ワールドメイトの事典
ワールドメイトに言及する著述
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『カルト宗教事件の深層―「スピリチュアル・アビュース」の論理―』
春秋社、2017年5月刊、A5判、311頁、2,800+税
中西 尋子
春秋社、2017年5月刊、A5判、311頁、2,800+税
中西 尋子
これらの教団は震災を天罰・天譴と説き、被災者の不安を煽るとともに信者の凝集力を高めようとすることが指摘される。
統一教会の場合はどうだったか。
東日本大震災の地震・津波は首都圏を襲うはずだったが、統一教会が日本で巡回の大会をしたおかげで、震源地を関東ではなく海に移動させたと説いた。
「カルト現象に終わりはなく、次々と事件、問題が起きることを示さねばならない」
として、(中略)サッカー Jリーグの東京ヴェルディがワールドメイトの教祖深見東州(半田晴久)が代表を務める株式会社ミスズとがコーポレイトパートナーを結んだことなどが述べられる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/religionandsociety/25/0/25_185/_pdf
として、(中略)サッカー Jリーグの東京ヴェルディがワールドメイトの教祖深見東州(半田晴久)が代表を務める株式会社ミスズとがコーポレイトパートナーを結んだことなどが述べられる。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/religionandsociety/25/0/25_185/_pdf
「カルト」の信教の自由を考える
~大学「カルト」対策に伴う人権侵害性とカルトの法的保護範囲を検討する~
中本 和誉
~大学「カルト」対策に伴う人権侵害性とカルトの法的保護範囲を検討する~
中本 和誉
3、 「カルト」をめぐる事件
世界的な衝撃を与えたのは「人民寺院」事件3だが、ここでは日本国内の主な「新興宗
教」、「新宗教」の事件をとり上げる。
教」、「新宗教」の事件をとり上げる。
1987. 「統一教会」の「霊感商法」が社会問題化
1989.2 「オウム真理教」「田口修二さん殺人事件」
1989.2 「オウム真理教」「田口修二さん殺人事件」
1993.3.27 オウム真理教「宮崎の旅館経営者拉致事件」
5.27 「霊感商法/統一教会」に民事賠償判決(福岡地方裁判所)
1994.1.30 オウム真理教「落田耕太郎さん殺害事件」
5.27 「霊感商法/統一教会」に民事賠償判決(福岡地方裁判所)
1994.1.30 オウム真理教「落田耕太郎さん殺害事件」
1994.9.6 神道系カルト「パワフルコスモメイト」(現ワールドメイト)脱税容疑
「反社会的な宗教活動にかかわる消費者被害等救済のための指針」
4、 献金等勧誘活動について
(1)、献金等の勧誘にあたって、次の行為によって本人の自由意思を侵害していないか。
① 先祖の因縁やたたり、あるいは病気・健康の不安を極度にあおって精神的混乱をも
たらす。
② 本人の意思に反して長時間にわたって勧誘する。
③ 多人数により又は閉鎖された場所で強く勧誘する。
④ 相当の考慮期間を認めず、即断即決を求める。
① 先祖の因縁やたたり、あるいは病気・健康の不安を極度にあおって精神的混乱をも
たらす。
② 本人の意思に反して長時間にわたって勧誘する。
③ 多人数により又は閉鎖された場所で強く勧誘する。
④ 相当の考慮期間を認めず、即断即決を求める。
(2)、説得・勧誘の結果献金等した場合、献金後間もない期間(たとえば 1 カ月)はその
返金の要請に誠意をもって応じているか。
(3)、一生を左右するような献金などした者からの返金要請にできる限り誠実に応じてい
るか。
(4)、一定額以上の献金者に対しては、その宗教団体等の財産報告をして、使途について
報告しているか。
(5)、お布施、献金、祈祷料等の如何を問わず、支払額が一定額以上の場合には受取を証
する書面を交付しているか。
返金の要請に誠意をもって応じているか。
(3)、一生を左右するような献金などした者からの返金要請にできる限り誠実に応じてい
るか。
(4)、一定額以上の献金者に対しては、その宗教団体等の財産報告をして、使途について
報告しているか。
(5)、お布施、献金、祈祷料等の如何を問わず、支払額が一定額以上の場合には受取を証
する書面を交付しているか。
4、 信者の勧誘について
(1)、勧誘にあたって、宗教団体等の名称、基本的な教義、信者としての基本的任務(特
に献金等や実践活動等)を明らかにしているか。
(2)、本人の自由意思を侵害する態様で不安感を極度にあおって、信者になるよう長時間
勧めたり、宗教的活動を強いて行わせることがないか。
に献金等や実践活動等)を明らかにしているか。
(2)、本人の自由意思を侵害する態様で不安感を極度にあおって、信者になるよう長時間
勧めたり、宗教的活動を強いて行わせることがないか。
岩波書店『世界』
それにしても、街の霊能祈祷師が逸脱して「宗教被害」をもたらしたというのなら昔からあることである。
が、一定規模の勢力を有するいくつもの宗教団体が、脅迫や詐欺を理由として、多くの元信者から裁判に訴えられたり返金を要求されたりするのは、一体どういうことなのであろうか?
そもそも本当に「宗教被害」なのだろうか?
このレポートに名称を挙げた教団は、現に今も「救われた」という実感をもって信仰活動に励んでいる信者がいる。
彼らは、元信者と同じ信仰生活にありながら、脅迫もされていないし、欺かれてもいないのだろうか?
彼らは、元信者と同じ信仰生活にありながら、脅迫もされていないし、欺かれてもいないのだろうか?
そこが豊田商事に見られるような詐欺事件とは決定的に異なるところであろう。
彼らは目に見える限り、宗教団体の要件を満たしているし、「詐欺」「脅迫」として問題にされたことを「宗教行為」として実行しているのだ。
そして、そこの場において元信者らは経済的にも身体的にも精神的にも傷つけられたと主張しているのである。
霊感・霊視商法では、密室性・時間の切迫性から脅迫の面がかなり明らかに感じられる。
マニュアル通りに演じて「霊能者」のふりをするなら詐欺だろう。
マニュアル通りに演じて「霊能者」のふりをするなら詐欺だろう。
しかし、それも因縁や霊障といった宗教的世界観を共有しているから脅すことが可能となる。
それがなければ相手にされないだけの話だ。ならば、密室性や時間の切迫性、詐欺性は「宗教被害」にとって本質的な問題であろうか?
それがなければ相手にされないだけの話だ。ならば、密室性や時間の切迫性、詐欺性は「宗教被害」にとって本質的な問題であろうか?
ワールドメイトの場合、密室性や時間の切迫性は原告側も言及していない。
脅迫されたと訴えるのは、霊の祟りを信ずる世界観のところで問題が生じたからにほかならない。ここは重要な点である。
脅迫されたと訴えるのは、霊の祟りを信ずる世界観のところで問題が生じたからにほかならない。ここは重要な点である。
内面の問題として世界観や、その注入の仕方に触れることを避けていると、霊感・霊視商法の類い方法を工夫すればいくらでも可能となってくる。
オウム真理教の信徒が、グル信仰やカルマの呪縛、ハルマゲドンを信ずることで大量殺人に至った事が裁判を通じて明らかになってきた。
「宗教被害」からみて、オウム問題は特殊例外的ではなく、極めて極端な典型と考えたほうがいいのではないか。
「宗教被害」を訴えられ、苦情を寄せられるこうした教団による被害は、80年代に姿を現わし、90年代に入ると、統一教会に加え、オウム真理教、霊視商法の本覚寺・明覚寺グループ、法の華三法行(アースエイド、ゼロの力学)、ワールドメイト、神慈秀明会、サイエントロジーなど数を増やしてきた。
「宗教関連被害」あるいは「宗教被害」とでもいおうか、かかわった宗教に「騙され」「脅され」て金銭や財産を奪われたいという訴えが、各地の消費生活の公的相談窓口に数多く寄せられ続けている。
要するに『宗教には脅迫はつきもの』とか、単純に、教義や信仰にかかわるから法的には争えないという旧来の見方では問題を解決できないような、システマティックに人に『被害』と及ぼす新しいタイプの宗教が出現してきたのである。
藤田庄市(大正大学文学部哲学科宗教学専攻卒・(公財)国際宗教研究所・宗教情報リサーチセンター研究員)
