概要
イーグァス大陸の創造主である主神と三女神の信仰。多神教である。
大陸の住人のほぼすべてが信仰している。
『三女神』信仰と呼称されるが、実際は三女神とその『親』である主神が信仰対象である。
人は死後、その魂が天に登り、再び人として肉体を授かり生まれ変わる、という輪廻転生の死生観が三女神信仰における中心的な考えである。
そこから、現世での行いにより来世における『運命』が定まる、と説かれる。すなわち、現世で犯した罪が多く、重ければ重いほど、魂に罪が蓄積され、来世の運命はより過酷で厳しいものとなる。そこで、犯した罪を現世のうちに可能な限り清算し、魂を浄化して来世を迎えることが三女神信仰の各宗派における教義の中心となる。
大陸の住人のほぼすべてが信仰している。
『三女神』信仰と呼称されるが、実際は三女神とその『親』である主神が信仰対象である。
人は死後、その魂が天に登り、再び人として肉体を授かり生まれ変わる、という輪廻転生の死生観が三女神信仰における中心的な考えである。
そこから、現世での行いにより来世における『運命』が定まる、と説かれる。すなわち、現世で犯した罪が多く、重ければ重いほど、魂に罪が蓄積され、来世の運命はより過酷で厳しいものとなる。そこで、犯した罪を現世のうちに可能な限り清算し、魂を浄化して来世を迎えることが三女神信仰の各宗派における教義の中心となる。
三女神と主神
- 主神
イーグァス大陸における創造主。三女神の親。
- 三女神
美しい姿を持つ三姉妹の女神。それぞれが人(古代人)に祝福を与え、アウロラ、ディーア、ノーチェの三種族が生まれたとされている。
- アウローラ
長女。鍛冶、芸術の女神。
- ディーア
次女。豊穣、狩猟の女神。
- ノーチェ
三女。知恵、戦の女神。
歴史
詳細はイーグァス大陸の歴史を参照。
- 神代(~DC.240)
神代において、三女神の祝福により人の種族が分化し、異なる外見的特徴を備えた三種族は、それぞれ己の種族に祝福を与えた女神のみを信仰していた。古代における『黄昏の戦争』の遠因となった。
十二英雄の活躍により争いは治められ、以降は主神と三女神全てを信仰対象とする三女神正教が誕生した。
十二英雄の活躍により争いは治められ、以降は主神と三女神全てを信仰対象とする三女神正教が誕生した。
- 過激教団『神の右手』の台頭と正悪戦争(DC.793~850)
DC.730年頃、異教徒や異形の生物を排除することを是とする過激教団『神の右手』が設立され、悪魔祓いの活動が過激化。『神の右手』が台頭した。
当時、魂の研究の進展により転生が実証され、原初の魂が確認されるなど、三女神信仰の根本に関わる知識の更新も相次ぎ、三女神正教に対する民衆の支持が低下した。
事態を重く見た三女神正教が、信徒の保護を名目に『神の右手』を相手取って起こした宗教戦争が『正悪戦争』である。長期に渡る戦いと、三女神正教内部における布教体制、教義の見直しにより、神の右手は壊滅に追い込まれた。
当時、魂の研究の進展により転生が実証され、原初の魂が確認されるなど、三女神信仰の根本に関わる知識の更新も相次ぎ、三女神正教に対する民衆の支持が低下した。
事態を重く見た三女神正教が、信徒の保護を名目に『神の右手』を相手取って起こした宗教戦争が『正悪戦争』である。長期に渡る戦いと、三女神正教内部における布教体制、教義の見直しにより、神の右手は壊滅に追い込まれた。
黄昏の霊廟との関係
通常、人の魂は死と転生を繰り返すが、現世に強い未練や恨みをもって死んだ者の魂は、輪廻転生の循環から外れてしまう。輪廻転生の輪から外れた魂は行き場を失い、亡霊として現世を彷徨うことになってしまう。そのような魂(亡霊)を集めて浄化し、輪廻転生の循環に復帰させるために主神が作ったのが、ヴィルヘニア魔道学院と聖ジニア修道院が管理する『黄昏の霊廟』である。
三女神正教
概要
三女神信仰の一宗派。イーグァス大陸でもっとも広く普及している。
『三女神』正教と呼称されるが、実際は三女神とその『親』である主神が信仰対象である。
正式な成立は『黄昏の戦争』の終結後であるが、ルーツは神代における、三女神に実際に奉仕するごく少数の熱狂的な信者集団であるとされている。
宗教活動の場として各地に修道院、教会が存在する。
『三女神』正教と呼称されるが、実際は三女神とその『親』である主神が信仰対象である。
正式な成立は『黄昏の戦争』の終結後であるが、ルーツは神代における、三女神に実際に奉仕するごく少数の熱狂的な信者集団であるとされている。
宗教活動の場として各地に修道院、教会が存在する。
教義
※分派と呼ぶべきほどに主流派と異なった思想を有する集団も存在するが、ここでは三女神正教における主要な教えを概説する。
輪廻転生の世界観から、魂に蓄積された罪を減らすために現世で善行を行うことを推奨する。具体的には、神への祈り、弱者の保護などの道徳的行動、またはこれらを行う者への支援(寄付)が善行にあたるとされている。
反対に、戒めるべき悪行として、盗み、殺人などの犯罪行為の他、過度の利益追求、不貞行為等があげられる。
三女神正教における聖職者である修道士は、この善行を行い、悪行を避け、清貧を貫くために修道院で共同生活を送っている。
反対に、戒めるべき悪行として、盗み、殺人などの犯罪行為の他、過度の利益追求、不貞行為等があげられる。
三女神正教における聖職者である修道士は、この善行を行い、悪行を避け、清貧を貫くために修道院で共同生活を送っている。
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宗教施設
- 修道院
宗教家である修道士が、善行を積むため祈りと労働のうちに共同生活(修道生活)をするための施設。
神に祈りを捧げるための施設である礼拝堂を中心に、修道士の居室と瞑想の場である僧院、回廊、図書館が設けられている。加えて、善行を為すことを是とする三女神信仰の精神に則り、貧しい人々を助けるため、医療院、救貧院、孤児院、神学校などの付属施設が設けられているのが基本的な修道院の構成である。
修道院付属の医療院はイーグァス大陸における医療の大部分を担っており、医療技術の発展は修道院の負うところが大きい。
また、孤児に限らず、平民の基礎教育も神学校による無償、ないし低廉な教育活動により賄われている。
神に祈りを捧げるための施設である礼拝堂を中心に、修道士の居室と瞑想の場である僧院、回廊、図書館が設けられている。加えて、善行を為すことを是とする三女神信仰の精神に則り、貧しい人々を助けるため、医療院、救貧院、孤児院、神学校などの付属施設が設けられているのが基本的な修道院の構成である。
修道院付属の医療院はイーグァス大陸における医療の大部分を担っており、医療技術の発展は修道院の負うところが大きい。
また、孤児に限らず、平民の基礎教育も神学校による無償、ないし低廉な教育活動により賄われている。
- 教会
神に祈りを捧げるための場。どんな小さな村にもある。
修道院での修行の成果を認められた修道士が赴任し、礼拝を取り仕切る他、付属の神学校で基礎教育を行う。
修道院での修行の成果を認められた修道士が赴任し、礼拝を取り仕切る他、付属の神学校で基礎教育を行う。
神の右手
概要
三女神信仰の一流派。三女神正教との宗教戦争により壊滅状態に追い込まれ、現在は宗教組織としての実態は存在しないとされている。
魂に蓄積された全ての罪を清算し、何らの運命に縛られない魂となる『原初返り』を達成するために、『悪魔』を殺すことを最も尊き善行とする教義を持つ。神の右手において宗教活動を行なう者、すなわち『悪魔』を殺すことを業とする者を悪魔祓い(エクソシスト)と呼ぶ。
神の右手の信者には死霊魔術師が多かったため、今日に至るまでの死霊魔術師に対するイメージの低下を招いた。
魂に蓄積された全ての罪を清算し、何らの運命に縛られない魂となる『原初返り』を達成するために、『悪魔』を殺すことを最も尊き善行とする教義を持つ。神の右手において宗教活動を行なう者、すなわち『悪魔』を殺すことを業とする者を悪魔祓い(エクソシスト)と呼ぶ。
神の右手の信者には死霊魔術師が多かったため、今日に至るまでの死霊魔術師に対するイメージの低下を招いた。
設立・支持拡大の背景
教団が設立されたのは魔術を中心に技術発展が加速し始めた黎明の時代の後期である。
それまで宗教説話の域を出なかった「魂の転生」の概念が死霊魔術の研究により実証され、「善行」を積むことの重要性が現実性を帯びた。
魔力量に劣り、貧しく苦しい生活を送っていた平民階級の民衆は、来世への救いを求めたが、「善行」について明確にしていなかった三女神正教は受け皿となり得なかった。
それまで宗教説話の域を出なかった「魂の転生」の概念が死霊魔術の研究により実証され、「善行」を積むことの重要性が現実性を帯びた。
魔力量に劣り、貧しく苦しい生活を送っていた平民階級の民衆は、来世への救いを求めたが、「善行」について明確にしていなかった三女神正教は受け皿となり得なかった。
このような事情を背景に、望めば誰でも悪魔祓いになることが出来、人以外のもの(悪魔)を殺すことが善行であり、それだけで魂が浄化されるという、単純かつ即物的ゆえ強力な説得力を有する神の右手の思想は、ソドムという分かりやすい「異形」の誕生を契機に平民階級を中心に瞬く間に広まった。
神の右手における『悪魔』
ソドムや異教徒(宗派違いは含まない?)、人の形をなしていないものを指して『悪魔』と呼ぶ。