*
「ああ!?アルノーてめえ、ここまでお膳立てさせておいて何で外すんだよ!?」
マチェーテ持ちの中量級、ここまでの囮を引き受けていたテウルギア『パンター』のコックピットで、そのテウルゴスであるクリフォード・ドーヴァーは声を荒げていた。
《外したんじゃない、避けられたんだ。お前の誘導があからさま過ぎて勘付かれたんじゃないか?》
落ち着いた声で皮肉交じりに応答したのは滑空砲を放った砲撃型テウルギア『ティーガー』のアルノー・ブランク。三人の中では一番の手練れで、状況判断能力も高い。実際のところ彼の狙いは完璧であり、回避行動を取らなければルドラはコックピットを正確に撃ち抜かれていただろう。
「んだとォ!?」
《まあまあ、二人とも。不意打ちに失敗したからってまだ終わったわけじゃないし、相手は手負いでしかも三対一。これで勝てない方がおかしいだろう?》
溜息混じりの呆れた口調で二人に割り込むように口を挟んだのは、電子戦型テウルギア『レオパルト』のエミール・フェドー。ヴェーダへの通信を遮断するついでにターゲットであるルドラの位置を観測し、クリフォードによる誘導をナビゲートするなどの支援を行っていた、影の功労者である。また、気の早いクリフォードと冷静なアルノーの間を取り持つ苦労人でもあった。
マイルは知る由もない事だが、滑空砲での不意打ち失敗からルドラに対して立て続けに攻撃が行われなかったのは、彼らがこうして軽く口論になっていたからであった。
『ええい、いつまでやってんだい馬鹿共!モタモタしてたらチャンスはすぐに逃げちまうよ!』
『そうよそうよ!お姉様を待たせるなんて、一人じゃ何も出来ないヘタレのくせに生意気なのよ!』
『あの、いいから早く戦おう……?』
それぞれの機体のレメゲトン達もそれに参戦する。彼女たちは魂で繋がった姉妹を自称しており、反りの合わない三人がつるんでいるのも彼女たちがそれを認証の条件としているからである。《黒鉄の三姉妹》――それがクリフォード達のチーム名ではあるが、それはつまり彼らが完全にレメゲトンの尻に敷かれている事を意味していた。
彼らがそうこうしている間に、機を伺っていたらしい敵機が動きを見せる。
「あ、野郎!」
『ハ、不利になったら逃げようってかい!?とんだチキン野郎だね!!』
マイルが聞いていたら間違いなく「お前らにだけは言われたくない!」と言うであろう台詞を吐き、クリフォードは後を追うように機体を前に出す。
《む、突出するなクリフ!くそ、エミールは逃さないようサポートを頼む!》
《構わないけど、ジャミング切ってもいいかね?ヴェーダの通信を妨害したままはかなり負荷がキツい。》
様々な分野の専門家が居並ぶヴェーダの通信回線は、その道の熱狂的な専門家によって無駄に強度が高く、複雑に暗号化されていた。莫大量の規則制に沿って切り替わる複数レンジの信号も、電子戦特化のレオパルトと超高性能演算装置のレメゲトンを用いれば何とか総当りで妨害出来るものの、それを維持しながら戦闘行為を行うのは不可能だ。
《……いいだろう、ジャミングを切る。増援が来る前に仕留めるぞ!》
《了解。敵の後ろを取る。》
電子戦の機能をオフにすれば、軽量のレオパルトは敵機よりも速い。まして速度の出ない後退という手段を取っている敵機であれば追いつくのは容易だ。エミールのレオパルトが先行したのを確認し、アルノーもティーガーを前進させる。
「大人しく死にやがれ!」
そうして三機が標的を射程圏内に収めたと同時、追われる側のルドラが唐突に前に出た。
*
マイルは斜め前方からの牽制のライフルを無視し、横合いからばら撒かれる中量級のマシンガンの射線から逃げる。ぶれた数発がルドラの装甲を抉るが、致命的ではない。だが、安易な回避行動にマイルは直感的な危機感を覚える。マズい、と。
直後、それを咎めるような鋭い警告音が操縦席のステレオから放たれる。
「……っあああ!!」
気合でペダルを踏み込む。爆発的な加速がマイルの身体を横殴りに襲い、意識が一瞬吹き飛ぶ。その甲斐あってルドラは後方から放たれた滑空砲を辛くも回避する事ができたが、後先考えない機動によって一瞬の隙が生まれる。
だが、致命的な隙に対して軽量級は追撃を躊躇した。その射線上には味方の中量級が居たからだ。
「……っ、まだまだ!」
その一瞬で復帰したマイルは挑戦的な笑みを浮かべ、軽量級に牽制の銃弾を放つ。エクは回避のサポートに全力を尽くしており、ほぼマニュアルで行われた射撃は致命弾とはなり得ない。だが、軽量級は慌てたように大げさな回避動作を取り、マイルはそれに合わせて位置取りを調整する。
(やっぱり、予想通りだ。)
追いすがろうとした敵機に突然の吶喊をかけて以降、マイルは敵機が相打ちを恐れて攻撃出来ないよう、可能な限りルドラを敵機と敵機の間に入るように動かしていた。
ある種の賭けではあったが、マイルにはある程度の確信があった。奇襲の初撃の後に追撃が無かった事。追撃を始めるタイミングがバラバラだった事。彼らをオラクルボードで見たことが無い事。
つまり、彼らはチームとしての連携が甘いのではないか、と。
そして、マイルの予測は当たっていた。これが熟練のチームであれば敵も射線が被らないように行動するのであろうが、彼らは相打ちには流石に気を使うものの、位置取りまでは連携が取れていない。結果、攻撃の頻度を大幅に減らしていた。無論、賭けに勝ったからと言って、状況は決して甘くはないのだが。
エクの能力と実戦の中で少しずつ精度を上げるマイルの直感で致命弾だけは避け続けているが、避けきれなかった弾や牽制で撒かれた弾は容赦なくルドラの機体を穿ってゆく。
『ひ、や、嫌!!ごめんなさいごめんなさい!!やめて!!やめてください!!』
先程からエクはずっと狂乱していた。害意どころか殺意満々の三体によってたかってボコボコにされ続ければ心も折れるだろう。それでも警告音はちゃんと鳴らしてくれるので、マイルは後で思いっきり甘やかしてやろうと決意し、そのためにもここを生き延びねば、と決意を新たにする。
牽制を避けつつ相手に攻撃をさせない位置取りをし続け、隙を狙う敵機に妨害に牽制の射撃を打ち込み、それでも時たま襲う致命的一撃を回避し続ける。
一手でも間違えれば死に至る、言うなれば逆詰将棋。急な加速と方向転換、極度の集中でマイルの体力も精神力もとうに限界であったが、彼は意地だけでそれを補い続ける。
「……惚れた女の子泣かせて、そのままで終われるかあッ!!」
吼える。しかしながら、テウルギアの限界が先に来た。牽制でばら撒かれたマシンガンの弾が運悪く膝の関節に命中し、バランスを崩したルドラは激しく転倒する。
「がっ……!」
衝撃に息を吐く。みしりと不吉な痛みを胸部に感じたが、マイルはそれを無視して即座に仰向けに倒れたルドラの身を起こそうとする。だが、
《残念だがゲームセットだ。》
ルドラの胸元に、重量級が滑空砲の砲口を押し付けていた。
《三対一で良くもここまで持ちこたえたものだ。素直に敬服するよ。》
オープン回線で届く生真面目そうなテウルゴスからの賛辞に、マイルは苦笑で返した。
「そりゃあどうも。ついでに見逃してくれると嬉しいんだけど?」
《悪いがそれは無理だな。》
ですよねー、とぼやきながら、逆転の一手を必死で探す。ルドラの無事な左腕は身を起こすために地につけたままだ。カーリーを手にとって反撃に移るのは不可能だろう。
「襲撃の目的は僕の首か?」
《ま、そういう事だ。ランカーを倒されたヴェーダの株は落ちるし、倒した俺達の株は上がる。シンプルだろう?》
三対一で勝っても株は上がるのだろうかとマイルは疑問を抱いたが、見え見えの罠に引っかかった自分の株は下がりそうな気がした。これは少しでも名誉を挽回しなければ、とマイルは冷や汗を垂れ流しながら頭を回転させる。
「ちなみに、バックの企業とか……」
《……言うとでも思ったか?》
どうせ通信繋がってるだろ、と呆れたようなツッコミが入れられるよりも、サブモニターからもエクが半目で見つめてくる方がマイルにとってはダメージが大きかった。とは言え、その甲斐はあったと言えよう。敵テウルゴスが時間稼ぎの終わりを宣言するが、逆転の一手の準備が完了したのだ。
《ま、遺言くらいは聞いてやろう。せいぜい情けないのを頼む。》
「あー、それじゃあ……」
コホン、とわざとらしく咳払いをする。これにはこれから口にする内容に覚悟を決める意味合いもあった。マイルにとって出来れば一生使いたくなかった禁じ手だ。
こちらを見下す敵機を見上げていたルドラの頭部から、第一の奥の手――頭部パルスレーザーが光速で放たれる。本来非装甲目標を攻撃するための武装だが、こちらを向いているカメラアイを狙えば一瞬ホワイトアウトさせるぐらいは可能だ。
《な!?》
重量級が狼狽えた一瞬の隙を突き、左腕で機体を持ち上げ一気に身をひねる。目的は肩の向きを変える事。そして、全力で叫ぶ。
(技を借りるぞ、アル!!)
「――“瞬刃・零式”!!」
叫ぶのと同時。第二の奥の手、無事だったルドラの左肩部にマウントされた実体刀『ドゥルガー』が炸薬によって高速で射出され、重量級の滑空砲に半分ほど切り込んで止まった。
まさかの反撃に重量級の反応が遅れ、マイルはその隙を逃すまいと背部スラスターを全開にする。
推力で一気に身を起こし、空いた左手でドゥルガーの柄を掴み、
「う……おおおおおおおおおおお!!」
滑空砲ごと、重量級の胴部を袈裟懸けに、一気に引き斬った。
――ここで解説しよう。瞬刃・零式とは、絶賛発病中のアルが編み出した、六百六十六の死芸の一つである。瞬刃はドゥルガーをマウントから炸薬で加速するギミックを用いた必殺技のシリーズだが、零式はその中でもノーモーションから放てる不意打ち気味の隠し玉である。あと零式とか名前が格好いい。既にいい歳のマイルにとっては精神を蝕む諸刃の必殺技であるが、彼は義理堅いのでちゃんとアルが一晩かけて考えた技の名前を叫ぶのだった。
《アルノー!?》
《チィ、油断しやがって!》
今まで黙っていた残りのテウルゴス二人の、狼狽する声と味方を非難する声が同時に届く。だが、片足が使えない状態で無理矢理斬撃を繰り出したため、またしてもルドラは転倒する。もはやルドラに取れる反撃の手段は無い。
《だがこっちはまだ二機、奥の手はもう無えだろう!?てめえの負けだ!》
「――いいや、『僕ら』の勝ちだね!!」
三機に囲まれてから最初に決めた勝利条件を満たし、マイルは笑う。通信妨害は解かれ、ルドラへの集中を強いて時間も稼いだ。念のためにと遠距離攻撃も潰した。そして、勝利の女神からの通信が、つい先程入ったのだ。
次の瞬間、ルドラの周囲に着弾の土煙が巻き上がる。
《クソッ、何だ!?》
《マズい、増援か!》
散開する敵機。そして。
《いやあ、よく頑張ったねマイルくん!後は任せといて!》
気の抜けるような明るい声とともに、戦場に六本腕の鬼神が降り立った。
*
軽量級――『レオパルト』のコックピットで、エミールは焦っていた。
テウルギア『アスラ』とそのテウルゴス、リグ・ヴェーダ・アート。アレクトリスのランク10位。『鬼神』『邪神』『破壊神』。
腕が六本とカメラアイが六基あるぐらいで、これと言って強力な武装や戦術を持たないが、ただ単純なスペックで単純に並のテウルギアとテウルゴスより強い化物。
彼女が援軍で来る可能性は想定されていた。だからこそ短時間で仕留めるための不意打ちと、プライド抜きの三対一での戦闘だった筈だ。
彼らの誤算は、マイルを標的とした彼らの作戦にヴェーダの司令室が予想よりも早く気付いたのと、マイルが彼らの予想を遥かに超えて持ちこたえてみせた事、そして彼らがそれを失念するぐらいに熱くなりすぎた事だ。
(……どうする!?)
悩むエミールに、クリフォードから通信が入る。
《ヘタレてんじゃねえぞエミール!いくら格上でもこっちは二機だ、同時に動けば何とか――》
突如、ジッ、と音がした。直後、レオパルトとパンターの銃が同時に爆発する。
「なっ……!?」
気付けばアスラの肩上に伸びているアームの先端がいつの間にかこちらを向いていた。パルスレーザー砲としては比較的高めの出力ではあるが、一瞬で二機のマガジンを正確に撃ち抜いたのはテウルゴスであるリグの技量と、レメゲトンのミトラの的確なサポートである。
《不穏な気配がしたから、先に手を打たせてもらったよ。》
全く知覚できなかったその動作速度と楽しげな少女の声が告げる内容に、気配って何だよ、とエミールは震える。
これには、勝てない。次元が違う。黙っているクリフォードも一瞬で戦意を喪失したようだ。
「……投降する。いいよね?」
『……うん、これは仕方ないと思う。』
レメゲトンからの許しも下りたところで、エミールはレオパルトに手を上げさせる。目をやれば、クリフォードのパンターも同じ行動を取っていた。
《うんうん、素直が一番だね!ではここで、素直な君たちに我らがヴェーダ代表からのお話があるよ!》
《あー、あー、いいかね?ヴェーダ代表職員、ラハル・ナカジマだ。》
満足そうな少女の声と、続いて割り込む中年男性の声。エミールたちは固唾を飲んで彼の続く言葉を待つ。
《――いやあ、感動した!今回の件でマイル君達について過去最高のデータが得られたよ!ルドラの脆弱性にマイル君の癖、エク君の特異な能力……君たちには感謝してもしきれない!!本ッ当に!!ありがとう!!》
「……は?」
本気で感動しているらしいラハルの涙声に、戸惑いを隠せないエミール。そんな彼をよそに、ラハルは鼻をかんでから続ける。
《その感謝を示すため、我々は君たちを特別待遇でヴェーダに迎える準備がある!!今回の件は水に流す!!是非我々の研究のために協力してはくれないだろうか!!》
「え、ええ、まあ、そのくらいなら……。」
悪い話ではない。というか、捕虜にされるくらいは覚悟していたので拍子抜けである。大丈夫かこの企業……あれ、でも今後この会社に勤めるのか……?とエミールは少しずつ心配になってきた。
《いいのかね!?ありがとう!!いやあ、助かるよ!!では早速だが、君たちの弊社への貢献を評価し――新装備の評価試験の標的になってもらいたい。》
「……えっ」
一気に背筋を悪寒が走る。
《いやあ、新開発の徹甲炸裂焼夷弾なんだがね、活きのいい的がなかなか見つからなくて困っていたんだよねぇ!!いや、本当に助かるよ!!よろしくねぇ!!》
ラハルのテンションは一切変わっていない。本気で嬉しそうに喜んでいる。そして、アスラがこれ見よがしに銃をこちらに向ける。
《そういう事で、わたしとしては喧嘩売った相手が悪かったと思うんだけど……まあ、諦めて出来るだけ足掻いてね!弾切れまで頑張れば見逃してもらえるかも!》
アスラが放った足元への牽制射撃を合図に、生存のための無謀な挑戦が始まった。
*
「いやあ、それにしても死ぬかと思った。」
翌々日。医務室のベッドの上で意識を取り戻したマイルは、今回の件をそう振り返る。
ふと目が覚めたら枕元に置かれたタブレットでエクが『マ゛イ゛ル゛ざああああああああああああん!!』と大号泣していたが、タブレットの画面を胸元に向けて抱きしめるようにしたら一瞬で静かになった。
戦闘中は全く気づかなかったが、転倒やら無茶な斬撃やらの衝撃で、肋骨だの腕の骨だのが何本か逝っていたらしい。キシリと痛む身体に、マイルは涙目になりながらも「ああ、生きているなあ」と感慨を抱く。
「いやあ、痛そうだね!マイルくんもこれを機に全身チタン骨格にしてみたらどうかな?」
「嫌だよ……っていうか“も”って、そんな改造までされてたのリグちゃん……?」
ベッド脇で楽しそうにリンゴを剥くリグのろくでもない提案を、マイルは呆れながら拒否する。皿に乗せられているリンゴは身よりも皮のほうが分厚い。この人絶対このシチュエーションをやってみたかっただけだな、とマイルは推測した。
ラハルは今のところ見舞いに来ていない。「テウルゴスとレメゲトンが両方乗ったテウルギアに実弾撃ったデータなんてそうそう取れないからね!!」と二徹のキラッキラした顔で研究棟を駆け回っていた、とリグから聞いた。
襲撃した彼らはまあ、やっぱり生き残れなかったらしい。ヴェーダ謹製の鉄甲炸裂焼夷弾で、射手がリグである。無名のテウルゴスなら遺灰が残っていれば良い方だろう。……むしろ、早々に灰になれて幸せだったんじゃないかなあ、とすら思う。
「それにしてもまあ、実際良く生き残ったと思うよ、うん。私も先輩として鼻が高いね!」
そう言うリグの表情は確かに嬉しそうだ。ラハルのようなデータが取れた事に対する喜びでなく、自分の生存を純粋に喜んでくれる彼女の存在がマイルには非常に嬉しかった。
『わ、私たちもマイルさんのレメゲトンである事を誇りに思いますからっ!』
抱きしめた端末からくぐもった涙声が聞こえる。それに答えるようにマイルが端末を抱きしめる力を少し強めると、エクは声にならない声を上げる。心なしか端末が発熱しているような気がした。
「あっはっは。流石、女の敵。」
茶化すリグを無視し、マイルは決意を新たに、エクに告げた。
「ありがとう。僕ももっと強くなるよ。エク達の誇りとして恥ずかしくないぐらい。だから、これからも手伝って欲しい。」
『……はい。……えへへ、一緒に頑張りましょう。マイルさん。』
ひゅーひゅー、と茶々を入れるリグに、ミトラから容赦ないツッコミが入る。
端末を抱きしめているためエクの顔は見えないが、笑顔だといいなあ、とマイルは思った。
今回戦った彼らは、レメゲトンとどういった関係を築いていたのだろうか。ふと、そんな疑問がマイルの脳裏をよぎったが、頭を振ってそれを振り払う。
(――どうであれ、僕とエク達は自分たちの道を行く。それを妨げるものがあるなら、それを打ち破る力をつけてみせる。)
己の望みを叶えるために、その障害となる誰かの望みを打ち砕く。それが戦う者としての覚悟なのだとすれば、マイルは紛れもなくこの瞬間から、戦士としての道を歩み始めたのだった。
最終更新:2017年09月24日 22:48