“Ω”── Master Arm
《直々に、排除してやろう》
五指を折り曲げた掌は、まるで空を掴むように。
このEAの管理者たるその力が、今ここに顕現する。
装着されたアームズは、まさに″Code″Ω───“最終”の意に相応しいもの。
EAに存在する7つの武装。その総ての特質を有した、絶対不沈の要塞がついに威容を現した。
まず目を引くのは、
その巨大すぎる外見。
一般
キャリアーが使用する七つの
アームズは、使用者の身体の一部に纏う、持つ、抱えるといった事が可能なサイズだが……
この最後のアームズは使用者の背後に、
近未来的な装置を備えた大型の機械要塞が出現。
通常攻撃、スキル発動はその要塞から全てが発射され、大きく手を広げた使用者が敵に攻撃を浴びせかける姿はまるで指揮者のよう。
さらに、巨体でありながらその攻撃発生、および発射速度は
かなり素早く、
その上
零示が好んで使うリボルバーシフト(武器切替による硬直のキャンセル技術)と同様の理屈で
ガードの上からHPを削り取る威力の攻撃を連発できてしまう。
七種の武器特性を併せ持つというだけあり、恐らくは全ての
アームズのスキルを使用することも可能。
本来、獲得経験値を割り振り目的に合わせた育て方を要求されるところも、この王の武装は基礎
能力値から
全てに秀でる。
さつきルートで、これを使用したエヴァンに一人立ち向かった零示も、
(人体にダメージを与える力を開放していた事、闘いの場数等複数の要因があり、零示の側にも策があったとは言え)
無数の傷を負わされ、敗北寸前の窮地にまで追い込まれるほどにスペックの差があった。
さつきルートで本来の所有者である綾鷹がマスターアームを用い、零示とさつきのタッグと戦闘した際にその弱点が明かされている。
全方面に優れた基本能力の反面、専用スキルの使用にはSPを大量に消費してしまうというのがそれであり、
ゆえ社長は易々とこのアームズのスキル発動を可能な限り控えていたのだった。
この仕様は、プログラム構築したであろう綾鷹の“ゲーマー”としての性分が大きく関わっており、
リスクを完全に捨てた面白味のない闘いを嫌い、ゲームとして真っ向勝負の余地が生まれるようにした結果だろうと推定されている。
その若社長のスタンスにさつきは呆れ笑いを浮かべ、零示は破顔しながらも彼の在り方に敬意を表するのだった。
※ただし、後述するレオナルートでのエヴァンが用いているモデルの場合、Igel中枢にクラッキングをかけType-C化を行っており、綾鷹の当初設計した上記の弱点がそのままにされているかは不明(退屈な『ゲーム』とEAを見下し血で血を洗う闘争を求めるエヴァンの場合、それらゲームとしての性格付けを嫌悪し改竄している可能性は大いにあるが……)
「芳醇な人肉の味も知らない草食獣じゃ……人喰いを狩れるはずねえだろうがァッ!」
血に飢えたエヴァンとその配下達がEAで暴走する
レオナルートでは、
改造された真栄城に続く脅威として
零示・レオナのタッグの前に立ちはだかり、対人への物理ダメージを通す改良、エヴァンの
戦争狂としての力量等々が合わさりEA最高峰のプレイヤーである二人を苦しめるが……
――“物語の悪役”のように悪意と共に嗤い、
覚醒の踏み台だと他のプレイヤーに死の照準を向けてしまった為に、
“悪役の末路らしく”彼の翼は
惨めに捥がれる結果となってしまう……。
───壊してやるよ。殺しはしねえ、最ッ高に惨めな末路をくれてやる。
───一度だけ踊ってあげるわ、あなたに贈る最後の円舞曲を。
専用スキル
背後に七つの
アームズの幻影を同時に並べ、それらから放たれる斬撃、銃撃をターゲットに向けて一斉掃射する。
全方位から襲い来る攻撃の数々は威力・攻撃範囲共々スキルの中でも圧倒的。
しかし上記のように、消費SPは膨大であるという欠点有り。
- 【全方位最大蹂躙】--エヴァン使用
スキル、というよりは遊戯抜きで仕様を軍事用に組み替えたであろうエヴァンが用いた、膨大なアームズによる単純だが凶悪な全面虐殺。
遊びの枠を超えた無尽蔵の余力に支えられた絶え間ない破壊の嵐が、零示達の身体を逃がさず破壊してゆく。
詠唱
″System Master″限定解除
″Code″Ω──
《マスター・アーム》リアライズ
- この後のエヴァン君は見事な破滅フラグ断てまくりでしたねぇ(蒼穹スマイル -- 名無しさん (2020-05-25 21:00:11)
- 妙なとこでゲームの仕様を超えさせなかった社長がわるいのだ… -- 名無しさん (2020-06-29 10:21:13)
最終更新:2024年05月06日 11:00