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begin The Cheep



「…あれが例のマゲイアでテウルギアを二機も倒したってようh傭兵か?」「…あぁ、そうらしい。壮絶な戦いだったらしいぜ…」

聞き慣れた噂話だ、気分が悪いね。
そう言うと彼はそそくさとラウンジからコップとディッシュが乗ったトレイを持ち逃げした。
私は口に油ぎったコテコテのブリトーを詰め込み、彼の後をつけて行った。

「おいアンタ、金」
無愛想なレジの黒人にブリトーの料金を投げつける。
「アンタの彼氏の分もだ」
… あのダメ男のエサ代もサイフから台に叩き付ける。
「お粗末さま」

ドアを蹴り開け、大股でダメ男を探す。10日近くもアイツに振り回されてるんだ、今日こそ絶対聞き出してやると息巻いて血眼で見回す。


ー見つけた、アイツはそう離れてはいないベンチで座ってしなしなのフライドポテトを齧っていた。
近付いてトレイの上のポテトをかっさらい、何度も言ってきた言葉を言う。
「アンタの大仰な伝説、今日こそ聞かせて貰うわ」

記者ってのも面倒くさい仕事だな、やってたから分かるけど。彼はそう言うと紙で手を拭いてから、無い顎髭をさすりながら
「じゃあ教えてやる、メシ代の礼だ、ビジネスマンさんよ」



「 ̄ ̄ ̄今回の作戦目的は単純明快、敵テウルギアの撃破になります。えぇ適材適所、貴方はえぇ…リンド・エイリークさんですか。貴方にはマゲイアにて砲撃支援部隊の支援を行って頂きます。」

その任務は確か、独立傭兵だかの軽量級テウルギア一機相手に多数の車輌やマゲイアの部隊、果てはテウルギアがあったから受けた。成功報酬はそこまで高くない、弾薬費抜きで1週間食えるかどうかって所だ。なんせ俺は大量に雇われたうちの1人だったし、そもそもテウルギアの2機で片がつくはずだったからな。

「それでは獅子奮迅、皆様のご活躍を期待しております」

寒空の中俺らは雪原にほっぽりだされて、作戦開始…確かニセの依頼で呼び出して盆地で囲んで叩くって話だったか、それまで待機だった。
まぁ、俺たち砲撃支援部隊やらは隠れてなきゃいけなかったから、ジェネレーターを切って、んでもって寒いんで、焚き火囲んで缶詰食ったりしてた。

『敵テウルギアが作戦エリアに到着、皆様直ちに準備を』

無線で合図が入ったんで、雪で焚き火を消して、急いで乗り込んだ。ただ、封鎖部隊の様子がおかしかったんで、指示から外れてジェネレーターを起動してた。嫌な予感がしたんでな。

本来なら2機のテウルギアの一方、青い重装の…名前は忘れちまった。そいつが囮になって封鎖が完了した時点でもう一機の白いテウルギア、確かポーン系の機体だったか?買おうと思ってたから覚えてる。とにかくそいつが先陣を切って包囲、各自砲撃開始って言う運びだったが、何時までも合図が入らないんで、俺は狙撃位置から離れて補給部隊の方に向かった。1番基地に近かったからな。
ECMを大気に充満させて部隊を隠してて、俺たちもレーダーが使えなかったから直接状況を見なきゃならなかったんだ。
小型偵察機を飛ばして、状況を見たんだが、もうそこには一切反応が無かった。
そん時に2つ、俺の置かれてる状況を考えた。
先ず1つ、依頼主が俺らをハメた、理由なんてのは幾らでも浮かんだからな。
そして2つ目、敵がここまで来て壊滅させた、合図が入って来ないってのは前線基地がやられたって事も考えられた。こっちだとしたら十数機のマゲイアと2機のテウルギアをいなしたって事だ、俺はどっちに転んでも良いように、反対側の山に隠れた。
とりあえずさっき来て無かった事を考えるに、入れ違いで逃げれるかもしれないからな。

「騙して悪いが、これも仕事なんだ。ここで消えてもらう」

山の中腹まで来てECMの濃度が下がったおかげで無線が通じる様になって聞こえたのがそれだ。状況としては最悪だったな、俺はテウルギアのパイロットの事を知らなかったから、どっちが言ってるのか分からなかった。
仕方が無いから中腹から少し下って、盆地が見渡せる…と言っても吹雪やら霧やらで視界はあんまり良くは無かった、が無いよりマシだ。
FCSをオフにして狙撃姿勢で見てたんだが、どうにも青い重装のテウルギアが敵の側についたらしい。
白い機体が二機を相手に立ち回ってたがどうにも不利のようだった。
他のマゲイアが増援に来るのを待ってたんだが、来なかった。ツンドラの林みたいに鉄屑がそこらに散らばってるだけだった。
多分、どいつもこいつも不意を突かれて各個撃破されたんだろう。
となると俺の出るタイミングが重要だった、逃げるにしても、戦うにしても。
どちらにせよ、このままじゃ逃げられないんで、狙撃姿勢を維持したまま、動きが止まるのを待った。FCSを起動して被ロックを悟らせちゃ面倒だったし、俺も自分が近接格闘しまくるテウルギアの装甲の薄い部分を的確に狙えるとは思ってなかったしな。

「ラクな任務だと思っていたのか?二人掛かりでも私を落とせんとはな」

俺がいる事を知ってか知らずか、青い重装のテウルギアに向けられた銃口を弾きながら、その白い騎士は挑発してみせた。
挑発に乗ったのかどうかは知らないが、そもそも標的だった軽量級テウルギアが背中のキャノンを起動するために立ち止まってくれた。
ー千載一遇のチャンスだ、とそん時の俺はリスクも何も考えずに、軽量級の脚の基部を撃った。
140mmが関節をひしゃげさせる音って聞いた事あるか?ありゃいいぜ、オマケにテウルギアも倒した扱いに出来る。
発砲の音と崩れ落ちかけたテウルギアという想定外の事態によって、どいつもこいつも動きが止まった。
崩れ落ち“かけた”やつを除いて。
そいつは機体をブースターで無理やり飛ばして、白いテウルギアに捨て身で体当たりしやがった。
それで二機が沈黙、一応どっちもその場で稼働できそうではあったが。
まぁ、そいつらは良いんだ、問題は残った青い機体でな。両手にショットガン、両脚には撃ち切りのHEAT弾頭、背中にバズーカを2本背負った、近接重装機でな、俺のソリッドスナイパーとは全く相性が良く無かったんだ。
俺は必死で後退しながら…つっても歩くだけだが、全部の武器を撃ちまくったんだが、ライフルは正面装甲に弾かれるし、ガトリングは問題外、オマケに途中でコックピットの上側をブン殴られた挙句撃たれて、オープンカー仕様だ。青空コックピットだ、寒い寒い雪原でな。
何とかこっちも盾で防いでたんだが、いよいよもって盾が持たなくなってな。
寒さと恐怖と緊張で全身を震わせながら何かないか操作パネルを弄りまくってた。とまぁ、完全に不注意だ、ショットガンを立て続けにマトモにに食らってな、俺が改造した正面装甲が殆ど吹き飛んだ。ただ、そのおかげで、機体に元々付いてたらしい機能が使用可能になった。二度と使いたくねぇがな。
脚部ヒートクロー、脚で蹴るって事だ。そん時の俺はどう起動するか知らなかったからな、思いっきり近付いてから起動してやった。
まぁ腕も脚もショットガンで吹き飛ばされたが、片脚ずつありゃ問題無かった。
いくら120mmを弾く正面装甲でも、単純な質量は耐え切れ無かったって話だな、腕と脚が引き千切れてコックピットが吹っ飛んで行ったらしい。
らしいってのは、俺がそれを見れてないからだ。
どういう事かって?言ったろ?オープンカー仕様だって。
要は起動した瞬間に前脚を振り上げたんだが、下手くそなジョッキーの如く後ろに投げ出されてな、気を失ってたらしい。
んで、ポーンに引きずられてデブリーフィングして、そこでテウルゴスになんやかんや俺の功績って事にされたのが俺の英雄譚ってわけだ。
あぁ、報酬は変わらずだ。
ふざけた話だよな?コレのせいで俺は格安でテウルギア並みの戦力を持つ傭兵って事にされちまった。
殆ど幸運で成り立った英雄ってのは続くと悲惨な未来しか待ってねぇんだな、これが。

ん?あぁ、コレで終わりだよ。なに?…



「 ̄ ̄と、以上です」
再生の途中で停止ボタンを押す。
「ご苦労、こっちの封筒は?」
「あぁ、辞表です。今日付けで辞めさせていただきます」
「…は?」
「いえ、ただ、やりたいことが出来たので。ではそういう事で」
足早に角の一室から出て、後ろ足でドアを閉める。
エレベーター、誰もいない。
イヤホンを刺して続きを再生する。
…………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………2ヶ月後…




「状況は?」「もう始まってるわ、今回の戦闘も支援担当。こっちに来るやつ全部撃ち落として」
「うへぇ、マジでこの数か?…了解、じゃあ、始めようか?ビジネスパートナー?」「えぇ、そうしましょ。ダメ男?」
「進展しねぇなあ?」「そうかしら?最初よりはマシじゃない?」
「はぁー、今日も稼いで貢ぎますかね〜!」「次は指輪辺りね」「はぁ!?」「ほら集中、敵有効射程範囲来てるわ!」
………………












どうも、主任。です。(名前打つ度文法チェックされます)
この短編未満をここまで読んでみて多分あなたが思った事はナンダコレハだと思います。
続ける気はありますが別作品です。
コレはまぁ、リンド・エイリーク(本作の主人公)の性格と成果から一人歩きした伝説がどんな物か説明する役目です。
急に独白するわ、時間が飛ぶわ、セリフは断片だわ、終わってないわ様々あると思いますが、それらの半分は考えての事です。
半分はどうしようも無かったやつです、俺の非力な脳を許してくれ、こいつは筋肉なんだ。
あ、マジで続編作るの?って方に朗報です。
完全に形は変わります、普通な感じになります、普通ってなんだ。
ではこれにて、読んで頂きありがとう御座いました!
じゃあね!
最終更新:2017年11月05日 10:57