性的マイノリティー

(一般用語、マーベル

概要

異性愛者(ヘテロセクシャル)以外の性的指向あるいは恋愛的指向の者。
用語としては、主な性的指向だけでも16種類くらいあり、またさまざまな観点から主張がなされているが、日本での通例に従い、LGBTと記載する。

コミックス・コードが制定されていた時代には、異性愛(ヘテロセクシャル)以外の性的指向は、「性的逸脱」として基本、許可されなかった。

しかし、コミックス・コードも次第に緩くなり、1970年代ごろから「ステレオタイプなLGBTの表現を禁止する」(いわゆる「オカマ」キャラクターなどの禁止など)とする規制に変わっていき、1990年代にはアンダーグラウンドコミックスでLGBTも描かれるようになる。

だが、マーベルでは1980年代のジム・シューター編集長下で「マーベルユニバースには同性愛者がいない(No Gays in the Marvel Universe)」を公式見解にしていた。

しかし、1992年、メインストリームのヒーローとして、アルファフライトノーススターがゲイを公表(社会的な関心の高まりから、当時死病だったHIVS(AIDS)をテーマとし、当時のAIDS患者に同性愛者が多かったため、同性愛者が扱われるようになった)。
それでも、同性愛者同士の性的接触の直接的な描写は、例え「アダルト・オンリー」のタイトルでも避けられていた。
その後、リクターシャタースターの、メインストリーム初の同性キスシーンや、ノーススターの同性婚が描かれるようになる。

一方、現在でもマーベルは、公式ではないが、LGBTを主人公としたタイトルを避ける傾向があるという噂がある。

性的マイノリティーに対するコミックスでの扱いも、GLAAD賞の「優れたコミックス」部門受賞が、作家などの評価の対象となるなど、LGBTも評価項目の一つになってきた。

近年はLGBT+のキャラクターが増加、2021年、2022年にはプライド月間*1に合わせた特集短編集"Marvel Voice: Pride"を作成している。

とは言え、全てが寛容な方向に向かっているわけではない。
例えば、「アベンジャーズ:ザ・チルドレンズ・クルセイド」がブラジルのリオデジャネイロで検閲対象となり大きな論争を巻き起こした。リオデジャネイロ市長マルセロ・クリベラは街で開催されている第19回国際ブックビエンナーレにて、2人の男性キャラクター(ウィッカンハルクリング)がキスをするシーンが「未成年者向けの性的コンテンツ」を持っているため、若者から保護するために検閲対象となると話したのである。

LGBTキャラクターのリスト

同性愛者(マーベル):同性に魅力を感じる者
バイセクシャル(マーベル):男女どちらにも魅力を感じる者
パンセクシャル(マーベル):相手の性を条件としない者
トランスジェンダー/クロスドレッサー(マーベル):自己の性認識が出生時に割り当てられた性別と異なるもの
ジェンダーフルイド(マーベル):身体の性が一つにとどまらず変異するもの
アセクシャル(マーベル):他者に対して性的な魅力を感じないセクシュアリティのこと

プロナウンス(代名詞)

LGBT+が浸透し、さまざまな性的アイデンティティーがあることが分かると、英語では代名詞が男女を前提としているため、混乱が生じることがある。そこで、自分が呼ばれたい代名詞を先に述べておく必要があるため、自己紹介などで代名詞を言う。
He/Him
She/Her
They/Them(性に縛られたくない場合に、単数としてTheyを使う)
が一般的。


最終更新:2022年08月02日 17:05

*1 毎年6月をプライド月間と呼び、LGBT+の地位向上を考える月とする。LGBT+のパレードも行われる。