【初出】
X巻
【解説】
[
とむらいの鐘]の『
九垓天秤』大斥候として情報戦の主力を担っていた“凶界卵”
ジャリの使用していた自在法。
無数の蝿を生み出して自在に操り、蝿を介することで常識外れの広範囲の状況を見聞きすることが可能だった。
蝿の数は遠くから見れば雲と見間違うような膨大な量で、範囲を常より縮小して展開したにもかかわらず中世の『
大戦』最終決戦の舞台となった平原の上空一帯をほぼ完全に覆い尽くすほどだった。
蝿が知覚した情報はジャリ自身に伝わる他、一部の蝿の群を使って空中に立体図を描写して、他の仲間にリアルタイムで情報を伝えることも可能だった。
蝿の一匹一匹が微細な攻撃力を持ち、結集することで大きな攻撃力を生み出すことができた。集まれば石で出来た塔をも倒壊させ得た。
ただし、本来は攻撃用の自在法ではなく、一匹一匹の攻撃力が微小なことに変わりはないので、一定以上の防御力を持つ者には全くダメージを与えられなかった。
[とむらいの鐘]の戦場の上空は
メリヒムの“
燐子”『
空軍』の領分だったが、それが鳥籠型
宝具『
小夜啼鳥』争奪戦で
マティルダによって壊滅させられたため、
ブロッケン要塞最終決戦では、これを戦場の上空に密集させて空中結界とすることで、敵飛行戦力への応急手当的な牽制と情報収集を同時に行っていた。
制空権の確保は本分ではないとはいえ、十分な防御力を持たない
フレイムヘイズに対しては十分に有効で、空中を飛行しようとしたフレイムヘイズの多くを阻み、また倒していた。
【由来・元ネタ】
「五月蝿る」とは「五月蝿なす」の語形変化で、数が多い様やうるさい様を表す比喩的用語。
「自在法で生み出される膨大な数の蝿やその羽音を含んだ風」のような意味だと思われる。
最終更新:2024年12月05日 17:54