摩利支天・陽炎ノ血陣

まりしてん・かげろうのけつじん


『我が墓標に刻みし碑銘、今ここに見つけたり―――』


隼人の喉からではない、そしてこの世のどこでもない領域から響く声が漆黒の夜に流れた。


「我が墓碑銘をここに謳おう───摩利支天・陽炎ノ血陣」


――摩利支天とは、侍の守護神にして陽炎の化身たる神仏の名――
それは隼人が、己自身の存在を埋葬した覚悟の証。
魂の墓標に刻まれた、この世でたった一つだけの彼だけの真実。
命の指針である“柩を守る”という一念が、柾隼人を己の《墓碑銘》を持つ血族として今ここに覚醒させていく。



ヒコックの“罠”に柩共々絡めとられ、護ると約束した彼女を喪う危機に際して
瀕死の躰(・・・・)を駆動させ“侍は約束を果たすもの”という命よりも重い(・・・・・・)信念を掲げた涯に到達した、柾隼人の炎の墓碑銘(エピタフ)

命の灯火を奪い去る冷たい屍の手に抗うべく発現した能力は、全身の血液を焔と燃やし、急激に生み出された高熱を己が活力へと変えるというもの。
彼の全身は斑模様に透けながら燃え盛る血液が流動。時に橙に、時に紅く映える焔は周囲に陽炎を生み出すほどに激しく滾る。
この状態の隼人は、ダメージを受ける事無く炎熱により生じるエネルギーを常時自らの運動量へ転換し、速度を高める事ができる
その熱量は隼人の戦意に応じて高まり、ヒコックの墓碑銘による弱体化を受けながらもなお増大するほどに強力(とはいえ、危機的状況且つ能力の加減をはかることが出来なかった初回発動時には、その膨大な熱量を制御できずに自らを焼き焦がす蒼い炎を発生させてしまっている)。

また己の傷口などから流れ出た血液は、そのまま体外に燃え盛る炎として噴出させる事もできる
作中でもこれを利用して、懐に入り込んだ相手を火炎で奇襲する、周囲の樹木を燃焼させる事で闇に隠れた敵を捕捉する(行動の制限を狙う)といった使用法がみられた。
それ以外にも、異能から展開された陽炎でヒコックの銃の照準を攪乱させる、
または敵手の攻撃動作を陽炎のゆらめきにより瞬時に知覚、ジェーンの狙撃や以蔵の放った一刀を回避・防御するなどの働きも可能としている。


こうした応用の幅も多い能力ではあるのだが、前述した通り初回の発動では能力を暴走させてしまった他、隼人自身、戦士としての経験や技術が未だ発展途上である為に、作中でも敵の技や策に嵌り致命傷を負わされる場面も多い。



  • 一点突破のようでいて意外と搦め手にも汎用性ある能力。炎系で索敵性能があるのは割と新しいと思った -- 名無しさん (2021-11-30 13:25:17)
  • あれ…摩利支天…おっぱい星人… -- 名無しさん (2022-09-05 00:04:42)
  • アッシュ君の能力みたいだ -- 名無しさん (2023-01-04 00:59:57)
  • 初戦のボスメタとして発現したのに汎用性高くてえらい -- 名無しさん (2024-08-04 13:27:24)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2024年08月06日 00:48