キャプテン・アメリカ(Captain America) / スティーブ・ロジャーズ Steve Rogers
概要
キャプテン・アメリカは
マーベルのヒーローでも最重要人物の一人。
元は第二次世界大戦中の1940年代に活躍したヒーローだったが、1960年代に
アベンジャーズと出会って復活した。
ヒーローたちのカリスマで
アベンジャーズの
リーダー。
能力
スーパーパワーはないがスーパーソルジャー血清の効果により、常人として鍛えうる完璧な肉体を持つ。
優れた戦略家であり、リーダーシップを持った人物。
また高潔な精神が無ければ持ち上げられないソーのハンマーを持ち上げることができた数少ない人類の一人。
非常に硬い稀少金属ビブラニウムの盾を自在に操る。
オリジンと経歴(スティーブ・ロジャーズ)
スティーブン・グラント・ロジャーズは1922年7月4日、アメリカ独立記念日にニューヨーク州マンハッタン東部で生まれた。
両親は貧しいアイルランド移民のサラと
ジョセフ・ロジャーズ。両親はカトリックであり、スティーブに義務や正義について教えたと言われる。若くして両親を亡くす。
アメリカが第二次世界大戦に突入する頃には、病気のため、スティーブはノッポだが痩せこけた男に成長していた。
強い愛国心から軍に志願するが、病気(一説には小児マヒ)のため、体格で不適格となり、入隊を拒否される。しかし、それでも毎日のように徴兵検査を受けに来たため、一種評判の青年になっていた。その熱意が将軍の目に留まり、超人兵士計画の被検体に選ばれ、血清の力で完璧な肉体を得た。
実験は成功したが、直後に血清の開発者アブラハム・アースキン博士がナチスのスパイ、ハインツ・クルーガーに殺され、血清の製造方法は永遠に失われてしまう。計画では超人兵士を大量に産み出し超人の部隊を結成するはずだったが、スティーブ・ロジャーズただ一人となってしまった。
やがて政府は彼を愛国心の象徴とし、星条旗をモチーフにしたコスチュームと盾、そしてキャプテン・アメリカのコードネームを与えた。
1945年3月、終戦の日に、キャプテン・アメリカは相棒の
バッキーと共にバロン・ゼモという男の爆撃機を止めようとする。この戦いで
バッキーは爆発に巻き込まれ、キャプテン・アメリカは北大西洋の氷河に覆われた海に墜落し、二人とも死亡したものと思われていた。
1950年代(実時間)には、当時のアメリカの風潮である共産主義者狩りなどを行った(とされた)。しかし、この時期は別の右翼的な人物がキャプテン・アメリカになっていたことになった。
1964年、
アベンジャーズが結成されてすぐ後に、終戦以来氷漬けになっていたキャプテン・アメリカが発見された。
イヌイットたちが氷漬けのキャプテン・アメリカを神秘的な存在と認識して崇めていたのが
ネイモア・ザ・サブマリナーの怒りに触れ、氷に包まれたまま海に投げ出されたのだ。
そこへ潜水艦で通りかかった
ハンク・ピム、
ワスプ、
アイアンマン、
ソーの4人に救出され、彼が伝説のヒーローということが分かると、メンバーに勧誘された。キャプテン・アメリカはそれを受け入れ、チームの
リーダーとなった。
コスチューム
伝統的なキャプテン・アメリカのコスチュームの特徴は以下の通り。
- アーマーはスケール・メール:小さな金属の板をつなぎあわせてつくる鎧。板金鎧より軽いのが特徴だが、手間がかかるので高い。
- 額の「A」の意味:アメリカの頭文字は無論であるが、「A soldier(一人の兵士)」を表す。これは戦争の時に動員された多数の兵士と自分が同じということで、自分は特別な存在でなくただ兵士を代表しているだけという意味。「A」マークの代わりに、アメリカの国章であるワシを貼り付けられていたことがあったが、その国章を剥がしてそういっている。
その他のキャプテン・アメリカ
その他にも数人がキャプテン・アメリカを名乗っている。
バッキー
長らく死んだと思われていたが、ウィンター・ソルジャーとして復活。
シビル・ウォー集結後にスティーブ・ロジャーズが暗殺されると、コスチュームとキャプテン・アメリカの名を引き継いだ。スティーブとの違いは銃を使用すること。
"
Siege"では復活したスティーブ・ロジャーズと二人のキャプテン・アメリカとして
ノーマン・オズボーンのチームと闘った。
詳細は→
バッキーを参照
サム・ウィルソン(ファルコン)
アルティメットユニバース
実写映画
1944年、リパブリック映画から連続活劇がつくられた。名前が異なる、相棒が女性、銃を武器に使うなどかなり大きく異なっている。
1979年、ユニバーサル・テレビジョン制作のTVムービーとして、「爆走ライダー!超人キャプテン・アメリカ」および「CAPTAIN AMERICA II:DEATH TOO SOON」(日本未公開)がつくられた。当時の
マーベルTV映画の一環。よく「ひどい作品」「思い出したくない過去」扱いされるが、当時の
スタン・リーの評価は、
スパイダーマン(ニコラス・ハモンド主演)より高い。
1992年、「キャプテン・アメリカ 帝国の野望」(全米:1992年7月22日ビデオ発売):キャプテン・アメリカ生誕50年を記念した映画。低予算作品だがはじめて(そしていまだに現れていない)キャプテン・アメリカのコミックスでのコスチュームを正確に使った映画。
【参考】
「キャプテン・アメリカ and サント vs
スパイダーマン」(1973年のトルコ映画、原題"3 dev Adam")
もちろん全部トルコ人が演じているパチモン。
メタ的な意味
第二次世界大戦が始まると、アメリカ社会も戦争のニュースが流れ、社会も戦争の影が差していた。しかしコミックスでは戦争が起こっていない状況だった。
特に、
スーパーマンは、「
スーパーマンが戦争に行ったら、絶対に負けないので、コミックスではすぐに戦争が終わってしまい、現実の説明がつかなくなる」と考えられた。結局
クラーク・ケントが視力検査の時に間違って隣の部屋の視力表を見てしまい、チンプンカンプンなこと(と思われた)を言ったので、徴兵検査に不合格になり、
クラーク・ケントは戦争に行かず、
スーパーマンは国内でスパイと戦ったり、
バットマンと一緒に戦時国債やスタンプを売っていた(後に、「正体不明の
スーパーマン」が軍に協力したコミックスが描かれたり、原爆のテストを映画に撮ったりはした)。
これに対し、「一人の兵士」という立場で、
スーパーマンとは異なり、地べたを泥だらけで這い、泥水をすするヒーローが、キャプテン・アメリカであり、好評を博した。
「キャプテン・アメリカ」の第1号は、キャプテン・アメリカがヒトラーを殴っている図(もちろん敵の大ボスなので実際には殴っていない)だが、これは当時のコミックスでは「禁じ手」だった。
なお、キャプテン・アメリカは最初の「国旗ヒーロー」ではない(MLJコミックス(現在の
アーチーコミックス)のヒーロー、
シールドが最初といわれる)が、代表的な「国旗ヒーロー」とされる。
トリビア
- キャプテン・アメリカ(スティーブ)の紅茶の好みはアールグレイ。(ジャービス談)
最終更新:2024年10月23日 21:42