ワールドメイトの事典
『神霊界』『愛の守護霊』『大創運』
最終更新:
wmdata
-
view
『霊・超能力と自己啓発 手さぐりする青年たち』より
コスモメイトの秘法
「幸福の科学」だけではありません。
書店で売り上げを競う「コスモメイト」も同じです。
主宰者の深見青山氏(39)は『神霊界』『愛の守護霊』『大創運』などの著者。どうしも、相手の前世や守護霊を見つけたり、霊障(たたり)をとり去るという“秘法”を使うことで知られています。
この深見氏の月例セミナーにも、人気タレントを見るかのように若者が列を作ります。(中略)
「友人がコスモメイトに入り、大金をつぎ込んでいる」。
会社員Nさん(30)から、そんな話を聞きました。
同僚のS子さん(27)が入会したのは三年前。
「月会費2500円、定例セミナー5000円と聞かされていたが、その他の費用の多さを知って驚いた」とNさんはいいます。
S子さんの場合、「九頭龍師」(病気なおしや金運をもたらす特別の麗能力者)になるための修行料約180万円をはじめ「秘法伝授」の玉串料などで400万円近くも。
預金をおろしたりアルバイトをして捻出していたといいます。
コスモメイトは深見青山氏が主宰する公称30000人の会員組織。
お札やお守りなど神界グッズを売る会社、宗教施設の皇大神社、出版者などでグループをつくり、全国に八つの支部を持っています。また学習塾チェーンの経営でも知られています。
“スーパー霊能力者”と自称し、諸神を霊界から降臨させ、その霊力により数々の“秘法”をつくり出すという深見氏。
その“秘法”にはお金がかかります。
たたり霊や先祖霊の救霊(5万円の玉串料)、水子霊の救霊(一体5万円)、神霊美容術(3万~50万円以上の6段階)、さらには痔疾患をなおす「ヂ・エンド秘法」(1万円~30万円)というようなものまであります。
玉串料は「秘法」っを得るための「精進・努力」のあかし、「一番大切なお金によって、自分の誠意を示すべき」(内部向けパンフ)だと深見氏はいうのです。
もちろん“金がかかる”のはコスモメイトだけの事ではありません。ほかの「超能力」教団も同様です。
それでも若者たちは、秘法を求めてこれらの団体に参加するのです。
この8月におこなわれたコスモメイトの「縁結びツアー」は1000人ほどの会場が満員だったといいます。
20数万円払って参加したS子さんは、瞑想のなかで、“金星のヴィ-ナス”たちと夢のようなひとときをすごしたそうです。
最近の占いや霊ブームを若者のファッションだとする見方があります。そのことばの適否は別にして、昔ながらの「霊とたたり」の」世界ではない、若者をひきつける何かがあるのは事実のようです。
S子さんとコスモメイトの出会いもそうです。きっかけは深見青山氏の本。友人関係で悩んでいた彼女は、本を見て同会事務所を訪ね、手相を見てもらい、“悩みの原因は先祖の霊にまでさかのぼる”と教えられました。そして「神様とともに職場にパラダイスをつくり、自分を高める努力をしよう」と誘われたのです。
正会員になれば毎月『御神示録』を授かり、定例セミナーに参加し、年始めに深見氏と握手をして「強運」をさずかることもできる。そして、霊的なパワーを持つ「救霊師」や「九頭龍師」の修行ができる・・・・・・。
彼女は、青年組織の青山塾にも入りました。
同塾は、「教育、福祉、宗教協力の三本柱を基調とした様々な活動を通して、神人合一の道を学び・・・・・・・人材を育成する」(会則第三条)ことを目的のかかげています。
職場や学校の異なる若者がボランティア活動に励み、天照大神などにふんして踊る「ディスコ神業」に興じることも。
機関誌には、キャンプのスタッフとして仲間をまとめた塾生が、「任務」をやりとげた喜びを手記にして載せています。
そんなことも若者たちの魅力なのでしょうか。
リーダーのたくみな演出で、見知らぬ者同志が見栄を捨て、泣いたり笑ったりして“ハダカのつきあい”を体験させる-こんな企画を採用する団体がふえています。
お札やお守りを“神界グッズ”として売る演出や、「大卒男子のほぼ1年分の年収」を修行料に使えば、「救霊師の秘法」のような「一生使えるノウハウが体得できる」(会員向けパンフ)というのも、魅力なのかもしれません。
S子さんは最近、「福祉」とか「他人の幸せ」といことばをよく口にし「がんばって霊能力を身につけて役立てたい」ともいいます。
以上、『霊・超能力と自己啓発 手さぐりする青年たち』 新日本新書427 新日本出版社1991年初版・1999年第七刷より。
神道国際学会理事の山折哲雄氏の本より
除霊と称して金をまきあげるのは、ギャンブルの手法を利用したインチキ宗教だ。
もはや日本に本当の宗教はないのか。
日本人の心に宗教のことばは届かないのか。
日本人の心に宗教のことばは届かないのか。
最近の新々宗教のなかには、「超自然的な力(超能力)をもつ」と自称する教祖によって、
現世利益がもたらされると説く教団があります。
現世利益がもたらされると説く教団があります。
そういった教団は往々にして、「まだ信心がたりない」「病気が治らないのは先祖が成仏していないからだ」
「あなたが不幸なのは、霊がとりついているからだ」などと、不安感をあおりたてることが多いといわれます。
そして除霊のためとの名目で、壺や印鑑や仏像を法外な値段で売りつけたり、次から次ぎへとお布施を強要するのが常套手段。
しかしその手口にいったんはまったら最後、
「あと千円でフィーバーするかも」「宝くじをあと3千円買えば当たるかも」
というギャンブルと同じような心理状態に陥り、際限なく献金してしまいます。
「あと千円でフィーバーするかも」「宝くじをあと3千円買えば当たるかも」
というギャンブルと同じような心理状態に陥り、際限なく献金してしまいます。
つらいときは藁にもすがりたくなる。これが人間の常。
しかしそうやって集金された金は、教団を裕福にはしますが、信者に幸福や心の平安をもたらすとは限りません。
しかしそうやって集金された金は、教団を裕福にはしますが、信者に幸福や心の平安をもたらすとは限りません。
人の不安感につけこんで金品を要求したり、壺や印鑑を売りつけるのは、往々にしてうさんくさい宗教といって間違いありません。
金儲け主義の教団が乱立する現代日本
しかし、今日の第三次宗教ブームはちょっと様子が違います。
人生の目的や生きる価値の探求、オカルト的なものへの興味がメイン。
人生の目的や生きる価値の探求、オカルト的なものへの興味がメイン。
カルト教団や金儲け第一主義の教団は、そうしたものを求める人々に
「金を払えば人生の目的を与えてあげるよ」「もっとお布施すれば、もっとすばらしい人生が開けるよ」
と甘いことばを投げかけて、誘惑しているのです。
「金を払えば人生の目的を与えてあげるよ」「もっとお布施すれば、もっとすばらしい人生が開けるよ」
と甘いことばを投げかけて、誘惑しているのです。
人の不安感や悩みにつけこんで、「もっともっと」と金品を要求するのは、
総じてインチキなうさんくさい教団ですが、
人生の目的までが金で買えてしまうと勘違いさせる時代にも問題があるように思われます。
総じてインチキなうさんくさい教団ですが、
人生の目的までが金で買えてしまうと勘違いさせる時代にも問題があるように思われます。