ウルトラビッグファイト

ここでは、レギュラーシリーズ8タイトルおよび、増刊号2タイトルについて扱います。
海外作品については『ウルトラビッグファイト(海外作品)』、スペシャルシリーズについては「ウルトラビッグファイトスペシャル」をご覧ください。

ジャンル 再編集作品シリーズ
メーカー バンダイ メディア事業部→バンダイビジュアル
(現:バンダイナムコアーツ)
メディア VHS
発売年月 1988~89年
収録時間 30分
巻数 全8巻+増刊号2巻
ポイント 帯番組『ウルトラ怪獣大百科』からの抜粋
ガイロスが2回収録
主題歌集と増刊号は新規編集
ウルトラシリーズ
SVSシリーズ


概要

1988年4月~89年3月まで1年間、テレビ東京系で放送された、初代マン~80までの実写テレビシリーズに限り、ウルトラシリーズを取り上げた月~金の帯番組『ウルトラ怪獣大百科(以下、大百科)』の中から、テーマごとに合わせた怪獣・超獣・宇宙人・ロボ・円盤生物を10体ずつピックアップした構成。
これまでヒーロークラブの玩具店専用レーベル扱いだったSVSシリーズ初のオリジナルアイテムとして発売された。
ナレーションは『大百科』同様に青野武氏が担当している*1
基本的に『大百科』を再構成した内容だった7巻までとは異なり、8巻『ウルトラ戦士 主題歌集!』は新規編集の主題歌集となった。
その後、売り上げの高さから、ウルトラファミリーについて取り上げた増刊号が2巻発売され、さらに海外制作の『グレート』2巻、ウルトラシリーズ25周年を記念した『ウルトラビッグファイトスペシャル』3巻、『パワード』5巻を含め、全20巻にわたるロングランシリーズとなる。
1~7巻までのジャケットは、タイトルになった各ヒーローの新規スチールと、開田裕治氏による代表的な怪獣の新規イラストを並べた構成になっている。
各巻のおまけは、データファイル*2が付いてくる*3

ラインナップ一覧

巻数 型番 タイトル 発売年月 ナレーション 備考
1 SVS-10 ウルトラマン 怪獣大進撃! 1988/12 青野武
2 SVS-11 帰ってきたウルトラマン 地球危機一髪!
3 SVS-12 ウルトラマンタロウ 宇宙怪獣来襲!
4 SVS-13 ウルトラセブン メカ怪獣出現! 1989/1
5 SVS-14 ウルトラマンA 地球怪獣復活!
6 SVS-15 ウルトラマンレオ 凶悪星人侵略!
7 SVS-18 ウルトラマン80 復活怪獣逆襲! 1989/4
8 SVS-19 ウルトラ戦士 主題歌集! 新規編集
増刊号
9 SVS-24 ウルトラファミリー大集合 1989/9 田中秀幸
10 SVS-25 激闘!ウルトラファミリー
紹介作品の略称については、以下の表記とする。
作品名 略称 備考
ウルトラQ Q 一部分のみ使用
ウルトラマン 初代マン
ウルトラセブン セブン
帰ってきたウルトラマン 帰りマン 本シリーズでは一貫して「帰ってきたウルトラマン」として呼称*4
ウルトラマンA エース
ウルトラマンタロウ タロウ
ウルトラマンレオ レオ
ウルトラマン80 80

各巻の概要

1~7巻の全体の構成としては、その巻のメインとなる作品に登場した怪獣*5が紹介された回を4本*6収録してから、それ以外の6作品から1本ずつ*7取り上げる構成になっている。
怪獣名が太字の場合は、その巻のジャケットのパッケージイラストを飾った怪獣を表わす
共通OP後、本放送時に提供バックとして使われた加工パートで登場怪獣を紹介後、『大百科』の初期OP映像を流してから、各怪獣の紹介パートとなる。

全巻共通のOP・ED映像

本作では、シリーズ全巻共通のOP・ED映像として、ウルトラヒーロー7人の新規映像が導入されている。
OPでは7人の集合カットを流して、各ヒーローの個別の紹介*8となるが、80までの紹介に続けて、ゾフィー、アストラ、ウルトラの母、ウルトラの父、ウルトラマンキングの5人も、同じく新撮映像*9で取り上げられている*10
この新規映像については、90年代の『ウルトラマンワールド』シリーズでも使われたことがある。
同時に7ヒーローのスチール*11も新規撮影されており、本シリーズのジャケットに採用されたほか、本シリーズ展開中から90年代にかけて発売されたウルトラ関連のアイテムでも、この時期のスチールが使われる場合が多かった。
なお、このOP・EDで流れているフリーBGMは、同じくバンダイから発売された、児童向けの乗り物紹介ビデオ『のりものバンザイ!!』シリーズ*12でも使用されている。

『ウルトラマン 怪獣大進撃!』

記念すべき第1巻にして、ウルトラシリーズを代表する怪獣を取り上げたもの。
+ 紹介怪獣一覧
怪獣名 作品名 『大百科』での話数 備考
レッドキング 初代マン #1
ジラース #15
ウー #38
ジェロニモン #54
ギエロン星獣 セブン #10
シュガロン 帰りマン #23
バキシム エース #81
アストロモンス タロウ #82
ロン レオ #103
クレッセント 80 #84

『帰ってきたウルトラマン 地球危機一髪!』

ヒーローを苦しめた強豪怪獣について紹介したもの。
+ 紹介怪獣一覧
怪獣名 作品名 『大百科』での話数 備考
ベムスター 帰りマン #5
キングザウルス三世 #39
サータン #29
マグネドン #64
ゼットン(初代) 初代マン #59
ガブラ セブン #11 シャドー星人の円盤も紹介
ブロッケン エース #93
エンマーゴ タロウ #110
アシュラン レオ #78
ガモス 80 #60 ザッカルも紹介

『ウルトラマンタロウ 宇宙怪獣来襲!』

宇宙出自の怪獣を取り上げたもの。
セブンからペテロがチョイスされている理由については、すでに同シリーズでエレキング登場回の#3を収録した単品版*13が発売されており、同作との重複を避けるためと思われる。
+ 紹介怪獣一覧
怪獣名 作品名 『大百科』での話数 備考
タイラント タロウ #79
ムルロア #126
モチロン #76
グロスト #68
ベムラー 初代マン #9
ペテロ セブン #42
ノコギリン 帰りマン #32
ルナチクス エース #61
ギロ星獣 レオ #99
アブドラールス 80 #100

『ウルトラセブン メカ怪獣出現!』

ロボット怪獣を中心に紹介。
ロボット怪獣が存在しない初代マン、エース、タロウからはギャンゴ、スフィンクス、ボルケラーをチョイス。
+ 紹介怪獣一覧
怪獣名 作品名 『大百科』での話数 備考
キングジョー セブン #7 前編*14を収録
恐竜戦車 #13
クレージーゴン #19
ナース #34*15
ギャンゴ 初代マン #18
ビルガモ 帰りマン #47 バルタン星人Jr.も紹介
スフィンクス エース #56
ボルケラー タロウ #102
ガメロット レオ #62
メカギラス 80 #96

『ウルトラマンA 地球怪獣復活!』

地球出身の怪獣・超獣および、モチーフになった怪獣の特徴を大きく活かした怪獣を紹介。
+ 紹介怪獣一覧
怪獣名 作品名 『大百科』での話数 備考
ガラン エース #85
アリブンタ #89 ギロン人も紹介
カウラ #113
バクタリ #71
ゴモラ 初代マン #3 前編*16を紹介
ガイロス セブン #25
アーストロン 帰りマン #8
ムカデンダー タロウ #46
ベキラ レオ #95
タブラ 80 #108

『ウルトラマンレオ 凶悪星人侵略!』

宇宙人をメインに取り上げたもの。
かなりチョイスがマニアックな構成である。
+ 紹介怪獣一覧
怪獣名 作品名 『大百科』での話数 備考
カーリー星人 レオ #87
ケットル星人 #107
バイブ星人 #115
フリップ星人 #123
バルタン星人 初代マン #2
プロテ星人 セブン #16
ササヒラー 帰りマン #58
コオクス エース #75
カタン星人 タロウ #63
ゴラ 80*17 #124

『ウルトラマン80 復活怪獣逆襲!』

こちらは再登場怪獣の紹介がメインだが、あまりにもニッチすぎるカテゴリのためか、疑問符のつくセレクトになっている
実際の再登場怪獣(宇宙人)であるベロクロン二世やマグマ星人(2代目)は『大百科』では紹介されなかったためか、巨大ヤプールとブラックエンドが紹介されている。
一方、なぜか5巻で紹介されたガイロスが再紹介されてしまっている
なお、6巻までは、タイトル部分に表記されるサブタイトルのフォントはゴナだったが、本巻および次巻ではゴシック体へと変更されている。
+ 紹介怪獣一覧
怪獣名 作品名 『大百科』での話数 備考
レッドキング(3代目) 80 #161
ゴモラⅡ #162 ナレーションで「怪獣帝王*18」の存在にも言及
バルタン星人(5代目) #160
ピグモン
ガラモン
初代マン
Q
#135 再生ドラコも紹介
ガイロス セブン #25 5巻に続けて再紹介
ゼットン2代目 帰りマン #132 バット星人も紹介
巨大ヤプール エース #190
メフィラス星人2代目 タロウ #136 なぜか初代メフィラス星人*19は未紹介
ブラックエンド レオ #181
レッドキング2代目 初代マン #134 ドラコ&ギガスも紹介

『ウルトラ戦士 主題歌集!』

『大百科』を再編集した上記7巻とは異なり、こちらは新規編集で各シリーズの主題歌をバックに、複数のエピソードからチョイスした各ヒーローの戦闘シーンのMV集。
歌詞テロップはないが、怪獣名およびヒーローの必殺技・武器名が表記される形式である。
基本的な流れは「怪獣出現→ヒーロー変身→主題歌MV」の流れだが、怪獣出現とヒーローの変身が別の回から引用されるパターンもある(備考欄を参照)。
各ヒーローの楽曲の合間には、代表的なBGMを使用した防衛チームの紹介パートも収録されている*20
+ 紹介楽曲一覧
楽曲名 作品名 備考
ウルトラマンのうた マン
ウルトラセブンのうた セブン
帰ってきたウルトラマン 帰りマン 怪獣出現パートは#2のタッコングなのに対し、変身シーンはMAT隊員時のものを使用
ウルトラマンA エース 怪獣出現パートは#1のベロクロンなのに対し、変身シーンは単独変身のものを使用
ウルトラマンタロウ タロウ
ウルトラマンレオ レオ 怪獣出現パートは#51(最終回)のブラックエンドなのに対し、変身シーンはMAC隊員時のものを使用
ウルトラマン80 80 怪獣出現パートは#1のクレッセントなのに対し、変身シーンはUGM隊員時のものを使用
ウルトラQ メインテーマ Q

余談

  • 巻末に紹介されていた予告映像では、『80』のザルドンの映像も紹介されていたが、実際のシリーズでは紹介されていない*21
  • 冒頭に映るSVSシリーズのパッケージ*22が揃っているカットでは、実際のものとは異なる1巻のパッケージが使用された。
    • ナレーションとテロップの違いの2タイプがあるが、映像はどちらも同じものを使用している*23
    • また、1~6巻のPVは、後期生産版では後期版に差し替わっている。
    • この予告映像用のフリーBGM「さわやかアイ・エヌ・ジー」は、『機動刑事ジバン』#20のハンバーガーショップのシーン、先述の『のりものバンザイ!!』シリーズ、1991年に東映アニメフェアで公開されたアニメ映画『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』の予告BGMなど、多数の作品で使用されている。
    • このビッグファイト用の予告映像の兼ね合いからか、通常シリーズで収録されている巻末ラインナップ紹介は収録されなかった。
  • 増刊号シリーズ発売後には、増刊号含めた全10巻を紹介するCMが作られており、90年前後のSVSシリーズの巻末に収録されている。
    • なお、このCMで流れているBGMは、『地球戦隊ファイブマン』#1にも使用されている。
    • 同CMのナレーション担当は、声質から島田敏氏だと思われる。


増刊号

実写テレビシリーズのみで構成されたレギュラーシリーズとは異なり、こちらではアニメ作品の『ザ★ウルトラマン(以下、ザ★)』も取り上げられている
映像はそれぞれで異なる編集だが、どちらもOPは『ウルトラマンのうた』のささきいさお氏歌唱のカバー版*24、EDは菊池俊輔氏作曲、アニキこと水木一郎氏歌唱の映画『ウルトラマン物語』のED曲『ウルトラマン物語~星の伝説~』が使用されている。

『ウルトラファミリー大集合』

初代マン、エース、父、ジョーニアス(ザ★の主役ヒーロー*25)、タロウ、母、ゾフィーの活躍を編集したもの。
ジョーニアスに続けて、エレク、ロト、アミアもしっかり紹介されている。

『激闘!ウルトラファミリー』

こちらはセブン、帰りマン、レオ、アストラ、キング、80,ユリアンの活躍を編集したもの。

巻末おまけ映像

増刊号2本とも、巻末には以下のおまけ映像が収録された。
  • 『タロウ』挿入歌『ウルトラ六兄弟』をバックに、14人*26のウルトラファミリーのサインを紹介するパート
  • SVSのラインナップ紹介映像*27
  • アニメ映画『ウルトラマンUSA』のビデオソフト発売CM
  • キングレコードから発売されたウルトラシリーズ主題歌CDの告知*28


関連シリーズ

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最終更新:2025年05月11日 19:29

*1 『大百科』の映像をそのまま収録しているパートでは、オペレーター役の赤木優さんも出演している。

*2 8巻のみ歌詞カード。

*3 1〜6巻のみ、前期版と後期版で仕様が異なる。

*4 すでに本シリーズ発売時点で、現在の主役ウルトラマンの名称となる「ウルトラマンジャック」が設定されていたが、まだなじみが薄かったため、この扱いとなった。

*5 当然、超獣・宇宙人・ロボ・円盤生物も含まれる。

*6 7巻の80は3本分の収録。

*7 7巻のみ、初代マン関連を2本収録している。

*8 身長、体重、得意技のテロップあり。

*9 アストラの得意技は「アストラアイアンパンチ」、母の得意技は「マミー光線」として紹介

*10 5人ともOPのみの登場。なぜか、実写シリーズ出自でありながら、『80』初登場のユリアンは紹介されていない

*11 ただし、ゾフィー、アストラ、母、父、キングの新規スチールは未撮影。

*12 ビクター音楽産業と共同制作によるもの。

*13 ヒーロークラブ版の玩具店販売用。

*14 『セブン』#14の編集。

*15 同回のナレーションでは、アニメ『ザ★ウルトラマン』に登場した怪獣のドラゴドスおよび、アルファ・ケンタウリ第5惑星人の存在についても触れられている。

*16 『初代マン』#26。

*17 『アンドロメロス』の改造ゴラも解説。

*18 映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』に登場したゴモラ。

*19 『大百科』では#30で紹介。

*20 帰りマンとAの間に科特隊~MAT、タロウとレオの間にTAC&ZAT、80とQの間にMAC&UGMの映像が収録

*21 ただし、ザルドンそのものは『大百科』#130で紹介。

*22 1988年12月発売時点のタイトルまで。

*23 初期版では青野氏とは別の男性ナレーター(不明)、後期版では青野氏がナレーション。

*24 1979年公開の映画『実相寺昭雄監督作品 ウルトラマン』で使用されたもの。

*25 テロップでは「ウルトラマンJ」として表記

*26 『大集合』のみ7人

*27 1989年9月時点でのラインナップ紹介。

*28 レギュラーシリーズのOP映像における7大ヒーローの映像を流用。ただし、原盤権がコロムビアだった『帰りマン』と『80』は同CDシリーズでは発売されなかった。