基本情報



略歴

クレアティボ国王女。
病的なまでの精神的な潔癖症で、人々が暮らす上でどうしても生まれる世の中の歪み、不公平、汚れといった社会が許せなかったが、現実問題として人が住む以上それらは必ず生まれるものであるため、どうすることもできないことも理解でき、そのジレンマに悩まされていた。
ただ、それはあくまでも個人的な悩みとして決して人に語ることなく胸に秘め、為政者としての役目は完璧にこなし、治世、外交において名君として民衆から讃えられていた。

しかし、隣国アストリアにおいて、飢餓による情勢の悪化が進み、アストリア国は、国内の不満の目を外に向けさせるため、食糧支援をしてもらっていたにも関わらず、クレアティボ国を仮想敵として再三の中傷を繰り返した。

これに対してリルムは制裁としてアストリア国への出陣を決意し、1738年7月に行われたレフティアの戦いによって両国は本格的な武力抗争に突入する。
その過程で、アストリア攻略の橋頭堡として小国レセッソ国も攻め、更にアストリア国の要請を受けてクレアティボ国の背後を狙うであろうドーク・ドーン国を牽制する為、先手を打ってノールッチ国、ローザ国との関係を強化するという戦略眼、外交能力の高さも見せる。

後にフランツィスカの口から、破壊を司る神座ガウデバ」の存在を知ってしまい、それまで誰にも口にしなかった「穢れた世界なら、無に帰してもいい」という過激な思想を、密かに実行に移そうと考え始めていた。
しかし、その様な理由で将兵がついてくるわけないことを知っている彼女は、真実の理由を述べることなく、出陣のたびに国軍を動かすに納得できる理由を用意していた。
こうして個人的な欲求で国を動かす裏の顔を持ちながら、それを自分の欲望と気付かせないほど完璧に表の顔を演じきり、国民も同盟国も納得する出兵と、それに見合った勝利をもたらして、周辺諸国を従える巨大な存在へと成長していった。

ドーク・ドーン国に牽制の先制攻撃を加えて沈黙させると、後顧の憂いなくアストリア国を一気に併合、その後国内は「ドーク・ドーン国との戦いを続けるか、終わらせるか」の軍議が続くが、リルムは決戦を決意する。
そのために、ノールッチ国、ローザ国を従えた南方連合軍を結成する手腕を見せ、クレアティボ国を盟主とした一大勢力を築き上げる。

折りしもこの頃、ヴァン・フレイ国を中心とした連合国(後の六界連合軍の原型)が台頭し、南方連合軍と正面から対立、一触即発の状態となっていた。
リルムは、人魔融合を成し遂げたベルバット、そして眠りから目覚めたガウデバを戦場に投入するという危険を冒してまで強行したヴァン・フレイ国との決戦となるリーズライディの戦いに挑むが、この戦いに敗れ、切り札であったガウデバも失い、ヴァン・フレイ国と休戦協定(事実上の降伏)を結び、その活動を一旦終息させた。

以後、裏の顔は封印し、再び優秀な王女として国を再建させる。
リーズライディの戦いで大敗したにもかかわらず、南方連合が彼女を見捨てなかったのは、まさにリルムの水面下での外交努力があった為である。

しかし、ヴァン・フレイ国のルナティスがこの勝利の後に、六界連合軍を結成させ、ルーイガルド侵攻作戦の影の立役者になったと知った彼女は、世界を歪ました元凶として、そして、自分にはできなかった「世界を動かした女」への嫉妬心を燃やして、休戦協定を破って、主力部隊が遠征で不在のヴァン・フレイ国への侵攻を再開する。

この時のリルムは、明確な説明もなく休戦協定を一方的に破るという、彼女が始めて感情的に動いた強引な出兵であったが、先の敗戦もあってか、その雪辱戦と考えて多くのクレアティボ国将兵が反論を述べなかった。
主力部隊をルーイガルドに遠征させていたこともあり、ヴァン・フレイ国軍はジョルディアの戦いの強襲によって壊滅、リルム自ら出陣した遠征軍はヴァン・フレイ国首都まで陥落させるが、シーザルス国、ヴァーグリア国等の援護を得たヴァン・フレイ国の巻き返しによりクレアティボ国軍は撃退される。

反撃の軍勢によって城は奪還されるが、彼女は脱出することもなく、玉座にてヴァン・フレイ国王族しか手にすることの出来ない紋章を握り締めて自決していた。
兵士達は「王族しか触れない紋章を、自分達で勝手に取り上げることはできない」とルナティスを呼んだが、それこそがリルム最後の策であり、ルナティスが紋章を取り上げると、その裏に仕込まれていた炎の法術を施したトラップカードの自爆によって、ルナティスを巻き込んだ大爆発を起こし、彼女を道ずれにした。


人物

  • ルナティスとは、共に「世界を変えたいという漠然とした夢」を持ち、片方は六界連合軍、もう片方はガウデバという特別な力を手に入れ、それを実行しようと戦火を交えた相手として、能力、性格だけではなく、趣味趣向といったあらゆる面で後世比較され続けた。


関連項目





最終更新:2024年08月18日 01:59