30代目スレ 2009/10/19(月)
【居酒屋】
ユウカ「オーダー、カルアミルクお願い」
咲美「そういえばユウカさん、彼氏さんとは上手くいってるの?」
ユウカ「誰のこと?」
レタス「上手くいっていないようですわね」
フィオル「確かに、あまり会えないことについては済まないと思っているんだ」
ユウカ「ハァッ!?」
咲美「あら、いつの間に」
レタス「なんだ、連絡を取っていましたの」
ユウカ「エ、ヤ・・・・・・」
ランディ「おーっ、お前がフィオルかあ。
なんか、最初なぜかグレーデンをランドールと間違えたんだって?
まあこっち来て、一杯やれよ」
フィオル「マサキ・アンドー氏のハンドルネームはともかく」
ランディ「ともかくじゃねえよ! いいから一発いってやってくれよ!」
フィオル「ユウカ、ちょっと、外に出ないか」
ユウカ「ン、構わないけど」
克夜「うへぇ、お持ち帰りとは恐れ入った!」
レタス「ふ、不埒なっ!」
咲美「べつにいいんじゃないの、もう子供じゃないんだし」
【外】
ユウカ「あんた、何年もアクセス寄こさないと思ったら、突然なによ!」
フィオル「済まないユウカ。でも、もう限界なんだ」
ユウカ「わかったわよ。取りあえず、どこでもいいからテイクアウトして」
フィオル「いや、そういう限界じゃない」
ユウカ「あたしの方が限界なのよ!
こっちはもういい歳なのよ。どんだけ溜め込めさせるつもりよ」
フィオル「返す返すも済まない、まず話を聞いてくれ」
フィオル「ユウカ、今日の飲み会、君は何回目だ」
ユウカ「申し訳ないけど初めてよ。生憎フレンドをクリエイトする才能には恵まれてなくてね」
フィオル「いいや、これで1万5498回目のはずだ」
ユウカ「ハイ、なにいってんの」
【ユウカのマンション】
フィオル「落ち着いて聞いてくれユウカ。
9月1日から9月1日、スレイチェル・ファッツメッカーは『ToLoveる』が打ち切られたことで落ち込んでいる。
9月2日、
ゼフィア・ゾンボルトが何者かに武装練金なる能力を渡されっぱなしにされる。
9月3日、君は父親にステキスーツを託され逃げ出す。
9月4日、
ゼラド・バランガは何故か機嫌が悪く、
マリ・コバヤシを丸めたホットペッパーで叩く。
9月5日、君たちは何故か24歳になっていて飲み会をやっている」
ユウカ「たしかに、そういうイベントはあったけど」
フィオル「俺たちは、このループに巻き込まれてしまった。
知ってのとおり、俺の身体はエネルギー的に不安定で、
長時間おなじ世界に留まると肉体が変異し、対消滅に酷似した破壊をもたらす。
ヒト1人分の質量の対消滅だ。下手をすれば太陽系が吹っ飛んでしまう。
これまで、なんとかエネルギーを節約してやりくりしてきたけど、もう限界なんだ」
ユウカ「ヘイ」
フィオル「なんだい」
ユウカ「取りあえず1万5498回目は信じるとして、あたしたちは何回シたの?」
フィオル「シたっていうのは」
ユウカ「決まってるでしょ。あたし、もう24歳なのよ」
フィオル「君が24歳になっているのは1時的なものだ。
明日、いや9月1日に戻れば、また高校生になっている」
ユウカ「そういうこといってるんじゃないでしょう」
フィオル「済まないユウカ。1万5498回の間、俺が君と会うのはこれが初めてなんだ」
ユウカ「そ、あんたにとって、あたしはその程度のイグジステンズだったってことね」
フィオル「違うんだ、ユウカ。俺だって、どんなに会いたかったか。
この閉塞した時間に永遠に留まれば、ひょっとしたら幸せなのかもしれないとすら考えた。
でも、ダメなんだ。
君と会うと、どうしても俺のエネルギーが高まってしまうから」
ユウカ「バーカ」
フィオル「機嫌が直ったね」
ユウカ「イジワル」
フィオル「1万5498回、俺も手を尽くしてきたけれど、時間の閉塞からは逃れられなかった。
もうエネルギーも限界だ。
これ以上ループが続けば、俺の身体が崩壊して大破壊をもたらす。
俺はこれ以上動くことができない。
だから、君にこのループを解いてほしいんだ」
ユウカ「どうやったら解けるの?」
フィオル「わからない」
ユウカ「誰が原因なの?」
フィオル「それもわからない」
ユウカ「あんたのパワーでどうにかなんないの?」
フィオル「意図的な時間跳躍には大量のエネルギーが必要なんだ。
フルパワー状態ならともかく、消耗した俺にはなにも出来ない。
まして、原因不明の時間閉塞の中では、ほぼ無力だ」
ユウカ「こういうときこそ、タイムダイバーとかいう連中の出番なんじゃないの」
フィオル「1万5498回の間、タイムダイバーの存在は一度も確認できなかった。
原因はわからないが、この時間閉塞に干渉できないらしい」
ユウカ「あたしにどうしろっていうの」
フィオル「原因を突き止め、このループを解いて欲しい」
ユウカ「そんなことして、あたしになんかメリットがあんの?」
フィオル「特にないかもしれない。でも、俺は助かる。
俺は、こんな歪な世界じゃない。完全な状態で君と幸せになりたいんだ」
ユウカ「バーカ」
【9月1日】
スレイチェル「スレイチェルは、ダメだ。
ジャンプを複数買いして、『ToLoveる』のアンケートハガキを出すなんて、そんな資格はないのだ」
ユウカ「ほんとに高校生にリバースしてるし」
スレイチェル「スレイチェルには、『ToLoveる』しかないと思っていた」
ユウカ「スレイチェルさんは、そんなに『ToLoveる』のフィナーレが残念なの?」
スレイチェル「少年マンガ誌のエッチマンガは、この世でもっとも汚れのないエロなのだ。
AVやエロ本などは、比較対象にすらならない。
生殖本能とは別の、なにかこう、頬を赤らめるような琴線に触れるものなのだ。
それを、それをっ! ジャンプ編集部と『あねどきっ』は情け容赦もなくっ!」
ユウカ「『バクマン。』がたまにチョイエロかったりするから、それでオーライなんじゃないの?」
スレイチェル「え、あ・・・・・・、うん」
【
ジェグナンの喫茶店】
ユウカ「なんか変わった?」
フィオル「時流子はいまだ停滞中だ。
ユウカ、君はなんというか、ひとと会話を続けるのが不得手な子だね」
ユウカ「いまさらそんなこと、いわれなくたってアンダスタンしてるし」
フィオル「いいかいユウカ、喋っている人間というのは、案外解答なんて求めていないんだ。
ただただ、ダラダラと喋っていたいだけなんだ。
君のようにあっさり結論を出されると、言葉に詰まってしまうものなんだよ」
ユウカ「やめてよ。そんな妙なセミナーみたいな説教、ヒアしたくない」
フィオル「俺は、行く世界行く世界で、わりと世界の敵みたいな扱いされることが多いからね。
よけいなトラブルに巻き込まれないように、こういうことが身に付いたんだ」
ユウカ「ハードな設定背負って、下世話なスキル身に付けてたのね」
ユウキ「ユウカ、ボーイフレンドを連れ込むのならお父さんに話を通してからにしなさい」
【9月2日】
ゼフィア「少女はそう言って姿を消した。多少混乱はしていたが修行を再開した。
そしてある日肉体が見ての通り劇的に変化したのだ」
ユウカ(エート、エート、ひとと会話するときに具体的な単語はいらない。
『へー』、『なるほど』、『ウン』、『それで』とか、
適当にバリエーション付けた相づちを打って)
ゼフィア「しかしあの少女は、俺にこの力を託してなにをさせようというのか」
ユウカ「アー」
ゼフィア「ひょっとしたらこの力は、使うべきではないのかもしれない」
ユウカ「なるほど」
ゼフィア「使わずにいられるのなら、それが一番なのかもしれない」
ユウカ「ウン」
ゼフィア「しかし、それでもなお、彼女が俺にこれを託したのは、
なんらかの意味があったのではないだろうか」
ユウカ(なんか、だんだんイラついてきた)
ユウカ「それでゼフィアさんは、どうしたいの?」
ゼフィア「ム・・・・・・、そう聞かれると、特には」
【ジェグナンの喫茶店】
フィオル「ユウカ、ひとが話しているときに、うかつに質問なんかしちゃいけない。
人間、話している時点では、解答なんて特に持っていないし、案外求めてもいないんだ。
質問なんてしても返ってくるケースは少ない。
キーワードを拾って適度に話題を受け流しているうちに、
本人の中で解決してしまうことがほとんどだから」
ユウカ「だってあのエルダーヅラ、いいガタイしてグダグダグダグダ、中身のないことばっかり」
フィオル「割り切るんだユウカ。
人間の喋ることに、内容なんてないんだ」
ユウカ「あんたはひょっとして人間見下してるんじゃないの?」
ユウキ「ユウカ、ボーイフレンドとばかり話をするんじゃない。
お父さんが寂しいじゃないか」
ユウカ「ダディ、うるさい」
【9月3日】
ユウキ「ジェグ! ナン! もっと愛を込めて!」
ユウカ「ダディが頭おかしくなった」
フィオル「いや、1万5498回の繰り返しのうち、
ユウキ・ジェグナン氏があのおかしな格好をしたケースは過去に5398回あった。
これは、時間の閉塞とは別件に、ジェグナン氏個人の素養だろう」
ユウカ「オーライ、あっさり結論を突き付けられるのは不愉快なもんね」
ユウキ「さあユウカ!
お前がこの、グランパから受け継いだ、蝶サイコーなスーツを着れば千客万来間違いなし!」
ユウカ「うちのグランパは何者だったのよ」
フィオル「・・・・・・っ!」
ユウカ「なに、その顔」
フィオル「い、いやっ! やっぱりダメだユウカ!
俺は、そんな肌も露わな格好をした君を、ほかの誰の目にも晒したくない!」
ユウカ「ンもぅ、バカ」
フィオル「バカかもしれない」
ユウカ「あんたにだけ見せるっていうなら、あたし」
フィオル「君だって、バカだ」
ユウキ「ユウカ、お父さんはお前達をイチャイチャさせるために
このステキスーツを用意したんじゃない」
【9月4日】
マリ「何故かゼラドに叩かれた……丸めたホットペッパーでぽかっと」
ユウカ「金曜なのに機嫌悪いの」
ゼラド「そんなんじゃないけど」
ユウカ「なにかあったの?」
ゼラド「なにもないけど」
ユウカ「ほんとにそう?」
ゼラド「う~んと」
ユウカ「いいたいことがあるなら、いったらいいんじゃないの。
あたしはこのとおりフレンドが少ないし、誰かに漏らす心配もないし」
ゼラド「そういうふうにいうのはよくないよ」
ユウカ「ソーリィ」
ゼラド「ただね、ハザリアくんとマリちゃんは、いつも一緒だなって」
ユウカ「あんただって、いつも誰かとつるんでるじゃない」
ゼラド「そうなんだけど、うん・・・・・・」
ユウカ「顔色がバッドね。気分でも悪いの」
ゼラド「うん、ちょっと、頭が痛いみたい」
ユウカ「保健室で横になってたら」
ゼラド「ただね、わたしのまわりにはいつも誰かしらいるけど、
必要なときに必要なひとがいないみたいな」
ユウカ「ウン?」
【廊下】
ユウカ(やっぱり、要領を得ないトークって苦手。
そこいくとあのクレイジーなアマチュア脚本家は、意見がぽんぽん出るあたり相性いいのかもね。
フィオルとは比較になんないけど)
ユウカ(バランガばっかりにかまけてるわけにもいかない。
9月4日は、もうひとつイベントがあるはず)
【赤月家】
ランル「はやくジオングにリックドムの脚を着ける作業に戻るちゃ」
ミズル「中等部一同、サッキーさんが関ヶ原ウォーズで勝利することを願ってるよ!」
咲美「わたし、中等部になんの期待をかけられてるの!」
ぴんぽ~ん
ユウカ「ハロー、秋・・・・・・、赤・・・・・・、サッキー」
咲美「そこの表札に『赤月』って書いてあるでしょう!?」
ユウカ「なにか問題抱えてる?」
咲美「どうしたの突然? 特になにもないけど。
兄さんが行方不明なのはちょっと気にかかるけど、
どうせどこかでバカやってるんだろうし」
ランル「サッキーさんはジオングにリックドムの脚ば着けよるか
トロピカルドムの脚ば着けよるか、大いにお悩み中ちゃ!」
咲美「強いて挙げるなら、中学生から分不相応な期待をかけられてることかしら」
ユウカ「そう、アッグガイのヒートロッド付けるのもいいんじゃない?」
ミズル「降臨だ! 天才降臨だ!」
ランル「ものすごくラスボス臭かジオングの誕生ちゃ!」
咲美「べつにジオングは脚なしで完成ってことでいいじゃない!」
ユウカ「ここは関係なさそうね」
【ジェグナンの喫茶店】
クリハ「そりゃあ、ゲッター2とゲッター3の合体パターンを無理矢理でっち上げたゴー・ナガイの天才は凄まじいけど、
あのサッカーボールなんだか人面なんだかわかんないゲッター1のデザインを
手がけたケン・イシカワの天才も見くびることはできないわ。
そして奪還者と書いてゲッターと読ませるのはなかなかナイスな発想だったと思うの」
フィオル「でもあれは、帯に偽りがあるんじゃないだろうか。
べつに卑しくないし、あのゲッター」
クリハ「バカね。だから偽書っていうんじゃない」
フィオル「しかし、胸に虚無を抱く少女よ」
クリハ「なにいってるの誰が胸になにを抱いてるって言うのふくよかでしょうねえふくよかでしょう?」
フィオル「い、いや」
ユウカ「なにしてるのねえなにしてるの」
ぎりぎりぎりぎりぎりぎり!
フィオル「ユ、ユウカ! 痛い、痛いって!」
ユウカ「あたしが慣れないトークに頑張ってる最中に浮気なんて、イイ根性じゃない」
フィオル「違う! 誤解だ!」
ユウカ「1万5498回もループしてりゃ、そりゃ魔が差すこともあるでしょうね」
フィオル「1万5498回のループの間、彼女から接触を受けたのはこれが初めてだ!」
ユウカ「接触? コンタクト? なにとなにをコンタクトさせたの?」
フィオル「話を聞いてくれ!」
クリハ「アークくんね、あれ、10月13日に戻ってくるわよ」
ユウカ「ハ?」
フィオル「本人がいうには、彼女は10月19日時点の俺と接触してここにいるらしい」
ユウカ「10月?」
クリハ「まさか9月1日から5日までの間がこんなことになってるとは思わなかったけど」
フィオル「そもそも俺がこの場にいるのも、
10月19日時点からここに跳躍する過程で時流子の閉塞に巻き込まれたかららしい」
ユウカ「ややっこしいのね。スタートはいったいどこなの?
10月19日になにが起こったの?」
クリハ「起こるべき事が起こっていないのよ」
フィオル「行ってくれユウカ。未来をその手でつかむんだ」
ユウカ「戻ってきたとき、あんたはここにいないんでしょうね」
フィオル「また会えるさ」
ユウカ「やっぱりイジワルよ、あんたは」
【学校】
ゼラド「う~ん、保健室で寝てたら遅くなっちゃったなあ。
なんだろ。頭がハッキリしない。
なんか忘れてるような気がするんだよねえ」
ユウカ「ハーイ」
ゼラド「ユウカさん?」
ユウカ「あんたさ、明日、誕生日なんじゃない?」
ゼラド「あ」
ユウカ「
ハッピーバースディ、ゼラド・バランガ」
ゼラド「ふふっ、一日早いよ」
ユウカ(パーティか。ロンドンでやってたのとおんなじじゃあ、やっぱりダメよね。
あたしもチェンジしてかないと)
最終更新:2009年12月17日 02:53