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第四回(5月10日)

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第四回(5月10日)

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部会の様子


 この日は午後から、普段お世話になっている漢方薬局を訪れたりしていたたため開始が少々遅くなったものの、つつがなく部会は始まりました。
 部長曰く「雨の日は来る人が少ない」ものだそうですが、今回は前回と変わらぬ(それ以上?)数の方が来てくれました。

 内容の中心は「津液」、ということで(?)五苓散を飲みつつの部会となりました。



講義まとめ


津液って?


 前にも書きましたが、要は「血以外の体液」で、血の材料にもなります。(第三回(4月26日)参照してください。栄気+津液=血です)

 生理的作用としては、「滋潤作用」と「抗温煦作用」の二つです。
「滋潤作用」は細胞などを潤す作用、「抗温煦作用」は気の温煦作用に拮抗し体が温まりすぎないようにしています。
 もう少し簡単に言い直しますと――。
 運動のあと喉が渇いたときに水を飲むときのことを考えてください。
 水を飲むと、乾いた喉が潤います――喉の細胞が潤います。ついでに運動でほてった体を冷やすこともできます。
 それが、津液の作用です。

 逆に言えば。
 津液が不足すると以下のようなことが起こります。

「滋潤作用」に障害→皮膚の乾燥。口渇
「抗温煦作用」に障害→熱感(体温が下がりにくくなる)

津液に関する病態


 まず、上に書いたような津液の不足による病態。
 そのほかに、津液の流れが停滞することによって起こる病態――水滞があります。
 簡単に言いいますと。
 津液が体の各所に偏って停滞している(そのため老廃物が蓄積して津液がよごれていく)ために、めまいや嘔吐などが引き起こされます。

利水


 で、上に書いた水滞に対する治療法の一種に「利水」というのがあります。(厳密には、水滞にも二種類あり、粘性のない水滞を「水飲」、粘性のある水滞を「痰」といいます。後者は気滞を伴い、前者は伴いません。そして「利水」は前者の治療に用います)

「利水」がどんなものかといえば、簡単に述べますと――

  • 体にある悪い(よごれた)津液を排除する。
  • 偏って存在している津液を全身に行き渡らせる

 という都合のいいものであります。(似た言葉に「利尿」がありますが、あちらは排泄だけで、水分を全身に行き渡らせたりはしません)

五苓散


 さて、この五苓散という方剤、かなり強い利水薬です。配合される五つの生薬のうち、三つが代表的な利水薬なのですから。

 この方剤の処方として有名なのは、やはり、二日酔いでしょうか。(高田新歓でも配ってましたし、そのあとの飲み会で東医研のテーブルを訪れてくれた方にもサービスしまくりました)
 二日酔い、というのはまさしく体に悪い津液が過剰にたまって引き起こされます。そこで、利水するわけです。



このページの執筆:北上



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