いちだんと、寒い夜 [ひばり ゼクシィ アイス]

ひばりさんが入室しました
ひばり : 「フォーデンで、降りようと思います――」
ひばり : (ゼクシィの部屋に訪ねた彼女は、ぽつりとそう溢した――
ひばり : (クルーズXX日目 『いちだんと、寒い夜』
ひばり : (部屋を訪ねた時、浮かない表情をしていたのだと思う。彼女はそれを知ってか知らずか、いや、知った上だろう。
      それでもいつもと変わらぬ声色で歓迎してくれた。
ひばり : (リビングに通してもらい、席につく。 同じスイートクラスの部屋なんだろうけど、何だか雰囲気が違うように感じる。
ひばり : (ほのかにくすぐる花の香り。彼女の愛用する香水がそうさせるのかも知れない。
ゼクシィさんが入室しました
ひばり : (「上品な人だな」と思う反面、慌てて寝室に何か大量の衣服らしいものを押し込んでいたので
    それはそれで人間味があって、何だか親しみを覚えた。
ひばり : (ぼうっとしていたのかも知れない。 そうこうしている内にガラスのコップがテーブルに置かれる。炭酸水だとか何とか言っていたが、聞き逃してしまった。
ひばり : (喉が、乾く。 けど、手をのばすにはあまりに手が重い。 生唾を、呑む。 呼吸を、整える。
ひばり : (そうして最初に出た言葉が、”それ”だった――
ゼクシィ : あら。まぁ。・・・それはそれは。
ゼクシィ : 悲しいご要望ですわね? 
ひばり : …………はい。
ひばり : すみません。このクルーズで……水を指すようですけど……
ゼクシィ : なぜそのようなお気持ちになったのか…お聞かせ願えませんか?
ゼクシィ : 勿論…無理にとは言いませんが…
ゼクシィ : 話して楽になる事も…多くあるかもしれませんよ?
ひばり : …………。(固唾を呑んで
ひばり : 何処から……話したものか……
ひばり : ……わかりました。 なるべく、きちんとお話します。
ゼクシィ : ええ。それで貴女が楽になるならば。(微笑み
ひばり : ………
ひばり : 橘呪喜君、って、居るじゃないですか。
ゼクシィ : ・・・! はい。
ゼクシィ : おりますねぇ。
ゼクシィ : ・・・その方が、なにか?
ひばり : ……気になってたんですよ。彼のこと。
ゼクシィ : ・・・まぁ♪
ひばり : 。 ぁ”ー  誤解の無いように言っときますけど。 恋愛感情とかじゃなくて、ですよ(じと目で
ゼクシィ : あらあら。続けてくださいまし?(微笑み
ひばり : ……、(もやもやーっとアイコンを浮かばせながら
ひばり : ……何でしょうね。 実は、あたしは彼のことは又聞きで知っては居たんですよね。
ひばり : ……この船であったのは本当に偶然なんですけど。
ゼクシィ : あら?その道では有名な方だったのかしら?
ゼクシィ : 私のデータには…ないですが。。。
ゼクシィ : それで?はて?どうなすって?
ひばり : ……ま。理由は割愛するんですけど。 気が合うし、友人になれるかな、って。 そう思ってて。
ゼクシィ : ふふふ。夜な夜なゲームを遊んでらしたりしましたものね?
ひばり : ……そうですね(何処か遠い、伏目がちになって
ゼクシィ : ふむ。
ひばり : ルストさん、彼の事が好きみたいなんですよ(頬杖突きつつ、口元を隠し――抑えるようにしながら
ゼクシィ : は?
ゼクシィ : いやいや、まさか。いつもの明るい接客では?(微笑み
ひばり : …………
ひばり : あたしから見て、ですけど。
ひばり : 本気だったと、思いますよ。
ゼクシィ : あらあら…そうですか? 告白でもされてました?(冗談っぽく
ゼクシィ : 気になる相手の付近の異性は気になるものですから・・・(ニコニコと
ひばり : そうですね。 告白……してましたね。
ひばり : いつもの順風満帆なんか全然無くって、必死で、混乱してて――(いつだかの記憶が蘇る
ひばり : でも、本気で。
ゼクシィ : は???
ゼクシィ : マジか。あのバグ女。
ゼクシィ : (「「言ってしまえば恋愛感情って、生殖の為に起こる脳のバグじゃない?」」
ゼクシィ : (地の声で脳内再生余裕だ
ゼクシィ : (つい数日前にはそんなことをいっていた彼女だ
ひばり : …… それは、まぁ。良いんですよ。 良いことだと思ってます。
ひばり : あたしがどうこう言う問題じゃないっていうか……
ゼクシィ : え?ええ?え?
ゼクシィ : でもその、あれ?
ひばり : …?
ゼクシィ : ジュキさまのことを気になってて・・・
ゼクシィ : そこへ、バグ女さまが横取り告白
ひばり : だから、それは、友人として。 良い知り合いになれるかな、って―― 横取りとか、そんなんじゃ……
ひばり : あと、ルストさん。 普段どう読んでるか知らないですけど……バグ女じゃないですよ(じとっと
ゼクシイ : あら…それは失礼しましたわ。
ゼクシイ : この前、
ゼクシイ : 自称していたものですから?
ひばり : 他称されたいかどうかは別のような…… いや、わかんないですケド……
ゼクシイ : して、えーと
ひばり : ……、まぁ、、それで。
ゼクシイ : 船を降りたい原因がそちらでございますね?
ひばり : ………んーー、、、多分半分ぐらいは違うかも……(歯切れ悪く
ひばり : こういうと変な聞こえ方すると思うんですけど……ルストさん、だいぶ余裕なくて。
ひばり : 告白直前……ですかね。 橘くんと雑談してるとき
ゼクシイ : おや…まぁ…
ひばり : ……近寄って来てほしくない、ってのは、すごく伝わって。
ゼクシイ : あまり想像がつきませんね…
ゼクシイ : 必死な…拒絶に必死な彼女は…
ひばり : ……言葉にも難しいです。この表現であってるのかもわからないです(思い悩むように口元を掌で覆って
ゼクシイ : それで、なるほど。
ゼクシイ : ジュキくんを取られたことじゃなくて、
ひばり : 何ていうか、それは、わかるんです。
ゼクシイ : ルスト女史に拒絶されたことが
ゼクシイ : あなたの心を傷つけたと?
ひばり : ………どうかな……そうかな……(自分でも整理が必要な様子で
ゼクシイ : おや………
ひばり : アタシは、そう思った事や……恋愛なんか、したこと無いけど……
ひばり : よく、相談を受けてたんですよ。 学生時代。 今も学生ですけど。
ゼクシイ : ほうほう?、
ひばり : まぁ、男友達もまあまあ居る方で。
ひばり : よくある話です。 好みのタイプ聞き出して、とか。 好きな人居るか、とか。間取り持って、とか。
ひばり : ……そーゆー相談。 まま受けてた時があって。
ゼクシイ : なーるほど?(空返事で席を立ち)
ゼクシイ : (缶ビールと缶チューハイを持って戻ってくる)
ゼクシイ : 飲みます?
ひばり : ……。 (未成年ダケド…… 年も変わったし…… 今夜ぐらいは……
ひばり : 。。。はい。(受け取って
ゼクシイ : (缶チューハイ渡して、自分は缶ビール手に取る
ゼクシイ : プシュ
ひばり : (カシュッとタブを起こして――
ひばり : ……乾杯?
ゼクシイ : ええ。乾杯。(ニコッと
ゼクシイ : (そして飲み始める
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ひばり : ……はい。(眉を垂らして、ゴクゴク、と―― って
ゼクシイ : ゴクゴクゴク………ぁ゛ーーーー
ひばり : …………(凄い呑むな、と見てる
ゼクシイ : まだあるからね?遠慮しないで?(ニコッと微笑み
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴクゴク(さらっと飲みきり
ひばり : …、どうも(脱力気味に笑み返して
ゼクシイ : それで、相談事は多かったけど、(二缶目持ってきながら
ゼクシイ : プシュ
ゼクシイ : 恋に落ちたことはなかったのよね?
ひばり : …、(コクリ、と
ゼクシイ : ふふふ。
ゼクシイ : なら。初恋ね。
ひばり : …、気が早いですって(はは、と流しつつ
ゼクシイ : そうでないなら…
ゼクシイ : なぜあなたはそんなにも、悲しんでいるのかしら?
ひばり : …………(チビチビ飲みつつ
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ひばり : ……(フー、と小さく息をついて
ひばり : 悪い気は、しなかったんです。 相談に乗って、その人と、その人が仲良くなって
ひばり : 良いこと、したかな、って。
ひばり : ……でも、色々です。 色々。
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ひばり : やっぱり疎遠になって微妙な空気が出ちゃって、もう一緒に遊べなくなったり
ひばり : アタシがその子と遊ぶの、妬けるからもう遊ばないで欲しい、とか。
ひばり : 仲良く……いかなくて、 何か、アタシが最後謝ってたり、とか。
ゼクシイ : はぁー?
ひばり : …………(ゴクゴクゴク
ひばり : なんでかな。
ひばり : 全然知らない子が相談に来たりするのも、悪い気はしなかったけど……
ゼクシイ : あなたが自分の恋に真面目じゃないからでしょ?
ひばり : 終わったら、どんどん友達減っていってて……
ゼクシイ : ぁあ、ごめんなさい。叱るつもりはなかったのだけど…
ひばり : ……、それは……別に、普通に遊べたら、ぐらいでしか……付き合ってなかったから……
ゼクシイ : えっと、そうね。
ゼクシイ : プシュです(3缶目
ひばり : ……呑みますね?
ゼクシイ : ええ。呑んでなきゃやってられないもの。
ゼクシイ : ひばりちゃん。
ひばり : ……なんかスイマセン……
ひばり : …。
ゼクシイ : 貴女、船降りない方が良いと思うわ。
ゼクシイ : 降りたらまた繰り返すだけだもの。
ひばり : それは……
ゼクシイ : だから船に残りなさい。
ゼクシイ : そして傷つくことに真っ直ぐになりなさい。
ひばり : …………。。
ゼクシイ : 私はあなたの人生の先生じゃないから…あなたの明るい未来は保証出来ないけど…
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ひばり : ……言ってることは、、判るつもりですけど……
ゼクシイ : 真っ直ぐに傷を負ったり、直ったり、立ち向かったり。
ゼクシイ : 出来るのは若いうちだけかもよ?
ひばり : ……ゼクシィさんは、違うんですか?
ひばり : しんどくって、どうしようもなくて。
ひばり : 誰のせいでもないし、誰かのせいにもしたくないし。
ひばり : そんな自分が嫌になるのに、自分がまた語りかけるんですよ。
ひばり : …『自分のせいにしてたら、楽だよな』って。
ひばり : 何処にも持っていけないし、下ろすことも出来ないし。
ひばり : ……『これでいいや、こういうもんだ』、って。
ゼクシイ : プシュ(4缶目)
ゼクシイ : 賢く生きる真似が好きなのね。
ひばり : 言ってること、正しいのは、わかります。 わかります、けど……(指先で挟んだ、空になった缶を揺らしながら、膝を抱いて
ひばり : 真似……真似かぁ……(そうかもな。と怒涛の勢いで並んでいく空き缶を見てる。
ゼクシイ : 
ゼクシイ : 賢く生きてないから
ゼクシイ : あまり人に強要するのもどうかとおもうけど
ひばり : …………
ゼクシイ : あなたはそんなに賢く生きて何を守りたいの?
ひばり : (自然と、胸を透る正論だった。 叱責や、嫌味にも、何にも聞こえないのは、何でだろうかと考えていたが――
ゼクシイ : もしかして港一帯の土地を持つ大貴族の跡取り?
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ひばり : そんな…… 何処にでも居る学生ですよ(頬に膝付けて、斜めの視界で
ゼクシイ : ええ。そうよね。
ゼクシイ : なら、賢く生きる真似はお辞めなさい。
ひばり : そんな……意識してるわけじゃ……ないと思ってましたけど……
ゼクシイ : 愚行を、蛮勇を、そして恋愛を、謳歌してみなさいな?
ひばり : …………。
ひばり : ……もう一杯いただけます?
ゼクシイ : えぇ。勿論(微笑み
ゼクシイ : (缶チューハイが出てくる
ゼクシイ : プシュ(6缶目
ゼクシイ : 何に乾杯するかしら?
ひばり : (炭酸の弾ける音。
ひばり : ……何に、ですか。
ゼクシイ : ええ、決めていいわよ?
ひばり : ……。
ひばり : ……すみません、わからないです(眉下げて
ひばり : でも、呑みますね。
ゼクシイ : ええ。じゃあ。
ゼクシイ : 始めての深酒に乾杯。と。(微笑み
ひばり : …、(ん、と返して
ひばり : (喉を鳴らして、チューハイを流し込む。
ゼクシイ : 今日ぐらい自室をゲロまみれにするぐらい酔いなさい?
ゼクシイ : 賢さはそうやって消えていくんだから(なんか笑って
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ひばり : ……それ、解決はしてないような(じと目で
ひばり : ……
ゼクシイ : 良いのよ。今日明日答えがわからなくたって。
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ゼクシイ : 自分の生き方が、変われば、
ゼクシイ : 答も変わるわ。
ひばり : ……そういう、もんですかね…
ゼクシイ : そういうもんよ。
ゼクシイ : 愚直に信じておきなさい?
ひばり : (ゴクゴク
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ひばり : ……鵜呑みは……(流石に、と言いかけて
ひばり : ……アタシ……(重力に負け始めて項垂れ気味に
ひばり : どこで、、、何を間違えたんですかね……
ゼクシイ : そうね。
ゼクシイ : 今日私に会いに来たことかしら?
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ひばり : ルストさんと、――(色々、遊べたと思うのに
ひばり : どうして、、こうなっちゃうかな……
ゼクシイ : ふふふ。ふふふふふ。
ゼクシイ : 何も心配することないわよ。そこは。
ひばり : ……そっと身を引くのが、一番穏便です。 違います?
ゼクシイ : プシュ(7缶目
ゼクシイ : さぁ?あなたの恋の重さ次第だけども。
ひばり : だからそれは早合点で……ぁぁ……(段々否定も面倒気味で
ゼクシイ : なんであれ、あのバグ女と遊ぶのは共存できるわ。
ひばり : ぁぁ……そっか。 ぁー……
ゼクシイ : あなたは「出来ない」をまだ決めつけてるのよ(説教飲み
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ゼクシイ : 「出来ない」事なんてないわ。
ひばり : 「出来ない」……
ひばり : ……
ひばり : あたしは……
ひばり : 橘くんとも、遊びたいし
ひばり : ルストさんとも、遊んでみたい、って思うし
ゼクシイ : ええ。
ひばり : でも、胸にしこり抱えながらは、イヤだな……
ゼクシイ : ゴクゴクゴクゴク
ゼクシイ : バカになりなさいって。
ひばり : 拒絶されるのは、、もっとイヤだな……
ひばり : そう、されないようにばっかり、考えてたくせに……(裏目ばかりの自分を思い返して
ゼクシイ : はっ、
ゼクシイ : 今夜だけ一生分思い出して
ゼクシイ : ゲロと一緒に吐いて捨てなさい。
ゼクシイ : 明日のあなたはそんな悩みは抱かないわ?
ひばり : …………。
ひばり : (ふぅ、と息吐いて) ありがとう、ございます。
ひばり : どうするかは、考えますけど……
ひばり : 今日来たのは、間違いじゃ――――
ひばり : (そんな呟きを遮ったのは、8缶目の炭酸が抜ける音で――
ゼクシイ : ーープシュ
ひばり : (――話がループしたと気付いたのは、何缶目だったんだろう。
ひばり : (酔い潰れた彼女を支えながら寝室に運んで、やっとの思いでおろして。
ひばり : (何か、意外にも幸せそうな顔で寝るんだな、だなんて思って
ひばり : (視界の隅に衣類の山が見えた気がするのは、彼女の沽券のために封をするとして。
ひばり : ……ありがとー、ございました。 ゼクシィさん。
ひばり : (もし、、次があったら………
ひばり : ……その時は、しきりに名前に出してたキャプテンのこと、聞かせてくださいね。
ゼクシイさんが退室しました
ひばり : (明かりを消し、そっと部屋を後にして
ひばり : ……(足元がふらつく。壁に額をくっつけながら歩くと、額が冷たくて気持ちがいい
ひばり : (視界も、思考もグルグルする。
ひばり : (水に流したフリをするのは、簡単だ。 現にこうしてアルコールで感覚を揺らしているうちは、何かと鈍くなる。
ひばり : (そうして誤魔化してやりくりする方法もある。 それを否定しないし、そういう生き方もあるな、と関心したほどだった。
ひばり : (確かに、あたしは頭が固いのかもしれない――
ひばり : (感情が、ぐちゃぐちゃだ。 折り合いの付け所もわからない。
ひばり : (どうした、ものか。
アイスさんが入室しました
アイス : (……客室前、廊下にて
アイス : ……、
アイス : … 、 えぇ…………?(奇妙な物と遭遇してしまう
ひばり : (壁をナメクジしてるカマボコが一匹
アイス : … (もう夜も遅い。彼も珍しく部屋着―シャツにニットベスト姿だ。
アイス : …… ぇ、 お前、
アイス : ………一体どうした?
ひばり : ……ぇ……?(虚ろ気味で上気した……酒気帯びだ
ひばり : ――……
ひばり : ぁ”ーー……………
アイス : ………、(……酒臭い!
ひばり : ぅ”ゎ”ーーー…………(見つかってしまったみたいなニュアンスだ
アイス : え゛ぇ………(こちらも怪訝 見てしまったというか何というか
ひばり : …………
ひばり : ………(ずりずり歩行再開。 私は壁ですよみたいな面して通り過ぎる目論見だ…!
アイス : ………。 …、、 (見なかったフリが適切だろうか。客室前だし、すぐ戻るだろうし。
アイス : …… … (だが。 でも。
アイス : ………おい。 
ひばり : ………、
アイス : (――数刻前、偶然姿を見かけて。 ……少し、気に掛かっていた。
ひばり : ………………。。。 なに……
アイス : (いつになく消沈した様子で、思いつめたような顔をしていた。
アイス : ……… 何かあったのか?
ひばり : …………、、、ま、ぁ……
ひばり : 大丈夫……降りる算段の話してただけだし……
アイス : は?
アイス : ……え、 降りるって、何を? …まさか船をか?
ひばり : 、、ぁー…… いや……(まずった、と口元抑えつつ
アイス : ぇ、 な、……なんでだよ? …家の事情とか?(思いがけず動揺して
ひばり : べ、つに……何でも……何でも、、良いじゃないですか……
アイス : 、何でも良くはないだろ?(少しむっとして
アイス : 、(言ってハッとして)……いや、そりゃ、口を挟む事じゃないかもしれないけど…
ひばり : ………、、
ひばり : アイスさんは……賢い人なんですか? ……それとも、フリですか?
アイス : …(への字に曲げてひばりを見下ろして
アイス : ぁ?
アイス : ……何、だよ。急に……?
ひばり : あたしが船を降りて、それが、 何になるって言うんですか。
ひばり : アイスさんに――  ウ"ッ……(ヤバーイ!
アイス : ……、(少し考え、息吐いて)…… っ~~ってオイ!!?
ひばり : ……、大丈夫、 大丈夫…… ぁー…… ちょっと……夜風とか……(ふらつき気味に
アイス : おい、ちょっと、、、 (ひばりに駆け寄って
アイス : いやどう考えても大丈夫じゃないだろ!? ……甲板まで行くぞ!(しょうがないなって感じで背中支えて
アイス : (ひばりを連れて甲板まで出ていく
ひばり : (連行されるアルコール付の銀杏切り大根
アイス : (―― 場所は移り、甲板。 ……真冬の深夜。とても寒い。
ひばり : ぁー………(側面側 ベンチに腰掛けて
ひばり : すいません………少しマシになりました……(白い息混じりに
アイス : …… 吐くなら海に頼むぞ。(ベンチの傍に、対面するように腕組んで立ち
アイス : ……はぁ。 さて……(見遣り
アイス : …さっき、何か変な質問してたけど。
ひばり : (はぁ、と息を吐く。 体の中までグルグルし始めた。 これは失敗酒だな、完全に――
ひばり : ………、
アイス : ……(どう見ても酔ってるし、いいか、と見下ろし
アイス : …僕は自分を賢いだなんて一度も思った事が無いし、
アイス : ガワを取り繕えてさえいないと思ってるさ。
アイス : ……こんな事、訊いてどうしたい?
ひばり : …… あたしは、賢いフリしてるっぽいから。
ひばり : 周りは、どうなのかな、って(何だかぶっきら棒な……やっつけみたいな質問だ
アイス : ……。
アイス : …馬鹿に見られたくないのは当然じゃないのか。 周囲の目が気になって、自分が惨めになって。
アイス : …そんなの損だろ。 …別に普通の事じゃないか。
アイス : ……お前は、まあ、…賢いフリってよりは…、
アイス : 自分を出さないようにしてるように見えるけど。
ひばり : …………(白い息が横に流れて――
ひばり : 自分…… 自分、、ね……
アイス : ……。 何で船を降りたいのかも、話そうとしないし。
アイス : …… 別に、僕に話す義理なんて無いかもしれないけど。 でもだ、
ひばり : ……、……
アイス : ついこの間までお前は、この船を、…不承不承なりに楽しんでるように見えたのに。
アイス : それがいきなり、この上無く沈んだ顔して、そんな酔い方までして。
ひばり : それは………
アイス : …気になるだろ。 その、……元同じグループの一員として。
ひばり : ………、、
ひばり : 別に……わかる、でしょう。 元々、向いてないんですよ、こういうのは……
アイス : ……。
アイス : ……、誰かと揉めたか?
ひばり : …………。。。。
アイス : ……、ぁ(図星っぽい反応で逆にヒヨる
ひばり : …ダメ、ですか?
アイス : ………、
ひばり : 揉めて、しんどくなったから、降りる。 別段、不思議な話じゃない、ですよ
アイス : ……お前、 この船には何の為に乗ったんだよ?
ひばり : ……………
アイス : …友達作りとかなら、そいつと関わらなきゃいいし、観光だってできるだろ。
アイス : 南大陸に行きたいってのなら、猶更。 別に一人と揉めたぐらいで…
ひばり : ――友達が応募したら……当たっちゃって、、その……たまたまです。
アイス : ……は?
ひばり : 嗤っちゃうでしょ。 それぐらいの動機なんですよ。元々は。
アイス : ……乗りたくて乗った訳ですら無かったって言うのかよ?
ひばり : ぁ……  (一瞬、ひどく怯えた表情を見せて
ひばり : ――……、 そう、ですね(伏目がちに
アイス : …、(怒りというよりは、困惑 そんな事があるのか、と
ひばり : ……嘗めた動機ですよね。  ……すみません
アイス : ………(ぐしゃ、と前髪を掻いて) ……否、別に。
アイス : ……僕だって人の事は言えないし。(ボソリと) …別に、理由なんてそれぞれでいいだろう。
アイス : ……でも。 …じゃあ、
ひばり : ……、……
アイス : …お前にとってこの船は、押し付けられた貧乏くじなのか?
ひばり : そういう、、つもりじゃ……
アイス : ………、違う。 責めてるんじゃない、(はぁー、と息吐いて
アイス : ……、 この一ヶ月半、過ごしてみて、どうだった。
ひばり : それは…………
アイス : …やっぱり向いてなかったか? …実りのある旅だとは、思えなかった?
ひばり : …………
アイス : ……… 僕は。(答えるより先に
アイス : ……、 シドリーの料理大会で、お前も含めて4人で活動して。
アイス : 試作重ねて、やっとアイディアが出て、貫徹までして……
アイス : …3組同率だけどさ、優勝なんて結果が出せて。 
ひばり : ………、
アイス : ……良かったよ。 本当に、 僕みたいなのでも、
アイス : 頑張ったら、届くんだ――― …って。
アイス : 誰よりお前が、そう思わせてくれたんだよ。 僕に。
ひばり : ――、(ピク、と止まる その言葉は、 いや、誰かが付けたそのタイトルは――
アイス : ……お前のあんな顔、まさか見られると思わなかったし。
ひばり : …、、、、、、(伏し目がちに視線逸らす
ひばり : ……見ないように、って、言ったのに……
ひばり : (そんなの、無理な話だ。そもそもスライド大上映されてるし、端末でも――
アイス : ……ぁー、、、 だからさ、(急に決まり悪そうに
アイス : ……僕はお前には、…その、感謝してる、し、  
アイス : お前にとっても、あれは良い思い出だったんじゃないかって、 ……思ってたんだけど。
ひばり : それは………そう……です……けど……
アイス : ……… それでも嫌になるくらいの事があったのか?
ひばり : ………、、
ひばり : (そう比較すると、それは、ずるい。
ひばり : (確かに、色々はあったけど、 徹夜なんてするもんじゃないなんて思ったりもしたけど
ひばり : ……(俯く
ひばり : ……、って……(ポツリと
アイス : …… 、?
ひばり : だって ぇ……
ひばり : ど、、どうしようも……っ……なく、、って……
アイス : ――、 …… ぇ?
ひばり : 賢い、フリとか、、 バカに、とか 言われたって…… っ
アイス : ……ぇ、な、………え、、(動揺が隠せない
ひばり : 能力があるなら、、とか…… そんな、、そんなこと、、、言われたって……ッ…
アイス : ――、、(ハッと
ひばり : あたし、、だってめいいっぱいですよ、 っ、 精一杯、考えて、やるからには、って、やってるのに……!
ひばり : 何で、、何でこうなっちゃうのかな ぁ
ひばり : 上手くできるなら、誰か教えてよ…っ…
ひばり : 今から、でも…っ 何とか……何とか出来るなら、 誰か教えてよ……!
アイス : ………、 ……、 …、 
ひばり : ……、、、ッ 吐”く”から、耳塞いで っ(掠れた声で
アイス : 、!?(咄嗟に言われた通りに
ひばり : (――やり方なんてすっかり忘れてて。
ひばり : (子供が上げるような喚き声なんて、ちっとも出なかった。
ひばり : (寒くて暗い空を仰いで、口を開けて
ひばり : (うう、とか ああ、とか。 そういったくぐもった声が溢れるばかりだった。
アイス : ……、………、(ひばりの背を見つめて、そっと耳栓外して
アイス : ………雲城ひばり。
アイス : ……上手くできる方法は、僕にも分からない。
ひばり : ――っ、、ン、、……、、(ピク、と反応し、声を押し殺す
アイス : …今のお前に、どうしてやったらいいのかも、僕は分からないよ。
アイス : ……でも、
アイス : (ひばりに歩みを進めて、隣に並んで
アイス : 一緒に悩むなら、……出来ると思う、から。
アイス : (それは拙く、みじめで、へたくそなものに違いないだろう それでも
ひばり : …、、……、、(鼻啜って
アイス : …いきなり全部話せとか言わないさ。
アイス : お前はずっと、僕に遠慮してるし…、…言いたくない事だって、あるだろうし。
アイス : そもそも人に頼るの下手くそなんだろうし…
ひばり : ……、、、……散々……ですねソレ……っ…(拭って
アイス : ………お互い様だ、って事。(隣に並んで、ひばりの泣き顔を見ないよう海を見たまま
アイス : …もう少しさ。
ひばり : ……、、(グシグシ
アイス : …もう少しだけ……頑張ってみないか?
アイス : …僕達は、きっとその方が良い景色が見られる。
アイス : …あの時みたいに。 ……僕は、そう思うんだけど。
ひばり : ……、  それ、、、自分にも言ってます……?
アイス : …、少し。(視線斜めに逸らして
ひばり : ……、、………
ひばり : ……もう少し……だけですよ……、
アイス : …、(は、と隣を向いて
ひばり : ……無しですよ…… 途中で投げ出すのも…(ズビ、と啜って
アイス : …あぁ。…もう少しの間に、また良い思い出増やさないとな。
ひばり : ……ン……(返事がてら、ふと視線に気付いて
アイス : 、(目が合って
ひばり : ……こっち見ないで…(泣き腫らしただけじゃない、赤い表情で
アイス : 、 ぁ、あぁ(言われて、何か慌てて海に視線を戻す
ひばり : ……、、(暗い、夜の海。
ひばり : (寂しさの中に、少しだけ、心地よさを感じた気がした。
ひばり : ―――――
ひばり : ―――
ひばり : (少し後、ひばりの部屋前にて
ひばり : 今日は…… すいませんでした。 何か、ホント、色々……
アイス : いや……… 別に。
ひばり : ……でも、、少し、、元気が出ました。
アイス : …… そうか。(少し緩んで
ひばり : ……ありがとう、ございます。
アイス : ……いや。元気が出たなら、まあ良かったさ。
アイス : ……、 …まぁ、良く休めよ。
ひばり : ……、(コクリと
アイス : …… …じゃあ、僕はこれで。
ひばり : ……はい……その……(アイスの方見上げて
アイス : …、?
ひばり : ……。 おやすみなさい。
アイス : ……あぁ。おやすみ。
アイス : …また明日、な。
ひばり : ……。
ひばり : …………。(少し、緩んだ表情で返して
ひばり : (会釈しつつ、扉が閉まる――
アイス : …(ほのかに満足気に、じゃあ、と片手を挙げ
ひばりさんが退室しました
アイス : (踵を返し、自分の部屋へと
アイスさんが退室しました