【初出】
V巻
【解説】
“髄の楼閣”
ガヴィダが、人間と協力して作り上げた世界最大級の宝具。
空に浮かぶ下半分の偽りの大地と青空、庭園と宮殿からなる移動城砦型の宝具。
ガヴィダによれば、この『天道宮』は日常を暮らす『陽光の宮廷』として設計されたものであるようだ。
宮殿などは完全な
ガヴィダの趣味と芸術の産物で、戦いのことは一切想定されていない。内部は常に常昼で、偽りの太陽の移動や夜はない。
泡のような球体の異界『
秘匿の聖室』の内部に存在しているため、あらゆる探査の
自在法や
気配察知から隠蔽された状態で自在に移動できる。自己
修復機能が備わっており、壊れても自動的に(後から増設した部分を除いて)修復される。
心臓部に据え付けられた宝具『
カイナ』によって、宝具の様々な機能を制御することができる。
数百年前、
フレイムヘイズ『
万条の仕手』
ヴィルヘルミナ・カルメルはガヴィダから『天道宮』と対で作られた移動要塞『
星黎殿』を近付けると何か起こると言われていた。
その何かとは――『天道宮』と『
星黎殿』は本来ひとつの宝具として作られており、一定の距離に近づくと修復が始まってしまう事。両城砦には建造中とも見える崩れた橋があり、これが修復されると互いの行き来を可能とする通路になる。
修復の他、距離が開いていても互いに呼び合う力も発生するので、
ガヴィダの黒い礎石によって封印されていた。
持ち主の
ガヴィダ亡き後は
アラストールの手に渡り、『炎髪灼眼の討ち手』養成所となり、数百年の放浪の間にヴィルヘルミナの手によって近代化改装がなされており、電気や水道などのインフラも完備されていた。
赤ん坊の頃にヴィルヘルミナによって拾われた
シャナも、十数年を『天道宮』で過ごした。
本編開始の数年前、
ウィネや
オルゴンらの襲撃の際、『
非常手段』によって一旦は崩壊。数年もの間、海中に沈んでいた(場所は不明だが、おそらく日本近海)。
『
星黎殿』に拉致された
シャナを奪還するために、XVIII巻でヴィルヘルミナによって数年ぶりに海中から浮上し、中国中南部の戦場近辺に移動した。
XX巻でヴィルヘルミナから『引潮』作戦を託された
マージョリーたちによって撤退準備が進められていたが、戦況の変転によって[
仮装舞踏会]捜索網からの脱出は不可能と判断した
ゾフィーたちの提案で地中に埋伏され、
フランソワたちが逃げ込んだ。
その後、[仮装舞踏会]が戦場から去ってから武漢に移動するが、そこで『
傀輪会』の足止めを受けた。
武漢で何らかの事件が起こって以後に
レベッカにより強奪され、新世界『
無何有鏡』に渡ることを望んだ
フレイムヘイズ1,225名を世界中から乗り込ませて、新世界へ旅立った。
新世界へ渡り来た後、『天道宮』はヴィルヘルミナが『
両界の嗣子』
ユストゥスの養育の場として使用しており、
シャナとレベッカ以外の出入りは控えられている。
最終更新:2025年02月15日 06:40