【初出】
XVIII巻
【解説】
“
紅世の王”。
真名は“駝鼓の乱囃”(だこのらんそう)。
炎の色は桧皮色。
[
仮装舞踏会]の
禁衛員。“
祭礼の蛇”
坂井悠二たちが『
久遠の陥穽』へ向かった際、要塞守備隊として『
星黎殿』に留まっていた一人。野太い声で、へりくだった丁寧な口調で話す男性。
外見は、中身が空っぽの埴輪のような鎧。複数体に増殖する能力を持っていた。
実は、鎧は遠距離操作で動く傀儡に過ぎず、
自在法『
ビト』で生成した蜂が入り込んでいた。本体は、緩い衣を纏った直立するヒトコブラクダ。
鎧のほか、『ビト』で蜂の大群を作り出し、操ることができた。
『
万条の仕手』
ヴィルヘルミナたちによる
シャナ奪還計画によって『星黎殿』が内側から攻撃された際、
フェコルーの命を受けて侵入経路と他の侵入者を捜索していた。
上記の
フェコルーの命令で『星黎殿』内部を捜索中、『
贄殿遮那』と異能の力を取り戻したシャナと遭遇。力尽くでこれを押さえにかかるが、ほぼ反射のみであしらわれ、最終的には新たな力に目覚めたシャナに本体の居場所を見抜かれ、シャナの『
断罪』によって討滅された。
【元ネタ・由来】
ソロモンの72柱の悪魔“エジプトの悪霊”ヴアル(Vual)の別名ウアル(Uvall)。序列47番。召喚者の前にヒトコブラクダに乗って、あるいは直立したヒトコブラクダの姿で現れる。
過去・現在・未来の知識をもち、召喚者が望む女性の愛を手に入れてくるとされる。
「駝」はそのままラクダの意味であるが、家畜に物を負わせるという使い方もある。「鼓」は、ここでは振るわす、鳴らすと解釈する。「乱」は調子・秩序が乱れた様子、「囃」は伴奏の音楽自体やそれを奏でること、または評判を広めたりおだてたりする意味も持つ。
真名全体では、「駱駝の背に乗せた鼓で鳴らされる調子外れの音楽」という意味だと思われる。
自在法『ビト』で操る蜂の羽音は、時に音楽の題材とされる。他者を持ち上げる性格も、「囃」の字で表される本質を現したものなのだろうと思われる。
最終更新:2024年11月21日 07:56