【Fate】SS速報・鯖鱒wiki

ナハツェーラー

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No.6032 ナハツェーラー
前のサーヴァント:甘寧興覇
次のサーヴァント:セバスティアーナ

データ


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  ≪クラス≫:アサシン
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  【真名】:ナハツェーラー            【属性】:混沌・悪
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  【筋力】:E(10)   【耐久】:B(40)   【敏捷】:E(10)   【魔力】:A(50)   【幸運】:E(10)    【宝具】:A
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          /    _-=ニニニニr─‐r‐‐ァ  ̄ ̄ r'⌒≧s。 __ ,.ィi〔ニニニニニ}
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            | :     i   {/ } 八  ハ /ィチ笊芋}   }  }  Vニ(^⌒)ニニニ>
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             Ⅳl     ト、 Ⅳ乂ツ   ヽ   .: : : :ノィ     ,  〈 }/    ̄
            从   | \ハ: : : :    '       /) ′/    } ',
                }\ 八 圦⌒   ____ ,     //  '  /
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 代理AA:フランドール・スカーレット(東方project/紅魔郷)
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 【クラススキル】
 ◆気配遮断:A+
   サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適している。
   完全に気配を断てば発見する事は不可能に近い。
   ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

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 【固有スキル】
 ◆無辜の怪物:A
   ギーラッハ、ギーアハルス、トーテンキュンサーその他多数。
   生前の行いから生まれたイメージによって、過去や在り方をねじ曲げられた怪物の名。
   能力・姿が変貌してしまう。
   ちなみに、この装備(スキル)は外せない。

 ◆精神汚染:A
   精神が錯乱している為、他の精神干渉系魔術を高確率でシャットアウトする。
   ただし同ランクの精神汚染がない人物とは意思疎通が成立しない。

 ◆単独行動:B
   マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
   ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。
   『黒死斑の吸血鬼』により、現世とのパスと魔力源を確保できる。

 ◆早過ぎた埋葬:A
   死亡したと誤認され、生きながら墓に埋められたことから。
   死亡しても一度だけ、任意のタイミングでリレイズできる。
   死亡した時点で一旦マスターとのパスは断たれ、アサシンは消滅したと偽装される。
   但し火葬された場合、このスキルは発動できない。

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 【宝具】
 ◆『黒死斑の吸血鬼(シュヴァルツァー・トート・ナハツェーラー)』
  ランク:A 種別:対国宝具 レンジ:0~99 最大捕捉:1000人
   生きとし生ける者に感染し精気を奪い、安息なき死を齎す黒死病。
   ヨーロッパを中心に八千万の命を奪った最悪の病に、その犠牲者の無念が上乗せされた呪い。
   黒死病を媒介に吸血鬼の能力が行使され、夜毎に人々は血を吸われ死に至る。
   神の教えでも防ぐことはできず、純正の人間は皆平等に命を奪われる。
   黒死病の犠牲者は死後安息を迎えることなく吸血鬼と化し、
   黒死病を更に伝染させる加害者としての役割を課される。

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 【Weapon】
 ◆『死の接吻(トーテンキュッサー)』
  “黒死病の感染者”という共通点を通じて、相手を死の衰弱に追いやる類感魔術。
  アサシンの肉体がダメージを受けた際、同量のダメージを感染者にも与えることができる。
  但しアサシンが即死した場合は発動することができない。
  また、これは魔術であるため対魔力でダメージを軽減できる。

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  【解説】
   ヨーロッパ北部に伝わる、数多の強力な呪殺術を操る屍鬼の一種で、死後人間が変じるタイプの魔物。
   別名を「復讐鬼」(ギーアラッハ)とか「首狩り鬼」(ギーアハルス)とか、
   「死の接吻鬼」(トーテンキュンサー)とか「舐め死人」(ドーデレガー)とかも呼ばれている。
   ナハツェーラーは死後蘇生した死体だが、生き返っても食べるものがないのでまずは自分の衣服を、次いで自分の肉体を食べ始める。
   自分の肉体を食べる行為は親族の肉体を食べる行為であるとして類感作用を及ぼし、親族は重病を患い衰弱していく。
   他にも、彼女が鳴らした教会の鐘の音を聞いた者を死に至らしめたり、影に触れた者を呪い殺したりするなどの力を持つ。
   また、ナハツェーラーは豚の姿を借りて生前の家へと戻り、衰弱した親族の血を吸うともされている事から、吸血鬼の前身とされる。
   ナハツェーラーは吸血鬼と同様に、黒死病と関連が有るとされる。

   黒死病が流行すると、必ずナハツェーラーの嫌疑を掛けられた男(もしくは女)の墓が暴かれて火葬に付された。
   大抵は一番先に黒死病にやられた者が呪うべきナハツェーラーと考えられたようである。
   ナハツェーラーは、どういうわけか、概して男より女に多かったようである。
   ナハツェーラーは典型的な「早すぎた埋葬」、
   つまり生きているにも関わらず死んでしまったと勘違いされて土葬された例が伝承の元になっている。

   ……ナハツェーラーの人格の核である少女は本来、単なる黒死病の犠牲者の一人である。
   「黒死病によって死亡し、黒死病の感染源となる役割を背負わされた八千万人の霊」を
   アサシンのサーヴァント、ナハツェーラーの枠に押し込める際に代表に選ばれただけの少女である。
   生前の彼女は魔術と何の関わりも無く、また吸血鬼と化して誰かを襲ったというようなことは無い。
   ナハツェーラーとして呼び出されたが故に、精神が反転し怪物に成りかけている。

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 【来歴】
   人格形成の核となる少女は、14世紀のドイツ生まれ。
   辺境の田舎に領地を持つ下級貴族の次女として生を受ける。
   二歳違いのお姉さまが居て、よく覚えていないけれど、きっと楽しく過ごしていたと思う。

   当時のヨーロッパでは、浴場が売春施設として盛況だったために、キリスト教は入浴に反対の立場を取っていた。
   また水や湯を浴びると病気になる、共同浴場は梅毒やペストなどの伝染病の温床である、などという迷信が広まっていた。
   そんな調子だから、黒死病が私に襲い掛かるのも仕方のないことで。
   不幸なのは、私がその領地で最初の死者だったこと。

   体が黒く染まっていく、熱い、気持ち悪い。
   苦しみぬいた末、私は昏睡状態に陥る。
   私は死んだと見誤られて、生きたまま埋葬される。

   地に埋まった無明の墓の中で、私は目を覚ます。
   棺を叩き、持ち上げようと、力いっぱい押した。びくともしない。
   出して、此処から出して、と声が枯れるまで叫び続けた。声は届かない。
   黒死病は治ってなどいない、さらに激しく私を責め苛む。
   それでもまだ生きていたいと、朦朧とした意識で屍衣を食い千切って命を繋ぐ。

   ざっく、ざっくと、土を掘り返す音が聞こえた。
   枯れた喉で助けを求めた。こひゅう、と息が漏れただけ。思いは届かない。
   私のすぐ隣に墓穴が掘られ、そして新たな死者が埋められた。

   もう服に食べられる場所は残っていない、気がする。
   棺を押したり殴ったりしてたせいで、もう腕は血塗れ。
   暗くて何も見えないけど、そんな気がした。
   このまま無為に命を繋いで、意味が有るのかは分からないけれど。
   でも、死ぬのは怖い。死にたくない。
   だから私は、自分を食べることにした。
   毒のような生を、長らえる選択をしてしまった。

   ざっく、ざっくと、土を掘り返す音が聞こえた。
   喉は萎びて声なんて出ない。血塗れの腕も最早動かせない。
   朦朧とした意識で、私はその音を聞いて。

   そして、求めていた目を焼くほどの光を受けた。
   それは夢のようで、私はついに救われるのだと思い。
   その認識は間違いだと思い知らされた。

   棺の上から私を覗き込んでいたのは、私のお姉さま。
   黒死病に苛まれて、今にも倒れそうだったのに。
   憎々しげな眼で私を睨んでいた。

   人々が棺の周りに薪を置いていく。
   何で、どうして、分からない。
   化け物め、地獄へ落ちろ。
   どうして、どうして。私は化け物なんかじゃない。
   領主様も死んだ、村人たちも死んだ、お前のせいでたくさんの人が死んだ。
   声は出ない。体は動かない。
   死ね、ナハツェーラー。
   違う、私はただ生きていたかっただけで――ああ、そっか。
   ナハツェーラー。リビングデッド。
   私はもうそうなっていたのか。
   お姉さまが薪に火をつける。
   墓穴に埋められた時、きちんと死んでいれば、こんなに苦しまなくて済んだのに。
   お父様まで死なずに済んだのに。
   お姉さまのそんな顔は、見なくて済んだのに。
   だから、どうか私を殺して下さい。
   これ以上酷いことを、私にさせないで下さい。
   私を楽にして下さい。
   ……遅かったけど、ありがとう、お姉さま。

   ……少女が火葬されてひと月も経たないうちに、少女の領土は壊滅した。
   領主の血縁者は皆絶命し、僅かに生き残った人々は村を離れ移住した。

 【性格】
   未来を悲観し、死こそが救いと信じる少女。元は辺境住まいのお嬢様。
   一人称は私、二人称は貴方。
   精神汚染によって、記憶や論理に混乱が生じている。

   手の込んだ自殺が願いだが、ただ死ぬだけでは安息が訪れないと感じているので、
   聖杯を手に入れるために形振り構わない貪欲さを見せる。

   安息が訪れない理由――何の罪も無い被害者なのに怪物として扱われ、
   聖杯戦争によって怪物として蘇らされたから――には、精神汚染の問題で思い至らない。
   故に何処から湧いたのか分からない「自分は救われていない」という自覚だけを抱えて、
   安息の死を求め、本物の怪物に成り果てて突っ走る。

   犠牲者たちが求めた、主の元に召される安息の「死」と、
   加害者たる『黒死斑の吸血鬼』がもたらす、彷徨える死体と成り果てる「死」を混同している。
   黒死病に対する恐怖や忌避感を忘れており、命を弄ぶ能力を躊躇なく使う。
   自分が「死が安息なら自害すればいいじゃん」と言われると
   「上手く説明できないけどダメ、それじゃ私が救われない」と言って拒否するくせに、
   他人には「死ね、楽になれ」として殺してあげようとする。

   自覚してはいないが、今を生きる人々に黒死病の苦しみを味わわせたくないという良心が僅かに残っており、
   『黒死斑の吸血鬼』などの対象からマスターや一般人を無意識に外している。
   但し現在の人格に黒死病や殺人に対する忌避感は無いので、何かきっかけが有れば一般人も対象に入れ始める。

   仮に精神汚染が解けても、未来を悲観する思想に変わりはない。
   生きていれば幸せになれるなんて妄言は信じられない。生き足掻いた先には絶望しか存在しないと知っている。
   苦しみながら生き足掻く存在を見かければ、諦めて死ねと諭そうとする。

   生きたまま土の下に閉じ込められたトラウマから閉所恐怖症。
   完全な暗闇も苦手だが、吸血鬼になったことで夜目が効くようになったので問題なし。

 【行動方針】
   「アサシンが一回でもダメージを与えること」が宝具発動のトリガーになるという戦術的な理由と、
   化物だから真っ当な英雄とは性格が合わないだろうという心情的な理由の両面から、戦闘や奇襲、暗殺に積極的。

   聖杯を得るためであれば手段は考慮しない。
   マスターに従順に振る舞うが、勝ちの目が薄ければ裏切りも視野に入れる。
   但し当初は無意識の内に、今を生きる人を巻き込まないようにしているため、
   なりふり構わず一般人も殺すようになるにはきっかけが必要。

 【聖杯への願い】
   黒死病に苦しみ、死んでも死にきれなかった私たちに完全なる死の救済を。

  ※黒死病の犠牲者が人を害するもの(今のナハツェーラーのようなもの)にならず、安息を迎えられるように、というもの。
   精神汚染により、※部分には思い至らず、現状の矛盾に気付けない。

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 【代理AA】
 【AAもしくは容姿】
 ◆フランドール・スカーレット(東方project/紅魔郷)

 【代理AAを選んだ理由】
   地下に幽閉された吸血鬼。

 【備考】
   ドイツでのペスト死亡者数は、人口の約10%であると推定される。
   全体的に、ドイツの人口への影響は、イタリア、フランスよりもかなり低かった。
   ナハツェーラーの少女がドイツ人なのは、ナハツェーラーの名称がドイツ由来であるため。

 ◆キャラクター造詣の原型
   『問題児が異世界から来るそうですよ?』シリーズのペスト、黒死斑の魔王。
   能力や性格、境遇や願いとか大幅に変えているので問題は無い筈……。
   “安息の死”を求める思想の由来は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハのカンタータ第161番『来たれ、汝甘き死の時よ』。

 ◆気配遮断について
   一切の気配なく黒死病を運ぶ能力。
   誰かが発症するまで、ペストの気配を察知する事は不可能に近い。

 ◆修正について
   ステータスの低下と『死の接吻』のWeapon格下げで弱体化調整を行いました。

 【参考文献】
バッハクライス神戸 -Bach Kreis Kobe BWV 161 Komm, du suse Todesstunde(来たれ、甘き死の時よ)
西欧/ナハツェーラー - 幻想動物の事典
種村季弘『吸血鬼幻想』河出文庫、1983年
竜ノ湖太郎『問題児たちが異世界から来るそうですよ? あら、魔王襲来のお知らせ?』角川スニーカー文庫、2011年

+ 【種村季弘『吸血鬼幻想』より引用】
 【種村季弘『吸血鬼幻想』より引用】
P39-42
   死餓鬼

 吸血鬼の文献を読んでいると、よくNachzehrerという怪物の名にぶつかることがある。「むさぼりくう人」(Zehrer)にnach-(後で、の意味の前綴)を冠した造語で、死んだ後でもお墓の中で物を食べたり噛んだりする死者というほどの意味である。適当な訳語が思い当たらないので、以下かりに「死餓鬼」(ナハツェーラー)と記して話を進めることにしよう。

 死餓鬼はかならずしも血を吸わないし、また生きている人間にじかに危害を加えることもない。純粋な形ではお墓のなかで自分の屍衣や肉体の一部を食いちぎって飢餓を癒すだけなのだから、むしろ無害な存在とさえいえる。一六七九年、ライプツィヒ版のフィリップス・ロールの『死後の咀嚼に関する自然哲学的論考』には、その典型的な報告が記録されている。

 原文はラテン語交じりの難解な文章なので大概だけを抽出してみると、一三四五年、ハルスドルフで発掘された女の屍体に異様な特徴が認められたことが記されている。「墓を暴いてみると、彼女は頭につけていたヴェールを半分ほど食べてしまっており、それが血まみれになって首筋から引きずられていた」。ロールは別の記録もいくつか挙げている。彼の引用によるウィッテンベルク地方の司祭の報告では、司祭の教区でも、死んだある女が死後自分自身の身体をむさぼり食ってしまったそうである。ロールは言う、「したがって、墓をあばくと、しばしばこのような女たちが唇やヴェールや首巻きを食べていた事実が認められたのである」

 死餓鬼はまた、別名を「復讐鬼」(ギーアラッハ)とか「首狩り鬼」(ギーアハルス)とか、「死の接吻鬼」(トーテンキュンサー)とか「舐め死人」(ドーデレガー)とかも呼ばれている。いずれにせよ純正な死餓鬼は他人の血肉に直接危害を加えることは無く、自らの屍衣や肉体の一部を食うだけであるが、始末に負えないのは、こうして墓の中で自分の手足を喰ったり屍衣を噛んだりすることが遠方の特定の人物(たいていは問題の死者の血縁者であるか密接なつながりのある人物)に類感作用を及ぼして、相手に重病を煩わせ、揚句の果てには死の衰弱に追いやることである。そのために一見自慰者にすぎない無害な死餓鬼といえども、見つけ次第、杭打ちや火刑によって根絶してしまわなくてはならないのであった。

 オットー・ツム・シュタイン男爵の『霊界談義』(一七三〇年、ライプツィヒ)にもプノイマトフィリウスならびにアンドレニオなる両人の、死餓鬼を巡る長い対話が出てくるが、ハイエナや野鼠の屍肉漁りの例を持ち出して異象を解明しようとするアンドレニオに対して、教師役のプノイマトフィリウスはいちいち反論し、結局は耳の錯覚にすぎないと結論している。死餓鬼に関する見解としてこのほか有名なのは、マルティン・ベームの説教集の中の言葉(一六〇一年)と一七五六年の『新奇譚集』中の逸話である。ふしぎなことに、この両者とも、申し合せたように、黒死病との関連を示唆している。すなわち、「黒死病流行の時期、黒死病に罹って死んだ人々、とりわけ夫人が、墓の中でまるで豚が物を喰うときのようにガツガツと歯噛みの音を立てるという話を耳にした。しかもこうして歯噛みをたてるたびに黒死病がはげしく募りまさり、同時代の人びとが相次いでばたばたと死んでいった――一五五三年に黒死病が猛威をふるった際にも、やはり墓の中で一人の婦人が歯がみをするという現象が起こった」(マルティン・ベーム師)

 「ミカエリスからアンドレーエにいたるまでほぼ二千人の人間が死んだ。相次ぐ死のうちにゴロス・モッホバールで問題の羊飼いが衣服を着たまま葬られたが、羊飼いはこれを墓の中で喰い、豚のように歯噛みをした。そこで人びとが男の墓をあばくと、衣服は血まみれになって口の中に詰まっていた。かくて羊飼いの首を卒塔婆の先で突き刺し、(切断した)首を教会の庭の前に置くと、それから村では死者がぴたりと出なくなった」

 のちに述べるように(「吸血鬼百科」参照)、吸血鬼の横行と黒死病との間には切っても切れない関係があるが、吸血鬼の前身たる死餓鬼の運命がすでにこの悪しき関係を如実に物語っているのである。黒死病が流行すると、かならず死餓鬼の嫌疑を掛けられた男(もしくは女)の墓が暴かれて火葬に付された。たいていは一番先に黒死病にやられた者が呪うべき死餓鬼と考えられたようである。

 「悪疫のために死んだ最初の犠牲者は、墓のなかに直立して自分の屍衣をむさぼり食う。早目に屍体を掘り出して鋤で首を刎ねてしまわなければ、彼が屍衣を全部食いつくしてしまうまでは悪疫は止まない」

 死餓鬼は、どういうわけか、概して男より女に多かったようである。ヘッセン地方でも墓のなかで物を食う歯がみの音が聞こえた例が採集されているが、この正体不明の音はやはり女の死餓鬼の仕業であった。リンカーの『ドイツ民話並びに民俗』からその時の模様をうかがってみよう。

 「ヘルザという村で一五五八年に、生前食いしん坊だったある女中が墓のなかで(まるで貪欲な人間や豚が物を食うときのように)ガツガツと歯がみをしつづけているのが聞こえた。墓をあばいてみると、彼女は衣服をそこら中食いとってしまっていた。そこで首を切断すると、物を食う音や(類感)死はぴたりと止んだ」

P84
   黒死病の秘密

 流行病(とりわけ黒死病)による類推に関しては、早くからこの点に着目した著述が書かれていたが、十八世紀初頭の東欧・バルカンに相次いで大規模な悪疫が流行して以来、吸血鬼黒死病説は統計的にも証明されたように見える。

 すなわち、一七〇八年にはキオス、一七二五年と一七三二年にはメドヴェキアとベオグラード、一八二五年にはセルビア、一八三二年にはハンガリー、一八五五年にはダンツィヒに、黒死病あるいは類似の悪疫がめざましく発生したが、これらはいずれもそれぞれの地方に吸血鬼が出現した時期とほぼ一致している。いくつかの報告は、事実両者の関係をヴィヴィッドに連想させるのである。

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関連項目


登場歴

【Fate】無人の戦場で聖杯戦争が行われる様です【安価】 第五回「ロナウド&アサシン」
(>>637~)


◆iyJ02X80tgyM
短編 閻魔亭より、君にこの歌が届きますように(>>639~982)

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