【初出】
I巻
トーチ作成のプロセスは以下の通り。
1 人間を“
存在の力”に変換して丸ごと喰らい、その人間が「いなかったこと」になった場合、
世界の歪み及び歪みの発生による衝撃は大きいようだ。
2
フレイムヘイズは、歪みそのもの及び歪みが発生した
気配を察知して“徒”を追跡する。
3 2への対策として、“徒”は“
存在の力”を丸ごと喰らわず、少しだけ残して
自在法で加工し、故人の持っていた「絆」(世界や周囲との関連性)を当面保つための代替物を作る。
4 代替物はゆっくりと「絆」や自己を失いながら消滅して、歪みが発生するスピードを抑えて和らげる(結果の大きさは同じ?)。
5
フレイムヘイズが歪みを即座に感知できないでいる間に、“徒”は別の場所に移動する。
トーチは故人の“
存在の力”から造られるため、記憶や人格は生前のままである。通常は
封絶の中で喰らわれるため、人外の存在と接触した記憶は残らず、本人が既に『喰われた』こと、自分がその『残り滓』であることにも気づかない。
残された力の消耗により、存在感・居場所・役割などを徐々に失ってゆき、誰からも気に留められなくなった頃、ひっそりと消える。トーチになった者を人間に戻すことは不可能である。“
存在の力”を注ぎ込んでも、それは「元気なトーチ」になるに過ぎない。
“徒”だけでなく
フレイムヘイズも、基本的にトーチをあくまで「モノ」として見ているため、しばしば
自在法のエネルギー源として消費する。
トーチは胸に灯火を持ち、その大小で残された“
存在の力”を把握できる。
トーチの身体は“
存在の力”で構築されており、トーチに残された
意思総体や力の強さにもよるであろうが、“徒”や“
燐子”や
フレイムヘイズには、
自在法で組成を弄れば簡単に分解や変形が可能である。
ただし
自在法を用いない限り、その身体は『人間の身体』を“
存在の力”で真似た身体であるため、傷つけば普通に血を流し、腹も減るし代謝もある。
また、“
存在の力”を操れるものなら、その自我を支配することもできるようである(例;“燐子”
ニーナのトーチへの干渉)。
トーチが
顕現させる
炎の色は、基本的に喰らった“徒”の色を薄めた淡い色になる。
胸元の灯火は本人の“
存在の力”と同じ色であるが、そもそも人間の“
存在の力”がどのような色かは描写されていないので不明(
悠二が人が喰われたのを見た際、炎の色に対して特に感想を持たずに素直に「炎」と感じたので、通常の物理的な意味での炎と同じだと考えられる。
アニメ版だと淡い水色に近い)。
トーチは基本的に、“徒”が討ち手の追跡を逃れるための目くらましに過ぎないが、大がかりな秘法『
都喰らい』のためには必須の素材である。この秘法は、トーチを瞬間的に消尽することでそれらに残存していた「絆」を一斉に消滅させて、世界を大規模な矛盾で激しく歪ませ、広範囲の物質全てを高純度の“
存在の力”に変換する。
トーチに特殊な対応を取る“徒”には、“屍拾い”
ラミーがいた。ラミーは、他の“徒”が残した消えかけのトーチのみから“
存在の力”を集めて回るため、世界のバランスを気遣う無害な存在と見なされ、討ち手から討滅の対象にされていなかった。
【由来・元ネタ】
元ネタは、たいまつ等の英訳トーチ(torch)。代替物という意味で倒置とかけてあるのかもしれないと思われる。
最終更新:2024年12月23日 18:12