血液


概要

 動物が生体的に活動する上で必要不可欠な体液。
 人間では体重の7~8%を占め、体重70kgの成人男性だと約5Lの血液を持っていることになる。

 骨髄から生成され心臓によって全身を巡る血液の役割は非常に多い。
 最も重要なのは、赤血球による栄養素と酸素、細胞老廃物の運搬だろう。
 とりわけ酸素については食事以上に動物にとって必要性が高く、わずか数分間酸素の供給が絶たれるだけで窒息死してしまう。
 逆に赤血球量が増えて酸素や栄養素の供給量が上がる、いわゆる「血の巡りが良い」状態になれば、
 脳や筋肉に送られるエネルギー量も増え、それらの機能が強化できる。

 もちろん、この血液が体外に何らかの理由で大量に排出、すなわち出血すれば命に関わる。
 一般に1/3の血液が失われると全身の機能不全(ショック死)に至るとされ、
 これを防ぐため血液には血小板という、空気と接触して固まり、出血箇所を塞ぐ機能(カサブタ)が備えられている。

 また血液の中には白血球という、病原菌を分解し病気を防ぐ免疫機能が備わっている。
 毒に対する抗体を生むのも、また血液の機能と言える。

 その重要性・多機能性から、血液に関する能力は多い。

 まずエスパーの領域における血液操作について、これはすなわち身体強化である。
 血中酸素量の増加による運動能力の強化、血小板の強化による高速止血、白血球の強化による対毒防御、
 その他、エネルギーを回して代謝を上げ、体温上昇や傷の再生などが可能になるだろう。

 サイキッカーの領域における血液操作の場合、普通の流体操作との違いは血液が鉄分を有していることである。
 赤血球の主成分、ヘモグロビンはその分子構造の中心に鉄原子を含んでおり、
 全身の血液を合わせてもわずか3g程度だが、斬撃のエッジとして使い、物体を切断するには十分であろう。
 またこのヘモグロビン中の鉄は酸素を保持する役割を担っている。
 操作によって高濃度の酸素を血中に取り込めれば、それをさながら流動するガスボンベとして扱えるだろう。

 トランサー能力では血液を変質させた上で、それを自在に操る物が多い。
 この時血液に付加される性質は、血を鉄に変換する、他者の血を吸収して自分の血へと変換するなど、
 本来の血の特性や、血に関わる行為(輸血など)のイメージをより極端にしたものになりやすい。
 また血液操作のトランサーはその特性上、本来の能力とは別に強力な造血機能を体質として備えている事が多い。

 クリエイター能力における血液操作はサイキッカーとトランサーの中間のような作用を持ち、
 (特殊な性質が付加された)血液を生成した上でそれを操るものになる。
 しかし血液生成クリエイターの真価は「任意の血液を造れる」ことにある。
 血液型が異なると輸血できないのは有名だが、それは血液成分の違いで拒絶反応が起こるためであり、
 クリエイターによって「その人専用」に造られた血液とは当然拒絶反応は起こらない。
 大量失血に対し、医学的な方法で即座に対応が可能な血液操作能力者はクリエイター以外にない。

+ コラム:血液操作は多重能力にご注意を
多くの創作で血液操作能力はポピュラーな存在だが、そのためにいざオリジナルで作るとなると、
「血液操作ならこれは出来て当然だろう」という既存作品からの刷り込みによる多重能力が生まれやすい。

一番誤解されていることは血を吸う=回復するということだろう。
血液を操る、血液を鉄に変換する、血液を固めるなどの作用に、
「相手の血液を吸い取って回復できる」という作用がしれっと加わっていることは多い。
血を吸うことがダイレクトに回復に繋がる能力・特殊体質でない限りは、
安易に回復作用を付け加えないほうが良いだろう。


エスパー

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最終更新:2016年02月02日 01:50