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小児漢方

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虚弱児

注意:虚弱児の症状に関して扱っているので、当然、虚証であることを前提としています。

扁桃炎

  少陽病証と考えて、柴胡剤(?)
  基本的には、小柴胡湯。
  アレルギー性疾患があったり、肌が赤黒く、腹診の時に強いくすぐりを感じる場合には柴胡清肝湯が特に有効。

喘息

  蒼白あるいは黒ずんだ顔色で水ばなを出しやすい乳児(寒証の傾向)には小青竜湯、逆に顔色が赤く、冷えがない乳児(熱証の傾向)には、麻杏甘石湯。
  これは、一般的な発作時の喘息にも適応可能である。

  乳児期以降でよく咳をしたり、ゼイゼイという小児には柴朴湯が基本処方。
  喘息において重要なのは半夏と厚朴の平喘作用である。ここから、半夏厚朴湯+α(患者の状態に応じて変更する)という処方の方法が考えられる。αについては、喘息が半表半裏であるので柴胡剤から選択すればよいだろう。(これは一般的な安定時の喘息にも適応可能である。)
  なお、柴朴湯は半夏厚朴湯+小柴胡湯である。これは、相手が虚証であることを考えた結果といえよう。

起立性調節障害

  めまいによるもの対しては半夏白朮天麻湯。
  めまいは水分の停滞、湿証によるものと考えられる。半夏白朮天麻湯には、燥性の生薬が多く入っているのでかなり有効である。勿論、虚証向け方剤である。
  たちくらみやめまいがあまりなく、立っていると気分が悪くなるようなら、虚弱体質の改善を主眼に置き、小建中湯。(虚弱児の体質改善のfirst choice)
  低血圧によるものとみなせるなら、補中益気湯。

神経症

  息切れがしたり汗が出やすい場合には甘麦大棗湯。これは甘草・小麦・大棗という三つの生薬からなる方剤で、補性・潤性・そして鎮静作用を持っている。(息切れ←補性 汗が出やすい←潤性 神経症←鎮静作用)。なお、甘麦大棗湯の薬効は、生薬同士の相乗作用によるものが大きく、解説は難しい。
  怒りやすかったり、筋肉が痙攣したり緊張したりする場合には抑肝散。これに用いられている釣藤は、柴胡の胸脇苦満を治す作用との相乗効果で、強い鎮痙作用を発揮する。また、鎮静作用をもっている。



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