三重大東医研 講義まとめ@Wiki

青春漢方

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集

ニキビ


  皮膚疾患には基本的に発散させて治す(発散薬を用いる)。したがって、発散性生薬+α(ニキビの原因を叩く生薬)である方剤を処方していくことを最初に考えてみる。

熱毒型ニキビ


  赤みがあり、熱を持ち、痛み、痒むニキビである。体質としては熱証傾向を示す。
  身体の丈夫に熱がたまって、それがニキビを起こしている。この熱を冷ますことを考える。

htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。
  実証傾向の体質の場合、基本的に清上防風湯。
  これは発散薬であると同時に、上部の熱をさます効果がある。
  同じ熱毒型でも、月経異常や便秘といった血於症状が同時に見られるなら、桃核承気湯。特に、ここに配合されている桃仁には駆血於作用、桂枝にはのぼせを治す作用があり、ともに発散性である。
  上二つは実証傾向の人といえるが、そうでない場合、熱虚証傾向の体質の人のニキビ――特に化膿しやすいニキビには荊芥連翹湯。

気血両虚型ニキビ


  気血が顔面部に上昇しないため、顔面の皮膚が清浄に滋養されないために起こる。生理異常からくるものである。よって主眼は生理異常において処方する。
  だんだん赤みを帯び、熱感がでる。先端に膿をもち、こめかみ、頬、胸、背中によくできるニキビである。

htmlプラグインエラー: このプラグインを使うにはこのページの編集権限を「管理者のみ」に設定してください。
  体力はなく、顔色が悪い――虚証傾向の人、平べったく紫がかった赤色で膿は少ないニキビが見られるなら、当帰芍薬散。
  下腹部圧痛がある人や、赤黒く月経時に悪化傾向のあるニキビには桂枝茯苓丸加薏苡仁湯。
  なお、ここで取り上げたのは、どちらも生理異常の治療に用いられる方剤である。

肝欝化火型ニキビ

  赤みはなく、色が薄い。できる場所は移動せず、熱感も痒みもない。化膿しやすく、顔面以外にも出来る。
  これには基本的に、十味敗毒湯を用いる。
  十味敗毒湯の柴胡には、肝欝化火の要因たる肝気鬱結を治す作用があり、独活には発散作用、桔梗には膿を取る作用がある。また、構成生薬には発散性のものが多く含まれている。
ちなみに膿は湿証と考えるので燥性薬が有効である。その点から考えると、十味敗毒湯は燥性薬が大半なので、望ましい方剤と言える。

うつ


肝気鬱結タイプ

  精神刺激などで肝の疎泄機能が失調(肝気鬱結)、これにより鬱が起こる。(疎泄機能のうち、情志機能が特にうつに関連している)
  主症として、精神抑鬱、落ち着かない、ため息がみられる。
  これに対しては疎肝、理気、解鬱をはかる。
  具体的処方としては、柴胡加竜骨牡蠣湯など。
  竜骨・牡蠣・大棗・茯苓の安神の効果によって不安・焦燥・不眠・動悸・驚きやすいなどの症状を改善し、柴胡・半夏がいらいら・抑うつ・緊張などの肝気鬱結の症状を緩解する。

気滞痰鬱タイプ

  肝気鬱血や疲労、乱れた生活などにより脾の運化機能が低下して痰湿を形成、これが気の運行を阻害し、気滞痰鬱になるとうつになる。
  主症として、抑鬱、憂い悲しむ、喉の異物感、などがみられる。
  これに対しては行気、化痰、解鬱をはかる。
  具体的処方としては、半夏厚朴湯。
  含まれている生薬はすべて降性薬であり、鎮静効果が期待できる。また、厚朴は理気において、半夏は化痰において、そして茯苓は安神と健脾において大きな役割を果たしているようである。

心神失養タイプ

  長期間の憂慮などで心の気血を消耗し、心の神志機能(思惟活動)が失調することで起こる。
  主症として、精神恍惚、情緒不安定、悲傷して泣きたい、不眠などがみられる。
  これに対しては、養心安神、解鬱をはかる。
  具体的処方としては、酸棗仁湯。
  これは、補血安神の酸棗仁を大量に用い、安神の茯苓で補助し、さらに清熱の知母、活血の川キュウ、調和の甘草を配合している。

心脾両虚タイプ

  過度の思慮や長期間の気鬱により脾の運化機能が低下し、気血の生成が十分でないことから、神志機能が失調しうつになる。
  主症として、不安感、全身倦怠感、動悸、不眠、などがみられる。
  これに対しては健脾養心、益気安神をはかる。
  具体的処方としては、加味帰脾湯
  この元となる帰脾湯は、補気健脾と補心血の薬物からなり、脾気虚と心血虚が同時に発生した病態に適する。これに柴胡・山梔子を加えたのがこの方剤で、イライラ・怒りっぽい・のぼせなどの肝鬱化火の症状にも対応する。



名前:
コメント:
ウィキ募集バナー