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  • “霊能者”深見青山の素顔

ワールドメイトの事典

“霊能者”深見青山の素顔

最終更新:2025年08月14日 22:31

wmdata

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<平成の虚人(うそびと)たち“霊能者”深見青山の素顔は「歩く幼稚園」?>

雑誌
宝島30/1993年6月号

米本和広(ルポライタ-)


“御神気入り”のアクセサリー・各種グッズ販売、予備校、喫茶店から“脳ミソ大改造秘法”や“痔エンドの秘法”はては薬局・病院経営までをもこなす教祖様の秘密。

東京の中央線・西荻窪駅前に「三十鈴(みすず)学苑」という名の予備校がある。教室は一号館から十七号館まであり、小学校受験から大学受験までの生徒約三千人が通っているというから、予備校としては中堅クラスといってよいだろう。


学苑長を務めるのは半田晴久(四十三歳)である。

半田はこの三月、三十鈴学苑の関連会社の女性社員から、強制猥褻を受けたとして、横浜地裁に訴えられた。

女性側の原告代理は、何者かに誘拐されたあの坂本弁護士が所属していた横浜法律事務所である。

予備校の責任者といえども教育者の一人。

その教育者が強制猥褻とは穏やかではないが、猥褻行為は数年前からあり、それがいやで会社を辞めた女性は複数に及ぶ。

これまで社会的に公にされなかったのは、未婚の女性ゆえの弱さもあったが、それだけではない。

半田晴久が女性たちにとっては「神様」であったがゆえに、恐ろしくて訴えることができなかったのである。


現在、静岡県学事課に「皇大神社」の名で宗教法人の申請が出されている。

それによれば、教祖は「深見青山」(ふかみせいざん)。

宗教活動の母体となっているのは、訴えた社員が所属していた「(株)コスモメイト」である。このコスモメイトの実質的な責任者、深見青山の本名が半田晴久なのである。

名前の使い分けは他の人にはややこしく、本人にとっては実に便利だ。

宗教活動では深見青山、経営活動では半田晴久。
だから三十鈴学苑に通う子どもや親からすれば、学苑長と猥褻で訴えられた教祖様とが同一人物とはにわかには信じにくい話だろう。

三年前の夏、夕刊紙の「日刊ゲンダイ」に深見青山のことを八回にわたって連載したことがあった。

ところが、西荻窪を軸に中央線沿線の駅の売店から日刊ゲンダイが何者かによって買い占められた。二、三日目からは配達員が到着すると同時に、梱包のまま買っていく。


そこで、配達員が身元を確かめると、コスモメイトの社員だという。その買い占めに加わった元社員が話す。

「朝、会社に行くと、深見さんが一人一人に十万円から二十万円渡し、日刊ゲンダイをすべて買えと命令しました。私を含め、二十人ぐらいはいたでしょうか。申し訳ないことをしました。でも、あの当時一部七十円の夕刊紙を二、三百万円分買うのは大変な作業だったんですよ(苦笑)。

深見さんが何を嫌がったのかはよく分かりませんが、商売のやり方とともに、コスモメイトの深見と三十鈴学苑の半田とが同一人物だ、と知られるのが嫌だったのだと思います」


女性たちの訴訟が、新聞、雑誌などで報道されると、深見はコスモメイトの社員や会員(信者)に、当初は
「これは神仕組(かみしぐみ)、神様が僕に(猥褻行為を)やらせたのだ」と神のせいにし、

その後は「事実無根。やったのは俺ではない」と一転して否定し、

最近では動揺する社員に、「一休禅師は弟子たちの前で尼さんを犯して見せたが、それでも弟子たちは不動の精神で辞めなかったぞ」と珍説を説いている。



大川隆法に嫉妬した深見青山

深見青山が率いるコスモメイトは八五年から西荻窪を本拠地に宗教活動を開始した。
偶然の一致だが、「幸福の科学」の大川隆法の出発点も西荻窪であった。

半田晴久は深見青山の名でコスモメイトを、その翌年の八六年に半田より五歳年下の中川隆は大川隆法の名で幸福の科学を、ともに西荻窪に創設したわけである。

事務所も至近距離にあり、それぞれがライバル意識をもっていた。

会員を増やすために本を出版する、信者を会員と呼ぶ、また会員になるときには入会金を払い毎月会費を納めるなど共通点は多く、大川が有名になるに連れ深見はやきもちを焼き、社員に「あいつは俺のまねをしている」「大川は俺のようになりたいと思っているのだ」と話していたという。

宗教者も嫉妬するとは、芸能界と似たようなところがあって、なかなか可愛らしい。


コスモメイトの会員数は二万人。幸福の科学のピーク時の実質会員数が十万弱といわれていることからすれば、弱小教団というわけにはいかない。

むしろ、設立十年を経ずして全国に百の支部をつくり二万人を組織化した教団は、そう多くはないといった方が適切だろう。

だが会員数もさることながら、驚くべきはバブルが弾けた後も年間「百億円」近くの収入があるということだ。

もちろん、これより収入の多い新興宗教団体はある。しかし、二万人で百億円とはすこぶる効率がよいのである。
集金システムの完成度としては幸福の科学や他の宗教団体の上を行く「金儲けのうまい教団」と評してよいだろう。



そのシステムを説明する前に、コスモメイト前史について素描しておく。

深見こと半田は、父利晴、母志保子の長男として五一年三月に兵庫県の西宮市で生まれた。

利晴は特攻隊の生き残り。戦後、右翼政治家の秘書になったり、代議士の原健三郎の選挙を手伝ったり、また自らも選挙に立候補するなど政治に興味があったようだ。しかし政治に金を注ぎ込んだもののうまくいかず、短気な父親の性格もあって家庭生活は荒れていた。

深見によれば、
「(僕が)物心ついた時には、(父は)しょっちゅう母に対して殴る蹴るの暴力沙汰。飲む打つ買うの勝手三昧で、かなり劣悪な家庭環境でした」
「家では激しい夫婦喧嘩が絶えませんでした」
という。

父親の酒乱、暴力は相当ひどかったらしく、このことはコスモメイトの社員に何度となく話している。

母の志保子がその劣悪な環境から逃れたいために世界救世教に近づいたのをきっかけに、半田は中学三年生のときに正式に世界救世教に入信する。高校は県立鳴尾高、その後三浪して同志社大に進むが、世界救世教から大本教に場を変えたものの宗教活動は続けた。

大学では英会話サークルのESSに入り、責任者として活躍していたという。

七六年、大学を卒業し東京の建設会社の営業マンになったが、仕事よりも宗教の方に関心があったようで、銀座の道院紅卍字会(こうまんじかい)に出入りしていた。

同会のルーツは戦前、大本教と提携した中国の世界紅卍字道院道会である。


宗教渡り鳥も群がるコスモメイト

そこで出会ったのが、半田より十七歳年上の主婦、徳田(旧姓植松)愛子であった。愛子は三四年生まれの現在五九歳。

愛子の父、植松は世界真光文明教団の創立に力を奮った人で、家庭環境はもともと宗教的雰囲気に包まれていた。その影響で世界真光に入信してはいたが、平凡に結婚し、二人の子どもを育てていた主婦であった。

それが実母が死んだ直後に、夢の中で神が出るようになってから、宗教活動をするようになっていた。


そんなときに、二人は紅卍字会で出会ったわけである。

突き放したいい方をすれば、「宗教オタク的な青年」(元会員の話)と「宗教好きの女」(徳田の元夫)との邂逅でもあった。

半田には愛子が霊能力者に映り、愛子には半田が神のお告げを伝導する青年に映った。

二人は自分たちを、大本教の開祖出口なおと教祖の出口王仁三郎に見立てたようだ。後年のことになるが、愛子と半田は自分たちの前世は推古天皇と聖徳太子、卑弥呼とその弟だと触れ回るようになる。学芸会のレベルである。


二人が出会ってから、徳田の家で、“生活修行”と称する修行が始まる。

家に住みつくようになったのは、半田だけではない。
大学時代のやはり宗教好きのESSの仲間、西宮の両親、大本教にやはり出入していた弟それに妹がどっと押し寄せてきた。その数、総勢約二十人。

愛子の元夫は下着メーカーの社長である。

その彼が話す。

「奇妙な風景でした。朝起きると、食卓に大勢の青年がいて、宗教的なことを話している。夜、家に帰ってもたむろしていた」


夫ならずとも、理解しがたい奇妙な光景であったであろう。当然のことだが、徳田夫婦は離婚する。徳田の方が字画がいいということで、愛子の姓は徳田のままだ。

修行の内容は省力するが、朝からディスカッションをしても、生活費は稼がなければならない。

当初は健康食品の訪問販売などをして糊口をしのいでいたらしいが、愛子の兄・植松健税理士の宗教仲間(真光文明教団)である弁理士の栂村繁郎(虎の門特許事務所所長)がスポンサーとなり、(株)三十鈴を設立し、予備校経営と、ポルノビデオ、健康機器の訪問販売のちに時計の卸を始めた。

ちなみに、(株)三十鈴は八〇年に三十鈴(株)に社名変更するとともに、社長に半田の父・利晴が就任し、現在(年商三十二億円)に至っている。父親の猥褻な行為も前から噂されていたが、噂はどうやら事実のようであった。


半田晴久が横浜地裁に訴えられた後に、三十鈴の元女性社員が今度は息子の晴久と父親の利晴の二人を猥褻行為で訴えた。

猥褻行為の訴訟は増えているが、一人の女性から親子ともども訴えられるケースは珍しい。
血統のせいかしらん。
<コピペ情報:この部分は後に訂正記事が出されています>


話を元に戻す。三十鈴の設立によって経営的な基盤ができると、半田は「深見青山」、徳田は「橘カオル」を名乗り、西荻窪でコスモメイトを旗揚げする。

修行を始めてから、六、七年後のことであった。


ところで、新しい宗教団体をつくると必ずといってよいほど宗教渡り鳥的な人が群がってくる。

コスモメイトの場合も例外ではなく、深見直属の部下の萩原冨三男と手相家の西谷泰人は、今話題の統一教会からGLAの体験者。

西谷は、統一教会では合同結婚式に参加するほど熱心な活動家であった。

深見の強制猥褻行為のことを知りグループから去った村田康一はTM(瞑想団体)、阿含宗、世界真光文明教団を経験している。栂村夫妻は世界真光文明教団の元信者。

これらのほかにコスモメイトの幹部に七澤公典がいる。彼は北島三郎が歌う「与作」の作詞家で、その後アル中となり、コスモメイトに入った。宗教は初体験である。


投網作戦と潮干狩(しおひがり)作戦

深見たちの教えは、様々な宗教団体の言葉をすり鉢に入れ、スリコギでぐちゃぐちゃとかき混ぜたようなものだ。

深見自身「体系的なものはない」という通り、神道のマネ事らしい形式を取り、神と人とが一体になることを目指しているという以外に、説明のしようがない。

教えは鮮明ではないが、はっきり分かりやすい形で文字にされているのは、貨幣を媒介にした宗教活動である。活動は大きく三つに分類できる。


その一つは、「商品販売活動」である。

これは神界グッズと称するテレフォンカード、貴金属・アクセサリー、カレンダーなどを買えば、ご神気が入っているがゆえに、運が開かれるというもの。

お守りの現代型バージョンである。もう一つは「救霊活動」だ。恋愛を含め人間関係がうまくいかない、金運にめぐまれない、あるいは病気を患うなど、要するに運にめぐまれないのは、その本人に悪霊がくっついているからで、それは「救霊」によって除霊することができると唱える。

さらに、「秘法の伝授」というのがある。これは、数々の秘法を授けることによって、現世御利益を受けることができるというものだ。


これら「商品販売」「救霊」「秘法伝授」にはすべてお金が必要で、そのお金はまだ認可されていない“人格なき法人”である「皇大神社」に転がりこんでいく。


百億円の集金システムを説明しよう。

まず、会員予備軍は深見青山とコスモメイトの存在を本で知る。

たとえば新宿・紀伊国屋書店に行けば、深見たちの本は大川隆法、オウム真理教の麻原彰晃と同じ扱いで宗教コーナーの前面に品揃えされている。

深見たちというのは、深見の弟子(西谷、萩原、七澤)も本を出版しているからだ。点数は合計約七十点にのぼる。
発行はコスモメイトの関連会社であり、東販、日販など取次七社の口座をもっている。「橘出版」(社長は弁理士の栂村繁郎)が圧倒的に多い。


本の内容はいずれも宗教的な話はさわり程度で、自信をもて、反省が大切だなどという道徳訓話とともに、引用・比喩・事例を除けば「運が向かないのは悪霊、邪霊がついているからだ。

そのために救霊を受けよう」のアピール文である。そして、巻末にはコスモメイトの連絡先、セミナー案内、入会案内が載っている。

信者を獲得するために「本」が道具となっているのは、幸福の科学と同じだ。これを投網方式と呼ぶ人もいる。

投網に引っかかると、幸福の科学であれば、「十冊の本を読んで会員になりたい」と思うし、コスモメイトであれば「電話をかけて、救霊を受けたい」となる。

深見や西谷たちの本がときおりベストセラーに顔を出すが、あれはコスモメイトの潮干狩(しおひがり)作戦のなせる業である。


深見の猥褻行為を問題にしたためクビになった元社員が説明する。

「西谷さんたちが統一教会から学んだ作戦らしいのですが、取次がベストセラーとして発表するのは、特定の書店の売れ行きを集計したもの。

だから、特定の書店でうちの本をどんどん買えばいいのです。そうすれば、ベストセラーになる。本を買うことを“潮干狩”というのです。

買った本は、無料で配るとか、セミナー会場で売ればいい。出版で収益をあげることがコスモメイトの目的ではありませんからね。このことは会員さんは知らないと思います」


ベストセラーとなれば、本に箔もつき、信用度もあがる。

本に興味をもち電話をすれば「ドツボにはまっていく」(元会員)。今回、十九人の元社員、元会員、現会員に取材したが、一人を除きいずれも深見、西谷の本が入会のきっかけとなっている。

五千円払って入会すれば、月一回の関東定例セミナー(関西は二ヵ月に一回)の案内がくる。三月の関東定例セミナーは、大宮市のソニックシティの大ホールで開かれた。

セミナーといっても八時間の長きにわたるもので、その長さといい、ビデオテープの鑑賞がその半分を占めることといい、三年前に日比谷公会堂で見学したものと同じであった。

違いは、神界グッズの品数と出席者(二千人以上)の数が増えていたことぐらいか。セミナーの終了後、西谷に取材の申し込みをした。


後で「必ず連絡をします」と答えたが、その後まったく返事はない。
広報にも正式に申入れたが、同じく返事がない。


資格を得るのもカネ次第

会員になる人の関心はセミナーではなく、救霊や秘法を受けることにある。

その救霊は怨念霊五万円、先祖霊五万円、複合救霊(怨念、先祖、複合の合計で十五万円)、複合総合霊三十万のメニューがあり、会員の大半が十五万円のコースの救霊を受けている。

会員でない人も救霊を受けることができるが、二万人の現役会員だけに限ってもトータルで三十億円出費したことになる。年間ベースでは、最低見積もっても救霊による収入は五億円だ。

このほかに、病気を直す九頭龍神法(くずりゅうしんぽう)があり、これは三万円単位で、祈願する人が二人なら六万円、五人なら十五万円だ。

巧妙だといえば偏見をもった表現だと受け取られるかもしれないが、それでもあえて使えば、深見の巧妙なところは、「物施、法施、体施を励めば励むほど、神の功徳が得られる」と説いているところだ。物とは金のことで、体とは奉仕活動である。

法施とは救霊を受け、会員になった人が、今度は自分が救霊師、九頭龍師の資格をとって、多くの人に救霊、九頭龍神法を施せーというものである。

勧誘された人が「今度はあなたも働いてみない?」と誘われる保険の勧誘の仕組みときわめてよく似ている。
救われたいと思った人が、今度は救う立場になり、人を救えば救うほど、自分も救われる。

なかなかうまいやり方だ。保険会社の顧問をしていたこともある父親の利晴の入れ知恵なのか。で、どうすれば、資格を得ることができるのか。


それは実に簡単、お金を払えばいいだけのことだ。

救霊師は三百万円、九頭龍師は二百万円である。救霊師になって、救霊活動をしても、救霊代はコスモメイトに入る。ただ働きである。また救霊すればするほど、神の功徳が得られ、コスモメイトでのランキング(初伝、真伝、上級)は上がっていくから、必死で救霊する。

そのため、仕事を持っている人は有給休暇以上の休みをとって救霊の儀式を行う。

当然会社とのトラブルが発生することになるが、そういうとき深見の言い分は「急に病気になって会社に行けなくなってもなんとかなるもんだよ」。


繰り返しになるが、冷静に見れば、三百万円もらって救霊師の資格を与え、その人に無料で救霊させ、救霊費は会社の収入となる。

救霊してもらいたい客は「本」という投網にひっかかってくる。本さえ出せば、寝ていてもお金が入ってくる仕組みになっているのだ。

しかし、わが深見青山先生は寝ているだけではない。マンツーマンの直伝の救霊も行う。これは数百万円の単位である。



先祖一人あたり二十三円!?

取材に応じてくれた十九人は救霊師、九頭龍師のどちらかになっていた。祈願の仕方はマニュアル化されているそうで、金額によって三十分から二時間は祈ったそうだ。五年間で三千人は救霊したという元救霊師に効果のほどを聞くと、笑って、赤い冊子の『救霊師手帳』を渡してくれた。そこにはこう書かれていた。

「救霊客に“この救霊ですべてが良くなる”という意味のことを断言してはならない」「救霊客に“病気が完全に治ります”と断言してはならない」

「なぜ、ここまで細心を期するかといえば、(コピペ情報:中略)言った通りにならなかった時、“責任をどうしてくれるんだ”と、皇大神社の組織を追求してくる場合があるからです。

たとえば、“言った通り にしたのに会社が大損した”とか、“言われた通りにしたのに結婚できなかった”とか、受験に失敗したりする場合、複数の人を連れてきて、皇大神社に直談判にきたり、訴訟騒ぎになったりすることも考えられるからです」


語るに落ちるとはこのことだ。
しかし、わが深見先生は、こんな指摘では、ビクともしない。決まってこういう。

「無数の悪い霊がくっついているのだから、一回の救霊や秘法だけで救われるわけがありません。薄皮を一枚一枚はがすように、少しづつ少しづつよくなっていくのです」

「薄皮を一枚一枚」は深見の口癖である。

確かに、動物霊があるとすれば動物の数ほどはあるだろうし、個人の先祖だって無限大だ。両親にはそれぞれ両親がいるから二代遡れば四人、三代前なら八人だ。

先祖がネズミ算式に増えることを面白がった堺利彦の『予の自伝』の一節を思い出す。

「この数理を推して考えると、予の五代前の先祖は父方と母方とを合して三十二人となり、六代前が六十四人、七代前が百二十八人、八代前が二百五十六人、
ところで、もし更にこの数理を推して考えるなら、予の二十代前の先祖は百四万八千五百七十六人となり、四十代前は一兆九百九十五億二千百六十二万五千七百七十六人という滅相もない多数になるはずである」

この四月に行われた「血統転換大秘法」は、悪因縁の血統を変えるというもので、会員向けのパンフレットには玉串料金と除霊の対象となる先祖の数が記されている。

「玉串一万円なら三百人、百二十万なら約五万二千人」。

百二十万円が高いのを気にしたのか、その横に「参考までに」と先祖一人当たりの金額が書かれていた。一万円コースは先祖一人当たり、約三十三円。

これに対して百二十万円コースなら約二十三円。先祖一人当たりにすれば「百二十万円は安い」というわけなのである。

百二十万円払っても、運に恵まれなければ、深見はこう、弁明するだろう。

「いや、あなたの四十代の先祖まで遡れば一兆人の先祖がいます。薄皮を一枚一枚はがすように、すこしづつ除霊していきましょうね」

値引きして先祖一人当たりの値段を一円にしてくれても、一兆円だ。


俗社会の“上”指向を巧みに取り入れ

会員となれば、次々とパンフレットが送られてくる。先の「血統転換大秘法」のほかに授ける秘法のメニューは実にバラエティに富んでおり、「縁結び秘法」「ヂ・エンド秘法」「星差し換え秘法」「脳ミソ大改造秘法」など三百種類に及ぶ。ヂ・エンド秘法とは痔、生理痛、便秘が治る秘法、脳ミソ大改造秘法は頭がよくなる秘法のこと。

もう何でもあり、なのだ。

これらの秘法販売の特徴は、一つの秘法にいくつものランクが設けられていることだ。

たとえば、「神霊美容術」のランキングを紹介しておこう。

玉串五千円なら「どことなく美しい」女性になれるから始まって、以下、「なんとなく美しい」(一万円)、「若々しい美しさ」(三万円)、「はつらつとした美しさ」(五万円)、「貴婦人のような麗麗しい美しさ」(十五万円)、「神秘的な美しさ」(二十万円)、「はっと周囲の目をひくほどの美しさ」(三十万円)、「天照大御神さまのような、神々しいばかりの美しさ」(五十万円)となっている。

深見よ、よくこんなくだらないことを思いついたなーと書きたいし、「どことなく」と「なんとなく」でなぜ五千円違うんだとからかいたくなるところだが、俗社会における人の欲望をよく知っている。

ほんとうに、三十万円を払えば「はっと周囲の目をひくほどの美しさ」になるのであれば、誰だって上のランクの方にお金を出したくなる。

エステサロンでもランクがあり、「中の上」を頼む人が多いというし、寿司でも特上・上・並とあれば、カウンターで食べるときは並の注文は少ない。

世俗の「上」指向を巧みにコスモメイトに取り入れているのである。

ハゲ直しの最高ランキングの秘法はアデランスの値段に匹敵する八十万円、ガン直しの最高は三百万円。

すべてランクなのだ。

このランキング好きも、幸福の科学の大川隆法とよく似ている。

幸福の科学は大川の本を読めば読むほど魂が美しくなり、そうであればあるほどあの世で次元の高い世界に行くことができるというものであった。

深見の場合は、お金を出せば出すほど、悪霊をより除霊でき、現世的な功徳がより得られるというわけだ。


深見はもちろん客の心理を意識している。その証拠に、パンフレットに掲載する原稿の値段がバラバラだと、「安いのから書いておかないと、ダメじゃないか。そうしなければ“上”のありがたみがわからないんだ」と担当者を叱りつけるという。

ほかにも、前世の守護霊鑑定、手相家・気学(方位)家教室、各種占い、さらには伊勢神社、熊野神社など日本の有名な神社をお参りする「神法悟得会(しんぽうごとくえ)」などなどがあるが、煩雑になるので省略する。要はすべての儀式でお金が徴収されるのである。

年間“売り上げ”は何と百億円

家族に病人がいて何とか治してやりたいと考えたある経営者は、夫婦揃って救霊師となり、四年間で一億円支払った。

「自分の会社には迷惑はかけていません。新居代にと貯金しておいたお金を取り崩したのです。秘法はほとんど受けました。信じていましたからね。おかげで、いまだ賃貸のマンション暮らしですわ」


余裕がある人はまだいい。元社員が話す。
「借金をかかえている会員は多いですよ」

取材した十九人のうち、一億円の元会員は別にして、平均的と思われる関西の元会員の例を紹介しておく。

会員歴四年、今年の三月に脱会した三十歳の青年である。

「九頭龍師になるのに二百万円、救霊師で三百万円。手相家になるのに四十万円、それから秘法と神法悟得会で合計二百万円。

払ったのはこの七百四十万円で、神社をつくるというのでその寄付に百二十万円を約束しましたが、これは未払いです。

給料とボーナスのほとんどを使い、また貯金のすべてを引き下ろしました」

本を武器に投網で引っかけるのがコスモメイトのやり方だと先に書いたが、別に多くの人が網にかかる必要はない。

一匹でも、二匹でもいいのだ。

一匹ひっかかり、深見青山を超能力者、神と一体となった人だと信じれば、数百万円が入ってくるわけである。


元秘書が話す。

「ですから、お金を使いきった会員の方がお辞めになっても、一向に構わないのです。この一年間、毎月五百人の方が会員になり、二百人が辞めていきます。」

『救霊師手帳』にあったように、救霊を受ける人は「救霊客」である。
悩める人ではなく、あくまで「お客様」なのだ。大勢の会員の前では、深見たちは玉串の言葉を使うが、内部では「売り上げ」という。


「今回の神法悟得会の売り上げはいくらだった?」「荒利(売り上げ―仕入れ)九割の事業をしなきゃあな」「コスモメイトで稼いでいるのは僕だけじゃあないか」「どんな秘法をすれば、お客が喜ぶのかなあ」

熱心な会員の方にとっては信じられないことかもしれないが、コスモメイトの秘書たち、深見に近い社員たちにはよく使う言葉である。元女性社員が話してくれた。

「深見さんはいつも、会社(コスモメイト)にどうしたらお金が集まるのか、そういう話ばかりしていらっしゃいました。それがあまりにも激しいので、いやになり、会社を辞めることにしたのです。“売り上げ”だけでなく、純利益、荒利という言葉もしょっちゅう使っていらっしゃいました」

それでは、いったい年間いくら“売り上げ”があるのか。

深見の元秘書、経理に詳しい元社員、三千人を救霊した救霊師たちに集まってもらい、

「絶対にオーバーにならず、最低に見積もって」を条件に計算してもらったところ、神界グッズはかわいいもので一億二千万円以上、秘法、神法悟得会で各十五億円以上、救霊師・九頭龍師などの免許皆伝代で十四億九千万円以上などトータルで「百億円以上としてもいいのですが、まあ百億円近く」
となった。

91年の夏に、深見たちは「ビッグビジネス経営経済研究所」という株式会社を設立した。

これまでは、会社の社長が秘法を受けても経費とはならなかった、当然の話だ。秘法が経費で落ちるのなら、何だって経費で落とせる。

そのことで社長さんたちに不満があった。

それで、経営者のニーズに応えコンサルタント料名目でお金を徴収し、経費で落とせるようにした。お客の脱税に近い節税対策、それが目的で設立した会社である。売り上げは年間、約一億円である。

会員からのお金は三和銀行阿佐ヶ谷支店の五口座と三菱銀行阿佐ヶ谷支店の二口座に振り込まれ、いずれも「皇大神社」に集まるシステムになっている。

まだ、公益法人の認可は受けていないが、「人格のない社団(法人税法第七条など)」ということで税の徴収は受けていない。

それにしても、宗教に興味がない人にとってバカバカしく見える救霊や秘法に、なぜ会員はお金をやすやすと出せるのか。


私たちはこうして“はまりました”


四人の元会員の証言を紹介する。最初は東京のOLである。

「学校を卒業して、精密機械のメーカーで働いていました。職場で好きな人ができたのだけど、失恋し、すごく落ち込んだ。そんなとき本屋で目に触れたのが深見先生の『愛の守護霊』でした。

悪く悪く考えてはいけないとか、積極的に自信をもって生きよとか、心のあり方が書かれていました。それに心がひかれた。その後、五冊ばかり読んで、葉書で申し込んで会員になりました。それから、もし何かの霊に祟られていたらと不安になって、十五万円払って救霊を受けたのです」


「セミナーで初めて深見先生を見ました。神田正輝にちょっと似ていた。

二回目のセミナーでは信じてもらえないでしょうが、突然、花の香りがしたのです。笑いを誘う話も多いけど、先生が会場で祈る姿には感動しました。それから、会員のサークル組織である青山塾に入り、仕事が終わると、すぐに(コスモメイトのある)西荻窪に行くようになりました。会社ではできないような話ができ、みんなとワキアイアイでとても楽しかった。

救霊師になるために三百万円払うことにも、それほど疑問を持ちませんでした。先生を信じきっていましたからね」

注釈を加えておくと、神田正輝に似ているかどうかはともかく、深見の顔立ちは整っているし、近寄り難い宗教者タイプではなく警戒心を抱かせない親しみのもてる顔つきである。


医薬関係者である元会員の場合はこうだ。

「高校時代から西洋医学より東洋医学に興味がありました。西洋医学では人は救えないと思っていましたから。それで大学では東洋医学を学びました。

一方で、学生の頃から神とか霊に興味もあった。医療の現場で、西洋医学でも東洋医学でも治らない患者さんを見るようになり、何かの霊的な作用があるのではないかとますます考えるようになったのです。そんなとき、深見さんの本を読んだ。

それで、すごいと。やはり、人間には業とか因縁とかあり、それを断ち切らなければならない、そのためには除霊が必要だと思ったのです。

今から考えればバカバカしい話ですが、魂をきれいにすれば、真心が神に通じて、身体の状態がよくなると考えた。それで、コスモメイトが提案する行事に参加するようになったわけです。

交通費を含めると一千万円以上は使ったでしょう。恥ずかしい話です」


京大を卒業後、そのままコスモメイトに入り深見の秘書となった青年は、こう話す。

「もともと霊的なものに興味がありました。浪人中に守護霊関係の本を一冊読み、この世に霊はいるのではないかと思った。

一浪後、京大の経済学部、神戸大の経済、それに同志社大の経済と法学部と、受験した大学すべてに受かったのです。奇跡が起こったと考えました。

きっと、守護霊が困っている僕を助けてくれたのだ、と。京大の入学式の日に手にとったのが、深見の本でした。それからはまっていった」

「京大はエリートコース?そうは考えませんでした。
今の資本主義の中で競争して勝ち抜いていくという生き方はいやでした。

やはり、人のために、世の中のために役立つような仕事がしたかった。コスモメイトなら人が救えると本気で考えました。昔のように学生運動があったら、おそらくそっちの道に行っていたと思います。」


最後の一人は元美容師である。
高校卒業後、美容の専門学校に入り、フリーターを経て、美容院に就職した。
その後に、コスモメイトに入社している。

先に紹介した三千人の救霊をした元救霊師でもある。

「すぐに美容師にならずフリーターをしていたことでもわかる通り、常に“何かしたい”と思っていました。人の上に立つヒーロー願望のようなものもあり、もう一方でいつも心の中に空虚な部分があった。それで、美容師になってからも、“何かしたい”と考えていた。

また、少年時代から目に見えない世界に興味があり、この世の中には目に見えている部分と違った別の何かがあると考えてましたし、一方で『ノストラダムスの予言』を読み、世紀末のこと、その救済のことも思ったりしていました」

「深見青山とコスモメイトを知ったのは本でした。世紀末を救うのは深見だと本気で信じるようになった。彼は超能力者で、彼の口から発する言葉は神の言葉とも思ったのです。それで、深見に近づくことは神に近づくことで、近づけるようになると自分は神に選ばれたと思うようになった。

いわゆる選民意識ですね、自分がこの世を救うんだという使命感も生まれ、深見の“強運”だったかに影響されて、明治維新の志士たちの気分にもなっていました」



「日常性からの脱出」への熱望

この四人の話を聞いて、バカバカしいと思う人もいるだろう。しかし、冷笑を浮かべようと、四人の話には簡単には否定できない現実も含まれている。

たとえば、会社の中で心から打ちとけて話ができない現実がある。

これは若者だけに限らず、ある調査報告では、中高年でも悩みごとを会社の同僚に打ち明けることのできる人は数%しかいないという。精密機械メーカーに勤めていた先のOLは「青山塾でとくに用事がないときでも、会社が休みの日は真っ先に西荻窪に行った。新しい会員さんの世話、といってもお茶を出したり、片付けをしたりすることぐらいですが、みんなと会うのが楽しみでした」と話す。

また、西洋医学でも東洋医学でも治らない病気があるのも現実である。

学校から社会に出て、何かをしようと思っても、行きつく先は「会社」である。

現代の日本社会は「会社主義」(馬場宏二東大教授)、「会社本位主義」(奥村宏龍谷大学教授)と表現されるほど会社が主役である。

その会社では、競争に打ち勝って出世(あるいはワンランク上の仕事を)するか、それとも負けて年齢に比較してレベルの低い仕事に甘んじ続けるしかない。

会社に入らず、そのシステムに巻き込まれないような生き方ができる場はごく限られている。



また、会社に入れば、会社での仕事を通して自己実現をはかるという幻想のもと、その実ひたすら「会社のために」働くようになる。世のため・人のために働いているという実感をもつ人は少ないだろう。

若者に強い「人(かつての言葉なら人民)のために」という使命感が発揮できる場は少ない。そうであれば、元美容師の青年が話すように「もっと何かがあるはずだ」と考えるのは当然だろう。

京大卒生の「競争に勝ち抜いていくという生き方はいやだった。

学生運動があれば、そっちに行っていた」という話も、気分としては理解できる。

二十年余り前の全共闘運動の背景にあった気分も、資本主義の歯車に巻き込まれるのはいやだ、歯車に巻き込まれつつある自分たちの「日常性からの脱却」をはかりたいという熱望だったはずだ。

一部上場企業からコスモメイトに入ったある青年はこう振り返る。

「目に見える社会はいい社会じゃない。物質だけの社会。だから、目に見えない何かがこの世を動かしている、その見えないものの存在を知り、何か秘法のようなものを身につければ他の人よりパワーが発揮できるのではないか、と考えました。その方が未来にロマンを感じることができた」

コスモメイトに限らず、宗教にひかれる要素は充分にあるのである。

それに、この四人に限らず、現代の若者は唯物論・唯心論をめぐる論争など関係なく育ってきている。

子どもの頃から霊の存在、霊的なものを一度は否定してみるという環境などなかった。小学生の頃から「こっくりさん」がはやり、占いとオカルトは日常的なものであった。






心も運もカネで買える時代

そうはいっても、救霊代に十五万円も払う心理は理解しにくい。その疑問に元会員たちが答えてくれた。

「目に見える物質社会とは別のものを求めているにもかかわらず、僕たちの気持ちの中に、消費社会は溶け込んでいます。それで、十五万円でも、悪霊を除いてもらえるんだからと、高いとは思っても、それほど躊躇することなく払ってしまうのです」

深見の本に共鳴し、会員になり、救霊を受け、深見青山を超能力者だと信じれば、そのときからお金の続く限り出し続けることになる。

頭がよくなる秘法であれ、美女になれる秘法であれ、はたまた縁結びの秘法であれ、信じた深見青山先生が授けてくれるのだからと疑うことはしない。

実際、十九人から共通して受ける印象は、心配になるほど純粋で真面目という感じであった。


コスモメイトが発行しているパンフレットに『会員のための心得帖シリーズ』がある。
功徳とお金の関係について説明してあるところを要約すると、次のようになる。


「たとえ三百円のお玉串であっても、必死に祈れば絶大な威力を期待できるものなのです。

しかし、この現代の日本で、本当の意味で貧しい人というものがいるものでしょうか。どう工面しても三万円、六万円といったお玉串さえ出せないというほど貧しい人がそれほど大多数を占めているでしょうか。

一応暮らしていけて、それなりの遊興費はとっておいて、アルバイトする時間もあるけれど何もせず、それでお玉串にまわす余裕がないと言って、懸命にお祈りしても、神様は動きません。

だいたいその人の生活レベルでちょっと痛いというくらいの、一般より少々多めのお玉串をする必要があります。なぜなら、ゆとりのある方が安いお玉串ですませようとするのは神様に対する侮辱なのです。」


この文章を読めば、普通の人であれば「この宗教団体、アルバイトまでさせてお金を払わせる気だな」と警戒するだろう。ところが、深見青山を信じきっている人は、この文章をそのまま受け取ってしまう。

そして、深見がいう「物施(お金を出すこと)に励めば励むほど功徳を得られる」をそのまま信じ、せっせと神法悟得会に参加し、数々の秘法を受け、お金を注ぎ込むわけだ。


元会員が苦笑しながら、話す。

「信じているときは、まったく疑うようなことはしませんでした。何しろ、信じていたのですからね」

信じることは楽しきことであり、滑稽でもあり、お金がかかるものらしい。

深見青山のやり方の特色の一つは、会員が騙されたと気がついても、被害者意識が生まれないことにある。

統一教会であれば、洗脳されて壷を売る人はともかく、壷を買わされたという被害者はいる。それに、壷という物的証拠もある。

しかし、コスモメイトの場合、神界グッズなどを別にすれば物証はないし、だいいち会員はそのときには納得して三百万円、五百万円と出費している。


一億円注ぎ込んだ会社の社長も、
「今から考えると、騙されたと思いますが、あのときは家族の病気がよくなるだろうと信じてお金を出していましたから。裁判といっても・・・」
と諦めているのである。

ともあれ、会員は物施に励み、毎年コスモメイトに百億円近くの現金が転がりこむようになった。

これを深見青山は何に使っているのだろうか。


深見は言う。

「事務所の維持に、お金がかかるし、それに盲人ゴルフ協会などに寄付しています」。これを受けて、日本女子大の島田裕巳助教授は「深見は盲人ゴルフの普及などにつとめ、社会に対する貢献を考えている」
(『文芸春秋』九三年一月号)と書く。

はたして、そうか。

知り合いの宗教家に、宗教団体の評価の仕方を教えてもらったことがある。

「教義はいろいろ解釈があって評価は異なるでしょうから、一番いいのは教祖の私生活が公の発言と一致しているかどうかを調べればいいのです。
話していることと実際の生活が違っていれば、マガイモノと判断してよいでしょう」。

この教えにしたがって、深見の公の発言と私生活とを見てみよう。



深見青山の暮らしぶり

深見がよく口にし、本にも書いてある話は二つある。

一つは、
「コスモメイトから一銭も給料は受け取っておらず、宗教活動は全くのボランティア。私は自分が経営する会社(三十鈴のこと)からの給料でやっている。私は親の財産まで売り払って、宗教に注ぎ込んできた。親にも私財はない。だいたい私は財布など持って歩いたことがない」
という話である。

深見の父親、半田利晴は予備校の三十鈴学苑と時計などの商事部門を経営する三十鈴の社長である。

会社謄本でとった住所を頼りに、父親の家を尋ねると、私財どころか西荻窪駅から歩いて十数分の南荻窪に、立派な家がしっかりとあるではないか。

会社名義ではなく、深見の両親(半々)の所有となっている。敷地面積は八十坪。家が建ったのは二年前。抵当権の設定からみれば、時価四億七千万円はくだらないだろう。購入資金はどこから出たのだろうか。

深見がコスモメイトから一切給料をもらっていないのは確かなのか。これは、元経理担当者の証言によってすぐに覆った。


「とんでもないです。会社から毎月三百万円の給料は支払っています。会員さんには一銭ももらっていないと高言するから、今でも信じている人が多いのでしょうけど。嘘を平気でつく深見さんに嫌気がさして辞めた社員もいますよ」

ついでにいっておけば、開祖といわれる橘カオルこと徳田愛子には毎月一千万円の給料が支払われている。

深見が財布をもっていないのは事実のようだ。

これには訳があって、深見が行動する場合、お付きと称する秘書が常について回る。

必要なお金は常に秘書が支払っているのである。

もちろん、領収書は発行してもらう。

宛名は、コスモメイトか現在申請中の「皇大神社様」である。深見が海外から買ってくる会員のお土産もそうだ。


深見はどこに住み、どんな暮らしをしているのか。

西荻窪駅の南口から歩いて五分のところに、コスモメイトの会員が集まるマンションがある。救霊を施す場所でもあり、宿泊施設にもなっている。近くには幸福の科学の事務所もある。そこから、歩いて十分の西荻窪四丁目のやや奥まったところに、表札のでていない、赤レンガづくりの瀟洒な家がある。周囲に大きい屋敷が多いためか、それほど目立たないが、それでも敷地面積は約百坪、建物の床面積は約六十坪だ。

ここに橘カオルと共に暮らしているのである。

料理、洗濯、掃除は会員の中からとくに選ばれた女性が行っている。

修行の一つだというが実質は女中にすぎない。


ほとんどの会員はこの家の存在を知らされておらず、発覚した場合に備えて「コスモメイトの研修所」ということになっている。

事情を知っている人は椿邸(つばきてい)と呼んでいる。

貸家だが、家賃は月二百四十万円だ。


生活費は肉、魚などの料理の材料から橘カオルの服に至るまで、すべて「皇大神社」もちだ。コスモメイトに月に三回、新宿・伊勢丹から支払い請求がくるのは、椿邸がツケで買ったものである。

その額は月に三十万円、多いときには百万円だ。

橘の口癖は「高級品を使う人のところには高級な霊が降りる」というもの。

したがって、料理の器も「コペンハーゲル」など一流ブランド品ばかりだ。

要するに、みんなから集めたお金で開祖と教祖はいい暮らしをしているのだ。

セミナーに登場するときの深見の背広は三十万円から五十万円する高級品ばかり。それもセミナーに参加する人たちのお金の中から支払われたものだ。

椿邸の横に空き地がある。
土地謄本によれば、昨年の十二月コスモメイトが購入したことになっている。

敷地面積は約八十坪ある。事情に詳しい元社員に聞くと、「椿邸の大家が借金に追われ、それで椿邸が昨年の十一月に銀行に差し押さえられたのです。

そのために、深見と橘の住まいを建てる土地として購入したのです」という。

会員から集めた百億円近くはいろいろなものに化けるようだ。

深見が口にする、もう一つのことに触れる前に、百億円の行方を説明しておく。

百億円はすべて皇大神社関連の銀行口座にプールされ、その一部がコスモメイトに「イベント前渡し金」(コスモメイトからすれば前受け金)の名目で流れる。その資金を使って、椿邸の隣の土地を含め国内外の土地・建物をコスモメイトの名義で購入している。

一つ一つ紹介するのは煩雑なので、別表にまとめておいた。


「皇大神社」が認可された暁に、コスモメイト名義から皇大神社に移管し、税金を逃れる計画だと元会員たちは見ている。


コスモメイト関連の国内・海外資産一覧表(三十鈴を除く)

日本国内
札幌市西区西野/ 住宅一棟
杉並区西荻北 / 事務所ビル2フロア
杉並区西荻南 / 土地(80坪)
長野県菅平 / 土地とログハウス
長野県穂高/ 土地・温泉つき旅館
伊豆大仁(皇大神社)/ 土地(約1千坪)
その他 / ゴルフ会員件、テニスクラブ会員権

オーストラリア
パース / 土地(約12万坪)、豪邸、宿泊施設、プール
パース(マクニール通り) / プールつきの豪邸(深見・橘の専用)
パース(ギャロップ通り)/ プールつきの豪邸
パース(スワン川)/ マリーナー、クルーザー

イギリス・ロンドン郊外 / ビリヤード、プールつきの豪邸(購入価格二億円強)、総額8千万円の高級家具(深見・橘の専用)、ゴルフ会員権
ノルウェー・オスロ郊外 / マンション2部屋(深見・橘の専用)
ベルギー・ブリュッセル/ マンション1部屋
アメリカ・ハワイ / 住宅、マンション、土地(約1千坪)

海外法人
オーストラリア / コスモメイト・オーストラリア、モンローインテリア(高級家具店)、アクアラマ(マリーナの管理会社)、PTS(旅行会社)、やまとスクールラングウェッジ(語学学校開設の予定)
イギリス/コスモメイトUK(休眠中)、コスモメイトジャージ(節税対策用)、TTP(旅行会社)
ベルギー /ユーロニッポントレーディング(貿易会社)
アメリカ/ コスモメイトUSA
香港/ コスモメイト香港



「生涯不犯の誓い」と強制猥褻

話をもとに戻す。

深見のもう一つの口癖、それは「生涯不犯」の誓いである。

「妻帯せず、さらに生涯不犯の誓いを立てるのは、神人合一の道、成就の大願を発しているためです」

「男性、若者としての幸せをことごとく捨て去り、日夜、人間としての己を捨て去り続けることによって、神のごとき人であり続けられるのだと考えました」

と本でも述べている。
凛とした響きをもつ言葉である。実際、妻帯せずの誓いは守っている。

不犯も守っているといえば守っていることになるが、しかし冒頭に述べた通り、三十鈴学苑の苑長でもある深見青山(半田晴久)は、コスモメイトと三十鈴の元女性社員に強制猥褻行為で横浜地裁に訴えられている。

利用した手口は「君の霊だけを特別に救ってあげよう」という“救霊”利用である。

裁判に訴えた女性の話を含め、深見の猥褻行為の事実だけを書いておく。

ブラウスの上から胸をさわる。スカートをめくる。直接胸をもむ。口の中に舌を入れる。抱きつく。

自分の性器を見せる。

乳首に吸いつく。パンティの上から性器を触る。パンティに滲んだ生理の血に気づき、ブルブル震える(生理に驚いたというより、血が怖いらしい)。

なるほど不犯の誓いは守っている。

だが、十人以上の女性にこうした猥褻行為をするとは、どういうことか。気になるのは、被害者にはいやな表現になるが、なぜ深見は最後の線は守るのか。


もう一つ気になるのは、同居している開祖、橘カオルとの関係である。

橘は深見より十七歳年上。初老に近い五十九歳だというのに、深見が若い女性と仲良くしているとやきもちをやくという。

そういう光景は何度となく目撃されている。

深見にとって橘は霊能者、その橘から「女性と性行為に及べば、あなたの霊的な力はなくなってしまう」とクギをさされた。

だから深見はレイプまではしないのだ、と推測する人もいる。

だがそれより、深見がいないところで、橘が深見をくさす言葉、「歩く幼稚園」にヒントがあるように思える。


深見が本で語ったところによれば、十五歳のときから不犯の誓いを立てたという。今年まで会員だった女性が深見のことを調べたことがある。深見が昔よく話したというある神社の宮司が、こう教えてくれたという。

「深見さんの親父は、よく暴力をふるった。殴られたのはお袋さん。何とか、彼は救いたいと考えたようだ。家庭の愛に恵まれず、そのため極度のマザーコンプレックスになった(実際、深見は橘のことをマミーと呼び、実母のことを大ママと呼んでいる)。

発育が遅く、中学校から高校生にかけて背も低く、好きな女性ができても、相手が大きいので誰も相手にしてくれなかったらしい。そこで、女性に子どものように甘えたいという気持ちの一方で、恐怖心も生まれたようです。かわいそうな人だ」

十五歳のときに不犯の誓いを立てたのが事実だとすれば、それは女性に対するコンプレックス(複合心理)のせいではないだろうか。

それが、性の発達とともに歪なものになったのではないか。


目立ちたがり屋の性格である。
大学時代に通った亀岡の大本教の本部担当者は、二十年以上も前の信者の一人にすぎなかったはずの深見(当時は半田の名)のことを覚えていた。

「英語の論文で賞を取ったことも印象深いことの一つだが、タレントにしてもいいようなユニークな青年だった」。

同志社のESS時代の深見を知っている人も
「モノマネが抜群に上手で、とにかく目立ちたがり屋だった。その後も深見ではなく半田として付き合ったことがあるが、動物でいえば擬態のような男だと思った。相手に合わせて自分の色を変えていく、そういう男じゃないのかな、彼は」という。

この証言を、先の宮司の言葉と照合すると、小さくて目立たず、家庭の愛に飢えていたことの代償として、モノマネ(ほんとうにタレントにしてよいくらいうまい)などで人々の関心を集め、集団の中で目立つ存在になりたかったのではないか。

今のイジメられっ子の処し方とよく似ている。集団の中で人からよく思われようとすれば、擬態を身につけなければならないのである。

調査した女性の分析によれば、「大人になりきっていない子ども」ということになる。

食事では、好きなものだけを食い散らかし、口のまわりはいつもベトベト。大好きなのは森永のマミーと練乳ミルク。

別の女性も「子どもがそのまま大人になったよう」と分析する。


このように考えていくと、宮司の感想と同じくかわいそうな男という気がするが、ところがなかなか抜け目のないところもある。

それは、三十鈴の常務を除けば、実質的な責任者にもかかわらず、コスモメイトグループ関連の会社の役員にまったく名前を連ねていないことだ。



「万が一」への準備も万端

昨年、ペガサス航空という一般旅行代理業の免許をもつ旅行会社を一億円で買い取り、ジャパンペガサスメイトと社名変更し旅行業を始めた。これまで会員向けに行っていた方位旅行(縁起旅行)を自分たちの手で事業化しようという目論見である。

ところが、この新生企業の役員にも顔を出していない。不思議な話だ。

役員になっている三十鈴と、そうでないコスモメイト(社長栂村繁郎)、橘出版(同)、ビッグビジネス経営経済研究所(同)、漢方薬局の武蔵野メディカル(同)、ジャパンペガサスメイト(同、七澤公典)、占い喫茶あたーる(西谷泰人)、医療法人社団・北辰会(会長川嶋浩一)の七社との違いは、

深見が取り組んでいる宗教が失敗に終わった場合、三十鈴はほとんど痛手を受けないが、他の七社は倒産するという点にある。

三十鈴は半田一族で固められている。

深見の元側近であった社員は、深見にこう尋ねられたことがある。

「何か法律上の問題が起きた場合、(役員になっていない)僕の立場はどうなのだろうか?」

何もないと答えると、安心したように、

「よーし。もっとも、コスモメイトに万が一のことがあっても、僕には三十鈴があるから大丈夫だ」と話したという。

国税当局がコスモメイトの動きに注視している。

「皇大神社」が宗教法人として認可されなかった場合、百億円近くの金にメスが入る可能性が高い。

そのときに、深見は責任を部下に押しつけるつもりなのだろう。


幹部の中で深見を信じきっているのは、確認した範囲では医療法人代表の川嶋浩一だけである。

その他の幹部は信じてなくても、どっぷりつかり、給料ももらっているだけに逃げられないようだ。

川嶋は筑波大卒の小児科医。深見の霊能力に影響され、地元(荻窪)の医師会には内緒で、西洋医学、東洋医学、神霊医学(?)をミックスした病院(司診療所)の成功に力を入れている。深見の猥褻行為の話を仲間がしても、「そんなことは信じない」という。

問題は、深見たちの宗教が法人として認可されるかどうかがカギとなる。

法の壁に突き当たって、コスモメイトグループが瓦解したとき、みんながそれぞれどんな生き方を見せてくれるだろうか。

また違う神のところに行くのだろうか。(了)
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「教祖深見青山よ!この慟哭を聞け」新興宗教コスモメイト訴訟


雑誌
サンデー毎日1994年6月12日号

ある朝、突然、息子は原因不明の病に倒れた。
懸命の治療にもかかわらず、愛児は昔の笑顔を見せてくれない。

両親は最後の救いを信仰に求めた。


それが深見青山・教祖(四三)が率いる新興宗教「コスモメイト」だったのである。

東京都杉並区に本拠を置く信者数およそ二万人とされる神道系の新興宗教団体。

その主宰者、深見教祖は自ら“神人合一の道”を究めた人物と称する一方で、
巧みな話術と音楽などの芸術的才能を売り物にソフトムードを演出、一九八五年の教団設立以来、急速に信者数を増やしてきた。

この四月からは名称を「パワフルコスモメイト」と改め、さらに宗勢を増そうとしている。


ところが今回、深見教祖とコスモメイトの宗教活動そのものが金銭を騙(だま)し取るための「新たな霊感商法」であり、詐欺的行為だとする“告発”が出された。

訴えたのは東京都内に住む大手商社の部長代理、Aさん(五〇)とその妻(四六)。
二人はコスモメイト設立の翌年に入信。以来、信者の間でも「最も熱心で模範的な会員」といわれてきた夫妻である。

そのAさんが言う。
「あの子の病気を治してやりたい一心で入信しました。深見本人はもちろん、周囲の幹部や教団のスタッフの人たちも
『キリストや釈迦にも勝る霊能者』と繰り返し、『コスモメイトにいると薄皮がむけるように、少しずつ良くなる』とも言っていました。

しかし、家も生活もすべて犠牲にした今、あの子の病気はむしろ悪くなるばかり。
そのうち、本当に霊能者なのかと疑うような行動や言動も伝わってきて・・・・」

五月二十三日、夫妻は深見教祖と教団の宗教行事を担当する「株式会社コスモメイト」など三者に対して、
総額八千五百万円余の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

訴状によれば、原因不明の病気になった二男のことを深見教祖に相談した八七年六月、教祖は「この子の前世は殿さま、父親は家老、母親は勘定役で、親子で三千人を殺している。その倍の人を救わないと救済されない」と言い、一人七百万円を払って“救霊師”となって奉仕活動をするように求めたという。

夫妻は、その金をつくるために世田谷区にあった当時の自宅を売却した。
訴訟を担当する伊東良徳・弁護士は怒りを隠さない。



「コスモメイトは表面上、明るいイメージで売っているが、実際にやっていることは霊感商法そのもの。

パンフレットでも『人間が幸福になれないのは、その人についている諸々の悪霊のせい』と不安を煽(あお)り立て、その一方で『その霊を取ってあげます』(救霊)と高額な玉串料を要求する。

これは教祖以下、組織ぐるみで脅し、たかりをしているのと何ら変わりません」

昨年の春、この教団の内実について、本誌は「心を金で買う時代」と題して二度にわたる検証記事を掲載した(93年4月18日、25日号)。

教祖から強制わいせつに近い行為をされたという元女性信者のセクハラ訴訟、不当解雇されたと地位保全を求めた元スタッフの訴えなどから、
外面のソフトイメージからは程遠い教祖の暴力的行為やコスモメイト・グループの不透明な金銭の流れを明かにした。



「アリ地獄のようなシステム」

話をAさん夫妻に戻そう。病気などとは無縁だった二男が病に侵されたのは八年前、小学五年の夏だった。

「明け方にウンウン唸(うな)っているなと思ったら、朝には昏睡(こんすい)状態でした。名前を呼んでも目を見開いたままで反応しない。病院では『このまま死ぬか、植物状態になる』と言われました」(妻)

幸い、一命は取り留めたものの、二男は言葉を失った。しかも、日に何度も発作を起こして救急車で運ばれる身に。

もはや二男は昔のわが子ではなくなってしまった。

「漢方や鍼(はり)などの東洋医学、それに私は宗教に関心がなかったのですが、元に戻してやりたい一心で霊能者といわれる人にもあちこち会いに行きました。そういう時期、深見に出会ったんです」(夫)

すぐさま夫妻は信者にとって最高の名誉に当たる「上級救霊師」の資格を取った。二人で千四百万円の玉串料。

しかし、同じ時に救霊師になった元信者は言う。

「あれは一回目の募集で、全部で三十人ほどだったと思います。私たちから“資格料”としてまとまった金を取り、他の会員の救霊をさせる。その救霊の玉串料(料金)も、コスモメイトに全額、吸い上げようというわけですよ」



当時を知る幹部級の元スタッフたちも、こう証言する。

「幹部の中には統一教会出身の者もいて、『どうすれば、訴えられなくて済むか』なども検討していた。

つまるところ、結論は『誰にでも面と向かって霊のことを言うと訴えられる。だから、
コスモメイトの“入り口”はパンフレットなどで選ばせる格好にしよう』と。でも、結局のところ、本質は同じですよ。
だんだんと嵌(は)まり込んでいった人は、自分にはあの霊もついてる、この霊もついているんじゃないかという気持ちになる。

そこで教祖本人から『君にはコレコレの霊がついている』と言われると、もう逃れられない。まるでアリ地獄のようなシステムです」

そんな教団中枢の思惑を知らず、息子の病気を治したい一心のAさん夫妻は、それこそアッという間に穴の中心部に吸い込まれていった。

そして、教えに従って懸命の奉仕活動を開始した。

専業主婦だった妻は土曜、日曜もなく、ほとんど毎日、救霊室のある杉並区西荻窪のマンションへ通った。

毎朝、五時過ぎに起床、二男と年子の兄の弁当をつくる。八時には家を出て、家に帰るのは夜十時、十一時になる。

もちろん無給で、交通費も自前だ。彼女が日に三件は行う救霊の玉串料は一件当たり十五万円とか三十万円で、それらの金はすべてコスモメイトに入る仕組みである。

「あの子を一人で家に残すのは心配でした。いつ発作で倒れるか分からないんです。実際、お兄ちゃんが学校から帰ってくると、
怪我をして部屋の床が血だらけのこともありました」



一方、夫は商社マンとして欠かせない酒、ゴルフなどの付き合いを一切やめた。仕事が終われば、真っすぐ家に戻って兄弟二人に夕飯を食べさせねばならない。

当然、転勤を伴う人事異動なども受け入れられるはずもない。

「深見から人を介して『会社も辞めて奉仕しなさい』と言われたが、それだけは断った。

上の子が『お父さん、僕たち、もう家もない。生活だってめちゃめちゃだ。会社まで辞めるなんて絶対にイヤだ』と泣いて反対したからです」



「抑えようのない悔しさが・・・」

夫婦はコスモメイトのほとんどすべての宗教行事にも参加した。伊勢神宮や箱根神社への団体参拝、病気の治癒に役立つ霊能力者の資格など。

これらはどれも百万円単位の玉串料が要る。さらに次々と出されるビデオテープや本、アクセサリー、テレホンカード、カレンダー・・・・。

二男の治療費も含めると、その経済的負担はあまりに重い。

「奉仕に通う電車の定期も一ヶ月ずつしか買えませんでした。
バス代を節約しようと一番近いJRの駅まで三十分かけて自転車で通いましたが、
あたりは丘陵地帯で、ずーっと坂道が続くんですの。

夜遅く、真っ暗な道を走りながら『神さま、私と夫がしていることは本当に正しいんでしょうか』と空を見上げたことは一度や二度じゃありません」

そして、入信から八年。
二男は、背は両親より高くなり、髭(ひげ)も生えた。だが、昔の笑顔はまだ戻らない。


Aさんの妻は言う。
「そんな時、『深見先生は最初から“いくら救霊しても、あんなの、治るはずない”と言っていた』と聞いたんです。

まさかと思って、ある人に確かめてもらったら、他の幹部も同じことを聞いたそうです。その時、ハッキリ騙されたと確信しました。

いまもダッコをせがむ二男を散らかった部屋の中で抱いていると、親の勝手な信心のために二人の息子には本当に申し訳なかったという気持ちと、
深見青山への抑えようのない悔しさがこみ上げてきます。
すべてが無駄でした。

コスモメイトは私たち一家の不幸につけこんで、馬鹿にして、踏みつけて、利用し尽くしたんです」


こうした夫妻の訴えに対してコスモメイト側は、
「私たちの宗教活動は本人の自由意志によるもので、強制したことは過去、現在ともに全くない。新手の霊感商法という批判は当たらない」
と反論している。

が、先週の五月二十七日、福岡地裁は「霊感商法で多額の献金をさせられた」と
福岡市内の二人の主婦が統一教会を訴えた裁判で、教会側に三千七百六十万円の支払いを命じる判決を下した。

Aさんは拳を握りしめながら、こう言う。
「深見に言いたい。もう、このくらいでいいだろう、十分すぎるじゃないか、と。あなたは何十億、何百億も儲けたはずだ。
本当に人を救うつもりならば、世のためと言うならば、今すぐ宗教などやめて、普通の男に戻りなさい、と」


霊能者の深見教祖に、この叫びは聞こえないのか。

コスモメイトとその関連会社には、昨年十二月から東京国税局査察部が入っている。
その調査は、現在も継続中という。

本誌・湯浅啓/小野博宣


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