『ようやく、そなたと魂を通わすことができるようになれたようだ
───我が使い手、沖田総司房良よ』
『双血の墓碑銘』の登場人物。
クリストヴァン・フェレイラが創造した対吸血種用殲滅兵装――
《葬鬼刀》の一つ
『妖刀』村正に魂を封じられた血族。
作中では、蝦夷の地に向かう途中の
沖田の夢に、生前の姿をとって現れている。
一見、十六、七の年頃と思しき前髪立ちの童子であるが、
白皙の肌と真紅の瞳、異国の趣漂う煌びやかな陣羽織を纏った彼の姿は、戦国の武人を思わせる凛々しさを備える。
沖田と幾度も血を交わした事で一時的な魂の結びつきを得た四郎は、
ここまで苦境を乗り越え、剣の達人として武を窮めんとする彼女の生き様に興味を惹かれ、直接対話する機会を望んだ。
そして、共に闘ってきた沖田に対し、返礼として四郎は宣教師が来訪した戦国の世から血族を廃絶させた島原の乱、
そして村正に封じられた後、妖刀として扱われるようになるまでの、日本における血族の歴史を語り聞かせてゆく。
沖田がそこで見たのは、人の時分に餓えと争いに苦しみ、漂流の果てに葡萄牙の血族に拾われ《洗礼》を受け――
民を救い世を変えるという理想を掲げ日本最後の血族として戦いながらも果たせず、完全な滅びも許されぬ身に変えられるという生を……
既に何もかも終わった事として、諦めの眼差しで振り返る四郎の姿だった。
しかし、四郎は同時にこうして“沖田総司”という入神の剣技と高潔なる魂を備えた武人に出逢えた――
それだけでもこの甲斐なき生にも意味があったと告げ、真心からの敬意を彼女へと伝える。
彼の人柄に沖田も親愛の情を感じながら、これまでの旅路で生き残れたことへの深い感謝の意を捧げ、
迫り来る最後の血戦に際し今一度力を借り受けたいという彼女の言に、四郎もまた柔らかな微笑で答えるのだった……。
- 沖田さんとの関係好き -- 名無しさん (2021-12-20 16:59:14)
最終更新:2021年12月20日 16:59