ワールドメイトの事典
深見青山コスモメイト教祖のホンネ
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[独走!「宗教と商売」の内幕]第4弾
深見青山パワフルコスモメイト教祖
これが一般会員に語られないホンネだったのか――
「問題の肉声テープ」を公開する!
雑誌
週間ポスト1994年10月21日号
レポート/須田慎一郎(ジャーナリスト)
週間ポスト1994年10月21日号
レポート/須田慎一郎(ジャーナリスト)
一般会員の知りえない情報に接触できるのが“幹部”の役得のひとつだろう。
それはどんな組織でも共通だ。
それはどんな組織でも共通だ。
神道系宗教団体パワフルコスモメイトの幹部たちを相手に語られた深見青山教祖の“言葉”は、なかなか刺激的である。
「宗教の自由」を掲げ、国税当局と対峙する「宗教法人申請準備中」の団体のリーダーの意外な「宗教観」とは――。
「私は逮捕されるでしょう」
(前略)
私の手元に一本のテープがある。内容は、昨年の初め頃、深見教祖がパワフルコスモメイトの幹部数名に対し語りかけているもので、深見教祖の著作や講演では聞くことのできない発言がいくつか聞き取ることができる。
一般会員にとってはもちろん、パワフルコスモメイトの「宗教と商売」の関係について注目している私たちにとっても、興味深いその肉声を追ってみよう。
「宗教家になるのは嫌だ」
テープはまず、深見教祖の学生時代の思い出話から始まる。要約すれば、サークルでいかに自分が優れたリーダーシップを発揮したか、という一種の自慢話だが、そこにはこんなくだりがある。
<・・・要するに自分に厳しくする。誰よりも自分に厳しく立ち向かったときにそれだけの迫力が出てくるわけで・・・それまでとは人格が変わりました。それはひたすら組織のことを思うから、クラブ(ESS)のことを思うからで、180度変わりましたよ。
それで僕のマザコンが直ったんだね。・・・母親に対する思い込みばかりで、いつ見ても優しい母親を思いやる心が、女性を思いやる心になった。
優しくしたからといって、つけあがるんだね。女は。
わかった、だから、鬼のようになって、がーんとしたほうがしびれる。それからはモテはじめた。それまでは全然モテなかった。優しすぎた、マザコンだった、大学2年生までは・・・>
この手の発言は、あるいはセミナーなどでも語ることがあるかもしれないが、このあとのくだりには、しばしば“会員にはいってはいけない”と注意を促す発言がある。
<いかにわれわれが中途半端な抹香臭い宗教観念と女々しい宗教観に毒されておったかということですね・・・だから、宗教家になるのは嫌だといった(笑い)。宗教ほど嫌らしいものはないよ。
人間を軟弱にして、女々しくして、根性のない人間ばかり出てくるからね。そんなことで世の中はやっていけるか、というんだな。
宗教はやめい、といってやる、コスモメイトの会員に。
コスモメイトはやめないでいいといって、宗教はやめろ・・・こういう神様とか仏様とかの勉強をしていると、人間の魅力と輝きがなくなるわな>
<あるいみでは、宗教を求めている人たちの幸せというのは、宗教観念と宗教的な陶酔の世界の中に苦しみを忘れたり、不幸だったり、悲しかったり、つまらない人生だったら因縁だと思うことで救われるわけだね。
自分の努力が足りなかっんだと思うと、過去がかえってこないから。因縁なんだと思うと救われるんだね、心が。その観念と陶酔の中に自分は幸せになっている。
しかし本音をいうと、そんな幸せなんてくそくらえ、だ。
目をさませ。宗教なんかなんだ、といいたいんだね。
それで終わっちゃうと、何を頼りにして生きていけばいいかわからない人がいるわけだから、宗教家でやろうと思ったらいっぱい観念をつくって、いっぱい陶酔して(させて)あげて、ふわっというふうにしてあげるほうが幸せだ。
しかし、幹部はそうあっちゃいかんね。
それがわかっていて、幸せをつくってあげなきゃいけないわけだ。上のレベルまでいったら、壁を払拭してこえなきゃいかんね。そうすると、幹部(は)・・・すばらしい人間、神に近い人間になれる。
全会員がなるのは無理だよね。>
そして、エジプト王朝のラムセス2世や、日本船舶振興会の笹川良一会長を例に挙げ、
<(彼らは)なんといわれても、絶対に傷なんかつかないね・・・そういう人間が世の中で勝っているでしょう。
中途半端な宗教や、抹香臭いやつはみんな負けているよ。いかに宗教というのは人間をこずるくして、ちっこくして、魅力のない人間にするかということです。絶対にセミナーでいっちゃいかんよ(笑い)>
と、口止めしている。
「宗教は人間をばかにする!?」
深見教祖はまるで疲れを知らないかのように話し続ける。この間、他の出席者からの発言はほとんどない。
唯一といっていい反応は、深見教祖の“過激な発言”に対する笑い声である。
<本当のことをいうと、みんな神社にさえ行けばいいや、コスモメイトに入っても意味はないから(笑い)、もっと悪いところへ行く。完璧じゃありませんよ、われわれは。世の中には、悪い人というのはいっぱいいるんだ。
一番ましなところに置いてあげなければいかん。
いっちゃいかん、いいたくなるけれども(笑い)、そこは辛抱しなきゃいかん・・・・本当はそうなんだ。だから、神の世界はそうなんです。仏様だ、倫理だ、道徳だ、何々教だ、新興宗教というのは大いに間違っているね>
<宗教的な神社なんてなければ、宗教法人でもなんでもなければ、ほんとうのことはいつでも話ができる。もっと好きなことができるよね。
宗教的な像を僕にあてはめようとしやがってね。本当に腹が立つのは会員だ>
宗教的な像を僕にあてはめようとしやがってね。本当に腹が立つのは会員だ>
<当然のことながら、神様はわかっていてくれるだろうとか、神様は知っていてくれる、みんなうそです・・・仏様や、守護霊さんや、神社の神様、天界の神様というのはわかってなんかくれないです・・・・
◎神(スシン)(パワフルコスモメイトが最高神とする神)は知っていますよ。知ってくれても、何も動きません。
大げさに、仰々しく、エネルギッシュに、何回も長時間アピールしなければ動いてなんてくれませんよ。私が動かないのと同じですよ。
それほど文句があるなら、呪いをかけてみろ。
(呪いをかけてきた人の)顔がわーっと浮かんでくるまでいったら電話してあげるわ。・・・中途半端なこだわりができたために、思い切ったことができなくなってしまったんですよ。
中途半端に尊敬なんかされて何もできなくなってしまっているから。何といわれようとも、私はやりぬく決心をしましたよ。
宗教臭くなってはいかん。抹香臭くなってはいかん。宗教というのは、人間を本当に、ばかにする。神さんなんかほっとけ>
<コスモメイトのできる前のほうがいろいろと自由だったものね。歌を歌ったり、踊ったり。何のために歌を歌うのかという理由もなくさ。旅行したり。楽しかったよね。抹香臭い話もあったけれど、抹香臭くない話も多かったよね>
<人々というのはほんとうの神様の世界を求めてないんだよね。宗教を求めているんですよ>
これらの一連の深見教祖の発言について、幹部ならぬ一般会員たちは、いったいどんな感想を抱くのだろうか。
「熱心な会員ほどお金を出す」
「コスモメイトのできる前の方が自由だったよね」
深見教祖のこの言葉は、古きよき時代(といっても、ほんの10年前のことだが)のコスモメイトを知る人にとって、共通する思いなのかもしれない。
深見教祖のこの言葉は、古きよき時代(といっても、ほんの10年前のことだが)のコスモメイトを知る人にとって、共通する思いなのかもしれない。
深見教祖を昔から知る元幹部のひとりがいう。
「深見先生にしろ、コスモメイトにしろ、昔はこうじゃなかった。オーストラリアに牧場を買ったのだって、『会員さんに喜んでもらえたらいいね』なんて、皆で話をしていたくらいですから。ところが1990年から91年にかけて、コスモメイトが資金的に非常に苦しくなったときがあったんです。
それからですよ。深見先生がおカネのことをいいだしたのは。いろいろな催しものだって、深見先生は、始める前に、今日はいくら集まったか確認しないと気がすまないんです」
別の元幹部の話。
「そのころ(90年から91年にかけて)だと思うんですが、オーストラリアを中心に海外資産を手当たり次第買い漁ってしまったために、コスモメイトの収入より支出が越える事態になったんです。そこでいろいろな行事や秘法を考えだして、一挙に収入を増やそうとしたわけです」
「そのころ(90年から91年にかけて)だと思うんですが、オーストラリアを中心に海外資産を手当たり次第買い漁ってしまったために、コスモメイトの収入より支出が越える事態になったんです。そこでいろいろな行事や秘法を考えだして、一挙に収入を増やそうとしたわけです」
(中略)
最近、検察庁の検事総長以下、主だった幹部に対して、ほぼ同一内容の手紙が送られてきた。
<パワフルコスモメイトは純粋な宗教活動を行なっている宗教団体である。従って、その収入に関して非課税となるのは当然のことであり、国税当局もこれを認めてきた経緯がある。ところが、国税当局が、これまでの経緯をひっくり返し、脱税だと決めつけるのは、信教の自由をおかす以外のなにものでもない>
これらの手紙は、おそらくパワフルコスモメイト会員たちが出したものと思われる。前出の“肉声テープ”に収められた深見教祖の肉声と引き比べた時、あまりのギャップに疑問を覚えずにはいられないのである。(了)