【初出】
I巻
【解説】
遥か昔、
創造神“
祭礼の蛇”
伏羲によって作られた監視用の宝具。本体は銅鏡型。彼が作った都『
大縛鎖』を見張るために製作されたものだった。
周囲の物体を材料として、一定範囲内の地形や都市を象った巨大な箱庭(全体ではデパートのフロアの数割を占め、再現された大きなビルには人が乗れるほど)を形作り、範囲内の人間や、
トーチや
自在法などの“
存在の力”の流れを、簡略化した人型やそれぞれの持つ色の光でリアルタイムに投影する。直接的な力は持たないためか、大した力を使わなくても使用できた。
簡略化された人型は半透明で、
田中曰く「トイレの記号」、
佐藤曰く「非常口の(記号)」。ただし、座った形や走った形、手を繋いだ形など、手足の動きまで精巧に再現しており、建物内の人型も目を凝らせば見えていた。
表示を“存在の力”の発光へと切替えれば、トーチの位置や、展開中の自在法(=発動中の
自在式)などを把握できるが、
フレイムヘイズや“
徒”は、自在法などが使われない限り“存在の力”も表示されない。
“祭礼の蛇”の放逐後、人の手を渡り歩き、最終的に宝具コレクターである
フリアグネが入手し、
御崎市にて秘法『
都喰らい』実行の進捗を監視するため使用していた。彼自身は、この宝具を「骨董品」と評していた。
フリアグネの討滅後も彼が組み上げた御崎市の模型は残存し、発見した
マージョリー(後にその他の
フレイムヘイズたち)がナビゲーションシステムとして使用。御崎市でのフレイムヘイズと“徒”の戦いで、大きな役割を果たした。
“祭礼の蛇”の仮の帰還後、XVI巻にて元々の持ち主である彼によって奪還された。
XXI巻では『
星黎殿』の神殿である『星辰楼』に配置され、『
真宰社』に変形した後も変わらず、
坂井悠二に同行した
吉田一美はその御崎市の模型の前で『
調律』の
逆転印章発動に協力した。
ちなみに、“祭礼の蛇”坂井悠二に奪還されるまで映らなかった“徒”が表示できるようになっており、どうやら改良されたようだ。その後、
カムシンが
瓦礫の巨人を構成した際に倒壊しかけた『真宰社』を支える芯柱として
シュドナイが巨大化させた『
神鉄如意』が貫いた際に御崎市の模型は割れ砕けたが、『玻璃壇』本体がどうなったのかは明かされなかった。
アニメ版では、箱庭はかなり小さくなっていた。
漫画版では大きさは原作基準だが、簡略化された人型は○と▽を組み合わせた正しくトイレの記号のようで、手足の動きなどは判別できなかった。
【由来・元ネタ】
閻魔王庁にあり、亡者の生前の行いをすべて映し出すという「浄玻璃鏡」が元ネタだと思われる。
この鏡が映し出すものは、亡者の生前の行動のみならず、その者の人生が他者に与えた影響やその者のことを他者がどう思っていたかまでもが対象となる(これは『
運命という名の器』とよく似た概念である)。
「壇」は周囲より一段高く土を盛り上げた祭場を意味する。
合わせて、「全てを見通す鏡が祀られた祭壇」とでも解すべきと思われる。
最終更新:2024年06月24日 02:36