仮面ライダー(ヒーロークラブ)

ここでは、昭和ライダーおよびネオライダーを取り上げたものについて扱います。
クウガ以降の平成ライダー作品は『仮面ライダー(ヒーロークラブ/平成)』をご参照ください。

ジャンル 再編集作品シリーズ
メーカー 東映ビデオ(ヒーロークラブ版)
バンダイ メディア事業部(SVS版※販売)
メディア VHS
発売年月 1988~95年
収録時間 30分
巻数 全11巻(SVS版は4巻まで)
ポイント ツボを押さえた角度から歴代ライダーを研究
マニアックな要素満載
仮面ライダーシリーズ
ヒーロークラブシリーズ
SVSシリーズ


概要

いわゆる昭和ライダーについて取り上げたもの。
シリーズ名は『仮面ライダー』で固定され、ヒーロークラブの特撮作品を扱ったシリーズタイトルとしては最多となる全11巻が発売された。
初期はテーマごとの編集だったが、7~9巻および11巻は、「おやっさん」の愛称で知られ、昭和1期シリーズ*1でレギュラー出演していた小林昭二氏演じる立花藤兵衛が歴代ライダーの活躍を回想する立花藤兵衛回想録シリーズとして展開された。
『RX』開始直後から、その後の約6年にわたるテレビシリーズ不在期間に展開されており、全巻とも、若干の仕様変更を経ながら*2、VHS時代末期、そして平成ライダー開始の2000年代初頭まで生産され続けた*3
なお、初期発売の1~4巻については、玩具店専用版として、バンダイのSVSシリーズでも発売されたため、SVS版についても述べる。

ラインナップ一覧

巻数 型番 タイトル 発売年月 ナレーション 備考
1 TE-V205(初版)
VSTV00205
SVS-05(SVS版)
12ライダー栄光の変身 1988/11 政宗一成
2 TE-V210(初版)
VSTV00210
SVS-16(SVS版)
12ライダー 決戦大幹部 1989/3 中江真司
3 VSTV00222
SVS-26(SVS版)
燃えろライダー!主題歌集 1989/10 本巻からOP前の東映ビデオのロゴ映像がピラミッド型のものに変更*4
4 VSTV00223
SVS-27(SVS版)
ライダー集合!宿命の戦い 1989/10
5 VSTV00226 ライダー総攻撃 クライシスを倒せ!! 1989/12 政宗一成
6 VSTV00227 ライダー 激戦の名場面集 1990/3 中江真司
7 VSTV00248 技の戦士 1号ライダー! 1992/2 小林昭二*5 回想録シリーズ開始。
本巻からOP前の東映ビデオのロゴ映像がクリスタルマウンテンのものに変更
8 VSTV00251 力の戦士!2号ライダー 1992/7 本巻から初版のパッケージサイズが拡大
9 VSTV00253 力と技の戦士 V3!! 1992/9
10 VSTV00281 15ライダー 必殺技超図鑑 1994/11 田中秀幸 本巻からOP前にヒーロークラブのタイトルロゴ映像が追加
ネオライダー3部作が紹介された唯一のタイトル
11 VSTV00288 復讐の戦士 ライダーマン! 1995/5 小林昭二*6 最後の昭和ライダー関連タイトル

紹介作品一覧

作品名 略称*7 収録巻数 備考
仮面ライダー 初代ライダー 1~3、6~8、10
仮面ライダーV3 V3 1~3、6、9~11
仮面ライダーX X 1~3、6、10
仮面ライダーアマゾン アマゾン
仮面ライダーストロンガー ストロンガー 1~4、6、10
仮面ライダー(スカイライダー) スカイ 1~3、6、10
仮面ライダースーパー1 スーパー1
10号誕生!仮面ライダー全員集合!!*8 10号誕生! 特番
仮面ライダーBLACK BLACK 1~3、6~11 回想録シリーズはOP部分のみ使用
仮面ライダーBLACK RX RX 全巻 回想録シリーズはOP部分のみ使用
真・仮面ライダー 序章 *9 10 Vシネ
仮面ライダーZO ZO 映画
仮面ライダーJ J 映画
  • 藤兵衛回想録シリーズのOPにおいては、BLACK、ロボライダー、バイオライダー含めた1号~RXまでの歴代ライダーの紹介シーンがあるが、BLACK*10以外はすべて『RX』の映像*11が使用されている*12


各巻の概要


『12ライダー栄光の変身 1号~RX大集合』

記念すべき第1巻にして、ヒーロークラブシリーズ初の特撮関連タイトルとして発売されたもの。
RXへの引き継ぎを兼ねて、歴代ライダーが紹介された『BLACK』最終回特番(#52)「仮面ライダー1号~RX大集合」がベースだが、時間を30分ちょうどにするため、オリジナル版からいくつか変更されている。
+ オリジナル版との変更点
  • 冒頭にBLACKが創世王を倒し、ED曲をバックに名場面を振り返る映像が追加
  • その後、南光太郎(BLACK→RX)がバイクに乗ったところでOPイントロが流れ、そのまま本作の冒頭の映像へ
  • サブタイトル部分がカット*13
  • 1号*14、2号*15、V3*16の紹介パートに別エピソードからの追加映像あり
  • ED曲がRXのOP曲『仮面ライダーBLACK RX』のNGテイク*17
なお、設定上は同一人物とされているBLACKおよびRXは別カウント扱いされており、以降のシリーズでも踏襲されている。

『12ライダー 決戦大幹部』

歴代幹部・怪人との戦いに加え、RXの新フォームとなるロボライダーとバイオライダーの初登場も取り上げたもの。
本作~4巻および6巻では、『10号誕生!』までのうち、アマゾン以外の全作品でナレーションを務めていた中江真司氏がナレーションに起用されており、往年のライダーファンを納得させる構成となった。
OPはRXの『仮面ライダーBLACK RX』が使われているが、映像はオリジナルとは違い、歴代ライダーの映像も交えたものになっており、1コーラス分のあとにサビの繰り返しが追加されている。
EDは同じくRXの『誰かが君を愛してる』だが、こちらは映像が歴代ライダーのシーンの編集になっている以外は原曲のテレビサイズと同尺である。
+ 紹介ライダー&幹部(怪人)
ライダー名 幹部(怪人)名 使用作品
新1号 地獄大使(ガラガランダ) 『初代ライダー』#79
旧2号 ゾル大佐(狼男) 『初代ライダー』#39
V3 ドクトルG(カニレーザー) 『V3』
ライダーマン ヨロイ元帥(ザリガーナ) 『V3』
X アポロガイスト 『X』
アマゾン 十面鬼ゴルゴス 『アマゾン』
ストロンガー ジェネラルシャドウ*18 『ストロンガー』
旧スカイライダー ゼネラルモンスター(ヤモリジン) 『スカイ』
スーパー1 テラーマクロ(カイザーグロウ) 『スーパー1』
ZX 暗闇大使 『10号誕生!』
BLACK シャドームーン 『BLACK』

『燃えろライダー!主題歌集』

タイトル通りの主題歌集で、各ライダーの変身ポーズ→各作品のOP映像(+α)を振り返る構成。
基本的にはそれぞれのOP映像をそのまま収録(楽曲が変更された作品は変更後の楽曲も収録)しているが、以下のライダーに関しては新規の編集となっている。
  • 単発番組の存在しないライダーマン:テーマソング「ぼくのライダーマン」をバックにした新規PV
  • 映像作品が特番『10号誕生!』のみのZX:特番OPでも使われたイメージソング「ドラゴン・ロード」をバックにした『仮面ライダーZX』のタイトルロゴ入りの新規PV
  • RX:OP曲『仮面ライダーBLACK RX』のフルコーラス
変身シーンは基本的に当時の各作品からの映像だが、2号(一文字隼人)の変身シーンについては、『X』#33の変身シーンを使っているため、新2号の姿でジャンプした直後のカットで、旧2号の映像が使われる編集になっている。
EDはRXのED『誰かが君を愛してる』だが、こちらも歴代ライダーの変身前後の映像を交互に映す編集になっている。

『ライダー集合!宿命の戦い』

『ストロンガー』終盤の7人ライダー総出演の最終決戦を30分に編集したシリーズ初のストーリー編集作品。
一部『RX』終盤の映像(主に10人ライダー関連)も収録されている。
なお、ヒーロークラブ版のジャケットでは、なぜか「11人」との表記がある。

『ライダー総攻撃 クライシスを倒せ!!』

RX終盤の#44~47(終)までの最終決戦を30分に編集したストーリー編集作品。
ナレーションは1巻同様、RX本編と同じ政宗氏が担当している。
本作以降、ヒーロークラブ版のみの発売となる。

『ライダー 激戦の名場面集』

歴代ライダーの名対決および、各ライダーのマシンの活躍を取り上げたもの。
名場面集らしく、エピソードの選定がかなりマニアックである。
+ 紹介エピソード
ライダー名 使用作品
旧1号 『初代ライダー』#4・13
旧2号 『V3』#34
『初代ライダー』#31
V3 『V3』#27・34
ライダーマン 『V3』#43・47
『10号誕生!』
X 『X』#4
アマゾン 『アマゾン』#4
ストロンガー 『ストロンガー』#3・1
旧&強化スカイライダー 『スカイ』#1・48
スーパー1 『10号誕生!』*19
『スーパー1』#2・23
ZX 『10号誕生!』
BLACK 『BLACK』#12
RX 『RX』#4・27

『技の戦士 1号ライダー!』

前巻から約2年ぶりに発売された本作は、いわゆる藤兵衛回想録シリーズとして、タイトル通りに1号=本郷猛の活躍を紹介したもの。
タイトル画面は「技の戦士 1号ライダー」と表記された。
なお、回想録シリーズのOPのBGMには、フリーBGMが使われており、このBGMは『スーパーヒロイン図鑑 ライバル篇』や、同じヒーロークラブの『スーパー戦隊 ⑥ 誕生!ハリケンジャー!!』でもOPとして使われている。
巻末のテロップ映像は2タイプが存在しており、生産時期によって、『鳥人戦隊ジェットマン』のテレビシリーズのビデオ発売告知テロップ入りのものと、ライダーシリーズの発売中の告知テロップから続けて2号ライダー編の発売テロップが告知されているのものがある*20
おまけは『ジェットマン②』同様、「はってはがせるシール」であるが、生産時期によっては、おまけが異なる。

『力の戦士!2号ライダー』

2号=一文字隼人の活躍を取り上げた、藤兵衛回想録シリーズ第2弾。
この巻から、10巻を除き、ナンバリングが表記されるようになり、タイトル画面は「力の戦士 2号ライダー」と表記された。
本作からパッケージのサイズがアップし、旧発売分は両端に「T O E I V I D E O」の表記が入るようになり、同時にビデオ巻頭に警告文が表示された初のタイトルでもある。
また、本作以降の巻末には「次回の東映ヒーロークラブ」と題して、次巻発売タイトルが表記されるようになる。
おまけは、特製ジグソーパズルが収録されたが、7巻同様、生産時期によっては、おまけが異なる。

『力と技の戦士 V3!!』

V3=風見志郎の活躍を取り上げた、藤兵衛回想録シリーズ第3弾。

『15ライダー 必殺技超図鑑』

久々の回想録シリーズ以外の作品として、シン~Jのネオライダー3作品も含めた全ライダーの必殺技を取り上げたもの。
アバンタイトルから『仮面ライダー』のタイトルロゴが流れるまでのシーンは『ZO』の映像を流用しており、そこから一部ライダーのアップを映して本作のサブタイトル表示に切り替わる。
結果的に、ネオライダー3作品が扱われた唯一のヒーロークラブシリーズとなったが、劇場作品のZO、Jは画面サイズは変更なしのままである。
なお、巻末には、文字のみではあるが、バンダイビジュアルから発売された『J』のソフトの告知が収録されている。
この巻から、コピーライトに「毎日放送」の表記が無くなり、スタッフの名前も表記されている。
「構成協力」として、大野浩(ショッカーO野)氏の名前が表記されている。

『復讐の戦士 ライダーマン!』

ライダーマン=結城丈二の活躍を振り返った回想録シリーズ4弾にして、昭和ライダーを扱った最後のタイトル。
タイトル画面は「復讐の戦士 ライダーマン」。*21
ただし、『V3』の映像のみで構成されており、『X』以降のシリーズの映像はOP以外では使用されていない。
また、本作は声のみとはいえ、小林昭二氏が藤兵衛役を演じた最後のタイトルとなり、ラストでは「別の機会に話すとしよう」のナレーションがあったが、同氏が発売翌年の1996年に逝去したため、以降の作品は作られなかった。
その後、ライダーシリーズ関連のタイトルは2000年を待つことになる。

SVS版について

先述のように、1~4巻までは、バンダイからもSVSシリーズとして発売されたが、映像そのものはヒーロークラブ版と同一で、大きな変更はない。
1・2巻については、サイズは同じだが、初版と再販版でジャケットの裏部分の仕様が変更された。
ジャケットにおけるロゴは、1・2巻はヒーロークラブ版1巻と同じ、CG加工の入った『仮面ライダー』のロゴ*22だったが、3・4巻は英字で「KAMEN RIDER*23」という独自のロゴとなった。
おまけとして、1・2*24・4巻にはデータファイル、3巻には歌詞カードが封入された。

余談(SVS版)

  • 3巻から、SVSの表ジャケットの構成が変更され、以降のシリーズでも踏襲される「BANDAI SVS」表記へと変更された。
  • 4巻のジャケット裏およびラベルシールの7人ライダーのスチールについては、ほとんどが『RX』客演時のものが使われているが、なぜかXは放送当時のスチール*25が使われている。


余談

  • 3・4巻の巻末には、中江氏のナレーションによる約1分のラインナップ紹介映像が収録されており、テロップおよびナレーションを一部変更したうえでSVS版にも収録されている*26
    • BGMは渡辺宙明氏作曲、宮内タカユキ氏歌唱によるRXの挿入歌の『激進 RX』。
    • 映像はヒーロークラブ版、SVS版とも同一。
  • 3・4巻の発売当時には、SVS版のテレビCMも放送されており*27、SVSシリーズの一部巻にも収録された*28
  • ライダーと並ぶ東映特撮を代表するスーパー戦隊シリーズ、メタルヒーローシリーズについては、他作品との混載作品がいくつか制作されていたが、ライダーについてはこうしたシリーズ混載の作品が作られることはなかった*29
  • 1995年以降、昭和ライダー関連作品は一度も発売されておらず、戦隊のように歴代シリーズを混載した作品が作られることもなくなった。


再録

基本的には再録の機会に恵まれない本シリーズだが、立花藤兵衛回想録シリーズのみ、『初代ライダー』・『V3』の本編DVD-BOXおよび、BD-BOXにも再録された。
ただし、前者は再編集版となっている。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2025年06月21日 19:57

*1 『初代ライダー』から『ストロンガー』までの5作品

*2 基本的な映像そのものは変更なし

*3 ただし、展開中の1991年および、93年は新作が発売されず、95年を最後にシリーズの新規タイトルは発売されなくなった。

*4 ヒーロークラブ版のみ。

*5 立花藤兵衛として担当。

*6 立花藤兵衛として担当。

*7 以下、原則として作品名およびヒーロー名を略称表記する。

*8 メディアミックス企画『仮面ライダーZX』の特番。

*9 ヒーロー名の仮面ライダーシンを指す場合は「シン」表記とする。

*10 #51からのシャドームーンとの対決シーンの映像を使用している。

*11 #42・45〜47(終)の各話の映像を使用。

*12 10人ライダーの映像をメインに、部分的にBLACK、ロボ、バイオの映像が入り、最後にRXのシーンを映してタイトルロゴ&サブタイが表示される。

*13 ただし、一瞬だけだが、そのままサブタイBGMが聞こえるパートがある。

*14 BGMは初代ライダー後期EDの『ロンリー仮面ライダー』。

*15 BGMは初代ライダー中期ED→後期OPの『ライダーアクション』。

*16 BGMはV3後期ED『走れハリケーン』。

*17 歌詞は1番と2番の折衷で、一部が省略されている。

*18 編集の関係上、直接の敗北シーンまでは描かれない構成となる。

*19 変身前の一也がバイクに乗るシーンのみ。

*20 後者は92年7月発売分から同年9月発売分までの巻末映像で表記された「以下 続々発売!」というテロップが表記される。

*21 この巻のみ、ナンバリングの字体はサブタイトルと同様のゴシック体であり、サブタイトルの字体に関しては、年月の変化で若干変化している。

*22 ただし、3・4巻でも、1・2巻よりは小さめながら、引き続きこのロゴが使われている。

*23 「KAMEN」の下に大きく「RIDER」と表記される。

*24 表記は「決戦大幹部編」。

*25 おそらくスチール撮影会用に撮られたものと思われる。

*26 SVS版も中江氏がナレーションを担当している。

*27 BGMは『RX』OP曲である。

*28 ナレーションは玄田哲章氏が担当。

*29 ただし、SVSシリーズでは、メタルヒーローや石ノ森ヒーローを中心にした『変身ヒーロー大図鑑』が制作された。