Armor Wars『アーマー・ウォーズ』
出版:1987年9月〜1988年3月(全8話)
掲載誌:
Iron Man #225-232
概要
トニー・スタークのラボからアイアンマンの技術が盗まれ、闇市で売られていたことが発覚。
トニーは焦り後悔するが、購入者のリストを入手すると盗まれた技術を消去してまわることを決意する。
登場人物
アイアンマン:鋼鉄の
アーマーをまとうヒーロー。この時期はマークVⅢアーマーを使用。その正体が富豪にして天才エンジニアのトニー・スタークであることは一部の人々しか知らない。
ウォーマシン:アメリカ軍の海兵隊員ジム・
ローズ。アイアンマンのスーツを改造しウォー・マシンとして戦う。トニーの親友にしてその正体を知る数少ない人物の一人。
ストーリー(ネタバレあり)
#225
以前戦った
ヴィラン「
フォース」のアーマーを調査し、そこに使用された技術が自分のアイアンマンスーツに酷似していることに気づいたトニー。自分の技術が流出し、悪事に使われていることを知り、焦りと怒りに苛まれる。それでも調査により闇市に流出した技術を手に入れた人物たちのリストを入手すると、アーマーに仕込まれたトニーの技術を無効化する装置「ネゲイターパック」を開発。それを使って奪われた技術を1人1人消去することを決意する。
■登場キャラクター
スティルトマン:両足を自在に伸縮するアーマーを使う。ビルの7階に侵入して強盗を働こうとしていたところをトニーが阻止する。
モーラー:強力なレーザーキャノンを装備。コロラドのソルジャー・オブ・フォーチュン年間大賞という大会で優勝したところにトニーが現れると、戦うことなくあっさりアーマーを手渡した。
コントローラー:他人の意識を操るディスクを使う。カルフォルニアの日焼けサロンに潜みカルト宗教のような活動をしていたところにトニーが現れ、戦闘の末倒される。
#226
政府の機密物資を輸送する飛行機をレイダースが襲うが、アイアンマンが阻止。彼らもまた盗まれたアイアンマンの技術を使用していた。
アイアンマンが次々とヴィランたちを攻撃する陰では
ジャスティン・ハマーと
エドウィン・コードが対抗策を進める。
そんな中、入手したリストのデータが消えてしまう。トニーは
ウェストコースト・アベンジャーズが持つ「可能性のある者たちのリスト」から1人に目星をつけた。それはイーストコースト・アベンジャーズのメンバーで今は政府のために働くヒーロー、
スティングレイだった。
スティングレイに攻撃をしかけるアイアンマンだったが、ネゲイター・パックは作動せずスティングレイは無実だったと証明されてしまう。
政府のエージェントでもあるスティングレイだけでなく、スティルトマンやコントローラーからも攻撃が過剰だったと法的に訴えられ、アイアンマンに抗議が殺到。立場が悪化していく中、記者会見でトニーはスターク・エンタープライズの広告塔として雇用していたアイアンマンを解雇すると発表した。
■登場キャラクター
レイダース:両手にそれぞれの武器を装備した3人組。
スティングレイ:水中での行動を得意とするヒーロー。
#227
マイアミのオークション会場で
ビートル(
アブナー・ジェンキンス)と戦い、アーマーを無効化したトニー。オフィスに
S.H.I.E.L.D.の
ニック・フューリーが訪れ、アイアンマンを引き渡すように要求する。
トニーはあらかじめアイアンマンの正体として用意していた架空の人物のプロフィールをフューリーにわたし、アイアンマンの逮捕に協力すると申し出る。
これはS.H.E.I.L.D.の戦闘アーマー「マンドロイド」にトニーの技術が使用されているためで、そこから新たに技術が流出する前に消去してしまおうという計画だった。
#228
キャプテン・アメリカの称号を剥奪され「ザ・キャプテン」として行動するスティーブ・ロジャーズのため、新たな盾を作ったトニー。次のターゲットは超人刑務所"ヴォルト"を守る41体の
ガーズマンと決める。ガーズマンもまたアイアンマンの技術を応用した「量産型アイアンマン」と呼べる存在で、その技術の流出の恐れがあるからだ。
ジム・ローズに
エレクトロの扮装をさせ、逮捕させることでヴォルトの潜入に成功。2人で40体までガーズマンアーマーの破壊に成功。最後の1人を追い詰めたとき、立ちはだかったのはトニーの行動の真意を知らないザ・キャプテンだった。生命維持装置が切れ、苦しむ最後のガーズマンを助けようとしたキャプテンを電撃で倒し、目的を達成したアイアンマンだったが、2人の友情に亀裂が入ったことを確信する。
なお、この騒動でヴォルトから
ティターニアと
ハイドが脱走。こちらのストーリーは"
Captain America#229"へと続く。
#229
ウェストコースト・アベンジャーズに呼び出され、これまでの行動の真意を問われたトニーは、アイアンマンの技術が盗まれ、闇市で流出していたことを明かす。
すると
ホークアイはスティングレイなどアメリカ政府のために働くヒーローまで攻撃していることを踏まえ、アベンジャーズを貶めることにつながる行為だとトニーに計画の中断を求めるのだった。
しかしトニーは計画を進め、ステルス機能を持つマークVIIアーマーを改造。単独でシベリアに乗り込む。
一方KGBはアイアンマンがアーマー系超人を襲撃し続けていることを察知しており、
クリムゾン・ダイナモと
チタニウムマンを呼び出すがチタニウムマンは協力を拒否。1人で地下の隠れ家に潜み、アイアンマン撃退の計画を練っていた。
ところがステルス機能のため隠れ家の迎撃装置は機能せず、アイアンマンはあっさり隠れ家に潜入。しかもクリムゾン・ダイナモが迎撃装置のビームを受けて墜落、アイアンマンのネゲイター・パックをつけられ、アーマーの機能を無効化される。
しかしステルスアーマーは武装が削減されているため、チタニウムマンのパワーと攻撃力に圧倒されてしまう。チタニウムマンに空中で羽交い絞めにされ、アーマーごと破壊されそうになったところでアイアンマンは脚部スラスターの出力を最大限に上げ、チタニウムマンは発火。海に墜落して死亡してしまった。
勝手にソ連に侵入し、しかも自分の命を守るためとはいえ相手を殺してしまったトニーに対し、ホークアイはアベンジャーズからの除名を決断するのだった。
#230
「ヒーローが死ぬ日」と銘打たれたこの回は#226からずっと不穏な動きを見せていた
エドウィン・コードがついに
ファイアパワーアーマーを完成させ、ボイントン上院議員への売り込みに成功する。
もはや政府の敵となったアイアンマンはファイアパワーにもまた盗まれた技術が転用されていると知り、攻撃をしかけるが、その火力とパワーに圧倒され敗退。
逃げ込んだ
ローディのヘリコプターも米軍のヘリに包囲されたため、脱出したところをファイアパワーのミサイルに狙い撃ちされてしまう。
後に残ったのは血塗られたアイアンマンのヘルメット部分だけだった。
#231
トニー・スタークは無人のアイアンマンスーツを破壊させることで死を偽装し、重傷を負うも生き延びていた。
一方エドウィン・コードはファイアパワーを政府には手渡さず、スターク・エンタープライズの資材を破壊するなど嫌がらせの数々を繰り返していた。
そんな中、トニーは動けるほどに回復すると新たなアイアンマンスーツ、マークIXを開発。
その力でファイアパワーを圧倒して破壊すると、自宅に戻り、ようやく深い眠りにつくのだった。
#232
エピローグ。
酷い悪夢を見るトニー。そのことから流出した技術で多くの人が犠牲になったことで無意識に罪悪感を背負いこんでいることに気づく。
それでもトニーは罪悪感を受け入れ、前を向いて進んでいくことを決意するのだった。
最終更新:2023年04月20日 02:55