上じゃねえか……。
あのマッハですら神将どもの中じゃ全然格下の部類だったのかよ」
あのマッハですら神将どもの中じゃ全然格下の部類だったのかよ」
「僕たちの見積もりは…甘かったんだろうか?」
「甘いに決まってんだろボケ共が。そっちでメラと神将相手に戦力に数えられそうなやつなんてそこのアーチャーと、ギリギリで盾持ちの女ぐらいじゃねえか。
他はメラや神将どもの前じゃ全員いようがいなかろうが同じ雑草(ザコ)だ。いいか、あいつの戦力はなあ……」
他はメラや神将どもの前じゃ全員いようがいなかろうが同じ雑草(ザコ)だ。いいか、あいつの戦力はなあ……」
そこからはドゴルドが主に空蝉丸が死亡した後の出来事を話した。
柊真昼のことを誤魔化すため、シロコの存在自体は話しつつ、ドゴルドとシロコが元々二人で激怒戦騎のドゴルドという一体の五道化であったことは伏せて話した。
つまり最初から激怒戦騎のドゴルドと砂狼シロコという別々の五道化として活動していたことにしたのである。
唯一事情を聞いていたホシノもあまり足止めされたくないドゴルドの意図を察して口を挟むことはしなかった。
柊真昼のことを誤魔化すため、シロコの存在自体は話しつつ、ドゴルドとシロコが元々二人で激怒戦騎のドゴルドという一体の五道化であったことは伏せて話した。
つまり最初から激怒戦騎のドゴルドと砂狼シロコという別々の五道化として活動していたことにしたのである。
唯一事情を聞いていたホシノもあまり足止めされたくないドゴルドの意図を察して口を挟むことはしなかった。
「こっちが思ってた以上の戦力だな。メラのやつ、アルジュナ・オルタを倒して想像以上に力をつけてたらしい」
「冗談(バカ)みたいな話ね……。あの神将が仮面ライダーとモビルスーツ併せて十体以上だなんて」
「それにモビルスーツの方には三機の支援ユニットまでいて、五道化二人ですら神将のうち仮面ライダーだけを捌いて撤退するのがやっととは……」
「も、もしかしてこれ、このまま私たちだけでテレビ局に突っ込んでも玉砕以外のパターンがなかったやつ……?」
ドゴルドとシロコが神将に嬲られていたキリトたちを救出して撤退するまでの経緯を聞き、ちひろたちはメラと神将の想像を超える戦力に蒼白となった。
運営側最強NPCであるはずの二人でさえ神将全体のうちの一部だけを相手するのがやっと、メラ本人と相対することさえ敵わなかった事実はそれだけ大きな衝撃だ。
さらにシロコからの伝聞情報ではあるが、先んじてメラ本人に仕掛けていたキリトを含む参加者集団は当然のごとく惨敗していた。
相当な実力者が変身する上位の戦闘スペックを有する仮面ライダーが、令呪や仲間の援護に心意システムといった数々の強化(バフ)を重ねた一斉攻撃を仕掛けた上で、たったの一撃で返り討ちに遭い、絶命したという。
トランクスでさえ戦慄を禁じ得ない内容だった。
運営側最強NPCであるはずの二人でさえ神将全体のうちの一部だけを相手するのがやっと、メラ本人と相対することさえ敵わなかった事実はそれだけ大きな衝撃だ。
さらにシロコからの伝聞情報ではあるが、先んじてメラ本人に仕掛けていたキリトを含む参加者集団は当然のごとく惨敗していた。
相当な実力者が変身する上位の戦闘スペックを有する仮面ライダーが、令呪や仲間の援護に心意システムといった数々の強化(バフ)を重ねた一斉攻撃を仕掛けた上で、たったの一撃で返り討ちに遭い、絶命したという。
トランクスでさえ戦慄を禁じ得ない内容だった。
「つまりドゴルドは万全の空蝉丸と戦えるという契約で冥黒の五道化になったけど、その契約を反故にされたから裏切ることにした…ってこと?」
「そうだよ。言っとくが断じて空蝉丸の弔い合戦なんかじゃねえし、テメエら対主催の参加者どもと必要以上に馴れ合うつもりもねえからな。
勝手に俺をアテにして、俺に見捨てられても文句は受け付けねえぞ」
勝手に俺をアテにして、俺に見捨てられても文句は受け付けねえぞ」
「他の五道化がアタシたちに干渉してこなかった理由もハッキリしたわね。
多少メラの戦力を削りつつ、アタシたちが全滅させられることで運営(あっち)が何もしなくても勝手に参加者の人数調整に役立ってくれると判断されたってとこでしょ」
多少メラの戦力を削りつつ、アタシたちが全滅させられることで運営(あっち)が何もしなくても勝手に参加者の人数調整に役立ってくれると判断されたってとこでしょ」
「ちくしょう!舐めやがって!」
ピルツの分析に流子が拳を叩いて悔しがるもそれで戦力差が覆るわけではない。
「これだけの人数なら今から一気にメラを倒しに行っても良いんじゃないの?
こっちには仙豆で元気になったトランクスだっているんだからさ。
ルルーシュが敗走したってことならあいつが後ろからメラごと私たちを撃ってる余裕だって今はないでしょ」
こっちには仙豆で元気になったトランクスだっているんだからさ。
ルルーシュが敗走したってことならあいつが後ろからメラごと私たちを撃ってる余裕だって今はないでしょ」
「ルルーシュが、わたしたちを……?ホシノさん、それは一体どういうことなのですか?」
マシュの誰何を無視して先にドゴルドが答えた。
「まあ可能性がゼロってわけじゃないだろうが、あくまでゼロじゃないだけってとこだな。
そいつらの集団(チーム)、さっき言った通り頭数だけは多いが大半は箸にも棒にも掛かりゃしねえ。
ルルーシュがリスク覚悟でメラ本人に挑んで削ってれば話は別だったが、キシリュウジンでトンズラかましやがったからな……」
そいつらの集団(チーム)、さっき言った通り頭数だけは多いが大半は箸にも棒にも掛かりゃしねえ。
ルルーシュがリスク覚悟でメラ本人に挑んで削ってれば話は別だったが、キシリュウジンでトンズラかましやがったからな……」
「何故ルルーシュがメラと直接戦わなかったと言い切れる?」
「キシリュウジンを動かすことが出来たからだよ。
ユニバースロボのセキュリティは特に厳重になってて、本来ならどんなに贔屓されてたプレイヤーでもまず動かせねえ。
それでも実際動かせたとなると、有り得るのはルルーシュの軍が持てるリソースを全部キシリュウジンの起動に突っ込んだってことぐらいだ」
ユニバースロボのセキュリティは特に厳重になってて、本来ならどんなに贔屓されてたプレイヤーでもまず動かせねえ。
それでも実際動かせたとなると、有り得るのはルルーシュの軍が持てるリソースを全部キシリュウジンの起動に突っ込んだってことぐらいだ」
いくらルルーシュが運営お気に入りとは言っても易々とユニバースロボの起動を許すほど羂索も甘やかしはしない。
とはいえルルーシュも然る者。ノワルの力を奪いつつキシリュウジンを起動可能にするだけの人材や道具を揃えてきていた。
それでもなお神将全員の猛攻に耐えながら起動・発進を成し遂げるにはルルーシュ自身が持てる力全てを注ぎ込んで起動か神将の抑え、そのどちらかを担うしかない。
つまりその間メラは完全フリー。負傷も消耗もあろうはずもない。
とはいえルルーシュも然る者。ノワルの力を奪いつつキシリュウジンを起動可能にするだけの人材や道具を揃えてきていた。
それでもなお神将全員の猛攻に耐えながら起動・発進を成し遂げるにはルルーシュ自身が持てる力全てを注ぎ込んで起動か神将の抑え、そのどちらかを担うしかない。
つまりその間メラは完全フリー。負傷も消耗もあろうはずもない。
「まあルルーシュが敗走(トンズラ)したのも悪いことばかりじゃないわ。
ルルーシュでさえ負けたならしばらくの間メラに勝負(いど)む参加者はいないだろうから、こっちも確実にサチを救済(すく)う手立てを考える時間が取れる。
つまり、また状況が変わって無理に今すぐメラのいるテレビ局跡地に突っ込む必要はなくなったってことよ」
ルルーシュでさえ負けたならしばらくの間メラに勝負(いど)む参加者はいないだろうから、こっちも確実にサチを救済(すく)う手立てを考える時間が取れる。
つまり、また状況が変わって無理に今すぐメラのいるテレビ局跡地に突っ込む必要はなくなったってことよ」
立香たちがメラとの勝負を急いでいた理由は他の対主催グループがサチごとメラを攻撃してしまう可能性があったからだ。
しかし皮肉にも最大規模の対主催グループだったルルーシュの軍でさえ一敗地に塗れたことで一時的にサチの身の安全は保障されたことになる。
こうなれば勝算がないままメラに突撃する必要もない。そう長い猶予ではないが他の参加者と接触して戦力を増やす時間が取れた。
しかし皮肉にも最大規模の対主催グループだったルルーシュの軍でさえ一敗地に塗れたことで一時的にサチの身の安全は保障されたことになる。
こうなれば勝算がないままメラに突撃する必要もない。そう長い猶予ではないが他の参加者と接触して戦力を増やす時間が取れた。
「だからこそ今、皆さんにお伝えしたいことがあります。
ルルーシュを信じては駄目です!奴は今でこそ穏健派に舵を切ったフリをしていますが、敵を殺すためなら平然と味方を背中から撃ち殺すような男です!」
ルルーシュを信じては駄目です!奴は今でこそ穏健派に舵を切ったフリをしていますが、敵を殺すためなら平然と味方を背中から撃ち殺すような男です!」
そこで意を決してトランクスが前に出た。
今このタイミングこそ自分たちが掴んだ事実を伝えるべき時だ。
今このタイミングこそ自分たちが掴んだ事実を伝えるべき時だ。
「それは…先ほどホシノさんが言っていたことと関係があるのですね?」
「実は俺たち、ここに来るまでの道中で2代目ゼロの放送はアプリで見れたんだけどその前にあったらしいルルーシュの放送は見れてないんだ。
できればそっちも併せて何があったのか教えてほしい」
できればそっちも併せて何があったのか教えてほしい」
「わかりました。それでは―――」
| 188:身を焦がす 紅れゆく想いよ | 投下順 | 189:集う(後編) |
| 185:遊戯-第Ⅲ形態:朝比奈まふゆ:リスタート/桐ヶ谷和人:リスタート | 時系列順 | |
| 170:憤怒のT/せめて悲しみとともに | 小鳥遊ホシノ | |
| 激怒戦騎のドゴルド | ||
| 柊真昼 | ||
| トランクス | ||
| 175:ふつうの神の声、或いはここが死地である証明 | 藤丸立香 | |
| マシュ・キリエライト | ||
| 鳩野ちひろ | ||
| ニコル・アマルフィ | ||
| 纏流子 | ||
| ピルツ・デュナン | ||
| 繰田孔富 | ||
| 柊シノア | ||
| アストルフォ | ||
| 浮世英寿 | ||
| 164:雄英事変:ピリオド | やみのせんし |