Daredevil Vol.2
出版:1998年11月〜
概要
"
マーベル・ナイツ”のブランドで発刊された
デアデビルの第二期。
序盤からのダークなストーリー展開と硬質な語り口は
デアデビルの世界観を見事に描いている。原文で読むなら英語の難度はやや高めか。それでもシリアスで時に抽象的、象徴的に描かれるアートは見物。
各号の内容
"Guardian Devil" Part1~8
- #1:カレン・ペイジが彼の元を去り、落ち込むマードック。赤ちゃんを連れた十代の少女が現れ、「この子は救世主であり、デアデビルが守ってくれると夢の中で天使のお告げがあった」と言って赤ちゃんを置いていく。
- #2:赤ん坊をブラックウィドウに預けるマードック。すると今度は謎の老人が現れ、赤ん坊は世界の終わりの先触れであるから引き渡せ、と要求する。どちらを信じてよいのか悩む彼の前にカレンが現れ、エイズに罹っていると告げる。
- #3:フォギー・ネルソンが奇妙な現象に遭遇し、強姦殺人の罪で逮捕されてしまう。一方、マードックのアパートに身を寄せていたカレンの元を謎の老人が訪れ、赤ん坊を亡き者にするようにそそのかす。その頃、デアデビルは罠にかかり真っ白な部屋でバールを名乗る男に拷問を受けていた。脱出した彼に巨大なトラックが迫りくる。
- #4:ブラックウィドウに救出されたデアデビルだったが、疑心暗鬼に陥ってしまい赤ん坊を奪い取るとビルから身を投げてしまう。それでもすんでのところで思いとどまり、心身ともに満身創痍でたどりついたのは修道院の母のもとだった。そこにカレンが現れ、赤ん坊を引き渡すように説得する。それも謎の老人に騙されているせいなのだが、マードックは彼女に心ない言葉を投げかけてしまう。一方、謎の老人はある殺し屋に任務を伝える。その殺し屋とはデアデビルの宿敵ブルズアイだった。
- #5:デアデビルはドクター・ストレンジを訪ね、何が真実なのか見極めようとする。ストレンジはデアデビルが特殊な毒によって精神操作を受けていることを見抜き、浄化。その後、メフィストを召喚し、赤ん坊を取り巻く話が虚偽であろうことを知る。そんな中でブルズアイが母のいる修道院を襲撃。多くの尼僧が虐殺されてしまう。母は何とか生き残ったが、デアデビルはブルズアイに打ちのめされ、カレンは自らを盾にして彼を守り、デアデビルの腕の中で息絶える。
- #6:絶望の中で一度は死すら選びかけたマードックだったが、「何があっても続けてほしい」というカレンの言葉を思い出し、再びコスチュームをまとい戦いに身を投じる。チンピラを締め上げ、謎の老人の隠れ家をつきとめたデアデビル。そしてつきとめた老人の正体はミステリオだった!
- #7:カレンのエイズ宣告も、フォギーの濡れ衣も、赤ん坊をめぐる陰謀も、すべてはデアデビルを陥れるためミステリオが1年以上かけて張り巡らせた偽装計画だった。敗れたミステリオは銃で自殺。デアデビルは赤ん坊を救出して立ち去る。
- #8:一連の事件で失ったものの大きさに打ちひしがれるマット。ヒーローの存在すら罪ではないかと疑念を抱くが、スパイダーマンから助言を受ける。「それでも君は赤ん坊を救ったんだ」と。赤ん坊にカレンと名付けることを提案した後、懺悔のために教会を訪れたデアデビル。またどこかで子供が危険に瀕している声を聞きつけると再び街へと飛び出していくのだった。
"PARTS OF A HOLE" Part1~7
- #9:エコーが初登場。カレンがマットを受取人にして残した巨額の保険金をもとに、フォギーとともにネルソン・アンド・マードック法律事務所を開設したマット。そこへ「キングピンの致命的な秘密を知った」という男レニーが現れ保護を求めるが、安全を約束した瞬間に目の前で狙撃され殺されてしまう。デアデビルとして狙撃犯を打ちのめすとキングピンに宣戦布告。一方、耳が聞こえないが一目見た動きを何でも再現できる天才マヤ・ロペスはキングピンから何かを頼まれる。
- #10:エコーのオリジン。幼い頃父を殺されたマヤ・ロペスは目で見た動きをなんでも真似できる天才児だった。やがてピアニストやダンサー、そしてボクサーとして成功するが、その心にはいつも亡きネイティブメリカンの父への想いがあった。父を殺害したのはキングピンで、その瞬間に父は娘マヤのことを頼むと願い、キングピンはこれを受け入れて経済的な支援を続けていたのだ。父の死の瞬間、手のひらをマヤの顔にあてた感触が今も残響のように残っていたため、マヤは「エコー」と題したダンス劇を上演。キングピンは父を殺したのがデアデビルだと嘘を教え、復讐心を煽るのだった。
- #11:キングピンの導きにより、エコーはその正体がデアデビルだとはしらずにマシュー・マードックに出会い、違いに強く惹かれていく。しかし各種格闘技に加え、ブルズアイとデアデビルの技までもビデオで研究したマヤはデアデビルの命を狙い襲撃。銃を突きつけ追い詰める。
- #12:2人の死闘はヘルズキッチンのさまざまな人々に影響を与えていく。そんな中、巡り巡って地元の不良少年たちがデアデビルに銃をつきつけるエコーを目撃。エコーは子供たちに殺人を見せることはよくないと立ち去る。
- #13:レニー殺しの黒幕としてキングピンが起訴され、検察側には地方検事補のフォギー・ネルソンがついた。しかしキングピンの弁護人についたのは、フォギーの母、ロザリー・シャープだった。フォギーは懸命にキングピンの関与を証明しようとするが肝心の証人、レニーの双子の兄弟ラリーが現れない。デアデビルがラリーを探すが現れず、キングピンは不起訴処分に。タクシーに乗ったキングピンを運転手に変装していたラリーの銃弾が襲う。ラリーからデアデビルが拳銃を取り上げるが、その映像を見たエコーはまたもキングピンをデアデビルが撃ったと思い込み、復讐心を強くする。
- #14:フォギーは裁判で勝ち続け犯罪者たちを次々と有罪に追い込んでゆき、地方検事に昇格の声も挙がるほどだった。一方デアデビルはエコーと再び戦闘になるが、暗闇の廃ビルで戦うことで耳の聞こえないエコーの優位に立ち、撃退に成功する。
- #15:デアデビルvs.エコーとキングピンの生い立ちをカットバックで見せる一編。エコーは騒音の激しい公園にデアデビルを誘い出し、前回とは逆に音に頼って戦うデアデビルを不利に追い込む。しかし音の一瞬の切れ目を狙ってエコーに接近したデアデビルはついに自分がマット・マードックであること、エコーの父が死んだ頃にはまだ幼稚園児で殺人など不可能だったことを伝える。エコーはマットのもとを去り、キングピンに銃弾で復讐。キングピンは一命を取り留めたが両目の視力を失った。
"WAKE UP" Part1~4
- #16:David Mackの水彩画のような美麗アートにより、前話までのキングピンの裁判と同時に起きていたことをベン・ユーリックの視点で描くストーリー。リープ・フロッグが行方不明になり、その息子ティミーは部屋に引きこもり同じ言葉を何度も繰り返すようになってしまった。デアデビルに関係あることを呟いているようなのだが詳細はわからない。ベンはこの少年を記事にしようとするが、編集長のJ・ジョナ・ジェイムソンは却下する。少年にクレヨンを与えると、大量のデアデビルの戦闘を描き、"END OF LINE, MISTER."を繰り返すと最後に"TO BE CONTINUED."と呟くのだった。
- #17:何が少年をこんなに怯えさせてしまったのか?デアデビルが何かをやったのか?少年が描いたクレヨン画をもとに調査を続けるベン・ユーリック。警察官、少年たち、女教師などに聞き込みを続けていると、少年に虐待されたかのようなアザがあることに気づく。
- #18:少年とデアデビルに何があったのか?大量のクレヨン画を少年に並べ替えさせると、意外なストーリーが浮き彫りに。真相を求めるベン・ユーリックのもとに、ついにデアデビルが現れる。
- #19:デアデビルの告白により真実を知るベン・ユーリック。少年はリープ・フロッグの息子だったのだ。デアデビルが盗みを働いているリープ・フロッグを発見し、追跡。追い詰めたところで反撃に遭い、窮地に陥ったのだが…。ベンが知った悲しい真実、そして彼の行動とは。
"PLAYING TO THE CAMERA" Part1~6
- #20〜25:資産家のグリッグスという男が、「デアデビルが強盗を追跡中に自宅の植物園を破壊した」ということで訴訟を起こす。デアデビルには身に覚えがないが、グリッグスが雇った弁護士はネルソン&マードックだった!2人は事態をコントロールするため弁護を引き受けることに。かくして1人で原告と被告の両方になってしまったデアデビル。正体を隠すためにも裁判を避けようと手を尽くすが上手くいかず、マスコミの注目を浴びる中でついに世紀の裁判が開廷する!
最終更新:2025年03月28日 00:52