■一般情報
3サイクルのシナリオである(PCが不慣れなら4サイクルにするとドラマシーンの難易度が緩和される。その場合結界の張り替えにかかる時間を4日に変更する)。
まず全PCに流派の指定があることに注意してほしい。
PC1は斜歯(特に指矩班)、PC2は鞍馬・比良坂のどちらか、PC3は隠忍・御斎以外で任意、PC4は隠忍である。
ただしPC4に関しては、隠忍ではないフェイクのキャラシートを用意し、他PCにはそちらのみを見せるという形で身分を隠す、という極めて特殊な方式を取る。野良卓など、それによりトラブルが生じやすいと思われる場合はこれをやめ、最初から隠忍のキャラシートを見せるものの身分は隠している扱いでRPする、というようにしてもよい。
また、シリアスなRPを推奨する(特にPC2とPC3)。【秘密】の段階でどのようなRPが必要かはPCも把握できるはずなので、適切なキャラを準備してもらうのが望ましい。シリアス推奨については全体に対しても周知した方がよいだろう。なおGMがシリアスできない場合はこの限りではない。
■特殊ルール
(PCにも公開)
- サイクル終了時のマスターシーンで、宝玉を狙う刺客が戦闘を仕掛けてくる場合がある。
- 刺客は一度セッションに登場したら、以後NPCとしてセッションに参加する。それまでは存在が分からず、情報判定や感情判定、及びシーンに出すことは不可能。
- 最初から持っているプライズをセッション終了まで保持することでも、「プライズの入手」による功績点を得られる。
■導入
宝玉を守っているのは比良坂機関である(不都合なら変えてもいい)。そのため導入は、比良坂機関の上忍がPC4人に対して「結界の張り替え時期が来た」「ひとつずつ守ってほしい」という旨を説明し、宝玉を渡す形となる。比良坂があからさまに不用心に見えるが、PC4人はそれだけ比良坂から信用されているシノビなのだ、と納得してもらおう。比良坂と敵対している隠忍や御斎のシノビが推奨できないのはそのためである。
■マスターシーン
特殊ルールの項でも説明したが、サイクル終了時のマスターシーンでは「刺客」であるNPC1,2が動く。
NPCは誰が何個宝玉を持っているかが見えており、その時一番多く宝玉を持っている者に対して二人で一緒に戦闘を仕掛ける(感情は持っていない。GM権限による特殊処理)。
NPCの持つ宝玉が合計で2つ以上になった場合(NPC2は最初から宝玉をひとつ持っていることに注意)、次のマスターシーンでNPC2が《召喚術》の判定を行い、シノビガミを復活させる。
演出→
甲賀聡が宝玉のセットされた機械に対し命令を送ると、部屋は稲妻で溢れる。光が収まるとそこには一人……いやひとつの「影」が佇んでいた。不完全な復活だからか、ゆらめくような曖昧な姿で、顔は見えない。「ここ……は?私は……死んだはず……」影がつぶやく。「私が復活させたのだよ。以前は無様な死にざまを見せおって……今度こそ私のために働いてもらうぞ」その言葉に、シノビガミは殺意を顕わにし、一瞬で甲賀聡に迫る。しかし甲賀聡が「何か」をつぶやくと、シノビガミはたじろぎ、怒りに満ちた表情をしながら攻撃を止める。
ここでNPC2からシノビガミに「不信」、シノビガミからNPC2に「殺意」の感情を互いに獲得する。
※NPC2はシノビガミに対して、NPC1に呪いを仕掛けていることを告げ、「いつでもお前の娘を殺せるぞ」と脅したのである。以後シノビガミは基本的にNPC2の命令に従う。
NPC2は「残りの宝玉はクライマックスフェイズにまとめて奪えばいい」と考えるため戦闘を仕掛けないが、NPC1は父を殺した(PC2の流派)への復讐のためPC2に単身戦闘を仕掛ける。ただし、NPC1の思考ルーチンが変化している場合は戦闘を仕掛けず、情報判定を行うなどする場合がある(シノビガミ復活前はNPC1についていくのを優先する)。下に思考ルーチンの変化をまとめるので、参考にしてほしい。
■NPC1の思考ルーチン
NPCは要求された場合シーンに登場する(NPCが率先して出るというよりGMが出す)。ただし一度【不意打ち】などを食らったら出ないかもしれない。
NPC1は、「シノビガミを復活させて、【天上天下】で父を復活させてもらおう」と考えている。父=シノビガミであることに気付いていないのだ。そのためにNPC2に自らの意志で協力している。PC3の兄弟(姉妹)であることは本人の【秘密】に記されているが、本人はこれを知らない。PC3の【秘密】を知った段階で知ることになる。
また、シノビガミ復活と同じタイミングで独自に調査を行い、「PC2は父を殺した刺客の生き残りだ」という情報のみを知る(その父がシノビガミだということはなぜか調べがつかない)ため、その後は「父の未練を晴らすため、PC2に復讐する」という目的で動く。
NPC1に特定のキャラクターの【秘密】を渡すことで彼女の思考ルーチンが変化する。
まず、PC2・NPC2のどちらかの【秘密】を知った場合、もしかしたらシノビガミが父かもしれない、と思うが、裏付けがなければ確信はしない。思考ルーチンの変化はない。
シノビガミの【秘密】を知った場合、上記と同様シノビガミが父かもしれないと思うと同時に、【天上天下】が使えない、つまりNPC1に騙されていたことを知り、次のマスターシーンで後述するイベントが発生する。その結果NPC2に自主的に協力するのではなく脅されて命令を聞くだけになる。復讐は考えなくなる。
PC3の【秘密】を知った場合、PC3が自分の兄弟(姉妹)であることを知り、シノビガミが父であることを確信するが、その場合PC2への復讐の優先度が再び上がるだけである。なおPC3に対しては特に悪い感情を持っておらず、「父の未練を晴らすため協力してほしい」と考える。PC3がシノビガミへの情報判定をするときに同行するかもしれない。
PC3とシノビガミの【秘密】を両方知った場合、父の仇がNPC2その人であると確信する。なおシノビガミのみの【秘密】を知った場合と同様、次のマスターシーンで後述するイベント(後述)が発生する。これ以降、PCが「NPC1がNPC2を裏切っても大丈夫な理由」をしっかりと提示しつつ説得RPを行うならば、NPC1はPCたちに協力する。これは戦闘中でも構わない。なおその理由は、「NPC2は、娘であるNPC1の生死を握っている、ということをダシにシノビガミに命令しているので、NPC1を殺してしまったらシノビガミを制御できなくなる」ことである。
NPC1がシノビガミの【秘密】を知った場合、次のマスターシーンに発生。
PC3とシノビガミの【秘密】の両方を知った場合の演出→
「……あなたは、人をなんだと思っているの」
「その様子だと気づいてしまったかな?アレが、誰なのか」
「ええ、気付いたわ。私が倒すべき相手は!あなただってこと!!」
夏勢待宵はローブを翻し攻撃を仕掛けようとするが……。
「ぐぅっ!?」
彼女の胸に鈍い痛みが走る。全身から力が抜けてゆく。たまらず床に倒れ伏してしまう。
「君の身体にもね、細工をさせてもらったのだよ。万が一にも私に刃向かわぬように」
「こんな……あなたはどこまで……!」
「君を手中に収めていれば、ヤツも私に手出しはできん。一石二鳥というわけさ」
NPC1の生命力を1減らす。NPC1がNPC2に刃向かう行動を取った場合、戦闘中なら1ラウンド、またはドラマシーンなら1シーンに1回、生命力が1減少することを明らかにする(即死の可能性があることは告げない)。
■バランス調整
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