アイネイアス

【元ネタ】ギリシャ神話、叙事詩「アエネーイス」
【CLASS】セイバー
【マスター】衛宮士郎
【真名】アイネイアス
【性別】男性
【身長・体重】190cm・85kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力B 耐久C 敏捷B 魔力C 幸運A+ 宝具EX
【クラス別スキル】
対魔力:B
 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
 大魔術、儀礼呪法を以ってしても、傷つけるのは難しい。

騎乗:C
 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、
 野獣ランクの獣は乗りこなせない。

【固有スキル】
神々の加護:A
 アフロディテやポセイドン、アポロンといった神々からの祝福。
 危機的な局面において優先的に幸運を呼び寄せる。

カリスマ:C
 軍団を指揮する天性の才能。団体戦闘において、自軍の能力を向上させる。
 カリスマは稀有な才能で、小国の王や集団のリーダーとしてはCランクで十分といえる。

仕切り直し:D
 戦闘から離脱する能力。

神性:A+
 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
 美神アフロディテを母に持ち、父アンキセスも主神ゼウスの血を引く半神である。
 アイネイアスの神霊適性は最高クラスといえるだろう。

【宝具】
『今なお在りし故国の剣(グラディウム・トロイア)』
ランク:EX 種別:対軍宝具 レンジ:0~99 最大捕捉:1000人
 トロイの王子パリスから託された王剣。この剣がある限りトロイは滅びないとされる。
 剣の形に固定化された固有結界であり一つの世界。真名解放と同時にその本来の姿を取り戻し、展開される。
 具現化される世界は、一つの軍勢が展開できるだけの広さを持つ石造りの広場。
 周囲に立ち並ぶ神殿や塔、城壁がそのまま外界との境界線になっている。
 その世界を舞台として英霊の座に働きかけ、トロイの救援を要請。それに応えた英霊を独立サーヴァントとして召喚する。
 召喚される英霊は、トロイ最大の勇将ヘクトル、その弟のパリス、リュキア王サルペドン、アマゾンの女王ペンテシレイアなど。
 その他にトロイア戦争において勇敢に戦った数多の将兵が加わり、軍勢を構成する。
 結界の維持は召喚された英霊全員で分担する為、発動後の燃費は良い。ただし、同じ理由から軍勢の過半数を失うと破綻してしまう。
 また、結界の展開と英霊召喚はアイネイアス一人が負担しなければならない為、その点では魔力の消耗は大きい。

【解説】
 ギリシャ神話に登場する半神の英雄。トロイア王家の傍系の生まれであるアンキセスと、女神アフロディテとの間に生まれる。
 生まれてすぐにニンフ(精霊)の元で養育されたアイネイアスは、敬虔で神への感謝を忘れない青年に育った。
 当初、トロイア戦争には関わっていなかったが、自身が住む都市をアキレウスが攻めた事をきっかけに、トロイア方で参戦。
 戦場ではヘクトルに次ぐ活躍を見せ、アキレウスらとの戦いで窮地に陥った際には母アフロディテを始めとする神々の助力を得た。
 アイネイアスは「この戦争を生き延び、彼の子孫がトロイアを再興する」運命を持っていたが故に、である。
 トロイア陥落の最中、老いた父アンキセスを背負って脱出。その手には、パリスから託されたトロイの剣があったという。
 同じく生き延びた人々と共に海を渡ったアイネイアスは各地を彷徨いながらも、イタリアのラティウムに上陸。
 現地の王女ラウィニア(一説にはオデュッセウスの孫娘)と婚約するが、この婚約を認めない周辺部族との戦争が勃発する。
 アイネイアスはこの戦争で命を落とすが、彼の子孫が王位を継承し、後に、新たなるトロイア――ローマを建国した。
 ローマの建国王ロムルスと古代ローマ最大の英雄ユリウス・カエサルは、彼の子孫とされる。


【元ネタ】ギリシャ・ローマ神話
【CLASS】セイバー
【マスター】
【真名】アイネイアス
【性別】男性
【身長・体重】182cm・71kg
【属性】秩序・善
【ステータス】筋力C+ 耐久A+ 敏捷B 魔力A 幸運A+ 宝具A++
【クラス別スキル】
対魔力:A
 A以下の魔術は全てキャンセル。
 事実上、現代の魔術師ではこのサーヴァントに傷をつけられない。

騎乗:A
 騎乗の才能。魔獣・聖獣までの獣とあらゆる乗り物を乗りこなせるが、
 幻獣・神獣ランクの獣は乗りこなせない。

【固有スキル】
授かりの英雄:A
 未来の王、あるいは未来の王を生むものとして、ギリシャ・ローマ神話では神々に最も寵愛された英雄。
 呪いのように積極的な原因がない限り、彼が何かに不足するということはない。
 尤も、それが常勝を意味する訳では全く無いが。

戦闘続行:A
 戦闘から離脱する能力。
 また、敗戦において自軍領地まで生きて辿り着く能力。

信仰の加護:A+
 信仰から生まれる精神と肉体の絶対性。
 ローマの祖となるべく、神々の意図を純粋に実現する者として、アエネアスは「信心深い(ピウス)」と形容される。
 アイネイアスは信徒の模範といえるまでの敬虔さを持ち、苦痛、苦難に挫けることがない。

神性:A
 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
 美の女神ヴェヌス(アフロディテ)の息子であり、死後神格化されたことから最高クラスの神性を持つ。

【宝具】
『敬虔なるは宿命の父神(ピウス・アエネーアース)』
ランク:A+ 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:一人
 自由意志を“運命”に明け渡し、目標の達成に関する事象全てに最適な展開を“実行する”能力。
 スキル「啓示」から派生した宝具で、実質効果はセイバーの一時的なオートパイロット化。
 発動中は精神干渉の全無効化、肉体と神造兵装のリミッター解除による出力の100%超過といった戦闘ボーナスに加え、
 聖杯戦争全体をメタ視したかのような神の視点に基づく行動をとる。この状態の彼に奇襲は一切通用しない。
 解除されると心身のギャップや発動中の言動により反動ダメージを受けるが、
 それは「信仰の加護」により和らげられる。
 アイネイアスは"人間としての自分"と"運命としての自分"を矛盾なく受け入れている。苦悩無く、ではないが。

『黄金縁取る見果てぬ未来(パーテル・インディゲス)』
ランク:A++ 種別:結界宝具 レンジ:0 最大捕捉:一人
 アエネアスの盾。
 ヘパイストスに対応するローマの鍛冶神ヴォルカヌスの作とされる。
 アキレウスの盾が天を囲う大海、戦争と平和、労働と祝祭――という「一つの世界」を表したのに対し、
 彼の盾に刻まれたのはロムルスから共和制、カエサル、そしてアウグストゥスへ続く「ローマの未来」であった。
 発動すれば、この盾はアイネイアスから『アエネイス』成立までの“千年の栄光”そのものとなる。
 あらゆる攻撃を“千年を閲したもの”とし、衰亡させ、時の彼方に追いやって防ぎ切る。

【Weapon】
『祈りの剣(クレメンティア)』
 鎧とともに“敬虔なるは宿命の父神(ピウス・アエネーアース)”に包括される形で宝具になっている、
 バルカンの手になる佩剣。「確実に死をもたらす剣」とされ、これによる“止め”は不死性や加護を貫通する。
 ハリウッドとは無縁なのでこの剣はパリスなんか知らないだろう。

騎乗物
 セイバーでは持ち込みこそないものの、そのライダー適性は高い騎乗スキルとして顕れている。
 神馬の血を引くという馬と戦車、またキュベレーの加護を受けた船団など、ライダークラスでの宝具候補は多い。

【解説】
 トロイアの後継者。
 アンキセスと美の女神アフロディーテの子。
 英雄ヘクトールに次ぐトロイア方の勇将として知られるトロイア戦争の英雄。
 『イリアス』ではアイネイアスとその子孫がプリアモスの王統に替わってトロイアの王となる定めとされ、
 ホメロスはアイネイアスとプリアモスの間の確執を示唆した。
 未来の王であるアイネイアスは神々から寵愛を向けられ、
 ディオメデスやアキレウスと戦って窮地に陥る度に神々に救われている。
 イリオスが陥落したときもギリシャ人に捕らえられることなく生き延びたとされる。
 古い伝承ではトロイアの再興が語られたと思われるが、やがて外地に新たな王国を打ち立てたという伝説に転化し、
 いつしかそれがイタリアに伝来した。
 ラテン語でアイネイアスはアエネアスと読まれる。
 経緯不明ながら始祖伝説と結びついた"アエネアス"伝説の決定版は
 元首政の初頭に成立した『アエネイス』という傑作叙事詩であり、
 これにはカルタゴの女王ディードーとの悲恋や
 ラウィニアとの結婚、トゥルヌスとの戦争を通じたラテン人とトロイア人の結合が描かれる。
 ウェルギリウスはこれを未完に終わらせたが、リウィウスやオウィディウスが伝えるところでは、
 アエネアスは死後、インディゲス神(おそらくは『土着の神』や『祖先神』を意味した)に神格化されたという。
 ロムルスとレムスの遠い祖先としてのアエネアスの神話は当時既に周知されたものだったが、
 詩人はアスカニオスとユールスを同一人物としてユリウス家の正統化を図っている。
 この設定はアエネアスの直系がロムルスの系譜を凌ぐ正当な権威を有しており、
 オクタウィアヌスが最終的に採用した「アウグストゥス」が
 「ロムルス」に優る称号であることも示したのだろう。
 オクタウィアヌスとアエネアスを重ね、当時のイタリアの政治状況を反映した描写も散見されるという。
 槍の戦神クィリヌスと祖神インディゲスでは結構な格差があるが…。
 ちなみに時代差が考慮されていなかった古い時代には、ロムルスはアエネアスの孫の位置に当て嵌められていたという。
 また中世において、アーサー王を含むブリテンの王統の起源とされたトロイのブルータス
 大抵の場合アエネアスの血を引くとされた。さすがインディゲス(父祖神)。だがアルトリア顔はやめてくれ。

 アエネイスで彼に付される形容語句で最も多いのがピウス(敬虔な)、次いでパテル(父なる)。
 ウェルギリウスは主人公が神の意志に沿う行いをする時に前者の語を用い、
 自分の意志を発揮するような時に後者の語を用いたという。
 例えば、喜々としてディードーと話すアエネアスはパテル、
 メルクリウスの叱責に従ってディードーを見捨て、船出する彼はピウスである。
 神々の定めたもう運命に忠実であることこそ最も敬虔な行いであり、滅私はまさしく最大の公徳であるが――
 だれにとっても酷な道であった。

 セイバーでは神の加護を攻撃的に(なにせトゥルヌスを殺したのもピウス・アエネアスなのだから)編成した
 宝具(『敬虔なるは宿命の父神』)を持つが、仮にシールダーやライダーで呼ばれた場合は緊急回避の宝具として成立する。
 幾つかのクラスではインディゲス神("ユピテル・インディゲス")としての能力も宝具化するらしい。
最終更新:2020年03月22日 20:34