(※mono....書籍の題名ではありますが、世界で現在進行中のコロナ騒動、米大統領選挙の本質などからして、これは世界の近未来の姿になるのかも知れません。私個人としてはそんな社会は拒否したい。羊は囲われた柵内にいれば、狼や害獣に襲われることもなく偽幸福を味わっています。柵の管理者にとっては、必要なときに食肉にし、増え過ぎれば間引きするだけの家畜に過ぎません。)






■ 幸福な監視国家 中国〔Amazon〕
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(※mono....★が四つ、五つとついているレビューが多い中、★一つ評があったので紹介する。)

しゅう
5つ星のうち1.0 すいませんが、ゴミ箱直行便へどうぞ
2020年4月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
かなりの悪評になりますが、予めご了承ください。
友人のおすすめで購読しました。読み終えた感想は、「この本を読むと、著者の認知能力の低さに驚かされます」(はじめにの最初の文を借りて)。理由については第一章を考察対象として述べます。
1、事実誤認
20ページ、「アリババ、テンセントを始め、デジタル時代の新たなテクノロジーを開発し、それらを先んじて社会実装するのは圧倒的に民間企業です」
21ページ、「新たなテクノロジーの開発にとって情報の集中処理が重要ならば、そこで優位性を持つのは国有企業のはずですが、実際は全くそうではなっていません」
著者はどうやら、BATなどの企業は民間企業であるとの前提を立てているようです。これは大間違えです!
いくつかの事実だけを挙げれば、結論は明白になるはずです。
①、中国の民間企業でも党支部の設立が一般的。②最初に新型コロナの危険性に警鐘を鳴らした李文亮医師はWechatで発信した、それが手がかりになって12月末に中国警察に逮捕された。Wechatはいわゆる民間企業のテンセントが開発運営のアプリ。③いわゆる民間企業のBaiduの検索エンジンで天安門事件のような中国政府に都合の悪い情報は全く検索できない。④いわゆる民間企業のByteDance社はアメリカのtiktokユーザーに言論検閲を行なっている。⑤いわゆる民間企業のファーウェイは、竹の壁(Great Fire Wall)の構築に大きく貢献している。
2、中国を見る方法を間違っている
 16~17ページ、著者は中国政府の公式文書を引用して、中国政府が社会信用の現状に焦燥感を覚えたため、ハイテクを駆使して社会信用システムを構築するのだ、市民を監視するためではないというふうに論じている。これも大間違えです。
  • 中国人、とりわけ中国政府を見る際に、言葉より行動に注目すべきです。それは私が思う中国人との付き合い方の基本です。
  • 実際に、人権弁護士、民主化運動家、ウイグル人、人権や市民権を訴える人たちは、様々なハイテクによって制圧されているのです!この事実を無視して中国政府の言い分を証拠に彼らの動機を分析することは、独裁者のプロパガンダに加担するのと同じです。
  • 真の社会信用を構築するための必要条件は、法治と道徳と私は思います。皮肉なことに、過去にも現在にも近い将来にも、中国の法治と中国人の道徳が改善されることはありません。
3、無意味なデータばかりを引用する
21~22ページ、イプソス社の調査を引用。「調査対象の28か国の平均で、過半数の人々は自国は間違った方向に進んでいると感じている(58%)、その中で、自国の進んでいる方向性について最も自信をもているのは中国で、94%の調査対象者が正しいと…」
  • 面白いことに、中国の宣伝工作者もこの手のデータを引用することが多いです。
  • 1942年の日本やナチスドイツで似たような調査を行えば、9割以上人が正しい方向に向かっていると言うるだろうが。だから何か?何の意味がある?

他にもいろいろ理由があるが、省略させていただきます。
ひつとだけ著者に言いたいことは、幸福は一人一人の人間が自ら選択した結果であり、公権力に与えられた唯一の選択肢に従えて、感謝しながら手に入れるものではありません。
民主主義と権威主義との根本の違いは、個々の人間に選択肢があるかどうかにあるのです。
幸福はAIやビッグデータなんかの話ではありません。

最後に、著者が言うに、西側諸国のマスコミは中国に関しては、「間違いだらけの報道」ばかりして、ミスリーディングを招いているとか、「認知的不協和」に陥ているとか主張している。(13ページ)
しかし、あなたこそ、現実と離れて認知的不調和なのではないか?
この手の本は、論拠が間違っていれば、論点が正しくても読む価値はありません。
すいませんが、ゴミ箱直行便へどうぞ






















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最終更新:2020年12月12日 21:06