ワールドメイトの事典
ワールドメイトから訴えられた元会員
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世界中に愛をワールドメイトと半田晴久氏が元会員R氏を訴えた事件
平成16年11月 判決言渡
損害賠償請求事件
損害賠償請求事件
口頭弁論終結の日 平成16年8月3日
原告 ワールドメイト、深見東州こと半田晴久
代理人弁護士 西垣内 堅佑
代理人弁護士 西垣内 堅佑
被告 R氏(仮名)
代理人弁護士 紀藤正樹、弘中絵里
代理人弁護士 紀藤正樹、弘中絵里
原告の主張
被告は,原告らに対し,3500万円を支払え。
被告は,謝罪広告を,朝日新聞,毎日新聞,読売新聞,日本経済新聞,産経新聞の各朝刊全国版社会面広告欄に、別紙2記載の掲載条件で掲載せよ。
訴訟費用は被告の負担とする。
事案の概要
被告は,宗教団体である原告ワールドメイトの会員であった者であるが,
原告ワールドメイトを退会した後の平成12年頃,複数のインターネットサイトの掲示板に,ワールドメイト及びその代表者である半田晴久に関する書き込みをしていた。
本件は,原告らが,被告による書き込みのうち7件の書き込みは,原告らの名誉を毀損するものであり,これにより原告らは精神的損害を被ったとして,
被告に対し不法行為による損害賠償請求権に基づき,慰謝料各3500万円及び
これに対する本件訴状送達の日の翌日である平成14年4月13日から支払い済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払い
並びに被害回復のための謝罪広告の掲載をそれぞれ請求した事案である。
並びに被害回復のための謝罪広告の掲載をそれぞれ請求した事案である。
被告は平成2年から平成8年までの間,ワールドメイトの会員だった者である。
(一)被告は,西村ひろゆきが管理人として運営するインターネットサイト「2ちゃんねる」の「心と宗教」と題する掲示板に以下のとおりの書き込みをした。
(1)平成12年10月11日午後2時4分
「だから,セクハラ裁判でも,保証金に上乗せまでして,被害者の口封じをして『和解』で逃げたじゃないですか。」
「だから,セクハラ裁判でも,保証金に上乗せまでして,被害者の口封じをして『和解』で逃げたじゃないですか。」
(2)平成12年11月10時午前0時22分
「しかし,彼の云い方を深見さんを当て嵌めれば,深見さんもWMを金儲けに使った単なる好色で強欲で傲慢なおじさんになってしまうのでは?」
「しかし,彼の云い方を深見さんを当て嵌めれば,深見さんもWMを金儲けに使った単なる好色で強欲で傲慢なおじさんになってしまうのでは?」
(二)被告は,平成14年3月14日午後11時8分,
被告自身が管理人として運営するインターネットサイト「スサナル」の掲示板に,
「しかし,30年にも渡りセクハラ,業者癒着,僭主じみた行動等々を壟断していた人物を駆逐するのは,あちらの世界からしても至難の技です。」との書き込みをした。
被告自身が管理人として運営するインターネットサイト「スサナル」の掲示板に,
「しかし,30年にも渡りセクハラ,業者癒着,僭主じみた行動等々を壟断していた人物を駆逐するのは,あちらの世界からしても至難の技です。」との書き込みをした。
(三)被告は,インターネットサイト「こおろぎの巣」の掲示板「意見箱」)に,
「WMみたいな人様の御金を無駄遣いする水ぶくれ体質で,ハイコスト・ロークオリティーなのに,会員の会費は下げられるんですかね?」との書き込みをした。
「WMみたいな人様の御金を無駄遣いする水ぶくれ体質で,ハイコスト・ロークオリティーなのに,会員の会費は下げられるんですかね?」との書き込みをした。
以下略
(一)原告らの主張
被告の本件各書き込みによって原告らに生じた無形的損害は,金銭に換算すると,それぞれ3500万円を下らない。
(二)被告の主張
争う。
原告らと被告の関係
被告は,平成2年ころ,母が末期がんに冒され,医学的な治療が困難であることが分かり,●●(伏せる)という医師から,コスモメイト(当時)が実施する救霊を受けることを勧められた。
被告とその母は,同年6月ころ,福岡に行き,B氏による救霊を受けた。
被告は,B氏による救霊を受け,被告とその母2人分として10万円を支払い,九頭龍師による祈とうを受け30万円を支払った。
また,被告は,B氏に勧められ,同時に被告自身が九頭龍師になるための研修を申し込み,頭金50万円とローンを利用して150万円を支払った。
被告の母は,平成2年9月16日に死亡したが,被告は,九頭龍師の研修のため,葬式に参列できなかった。
ワールドメイトは日本各地に支部を置く,会員数5万人以上の宗教団体であり,半田はその教祖である,
宗教団体やその教祖の活動が社会的に許容されるものであるか否かは,社会一般の重大な関心事である。
宗教団体やその教祖の活動が社会的に許容されるものであるか否かは,社会一般の重大な関心事である。
そして,各書き込みは,いずれもワールドメイトの資金の使途,財源,人事及び
半田が会員に対しセクハラをしたとされる訴訟における半田の対応に関するものであり,やはり社会一般の重大な関心事に該当する。
半田が会員に対しセクハラをしたとされる訴訟における半田の対応に関するものであり,やはり社会一般の重大な関心事に該当する。
書き込みをしたのは,ワールドメイトの会員であったときに自らが体験した事実に基づき抱いた疑問や不信を他者と話し合う目的であった。
したがって,いずれも公共の利害に関する事実について,専ら公益を図る目的でしたものである。
書き込みは公開された掲示板にしたものであるから,原告らにも反論の機会があった。
よって,マスメディアによる場合などに比べて,許容される表現の範囲は広い。
よって,マスメディアによる場合などに比べて,許容される表現の範囲は広い。
原告半田が女性会員に無理やりセクハラをした事実を前提に「好色」と,
原告半田がワールドメイトの代表者会議に欠席した支部には神罰を加えると発言するなど,
他人は自己の意のままに動かなくてはならないという言動をとったことを前提に「傲慢」と各論評し,
また,当時48歳であった原告半田を「おじさん」と表現したものである。
他人は自己の意のままに動かなくてはならないという言動をとったことを前提に「傲慢」と各論評し,
また,当時48歳であった原告半田を「おじさん」と表現したものである。
そして,所得隠しの事実,セクハラの事実,半田が前記のような態度をとっていた事実はいずれも真実であり,
仮に真実でないとしても,被告がこれらを真実と信じるにつき相当な理由があり,
論評はこれらの事実に基づき公益目的でされた適正なものであるから,違法性ないし被告の故意・過失が阻却される。
ワールドメイトの神事,秘法,救霊などと呼ばれる行事等に参加するには高額な金員を要し,被告自身もワールドメイトに900万円くらいの金員を費やしているが,
それらの金員は,原告半田の能,オペラ,個展等の開催,海外や日本紅卍会という団体への寄附等に使われ,会員に還元されていない。
ワールドメイトに入会したのは母親を病気から救うためであり,ワールドメイトの言うとおりに救霊や資格取得をしたのに,何ら客観的効果はなかった。
これらの真実を前提に,「人様の御金を無駄遣いする水ぶくれ体質」であり,「ハイコスト・ロークオリティ」と論評したのであり,
これは意見ないし論評の域を逸脱するものではない。
原告半田は,5万人以上の信者を有する宗教団体の教祖であることに照らし,
その行動,言動は,多くの者に影響を与えることから,信者のみならず一般社会においても注目され,セクハラ問題及び別件訴訟の内容も,社会的関心事となっていたことが認められる。
よって,問題について言及する書き込みは公共性がある。
また,公共性のある事実について,自らの疑問を公開された掲示板上に公表することは,それ自体あるいは他者の意見を誘発することによって,
読む者に判断資料を与えることになるから,公共の利益にかなうといえる。
読む者に判断資料を与えることになるから,公共の利益にかなうといえる。
平成13年6月3日午後1時48分
「私には,WMの幹部の方々は,深見さんにとって都合の良い,使い捨てのdisposableみたいな印象が拭えません。」
「私には,WMの幹部の方々は,深見さんにとって都合の良い,使い捨てのdisposableみたいな印象が拭えません。」
原告半田をとりまく幹部が入れ替わり,幹部の者が原告半田に使い捨てのようにされている印象があると論評したものである。
公共性のある事項について,公益目的でした真実に基づく適正な論評であり,違法性が阻却される。
なお,原告ワールドメイトの手のひらを返すような態度は,B氏について,
平成元年にコスモメイトが発行した月刊誌「COSMOMATE NEWS」では盛んに褒めていたにもかかわらず,
本件訴訟においては傲慢不遜で虚栄心の強い自信過剰な人物であったなどとおとしめていることにも表れている。
平成元年にコスモメイトが発行した月刊誌「COSMOMATE NEWS」では盛んに褒めていたにもかかわらず,
本件訴訟においては傲慢不遜で虚栄心の強い自信過剰な人物であったなどとおとしめていることにも表れている。
平成13年6月10日午後1時47分
「以前から,コスモメイトの資金面には?がありましたが,存外,民族主義者(右翼),及びそれに同調する政治屋等と隠密裏に繋がっている可能性も念頭に入れておいても良いと思います。」
「以前から,コスモメイトの資金面には?がありましたが,存外,民族主義者(右翼),及びそれに同調する政治屋等と隠密裏に繋がっている可能性も念頭に入れておいても良いと思います。」
被告が会員であった当時,ワールドメイトは会計報告をしておらず,収支が不明であった事実や,前記所得隠しの事実,寄附の事実,海外資産を購入した事実等を前提に,
ワールドメイトの前身であるコスモメイトの資金面に疑問があるとの意見を表明し,以前ワールドメイト内部で紛争があったときに,
共産主義に反対し,民族主義(右翼)的な書籍を出版する全貌社という団体が原告らを擁護した事実,
原告半田は中村武彦という右翼の人物と姻戚関係にあり,
同人の子である中村明彦は原告ワールドメイトの責任役人や関連会社の取締役を務めているという事実,
原告半田が,民族主義者である笹川良一なる人物が会長を務めていたことのある紅卍会の根本宏に師事し,
同会の理事を務めている事実,
同会の理事を務めている事実,
ワールドメイトで九頭龍師や救霊師といった資格を取得すると自動的に道院紅卍会の会員になる事実,
約半年の間に1000万円もの金がワールドメイトから道院紅卍会に支払われている事実などを前提に,
民族主義者と繋がっている可能性があると推測しこれを表明したものである。
また,被告は,原告半田から元国会議員の藤波孝生や山口敏夫が原告ワールドメイトの行事に参加したことがあると聞いていたので,
政界とのつながりがあると認識していた。
政界とのつながりがあると認識していた。
これらの前提事実はいずれも真実であり,推測は妥当であるから,
本件書き込み6は,公共性のある事項について,公益目的でした真実に基づく適正な論評として違法性が阻却される。
ワールドメイト内紛時に原告らを擁護した「全貌社」は共産主義に反対する団体であり,その出版する書籍内容からしても,民族主義(右翼)に分類されると考えられること,
雑誌「ゼンボウ」が反共的色彩の強い,統一協会系の世界日報社から縮刷本を出しているということ,
また,原告半田は右翼として有名な中村武彦と姻戚関係にあり,中村明彦は原告ワールドメイトの責任役員も勤め,関連会社株式会社ミスズの取締役にも就任していること,
また,原告半田は右翼として有名な中村武彦と姻戚関係にあり,中村明彦は原告ワールドメイトの責任役員も勤め,関連会社株式会社ミスズの取締役にも就任していること,
原告半田自身,道院紅卍字会の根本宏に師事しており,平成7年6月20日以降,同会の理事を務めているところ,民族主義者としても知られている笹川良一も同会の会長を務めていたことがあること,
ワールドメイトと道院紅卍字会は今なお密接なつながりがあり,ワールドメイトで九頭龍師や救霊師になると,道名を授けられ,自動的に紅卍字会の会員にもなることになっていること,
その年会費や別途支払われる寄附金も加えると,半年の間に1000万円前後もの金員がワールドメイトから紅卍字会に支払われていること,
加えて,被告は,原告半田から,元国会議員でいずれも後に逮捕された藤波孝生や山口敏夫が原告ワールドメイトの神事に参加したことがあると聞いていたこと,
事実,藤波孝生は,かつてワールドメイトの責任役員に名を連ねていたことであり,これらの前提事実は,いずれも真実と認められる。
そして,本件書き込み6は,人身攻撃に及ぶとはいえず,論評としての域を逸脱しない。したがって,本件書き込み6は,違法性が阻却される。
原告半田らの請求はいずれも理由がない。
1 原告らの請求をいずれも棄却する。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
2 訴訟費用は原告らの負担とする。
東京地方裁判所民事第37部
裁判長裁判官 近藤壽邦
裁判官 藤井聖悟
裁判官 中川良奈子
裁判官 藤井聖悟
裁判官 中川良奈子
引用元
http://kyusai020826.web.fc2.com/saibandata/r-shisaiban.html
魚拓
https://megalodon.jp/2025-0629-1029-01/kyusai020826.web.fc2.com/saibandata/r-shisaiban.html
http://kyusai020826.web.fc2.com/saibandata/r-shisaiban.html
魚拓
https://megalodon.jp/2025-0629-1029-01/kyusai020826.web.fc2.com/saibandata/r-shisaiban.html