概要
戦闘に至るまでの背景
▲3330年前後の勢力図
ロザンドは、当初はこの報告を信じず、何度も「
アーズ国の間違いではないのか」と問いただしたが、届いた報告の全てが「
ビーストバリア国軍が侵入」で一致した為、信じざるをえなかった。
両軍の戦力
戦闘経緯
後顧の憂いのなかった
ロザンドはこの戦いに主力部隊を率いて自ら出陣した。
対峙する
ビーストバリア国軍が、数で劣っているにもかかわらず、突撃の形で
陣形を敷いているのを見た
ロザンドは、
ビーストバリアを嘲笑した。
相手は理解に苦しむ遠征で疲れている上に、自軍は兵数で勝り、地の利を持ち、有利な陣形を敷く。
ロザンドに負ける要因は見当たらなかった。
両軍の激突は、
火龍の猪突からはじまった。
ベルーマの制止を振り切り、
火龍は自らの部隊を前進させ、これに呼応して他の部隊も動かざるを得なくなり
ビーストバリア国軍はそのまま突撃へと移る。
ロザンド軍はこれを落ち着いて受け流し、
ビーストバリア国軍が突破できずに立ち往生したところを一斉に反撃すれば、勝利を手にする事ができた。
だが、
ロザンドの思いもしない方向に戦局は動いていく。
ガイラス、
マルラの両翼を担う軍勢が動く気配を見せず、それどころか突如その矛先を
ロザンド軍に向け、戦場で寝返ったのだ。
ガイラス、
マルラは、野心が高く義理は低い将であった為、
ロザンドとしても常に警戒しなければならなかった将ではある。
だが、この戦いで
ビーストバリア国に寝返ったところで何の将来があるのか、
ロザンドは理解に苦しんだ。
彼らが
ロザンドを見限った理由は、
ロザンドが
セロナバルス国王を名乗ったことにあった。
セロナバルス国は水面下で大掛かりな反抗作戦が進み、その動きを
ガイラスたちは察知していたが、王を名乗ってからの
ロザンドは彼らの進言を聞き入れず、更に王になってからそれまで同胞とみなしていた彼らに対して横柄な態度をとりはじめていた。元々忠誠心の薄い彼らはそのことに不満を抱いていたが、そこを
ベルーマにつかれると、密かに説得され、この戦いでの裏切りを約束していたのだ。
こうして二将の寝返りにより戦局は一転するが、それでも
ロザンド軍は瓦解しかけた軍勢を立て直すと、
ビーストバリア国軍に猛攻を仕掛け
火龍を戦死させる。
だが、猛攻はそこで止まり、
カヌマ、
ベータも既に戦死、艦隊戦の指揮をとっていた
ロザンドも、その野望を胸に抱いたまま散っていった。
戦いの結末
誰もが予期しなかった
ビーストバリア国軍の大勝利。しかし、彼らは
セロナバルス国の領土を手に入れたわけではなく、復興の手助けのみをして、鹵獲した艦艇のみを持ってそのまま帰還していく。
多くの者がこの勝利を、「戦場でたまたま私怨の裏切りがあったから勝てただけ、運だけはいい連中だ」と嘲笑し、
ビーストバリア国が着実に力をつけている事に気が付いていた者はほとんどいなかった。
最終更新:2024年07月06日 06:25